[mental ray Render Options]プロパティ エディタ
 
 
 

| レンダリング | レンダタイプ

mental ray レンダラを使用してシーンをレンダリングする方法を定義します。レンダリング方法、サンプリング、エフェクト、および最適化をコントロールできます。

表示するには、以下のいずれかの操作を行います。

レンダリング

1 次レイ

タイプ(Type)

[レイトレース](Raytracing): レイトレーシング レンダリング アルゴリズムをアクティブにします。オンにすると、反射と屈折をレンダリングできます。オフにすると、環境マップを実行しても、光線を屈折しないトランスペアレンシが依然として作用します。

[スキャンライン](Scanline): スキャンライン レンダリング アルゴリズムをアクティブにします。このアルゴリズムはレイトレーシングより高速ですが、レイトレーシングほどリアルな結果は得られません。スキャンライン オプションが選択されている場合、次の点に注意してください。

  • 反射光線はキャスティングできません。屈折光線はトランスペアレンシ レイとして計算されます。

  • レンズ シェーダは光線の原点と方向を変更できません。

  • 影付きのフル レイ トレース モーション ブラーでなく、より高速のスキャンライン モーション ブラーが使用されます。

  • レイ トレーシングされたシャドウでなく、シャドウマップされたシャドウを作成します。

[ラスタライザ](Rasterizer): モーション ブラーが多いシーンでのモーション ブラーのレンダリングを最適化します。レンダラ タイプを[ラスタライザ]に設定すると、モーションのステップオプション グループで説明されている特別なサンプリング オプションを設定できます。

サンプリング/エイリアシング

統一されたサンプリング(Unified Sampling)

統一されたサンプリングをアクティブにします。統一されたサンプリングは、すべてのレンダリング アルゴリズムに対する簡単で一貫性のあるコントロールを備えた新しいサンプリング方法を提供します。

このオプションをオンにすると、[サンプリング](Sampling)の制御が使用可能になります。

このオプションがオフになっている場合、各アルゴリズムに古いサンプリング メソッドが使用されます。結果を制御するには、[エイリアシング(レイトレース&スキャンラインのみ)](Aliasing (Raytracing & Scanline Only))および[サンプリングコントラスト](Sampling Contrast)設定を使用します。

サンプリング

これらのコントロールは、[統一されたサンプリング](Unified Sampling)が有効である場合のみ使用できます。統一されたサンプリングにより、すべてのレンダリング アルゴリズムに対して簡単で一貫性のある制御を実行できます。ピクセルに対して取得されるサンプルの数は、常に[最小](Minimum)[最大](Maximum)の間の数です。この範囲内の正確な値は、主に[品質]により決定されます。 サンプルのレベル間の差が切捨て値よりも小さい場合は、[切捨て](Cutoff)を設定してサンプルの取得を中断することもできます。

最小(Minimum)

ピクセルごとの最小サンプル数。[品質](Quality)[カットオフ](Cutoff)に関係なく、常に最小数のサンプルが取得されます。

値が 1.0 の場合はピクセルごとに 1 つ以上のサンプルを意味します。値が高いほどオーバーサンプリングになり、低いほどアンダーサンプリングになります。

この値は、[ラスタライザ](Rasterizer)アルゴリズムでは使用されません。

最大(Maximum)

ピクセルごとの最大サンプル数。指定された数のサンプルに達した場合、[品質](Quality)[カットオフ](Cutoff)に関係なく、それ以上サンプルは取得されません。

値が 1.0 の場合はピクセルごとに最大 1 つのサンプルを意味します。値が高いほどオーバーサンプリングになり、低いほどアンダーサンプリングになります。

この値は、[ラスタライザ](Rasterizer)アルゴリズムを使用している場合、[ピクセルサンプル](Pixel Samples)と一致します。

品質(Quality)

[最小](Minimum)[最大](Maximum)の間の範囲で、サンプルの数をコントロールします。これは相対測定です。領域のエラーが多くなると、取得されるサンプル数が増えます。標準的な値は 0.0 と 1.0 の間ですが、これより大きい値を設定することができます。

この値は、[ラスタライザ](Rasterizer)アルゴリズムを使用している場合、[シェーディングサンプル](Shading Samples)と一致します。

切捨て(Cutoff)

サンプリング エラーしきい値。サンプルのレベル間の差がこの値より小さい場合、[品質](Quality)または[[最大](Maximum)で設定されているサンプル数にまだ達していなくても、これ以上サンプルは取得されません。これは、詳細で明るい領域の品質に影響を与えずに、フラットで暗い領域のパフォーマンスを向上させるのに役立ちます。

この値は、[ラスタライザ](Rasterizer)アルゴリズムでは使用されません。

エイリアシング(レイトレース & スキャンラインのみ)

最小レベル(Min Level)

サンプリング レートの最小値を指定します。0 を指定すると、すべてのピクセルが最低 1 回サンプリングされます。既定は -1(2 ピクセル× 2 ピクセルの正方形 1 つに対して 1 サンプル)です。この値が小さすぎると、サンプリングに漏れた場合に小さな形状が失われることがあります。フィルタを使用する場合は、[最小レベル]の値を -1 以上に設定してください。

最大レベル(Max Level)

サンプリング レートの最大値を指定します。ピクセルごとのカラーを決定するために、計算して平均をとるポイント数を指定します。既定は 1(各ピクセル内の 2 サブピクセル× -2 サブピクセルの正方形)です。フィルタを使用する場合は、[最大レベル]の値を 1 以上に設定してください。

モーション サンプル(Motion Samples)

各カラー サンプルで取得されるモーション サンプルの数を指定します。

詳細については、「エイリアシング」(「レンダリング」)を参照してください。

サンプリング コントラスト

サンプリング コントラスト(Sampling Contrast)

赤、緑、青、アルファの各スライダによって、チャンネルごとにアダプティブ スーパーサンプリング方式のコントラストのしきい値を設定します。隣接するサンプリング エリア間のコントラストが、R、G、B、A のカラー値より大きい場合、エリアは[最大レベル]の値に達するまで分割され、再サンプリングされます。

R、G、B、および A の標準的な値は 0.1 です。0.2 や 0.3 などの値は品質を下げ、より低い値で品質が向上します。0.05 よりも低い値では、たいていの場合、それ以上品質は向上しません。R、G、B、A は個別に指定できます。これによって、生理学的に正しいコントラスト値を指定できます。人間の目は、青や赤よりも緑のさまざまな色合いに敏感で、青の色合いはほとんど区別できません。マット(アルファ)チャンネルが不要な場合、A の値は 1.0 に設定する必要があります。A を R、G、B よりも低く設定して、カラー イメージよりも品質の高いマット チャンネルを生成することも可能です。

高品質のレンダリングの場合、[最小レベル]パラメータおよび[最大レベル]パラメータを調整する必要があります。ラスタライザでは、[サンプリングコントラスト]設定または[最小レベル]/[最大レベル]設定を使用しません。

詳細については、「サンプリングコントラスト」と「アンチエイリアス、サンプリング、フィルタリングのためのヒントとコツ」(「レンダリング」)を参照してください。

ラスタライザ

シェーディングサンプル(Shading Samples)

