ガンマとは、簡単に言えば、コンピュータのモニタのようなデバイスや写真のイメージによって生成されるコントラストの測定単位であり、中間トーン値の輝度です。ガンマ補正の表示とレンダリングは、イメージの見栄えを調整してディスプレイ システム間の比を補正するときに役立ちます。
カラーの表現上で発揮するガンマの最大の効果は、全体の輝度の変化です。ガンマ値が高くなるほどイメージ全体が明るくなります。ガンマの変化は特にカラーの表現の色合いにも影響します。
Softimage で正しくイメージを操作し、それらのイメージに必要なガンマ補正を正確に設定するには、次のことを知っておく必要があります。
ガンマ補正全般の詳細については、「Gamma, Linear Color Space and HDR(ガンマ、リニア、カラースペース、および HDR)」(「Softimage Wiki」)を参照してください。
Softimage では、さまざまな方法でガンマ補正イメージを表示およびレンダリングできます。これらのオプションとツールについては、マニュアル全体を通して説明されていますが、ここでも簡単に記載しておきます。
カラー マネージメントの表示プリファレンスを定義できます。このプリファレンスでは、LUT ファイルで指定した値または[Display]プリファレンス(「プリファレンス リファレンス」)の[カラー マネージメント]タブで設定した RGB ガンマ値のグローバル ルックアップ テーブルのビルドを保存します。
グローバル プリファレンスで指定したガンマ補正を表示するツールやコントロールを選択できます。[Display]プリファレンス(「プリファレンス リファレンス」)の[カラー マネージメント]タブで[適用先...](Apply To...)チェックボックスのオプションを設定し、レンダ領域、シェーダボール、レンダ プレビュー、および Softimage 内のほとんどのカラー コントロール ウィジットでガンマ補正の表示のみを実行できるようにします。
また、ガンマ補正の表示では、すべてのカラー スライダ(グラディエント スライダ付き)、カラー チップ、およびカラー エディタ内の各種のカラー ビューのオン/オフを直接切り替えることができます。特定のカラー ウィジットのガンマ補正をオフにすると、ローカルでのみこのウィジットはオフになります。グローバル カラー マネージメント表示プリファレンス設定は変更されません。
詳細については、「カラー プロパティを定義する」(「インタフェースおよびツール」)および「グラディエントの作成」(「テクスチャリング」)を参照してください。
該当するパスの[レンダパス]プロパティ エディタ(「プロパティ リファレンス」)の[ディスプレイ ガンマ補正の適用](Apply Display Gamma Correction)チェックボックスをオンにして、パスのガンマ補正イメージをレンダリングすることができます。レンダ パスは、グローバル カラー マネージメント表示プリファレンスで設定したガンマ値で出力されます。イメージのピクセルは出力に応じて変化します。
Softimage は、すべてのイメージ クリップをリニア浮動小数点データに変換します。各イメージ クリップを正確に変換およびレンダリングするには、イメージが作成されたカラー スペースに対応したカラー プロファイルを選択します。このオプションによって、mental ray に対して、ガンマ補正データが保存されるかどうかなど、イメージ クリップを現在のカラー スペースからリニア浮動小数点カラー スペースに(必要に応じて)変換する方法が示されます。カラー プロファイルの指定および個々のイメージ クリップのユーザ定義ガンマ補正のレンダリングの詳細については、[Image Clip]プロパティエディタの[調整]タブの[ カラープロファイル]オプション(「プロパティ リファレンス」)を参照してください。
便宜上、通常入力イメージの作成に使用されるカラー スペースを mental ray に宣言するカラー プロファイル プリファレンスを設定できるので、デフォルトで新しく作成されたすべてのイメージ クリップはそれに従って変換されます。レンダリング設定の[カラープロファイル]オプション(「プリファレンス リファレンス」)を参照してください。
.hdr フォーマットまたは .exr フォーマットで保存された HDR ファイルで作業をしている場合は、Softimage のいくつかの場所から露出を調整して、表示ガンマを補正できます。詳細については、「HDR イメージの露出および表示ガンマを調整する」を参照してください。
Fx Viewer で[表示]>[ビューア設定]を選択し、ガンマのルックアップ テーブルをオンにした後、[ガンマ]または[Cineon]を選択して対数の色空間に保存されたイメージを適切に表示することができます。「[Fx Viewer Settings]ダイアログ ボックス」(「プロパティ リファレンス」)を参照してください。
Fx Tree で、イメージのガンマを補正できる数多くのオペレータをロードすることができます。
カラー調整オペレータを使用すると、クリップをカラー補正できます。色補正、HSV 調整、Lin2Log、Log2Lin、コンポーネントパーサ、およびピクセル パーサーを使用してガンマ補正を行うことができます。パーサ エクスプレッションを使用する(「Fx オペレータ リファレンス」)のガンマの例を参照してください。
Keyer(「Fx オペレータ リファレンス」)はコンポジット オペレータの 1 つで、マット操作、およびガンマ補正を含む色補正のための包括的機能を備えています。
入力ファイル(「Fx オペレータ リファレンス」)はイメージ オペレータの 1 つで、HDR イメージで表示のみのガンマ補正を実行できます。
[Preferences: Compositing]プロパティ エディタ(「プリファレンス リファレンス」)では、Fx Tree で操作する際に、Cineon/DPX イメージ ファイル変換の各種のプリファレンスを設定できます。ここでは、フィルムと表示ガンマ補正の両方の設定を調整できます。
Render Tree で、[Render Tree の使い方]シェーダや[Simple Tone Mapping(mia)(シンプルトーンマッピング(mia))]シェーダ(「シェーダ リファレンス」)などのイメージのガンマを補正できるシェーダをロードし、接続することができます。
[レンダマップ]プロパティ エディタ(「プロパティ リファレンス」)の[サーフェイス マップ設定]タブでは、[Rendermap]プロパティまたは[Rendervertex]プロパティを使って作成したサーフェイス カラー マップに対して基本のガンマ補正を実行することができます。詳細については、「[レンダマップ]プロパティ エディタ」(「プロパティ リファレンス」)を参照してください。
[imf_info] スタンドアロンは、指定されたすべてのイメージに関する情報をスプレッドシート様式のレイアウトで表示します。この情報には、イメージの幅と高さ、カラー コンポーネントの数、ビット深度、ガンマ、行の順番、イメージ タイプ、およびイメージ フォーマットが含まれます。
[imf_diff] スタンドアロンは、2 つのイメージ ファイルを比較します。イメージ ファイルが比較され、比較結果の要約が出力されます。出力イメージを指定した場合には、差異を表示したイメージがヒストグラム付きで出力イメージに書き込まれます。また、出力イメージでガンマ補正を実行することもできます。
詳細については、「イメージ ファイル情報の取得」(「スタンドアロン」)を参照してください。