サーフェイスがサブディバイドされる三角形の描画時に(ピクセルごとに)使用するサンプル数を指定します。

[シェーディングサンプル](Shading Samples)を設定すると、ビューに依存したテッセレーションに関して、テッセレーションされた(モザイク状の)プリミティブのサイズをコントロールできます。この値は、本来、ピクセルごとの三角形の数です。各三角形に 1 つのシェーディング サンプルがあるため、この値は、交差の各レイヤについて、ピクセルごとのシェーディング サンプルの数を表します。すべてのオブジェクトが不透明である場合は、シーンの合計シェーディング サンプルは、この数字にピクセル数を掛けたものとほぼ同じになります。[シェーディングサンプル]の既定である 4 を設定すると、ピクセルごとに 4 つの三角形になります。この値が 1 より高くなるほど、品質が向上します。

  • モーション ブラー シーンの場合、通常は設定値 5 または 6 で十分です。

  • 静的なシーンの場合や、サーフェイスのサンプリング結果として 1 ピクセル以上の三角形が描画されるシーンの場合、設定値は 1 が適切です。

[統一されたサンプリング](Unified Sampling)が有効である場合、代わりに[サンプリング](Sampling)グループの[品質](Quality)設定を使用します。

ピクセル サンプル(Pixel Samples)

[ピクセルサンプル](Pixel Samples)を調整すると、サブディバイドされた三角形を描画する際にピクセルごとに使用されるサンプル数を指定できます。ピクセルごとにいくつのサンプルが使用されるかを決定する式は、n x n です。n は、このオプションで指定した数です。たとえば、既定値 4 ではピクセルごとに 16 サンプルになります。

ピクセル エッジに沿って定義されているピクセル サンプルは 1 と等しくなります。

ピクセル エッジに沿って定義されているピクセル サンプルは 2 と等しくなります。

モーション ブラー オブジェクトの場合は、レンダリングされたピクセルごとに使用されるサンプル数になります。これは、指定した時間にピクセルをサンプリングした場合に、そのピクセル内にオブジェクトが存在したり、しなかったりするためです。

[統一されたサンプリング](Unified Sampling)が有効である場合、代わりに[サンプリング](Sampling)グループの[最大](Maximum)設定を使用します。

モーション サンプル(Motion Samples)

[モーションサンプル](Motion Samples)を設定すると、各三角形のフレーム時間にわたって複数のシェーディング サンプルを設定できます。このオプションでは、シャッターが開いている間にシェーディング サンプルが何回使用されるかを指定します。つまり、移動する三角形それぞれに、ここで指定した数だけのシェーディング サンプルが格納されます。

サンプルは、0、1/n、..、n-1/nというタイミングで使用されます。nは、このオプションで指定した値です。

複数のシェーディング サンプルを使用すると、発生するアーティファクトを削減できます。たとえば、ブラー適用時に、反射オブジェクトはその固定反射をモーション全体で「引きずり」ます。シェーディング サンプルは、シェーディング プロセス中に変化するあらゆるもののオーバサンプリングとして機能します。

モーション係数(Motion Factor)

オブジェクトの動きが速ければ速いほど低いシェーディング周波数を使用するなど、シェーディング サンプルを調整するための自動係数を設定します。

0.0 より大きい値を設定すると、高速で移動するオブジェクトのシェーディング サンプルが自動的に低くなり、オブジェクトの設定と速度の値に比例したレートになります。まず、1.0 に設定して、そこから調整を始めるとよいでしょう。この値を 0.0(既定)に設定すると、この機能が無効になります。

最大深度(Max Depth)

ラスタライザがシェーディング サンプルを合成する最大深度を設定します。この設定は、カメラから離れた多くの後続サンプルが、最初のいくつかのサンプルほど最終ピクセルに影響を与えないことがわかっている場合に、ヘアのレンダリングとシーンの速度を高めるために使用できます。

正の値を設定すると、ラスタライザは指定された深度でトランスペアレンシの合成を終了します。この値を 0.0(既定)に設定すると、無制限になります。

モーション ブラー レンダリングの最適化の詳細については、「ラスタライザ」(「カメラとモーション ブラー」)を参照してください。

モーションのステップ

変換(Transform)

シャッター時間の最初と最後におけるオブジェクトのモーション データ間の線形補間に基づいて、モーション ブラーが計算されます。補間値を大きくするほど、これら 2 つのポイント間のステップが増えて、連続するステップの間が線形補間されます。これにより、回転オブジェクトに対するブラー処理の結果を飛躍的に向上できます。補間方法の値は 15 以下でなければなりません。

デフォーメーション(Deformation)

シャッター時間の最初と最後におけるオブジェクトのモーション データ間の曲線補間に基づいて、モーション ブラーが計算されます。補間値を大きくするほど、これら 2 つのポイント間のステップが増えて、連続するステップの間が曲線補間されます。これにより、アニメートされたデフォメーションに対するブラー処理の結果を飛躍的に向上できます。補間ステップは、準モンテカルロ法を使ってオブジェクトのモーション データにランダムに配置されます。[デフォーメーション]スライダでは、1~8 の値を指定できます。より大きい値を手動で入力することもできますが、15 以上の値は入力できません。8 を超える値を入力すると、レンダリング時間が大幅に増大する点に注意してください。

有効にされた機能

[有効にされた機能]オプションを使用すると、高速なプレビュー レンダリングを実現するために、さまざまなタイプのシェーダを切り替えることができます。既定では、すべてのシェーダ タイプが有効になっています。無効にしたタイプのシェーダは使用されません。

シェーダとその使い方の詳細については、「シェーダ ライブラリ」(「マテリアルとシェーダ」)を参照してください。

ジオメトリ シェーダ(Geometry Shaders)

ジオメトリ シェーダを有効にします。

ディスプレイスメントシェーダ(Displacement Shaders)

ディスプレイスメント シェーダをオンにします。

レンズ シェーダ(Lens Shaders)

レンズ シェーダをオンにします。1 次レイがカメラによってキャスティングされる場合に使用します。レンズ シェーダは光線の原点と方向を変更すると、標準のピンホール カメラ以外のカメラを実装できます。また、1 次レイの結果を変更すると、レンズ フレアなどのエフェクトを実装できます。

ボリューム シェーダ(Volume Shaders)

ボリューム シェーダをオンにします。オブジェクトを通過するときに光線を変更し、クラウド、スモーク、ファイアなどのエフェクトをシミュレートします。

アウトプット シェーダ(Output Shaders)

アウトプット シェーダをオンにします。ファイルへの書き込み、フィルタ、他のファイルとのコンポジット、さまざまなファイル フォーマットへの書き込みなどを行う前にレンダリング イメージを操作します。

ヘアジオメトリ(Hair Geometry)

現在のパスでジオメトリ ヘアのレンダリングを有効にします。

ヘアのレンダリングの詳細については、「ヘアをレンダリングする」(「ヘア」)を参照してください。

ライトマップ(Lightmaps)

ライトマップ シェーダをアクティブにします。

最適化

レンダタイプ

レンダタイプ(Render Type)

  • [すべてレンダ](Full Render): レンダ オプションのセット全体に従って、シーンをレンダリングします。

  • [ライトマップのみ](Lightmaps Only): シーンで使用されるライトマップ シェーダに必要なライトマップのみをレンダリングします。

  • [ファイナル ギャザリングのみ](Final Gathering Only): シーンで必要とされるファイナル ギャザリング マップのみを生成します。ファイナル ギャザリング マップの詳細については、「ファイナル ギャザリング」(「間接照明」)を参照してください。

  • [フォトン マップのみ](Photon Maps Only): シーンで必要とされるフォトン マップのみを生成します。フォトン マップの詳細については、「グローバル イルミネーションとコースティクス」(「間接照明」)を参照してください。

重いシーン用

最適化

重いシーンの最適化用のパラメータを自動的に設定します。「スケーラビリティの大規模シーンを最適化する」(「レンダリング」)を参照してください。

デフォルトに復帰

重いシーンの最適化パラメータを、それぞれの既定値にリセットします。

1 次レイ

[レンダリング]タブで指定されているものと同じレンダリング アルゴリズムにすばやくアクセスできます。

タイプ([type])

[レイトレース](Raytracing): レイトレーシング レンダリング アルゴリズムをアクティブにします。オンにすると、反射と屈折をレンダリングできます。オフにすると、環境マップを実行しても、光線を屈折しないトランスペアレンシが依然として作用します。

[スキャンライン](Scanline): スキャンライン レンダリング アルゴリズムをアクティブにします。このアルゴリズムはレイトレーシングより高速ですが、レイトレーシングほどリアルな結果は得られません。スキャンライン オプションが選択されている場合、次の点に注意してください。

  • 反射光線はキャスティングできません。屈折光線はトランスペアレンシ レイとして計算されます。

  • レンズ シェーダは光線の原点と方向を変更できません。

  • 影付きのフル レイ トレース モーション ブラーでなく、より高速のスキャンライン モーション ブラーが使用されます。

  • レイ トレーシングされたシャドウでなく、シャドウマップされたシャドウを作成します。

[ラスタライザ](Rasterizer): モーション ブラーが多いシーンでのモーション ブラーのレンダリングを最適化します。レンダラ タイプを[ラスタライザ]に設定すると、特別なサンプリング オプションを設定できます。

メモリ制限(mental ray)

[メモリ制限](Memory Limit)をアクティブにすると、シーンのレンダリング時に mental ray で使用できる仮想メモリのサイズを指定できます。この設定を非アクティブにすると、メモリ上限は設定されません。

有効(Enable)

レンダリングに使用するメモリ領域の制限をアクティブにします。

上限(MB)(Limit (MB))

メモリの上限を、ユーザがメガバイト(MB)単位で指定した値に制限します。

2 次レイ - 深度

2 次レイを有効にすることによって、反射および屈折がレンダリングされるかどうかをコントロールできます。2 次レイがアクティブな場合、[2 次レイ - 深度](Secondary Rays - Depth)の設定を調整して、シーンの反射および屈折の量を適切にする必要があります。

深度は、レイトレーシング プロセスで光線が反射または屈折する回数を表します。光線が反射または屈折するたびに、レイ ツリーの新しいブランチが作成されます。

正確なイメージには大きい値を、レンダのプレビューには小さい値を使用します。また、小さい値を使用すると、シーンでのレンダリングが高速になり、反射や屈折はほとんどなくなります。

有効(Enabled)

反射および屈折の 2 次レイをアクティブにします。

反射(Reflection)

シーンにおける光線の反射の最大ブランチ数を設定します。たとえば、反射率が 100% のシーンでは、光線はシーンのいたるところで連続的に反射するので無限のブランチが作成されます。このオプションによって、このような計算の上限を設定できます。

屈折(Refraction)

シーンにおいて光線が屈折する回数の最大値を設定します。たとえば、いくつかのスムーズな面がある屈折率の高いオブジェクトでは、屈折光線はシーンのいたるところで連続的にバウンスするので、無限のブランチが作成されます。このオプションによって、このような計算の上限を設定できます。

結合(Combined)

光線が屈折する回数と屈折する回数の合計に上限を設定します。

タイルの順序

各フレームは一度に 1 タイルにレンダリングされます。タイルに関しては、サイズおよびレンダリング順序を設定することができます。

順序(Order)

[タイルの順序](Tile Order)は、順序(正確には、タイルのレンダリング パターン)を指定します。以下の 2 つの設定が可能です。

  • [ヒルベルト](Hilbert): ヒルベルト カーブで定義されたパターンでタイルをレンダリングします。特に大きなメッシュをレンダリングするときによく使用する設定です。

  • [螺旋](Spiral): 螺旋パターンでフレームのセンターから外に向かってタイルをレンダリングします。

タイル サイズ

各フレームは一度に 1 タイルにレンダリングされます。タイルに関しては、サイズおよびレンダリング順序を設定することができます。

サイズ(Size)

[タイル サイズ](Tile Size)では、イメージをレンダリングするときに使用されるタイルのサイズを定義できます。通常、実行速度の異なるホストやスレーブがある分散レンダリングを実行する場合は、タイル サイズを小さめに設定します。

小さめのタイル サイズを割り当てることにより、処理速度の遅いスレーブが大きなタイルをレンダリングする時間を、処理速度の速いホストやスレーブが待機することで生じる遅延を回避できます。

ジオメトリ

メッシュ分割係数(Mesh Splitting Factor)

レンダ時には、Softimage によって大型オブジェクトが多数のパーツに分割され、各パーツが個別に計算されます。分割後はオブジェクト データを少しずつ mental ray レンダラに送信し、必要なオブジェクトの部位のみをリクエストするためにコールバック システムを使用します。

このオプションは、メッシュの分割時に作成した部位のサイズ(三角形)と数に影響します。既定値の 1 は、指定のメッシュが計算によって適切であると判断された部位数に分割されます。この係数値を 0.5 などの低い値に設定すると部位数は倍になりますがサイズは半分になります。

詳細については、「メッシュを分割する」(「レンダリング」)を参照してください。

ジオメトリ面の可視(Visible Geometry Side)

既定では、オブジェクトのフェイスは両面、つまり、法線がカメラに向いているフェイスと向いていないフェイスの両方がレンダリングされます。必要に応じて、オブジェクトの一方のフェイスだけをレンダリングすることができます。この場合、他方のフェイスは無視されます。

たとえば、[フロント]を選択すると、カメラに向いているポリゴンだけがレンダリングされます。シーンの中で、オブジェクトの裏のフェイスがシーン構築には関係ない場合は、このオプションを選択する必要があります。

最高品質のイメージを得るには[両面]を選択する必要があります。また、両面がある透明なオブジェクトをレンダリングしている場合も、[両面]を選択する必要があります。

  • [両面](Both): オブジェクトの正面と背面の両方をレンダリングします。

  • [フロント](Front): オブジェクトの正面(法線がカメラに向かっている面)のみをレンダリングします。

  • [バック](Back): オブジェクトの背面のみをレンダリングします。

レンダ前にディスプレイスメントをサンプル(Sample Displacement Before Rendering)

このオプションは、計算用の適切なバウンディング ボックスを mental ray に提供することにより、ディスプレイスメントのレンダリングを高速にします。

プリサンプルによって、ディスプレイスメントされたオブジェクトをレンダリングするときの起動時間は長くなりますが、実際のレンダリング自体はかなり高速になります。総体的な利点は、作業効率の向上です。ただし、イメージ全体の表示にかかる時間にかかわらず、最初のピクセルをできるだけすばやくプレビューする場合は、このオプションを無効にすることもできます。既定はオンです。

有効にすると、mental ray は、計算用の適切なバウンディング ボックスを取得するためにレンダリングを行う前に、オブジェクトに対して大まかなディスプレイスメントを実行します。これは、最大ディスプレイスメント パラメータが非常に低く設定されている場合に特に便利です ([ジオメトリ アプロクシメーション]>[ディスプレイスメント]>[最大 ディスプレイスメント])。

無効にすると、mental ray はオブジェクトの現在のバウンディング ボックス(元のディスプレイスメントされていないメッシュをサンプル)および最大ディスプレイスメントを使用して、オブジェクトがレンダリングされているタイルの一部であるかどうかを判断します。この場合、最大ディスプレイスメントの設定が低すぎると、最終的にオブジェクトが一部のレンダリングされたタイルから消失してしまう場合があります。

モーションベースのディスプレイスメント品質(Motion-Based Displacement Quality)

このオプションで 0.0 より大きい値を設定すると、オブジェクトが画面上で移動する速度に基づいて、オブジェクトにレンダリングされるディスプレイスメントの度合いを自動的にコントロールできます。移動オブジェクトのディスプレイスメントの詳細の自動削減は、膨大なテッセレーションのデータ量を大きく削減でき、レンダリング処理とメモリ容量に大きく影響します。

移動させたジオメトリには適用されたジオメトリ アプロクシメーション プロパティが含まれ、モーション ブラーがレンダ領域やレンダ パスで有効になる必要があります。「ジオメトリ アプロクシメーションを適用および編集する」(「シーン エレメント」)および「モーション ブラーを定義およびレンダリングする」(「カメラとモーション ブラー」)を参照してください。

移動速度の速いオブジェクトの場合、モーションベースのディスプレイスメント係数を設定してディスプレイスメントの度合いを低くすることにより、静的なオブジェクトや動きの遅いオブジェクトと比べて、同等の外観を持つイメージとすることができます。

オブジェクトごとにディスプレイスメント アプロクシメーションを調整することは可能ですが、この方法では時間がかかりすぎ、実際的ではありません。さらに、標準的なディスプレイスメント アプロクシメーションの計算では、オブジェクトのさまざまなパーツにさまざまな量のモーションがあることが考慮されていません。[モーションベースのディスプレイスメント品質]により、特定のオブジェクト パーツのモーション量に応じて自動的にディスプレイスメント品質を調整することができます。ジオメトリは、強いモーションのあるオブジェクト領域においてのみ減少します。

このオプションを 0.0 に設定するとこの機能が無効になり、モーションに基づいてディスプレイスメントの度合いが減らされることはありません。既定値の 1.0 を使用すると、品質とレンダリング速度のバランスがとれた結果となります。1.0 より大きい値では特定のモーション ユニットのディスプレイスメント度合いがさらに低下し、1.0 より小さい値では静的オブジェクトに対する品質が高まります。

値を 1.0 に設定すると、フレームあたりおよそ 16 ピクセルのモーションにジオメトリ単純化の効果が表れます。動きの遅いオブジェクトほど、大きい値を使用してください。たとえば、値を 8 に設定すると、フレームあたり 2 ピクセルのスピードで移動するオブジェクトの領域でジオメトリが減少します。

[モーションベースのディスプレイスメント品質]設定では、ディスプレイスメントが適用されている各ポリゴンの最小モーションを使用します。たとえば、ディスプレイスメントが適用されているこのポリゴンメッシュの球は、10 フレームに渡って一辺を左側に 10 ユニット移動することによってアニメートされたシェイプです。以下の一連の図は、[モーションベースのディスプレイスメント品質]の設定が 0、2、5、10 の場合の結果です。品質設定を 10 にした場合、フル スピードで移動するポリゴンのディスプレイスメント品質がひどく低下していることがお分かりでしょう(1 つの頂点で速度がゼロ、その他の頂点で高速度のポリゴンの場合は異なります)。

[モーションベースのディスプレイスメント品質]= 0

[モーションベースのディスプレイスメント品質]= 2

[モーションベースのディスプレイスメント品質]= 5

[モーションベースのディスプレイスメント品質]= 10

シャッター設定

シャッター(Shutter)

まずシーンのシャッター[Scene Render Options]プロパティエディタを設定して、ジオメトリとそのモーション変換およびモーション ベクトルが評価される時間上のポイントを定義する必要があります。このデータは、mental ray に自動的に設定されます。「シーンモーションブラー設定」(「カメラとモーション ブラー」)を参照してください。

適切なシャッター間隔を指定したら、mental ray の[シャッター](Shutter)および[遅延](Delay)オプションを使用して、モーション ブラー トレイルのサイズと長さを調整します(ジオメトリとそのモーション データの再評価は不要)。これらのオプションによって、必要に応じて設定をすばやく直接的に指定できますが、この場合、設定はあまり正確ではありません。

[シャッター]を 1 に設定すると、そのシーンの[速度]オプションで指定されているジオメトリのモーション変換およびモーション ベクトルの長さ全体が mental ray で使用されるようになります。

遅延(Delay)

[遅延]をゼロ以外に設定すると、モーション ブラー トレイルがオフセットされます。

テクスチャを Memory Map に変換

テクスチャがメモリマッピングされている場合、テクスチャはメモリに読み込まれません。その代わりに、シェーダがテクスチャを使用するときは、テクスチャはディスクから直接アクセスされます。メモリ マッピング テクスチャを正しく使用すると、レンダリング速度がかなり向上します。

[テクスチャを Memory Map に変換](Convert Textures to Memory Maps)オプションを使用すると、レンダリング時に画像クリップをメモリ マップ フォーマットに変換するための[Preferences: Rendering]のオプションをオーバーライドできます。メモリマッピング イメージの使用方法の詳細については、「メモリ マッピング テクスチャを使用する」(「テクスチャリング」)を参照してください。

レンダリング設定(Rendering Preferences)

レンダリング設定[プリファレンス リファレンス]を開いて、設定を表示します。

メモリ マップ形式への変換([convert memory mapped])

イメージをレンダリングする際にメモリマップ形式(.map)に変換するかどうかを指定します。次のいずれかを選択します。

[ユーザ設定](Use Preferences):[Preferences: Rendering]プロパティ エディタで定義された設定に基づき、イメージを .map 形式に変換します。

[有効](Enabled): レンダリング設定で .map ファイルの自動変換がアクティブになっているかどうかに関係なく、パスをレンダリングする際に .map ファイルが生成されて使用されます。

[無効](Disabled): レンダリング設定で .map ファイルの自動変換がアクティブになっているかどうかに関係なく、パスをレンダリングする際に .map ファイルは生成されません。この設定を維持する限り、以前に自動生成された .map ファイルはパスをレンダリングする際に使用されません。

Framebuffer

サンプル フィルタリング

ポストレンダリング フィルタ プロセスのフィルタ タイプを選択します。このプロセスは、完成されたイメージに適用できます。mental ray レンダリング ソフトウェアでは、ピクセルごとに周囲のピクセルの値を使用してエイリアシングを除去します。平均を計算するときに周囲のピクセルをウェイト設定する方法によってフィルタのタイプが決まります。

詳細については、「サンプルフィルタリングの設定」(「レンダリング」)を参照してください。

フィルタタイプ(Filter Type)

フィルタのタイプを選択します。

[ボックス](Box): フィルタエリア内のすべてのピクセルを同じウエィトで合計します。これは最も高速のフィルタ タイプです。

[三角形](Triangle): 三角分布(頂点でピーク)を使用してピクセルをウェイト設定します。

[ガウス](Gaussian): ベル型のガウス曲線(正規曲線)を使用してピクセルをウェイト設定します。このフィルタはソフトな段階的エフェクトをコントロールするのに最適です。

[Mitchell]: ガウスフィルタよりも細いベル型のカーブを使用してピクセルをウェイト設定します。エッジ付近でカーブは負の値になります。

[Lanczos]: ガウスフィルタやMitchellフィルタよりも細く、ベル型からやや外れたカーブを使用してピクセルをウェイト設定します。エッジ付近でカーブは負の値になります。

フィルタサイズ(Filter Size)

フィルタのサイズをピクセルで設定します。X は横を表し、Y は縦を表します。値が大きいほどソフトなイメージが得られます。一般的な値はボックス フィルタで 1、三角形フィルタで 2、ガウスフィルタで 3 になります。

ジッター サブピクセル サンプル(Jitter Sub-pixel Samples)

このパラメータが有効な場合、各サンプルの場所は、その計算された位置から移動します。サンプルの場所を変えることにより、特に各サンプルの間で小さなディテールが失われる傾向のある領域において、ノイズを減らすことができます。

このパラメータが無効な場合、ジッターは使用されず、サンプルはピクセル(またはサブピクセル)のコーナーで採取されます。

このパラメータを有効にしても、レンダリング時間にそれほど影響はありません。

すべてのフレームで同じサンプリング パターン(Same Sampling Pattern on All Frames)

このパラメータが有効な場合、レンダリングされるすべてのフレームに対して同じサンプリング パターンが使用されます。これは、フレーム間のサンプリング パターンの変化によって生じる「ちらつき」を抑えるのに役立ちます。

カラー コントロール

[カラーコントロール]のパラメータを使用すると、さまざまな基本イメージ処理オプションを有効にできます。これらのオプションの処理は、後でレンダリングするときに実行されます。可能な処理は以下のとおりです。

アルファで乗算(Premultiply with Alpha)

オブジェクトの RGB の値と関連するアルファの値を自動的に重ねます。この予備計算は、後でオブジェクト イメージをコンポジットする際に役立ちます。

8 ビット フレームバッファでディザ(Dither 8-bit Framebuffers)

イメージ内のカラーをシミュレートして、明るい領域と暗い領域の間で滑らかなグラデーションを作成し、ゆるやかな色変位を実現します。

クリップ時にカラーの彩度を減らす(Desaturate colors when clipping)

[カラーチャンネルのクリッピング]オプションで定義された有効範囲を超える値を持つカラーを、どのように有効範囲 0~1 内でクリップするかを指定します。

このオプションを無効にすると、カラーは単純に有効範囲 0 から 1 までの内にクリップされます。有効な場合、カラー値はそれらが有効範囲内に収まるまで比例して減少します。結果ではカラーの明度は維持されます。

カラー チャンネルのクリッピング(Color Channel Clipping)

色の切り抜きオプションは、カラーが浮動小数点数値で記述されていない場合に、どのようにして 0 から 1 までの範囲にクリップするかを定義します。すべてのモードで、RGB コンポーネントは彩度減少オプションで指定したようにクリップされます。RGB モードとアルファ モードではともに、結果のカラーは有効な掛け合わせ済みカラーになります。

以下のモードが使用できます。

  • [アルファを RGB 未満でクリップ](Clip alpha below RGB)モードでは、まず RGB 値が 0~1 の範囲にクリップされ、次にアルファ値が MaxRGB~1 の範囲にクリップされます。このモードは、RGB のカラーと輝度は維持する必要があるけれども、アルファ チャンネルはそれほど重要でない場合に使用します。

  • [RGB をアルファを超えてクリップ](Clip RGB above alpha)モードでは、まずアルファが 0~1 の範囲にクリップされ、次に RGB が 0~A の範囲にクリップされます。このモードはアルファ コンポジットに役立ちます。なぜなら透明度が正確であることのほうが RGB のカラーと輝度が正確であることより重要だからです。

  • [クリップ無し](No Clip)では、カラー チャンネルのクリッピングがオフになります。

モーション データ

最大モーション(Maximum Motion)

モーション チャンネルまたはラスタ モーション チャンネルで出力されるモーション ベクトル データの上限を設定します。この値は、使用可能なモーション ベクトルの最長値(ピクセル単位)を指定します。

オブジェクトのモーションに対するコンペンセイト(Compensate For Object Motion)

オンにすると、モーション コンペンセイトによって、モーション ブラーが有効になっていない場合でも、シャッターのオフセットおよびシャッター閉の値が動的に調整され、オブジェクトが通常表示される場所またはそれに最も近い場所に配置されます。これが無効の場合、コンペンセイションはなく、オブジェクトはいつもシャッター閉の位置に配置されます。

このオプションは、モーションまたはラスタ モーションのレンダ チャンネルにレンダリングするときに、フレームのシャッター モードに影響します。詳細については、「シーンモーションブラー設定」(「カメラとモーション ブラー」)を参照してください。

アドバンス設定

ディスク上のフレームバッファ(On-disk Framebuffers)

この設定を有効にすると、フレームバッファはディスク上のフレームバッファ ファイルに格納されるため、メモリを節約できます。フレームバッファ ファイルは、TEMPDIR または TEMP システム環境変数で指定したシステムの一時フォルダに保存されます。レンダリングが完了すると、フレームバッファ ファイルはディスクから削除されます。

この設定を無効にすると、フレームバッファはメモリに保持されます。

すべてのカラーのフレームバッファでサンプル コントラストのチェック(Sample contrast check on all color framebuffers)

複数のフレームバッファを出力すると、mental ray は、サンプルをさらにサブディバイドする前に、すべてのカラー(RGB)のフレームバッファを評価します。このオプションは有効にしておくことをお勧めします。

シャドウ

レイトレース

タイプ(Type)

シャドウ シェーダをアクティブ化し、以下のシャドウ レンダリング方式の選択を可能にします。

[無効](Disabled): ライトはシャドウを計算できません。このオプションは、一般にレンダリングを高速化するために使用します。

[有効(通常シャドウ)](Enabled (regular shadows)): 基本的で単純なシャドウのレンダリングが実行されます。シャドウを投影するオブジェクトを通過する、光源からのライト量が定義されます。シャドウ シェーダをランダムな順序で呼び出します。

[ソートされた状態](Sorted): 通常シャドウと同様ですが、シャドウシェーダの呼び出し方が異なります。シャドウを投影するオブジェクトはソートされ、ライトに照らされたポイントに最も近いオブジェクトのシャドウ シェーダが最初に処理され、ライトに最も近いオブジェクトが最後に処理されます。

[セグメント化された状態](Segmented): このオプションでも、シャドウシェーダを独自の方式でソートします。[セグメント化された状態]を選択すると、セグメント(イルミネーション ポイント、遮るオブジェクト、光源の間)がトレースされ、そのセグメント(シャドウ セグメント)にボリューム シェーダを適用することでシャドウが計算されます。このプロセスによってレンダリング時間は長くなりますが、シャドウ キャスティング(ファー シェーダなど)には必要なボリューム エフェクトです。

シャドウマップ

有効(Enable)

レンダリング時にシャドウ マッピングを使用可能にします。

モーション ブラー(Motion Blur)

オンの場合は、モーション ブラー オブジェクトのシャドウ マッピングがレンダリングされます。

アンビエント オクルージョン

詳細については、「グローバル アンビエント オクルージョン オプションの設定」(「間接照明」)を参照してください。

アンビエント オクルージョン

有効(Enable)

すべてのアンビエント オクルージョンの計算を有効または無効にするグローバル スイッチ。

レイ

レイ(Rays)

アンビエント オクルージョンが有効で、アンビエント オクルージョンシェーダで[サンプル数](Number of samples)が 0.0 に設定されている場合、[レイ](Rays)の値は現在のシェーディング ポイントでアンビエント オクルージョンを計算するときにキャストするレイの数として使用されます。アンビエント オクルージョン シェーダの[サンプル数](Number of samples)が 0 以外の正の整数に設定されている場合は、[レイ](Rays)の値は無視されます。

キャッシュ

有効(Enable)

アンビエント オクルージョン キャッシュの作成を有効または無効にします。キャッシュが無効でアンビエント オクルージョンが有効になっている場合は、アンビエント オクルージョンは、アンビエント オクルージョン シェーダがアンビエント オクルージョンの計算を実際に呼び出した場合にのみ実行されます。既定の設定はオフです。

密度(Density)

ピクセルあたりのアンビエント オクルージョン ポイントの数の上限を設定します。

ポイント(Points)

ルックアップ場所に近いアンビエント オクルージョン キャッシュ ポイントの数。キャッシュが有効の場合の補間に使用されます。

ファイナル ギャザリング

ファイナル ギャザリングは、mental ray でフォトンを使わずにグローバル イルミネーションを計算できるもう 1 つの方法です。ライトからでなくオブジェクトのピクセルからレイ キャスティングを使用して、直接照明と間接照明の両方を計算します。

ファイナル ギャザリング レンダの設定の詳細については、「ファイナル ギャザリング」(「間接照明」)を参照してください。

ファイナル ギャザリング

有効(Enable)

ファイナル ギャザリングをオンにして、このページにあるファイナル ギャザリング レンダ オプションを有効にします。

視覚化

プレビュー(Preview)

各フレームがレンダリングされるときに、ファイナル ギャザリングのポイントとカラーが、レンダ領域またはレンダ ウィンドウに表示されます。

精度

お使いのファイナル ギャザリング モードによっては、次の精度オプションを組み合わせて設定する必要があります。これらのオプションは、ファイナル ギャザリング レンダの品質をコントロールするための主要な設定となります。

詳細については、「ファイナルギャザリングの精度オプションの設定」(「間接照明」)を参照してください。

モード(Mode)

次のファイナル ギャザリング モードを選択します。

  • [複数フレーム](Multiframe)モードは、カメラのフライスルー アニメーションのレンダリングを対象としています。離れたオブジェクトのイルミネーションを受けないようにするには([自動的]モードでは可能)、最大距離を制限するために[最大半径]オプションを設定します。この半径内では、十分なファイナル ギャザリング ポイントが見つからない場合、イルミネーションがスムーズに黒にフェードアウトします。

通常、このモードはアニメートされたシーンで便利ですが、ちらつきが問題とならないアニメーションでは最適な方法とは言えません。このモードは、アニメーションのない静止画でも使用できます。

このモードをコントロールする[精度]パラメータは、[レイの数]、[最大半径]、オプションの[ビュー依存]フラグ、および補間に使用するファイナル ギャザリングの[ポイント]です。

  • [自動的](Automatic)モードは、主に単一の静止画のレンダリングを対象としています。このモードをコントロールする[精度]パラメータは、[レイの数]、オプションの[ビュー依存]フラグ、および補間に使用するファイナル ギャザリングの[ポイント]です。

  • [エキスパート](Expert)モードは、mental ray のバージョン 3.4 との互換性を持たせるためのオプションです。経験のあるユーザがこのモードを選択すると、ファイナル ギャザリングの計算をさらにコントロールできます。このモードでは、通常、mental ray のバージョン 3.4 と似た結果となり、ファイナル ギャザリングの[精度]オプションすべてを活用します(最小半径および最大半径を含む)。

  • [レガシー](Legacy)モードは[エキスパート]モードと似ていますが、mental ray バージョン 3.4 との互換性がさらに高く、mental ray バージョン 3.5 以降を使用してシーンを再レンダリングすることができます。このモードでは、一部のレンダリング改良点が無効になります。

  • [精密](Exact)モードは、ファイナル ギャザリングのポイント キャッシュ全体をバイパスし、ファイナル ギャザリング ポイント間の補間ではなく、サンプルごとの完全なファイナル ギャザリング ソリューションを計算します。時間はかかりますが、よりよい結果となります。このモードをコントロールする[精度]パラメータは、[レイの数]のみです。

ビュー依存(View Dependent)

[最小半径]と[最大半径]の値を、シーン単位とピクセル単位のどちらで測定するのかを指定します。このオプションを有効にすると、カメラから遠いオブジェクトほどファイナル ギャザリングのサンプルの投影数が少なくなります。

レイの数(Number of Rays)

各ピクセルから発する光線の数を定義し、間接照明を計算します。エフェクトを調整する場合は小さな値(10~30 程度)、最終レンダリングには大きな値(>100)を使用します。

[補間オプション](Interpolation Options): ファイナル ギャザリング ポイントをイルミネーションのあるポイントごとに計算するのは手間がかかるため、mental ray では、エフェクトを完成させるために必要となる追加のファイナル ギャザリングの補間に既存のファイナル ギャザリング ポイントのキャッシュ値を使用します。[最小半径](Min Radius)[最大半径](Max Radius)、およびファイナル ギャザリング [ポイント](Points)数は、このような追加のファイナル ギャザリング ポイントの補間に使用するためのパラメータです。詳細については、「補間のための半径とポイントの設定」(「間接照明」)を参照してください。

ポイント(Points)

ファイナル ギャザリング モードの[複数フレーム]および[自動的]で使用できます。

間接照明の補間で使用する、計算済みのファイナル ギャザリング ポイントの最小数。

最大半径(Max Radius)

ファイナル ギャザリング モードの[複数フレーム]、[エキスパート]、および[レガシー]で使用できます。

[最大半径]は、ファイナル ギャザリングの結果を補間したり、新しいレイを発生させないで外挿したりできる最大距離を定義します。最大半径の制限内のファイナル ギャザリングポイントが少な過ぎる場合は、さらに多くのファイナル ギャザリングのレイが照射され、新しいファイナル ギャザリング ポイントが計算されます。

この値をかなり低く(<1)を指定すると、レンダリング時間は長くなりますが、レンダリングの品質は向上します。

最小半径(Min Radius)

ファイナル ギャザリング モードの[複数フレーム]および[自動的]で使用できます。

[最小半径]は、ファイナル ギャザリングに設定する補間または外挿に使用する領域内の最小の長さを定義します。通常は最大半径を 10% に設定します。

この値をかなり低く(<1)を指定すると、レンダリング時間は長くなりますが、レンダリングの品質は向上します。

減衰

このオプションでは、ファイナル ギャザリング レイからワールド空間の[停止](Stop)の距離までの長さを制限します。停止の距離内にオブジェクトが存在しない場合は、レイが既定により環境カラーとなります。[開始](Start)パラメータは、リニア減衰範囲の開始位置を定義を定義します。[開始]と[停止]の間の距離に存在するオブジェクトは、環境カラーへとぼやけていきます。

詳細については、「ファイナルギャザリング減衰の設定」(「間接照明」)を参照してください。

有効(Enable)

ファイナル ギャザリングの減衰エフェクトをアクティブにします。

減衰は、下記の[開始]値と[停止]値を使用して、シーン オブジェクトのサーフェイス カラーに大きな影響がなさそうな遠くのオブジェクトのエフェクトを制限します。これにより、レンダリング速度が向上し、メモリの使用量が減少します。

開始/停止(Start/Stop)

[開始]および[停止]の値は、ファイナル ギャザリング レイに次のように影響します。

  • 長さが[開始](Start)の値以下のファイナル ギャザリング レイによって返された結果は、通常どおりに使用されます。

  • 長さが[停止](Stop)の値を超えるファイナル ギャザリング レイによって返された結果は、自動的に環境カラーに設定されます。

  • 長さが[開始](Start)[停止](Stop)の値の間にあるファイナル ギャザリング レイによって返された結果は、環境カラーへリニアで減衰します。

アドバンス オプション

表示(Show)

ファイナル ギャザリングの詳細なオプションの表示と非表示を切り替えます。アドバンス オプションには、[リファイメント パス]、[高速ルックアップ]、[プリサンプルの密度]、[フィルタ サイズ]、[サンプリングコントラスト]、[法線サンプルの最大偏差]、[トレース深度]、[1 次バウンス カラー]、および[2 次バウンス カラー]があります。

これらのオプションは、頻繁に使用されない、通常は既定の設定で十分よい結果が出るなどの理由により非表示になっています。

リファイメント パス

有効(Enable)

このオプションを有効にすると、ファイナル ギャザリングのレンダリング方法が(3 つのパスで)連続的に更新されます。パスは、通常のファイナル ギャザリングのタイル順序ではなく、mental ray のタイル サイズを使用してレンダリングされます。リファイメント パスは、ファイナル ギャザリングの[視覚化](Visualize)オプションと併用するとさらに効果的です。

高速ルックアップ

フォトン マップから放射照度(Irradiance from Photon Map)

グローバル イルミネーションとファイナル ギャザリングを併用する場合は、このオプションをアクティブにすることをお勧めします。アクティブにすると、グローバル イルミネーションの計算の際に、各フォトンの場所ごとに照射情報が格納されます。つまり、ファイナル ギャザリングのサンプルが少なくて済み、ファイナル ギャザリングの計算に要する時間が短くなります。ただし、グローバル イルミネーションの計算には時間がかかります。

サンプリング オプション

[プリサンプルの密度]、サンプルの[フィルタ サイズ]、および[サンプリングコントラスト]は、ファイナル ギャザリングのエフェクトをある程度スムーズに仕上げるために微調整するためのオプションです。ただし、減衰の設定を調整する代わりとして使用することはできません。

詳細については、「ファイナルギャザリングのサンプリングオプションの設定」(「間接照明」)を参照してください。

プリサンプルの密度(Presample Density)

プリレンダリング中に計算されるファイナル ギャザリング ポイント数の乗数。

この値を上げるとファイナルギャザリングエフェクトが少しスムーズになりますが、この設定を調整する代わりとして使用することはできません。

フィルタサイズ(Filter Size)

ファイナル ギャザリング フィルタの範囲を定義します。このフィルタは、範囲内の明るすぎるサンプルをフィルタリングすることによりノイズを減らします。

フィルタ サイズの値を大きくすると、範囲が拡大します。たとえば、[フィルタ サイズ]値を 1 に設定すると、あるサンプル点のフィルタリングにそのサンプル点のすべての隣接サンプル点が使用されます。フィルタ サイズを 2 にすると、それらのサンプル ポイントと、それらをフィルタリングする隣接のサンプル ポイントが追加される、といった具合です。

値が高いほど、隣接するファイナル ギャザリングのサンプル間のコントラストがソフトになり、レンダリングされるフレームのノイズが減ります。値を 0 に設定すると、フィルタリングは完全に無効になりますが、ファイナル ギャザリング レイ設定の数が比較的少ない場合は良好な結果が得られる可能性があります。

サンプリング コントラスト(Sampling Contrast)

ファイナル ギャザリング カラーのシーンへの影響力を乗数で表します。全体的なエフェクトはレンダリング後のイメージを明るくします。特に、複数オブジェクトの色が互いに干渉する場合はその効果が顕著です。

法線サンプルの最大偏差

度数(Degrees)

ファイナル ギャザリング ポイントのサーフェイス法線が、サンプリング ポイントのサーフェイス法線から外れても、シェーディングを計算するときに補間で使用される角度を指定します。

この既定値は 25.842 度であり、mental ray の既定値(ArcCos(0.9))に対応します。

次のサンプル シーンでは、XZ 平面上に 1 つ、また 45 度下向きに回転させた平面上に 1 つの、2 つのジオメトリ平面を表示します。この両方の平面に、ファイナル ギャザリングのサンプリングで選択される両方のローカル環境シェーダがそれぞれ青と赤で設定されています。

 

[法線サンプルの最大偏差](Maximum Sample Normal Deviation)[44] に設定されている場合は、青と赤の平面が交差するファイナル ギャザリング ポイントに補間は発生しません。

 

[法線サンプルの最大偏差](Maximum Sample Normal Deviation)[45] に設定されている場合は、青とおよび赤の平面が交差するファイナル ギャザリング ポイントに補間が発生します。

トレース深度

これらの設定は、[レイトレーシング深度]の設定と似ていますが、ファイナル ギャザリング レイにのみ適用されます。これらの設定では、目的のレイが反射または屈折する回数を指定します。

詳細については、「ファイナルギャザリングのトレース深度の設定」(「間接照明」)を参照してください。

反射(Reflection)

シーンにおけるファイナル ギャザリング レイの反射可能な回数の最大値を設定します。

屈折(Refraction)

シーンにおけるファイナル ギャザリング レイの屈折可能な回数の最大値を設定します。

ディフューズ(Diffuse)

ファイナル ギャザリングに追加するディフューズ バウンスの数を指定します。たとえば、1 の値は 1 個の追加ディフューズ バウンスを供給するため、合計のバウンス数が 2 個になります。

バウンスを追加した全体的なエフェクトは、ファイナル ギャザリング エフェクトを明るくしますが、ファイナル ギャザリングの[サンプリング コントラスト](Sampling Contrast)を増したエフェクトよりもやや局所的になります(「トレース深度」を参照)。

結合(Combined)

シーンにおけるファイナル ギャザリング レイの反射/屈折可能な回数を設定します。[結合](Combined)の値は、[反射](Reflection)[屈折](Refraction)の合計以上の値でなければなりません。

1 次バウンス カラー

バウンスは、[トレース深度](Trace Depth) [ディフューズ](Diffuse)値で定義されます。最初のバウンス ファイナル ギャザリングから取得される照度部分は、このカラーと乗算されます。これは、単一のバウンスのみに影響します([ディフューズ]値 = 0)。

2 次バウンス カラー

バウンスは、[トレース深度](Trace Depth) [ディフューズ](Diffuse)値で定義されます。2 番目のバウンス ファイナル ギャザリングから取得される照度部分は、このカラーと乗算されます。このカラーは、[ディフューズ](Diffuse)値が 0 より大きい場合のみ、つまり複数のバウンスがある場合のみ有効になります。

マップ ファイル設定

ファイナル ギャザリング マップ ファイルの使用方法を定義します。

マップファイルの設定([map file settings])

  • [既存のファイルを上書き](Overwrite existing file): 各フレームのファイナルギャザリングポイントを計算し、その結果をファイナルギャザリングマップファイルに保存します。ただし、既存のマップファイルがある場合は上書きされます。つまり、各フレームでファイナル ギャザリング マップが再構築されます。

  • [新しいFGポイントをファイルに追加](Append new FG points to file): 既存のファイナルギャザリングマップファイルを使用するか、最初にレンダリングされたフレームのファイナルギャザリングポイントを計算します。mental ray が、レンダリング時に以降のフレームの追加のファイナル ギャザリング ポイントを計算する場合は、これらのポイントがマップ ファイルに付加されます。

  • [ファイルからのFGポイントのみ使用](Only use FG points from file): 既存のファイナルギャザリングマップを使用(または最初にレンダリングされたフレームのファイナルギャザリングポイントを計算)しますが、レンダリング時に計算された新しいポイントは付加されません。最初の計算の後、マップ ファイルはファイナル ギャザリングの[レイの数](Number of Rays)値を変更した場合のみ修正されます。これは、複数のマシンが同じファイナル ギャザリング マップを使用するレンダファームのステップで役立ちます。

ファイナル ギャザリングの計算は、パス カメラの位置に基づいて実行されます。このオプションを使用する場合は、レンダリングするシーケンス内の全カメラ位置に対し、マップ ファイルが十分なファイナル ギャザリング データを持っていることを確認してください。

マップ ファイル

ファイナル ギャザリング マップとして使用するファイルの名前を指定します。ファイル名は、トークンとテンプレートを使用して作成できます。

解決されたマップ ファイルのパス

ファイナル ギャザリング マップの完全に解決されたファイル名および出力パスを表示します。マップ ファイル名は、[Scene Render Options]プロパティエディタで定義されているシーン出力パスの後ろに追加されます。

GI とコースティクス

グローバル イルミネーション

有効(Enable)

グローバル イルミネーション レンダリングを有効にします。

GI 精度(GI Accuracy)

サンプリング パラメータのように、半径パラメータに定義されている範囲に格納されている特定数のフォトンを検索します。これにより、フォトン マップの解像度を定義します。

フォトン マップが計算され、表示されると、事前に計算したグローバル イルミネーション エフェクトのマップを使用してレンダ領域内のアニメーションのズーム、パン、再生できます。レンダ領域がリフレッシュされるたびにエフェクトを計算する必要はありません。

フォトン検索半径(Photon Search Radius)

Softimage 単位で表されます。このパラメータにより、シーン内のフォトンの検索範囲が定義されます。

フォトン マージ係数(Photon Merge Factor)

距離とシーンのサイズに基づいてフォトンをマージします。値が上がるほどより多くのフォトンがマージされるので、ちらつきが抑えられます。

GI フォトン カラー(GI Photon Color)

グローバル イルミネーションの照度は最終的なグローバル イルミネーション エフェクトを生成するカラー値の影響を受けます。

強度値に 1 よりも大きい乗数を設定すると、グローバル イルミネーション エフェクトが明るくなります。カラーを設定すると最終的なエフェクトの色彩が決定されます。

コースティクス

有効(Enable)

コースティック ライト ハイライトのレンダリングを有効にします。コースティックは、反射または屈折を介して曲線のオブジェクトでフォーカスされたライトを表します。ここでコースティックをアクティブ化する前に、シーン内でコースティックを定義しておく必要があります。

コースティクスの精度(Caustic Accuracy)

コースティック ライト エフェクトを事前に計算します。フォトン マップが計算され、表示されると、事前に計算したコースティックのマップを使用してレンダ領域内のアニメーションをズーム、パン、再生できます。レンダ領域がリフレッシュされるたびにコースティック エフェクトを計算する必要はありません。

フォトン検索半径(Photon Search Radius)

Softimage 単位で表されます。このパラメータにより、シーン内のフォトンの検索範囲が定義されます。

フォトン マージ係数(Photon Merge Factor)

距離とシーンのサイズに基づいてフォトンをマージします。値が上がるほどより多くのフォトンがマージされるので、ちらつきが抑えられます。

シャープさフィルタ

タイプ(Type)

フィルタのタイプを選択します。

[ボックス](Box): フィルタエリア内のすべてのピクセルを同じウエィトで合計します。

[円錐](Cone): 三角分布(頂点でピーク)を使用してピクセルをウェイト設定します。

[ガウス](Gauss): ベル型のガウス曲線でウェイト設定します。

サイズ(Size)

フィルタのサイズをピクセルで設定します。値が大きいほどソフトなイメージが得られます。一般的な値はボックス フィルタで 1、円錐フィルタで 2、ガウスフィルタで 3 です。

コースティクス フォトン カラー(Caustic Photon Filter)

コースティックの照度値がこのカラー値と乗算され、コースティック エフェクトを生成します。

強度値に 1 よりも大きい乗数を設定すると、コースティックが明るくなります。カラーを設定すると最終的なエフェクトの色彩が決定されます。

放射照度パーティクル

これらの放射照度パーティクルの詳細については、「放射照度パーティクル」(「間接照明」)を参照してください。

放射照度パーティクル

有効(Enable)

放射照度パーティクルを有効にして、間接ライティングをシミュレートします。

精度

詳細については、「精度の設定と放射パーティクルの補間」(「間接照明」)を参照してください。

間接パス(Indirect Passes)

間接ライティングの追加パスの数。このオプションに 0 より大きい数が設定されると、パスのシーケンスによってすべてのパーティクルの位置からの照度が収集されます。放射照度パーティクルには直接照明および間接照明の両方の情報が含まれます。このオプションに 0 が設定されると、放射照度パーティクルには直接照明情報と間接照明の 1 つのバウンスが含まれます。

レイ(Rays)

放射照度の推定するときに照射されるレイの数を指定します。最小値は 2 です。

強度(Intensity)

レンダリング時に使用する、放射照度の強度のグローバルなスケール係数。これは、芸術的なコントロールを調整するためのグローバルなオプションで、 単一の値として指定します。この値は R、G、B に同時に設定されます。デフォルトは 1.0 です。

補間

いつ(When)

このオプションによって、補間の使用方法をコントロールします。

  • [なし](Never): 補間を無効にします。

  • [常に](Always): 補間を有効にします。

  • [二次レイにのみ](For Secondary Rays Only): 二次レイにのみ補間を有効にします。視線レイは補間されませんが、反射、屈折などは補間されます。

ポイント(Points)

間接照明の補間で使用するポイント数(最近傍)。

環境

詳細については、「環境からの間接照明の保存」(「間接照明」)を参照してください。

有効(Enable)

放射照度の計算で環境マップを使用可能にします。オンにすると、その環境に別のパーティクル マップが作成され(環境シェーダが存在する場合)、レンダリング時に使用されます。

レイ(Rays)

環境マップから取得される放射照度の計算に使用するレイの数。この数は通常の放射照度の計算で使用される数より大きくすることができます。環境のほとんどがシーン ジオメトリの範囲内にある場合(典型的な例は、1 つか 2 つしか窓がない部屋)に、特に有効です。屋外でのシーンの外側では、レイの数を少なくするのが適切です。

強度(Intensity)

環境によって与えられる放射照度のスケーリング係数。このスケーリング係数は、環境の放射照度にのみ適用される比率です。[精度](Accuracy) [強度](Intensity)オプションでグローバルなスケーリング係数を指定した場合は、さらにスケーリングされます。環境の強度が 2.0、精度の強度が 3.0 に設定されている場合は、その環境の放射照度の実際のスケーリング係数は 6.0(2.0 x 3.0)になります。

パーティクル マップ ファイル

詳細については、「放射照度パーティクル マップを使用する」(「間接照明」)を参照してください。

マップファイルのテンプレート([map file template])

パーティクル マップとして使用するファイルの名前を指定します。ファイル名は、トークンとテンプレートを使用して作成できます。

マップのリビルド

リビルド(Rebuild)

オンにすると、フレームごとにパーティクル マップを再計算します。オフにすると、mental ray がファイルから読み取るか、(前のフレームの)既存のパーティクル マップを再利用します。後者は、フライスルーなどでアニメーションの明滅を防ぐ場合に便利です。

カメラまたはオブジェクトが移動している場合は、間接照明がおかしくなることに注意してください。パーティクル マップは本来ビュー依存で、移動がある場合には誤差が生じる可能性があります。

パーティクル マップ ファイル解決されたパス

マップファイルの解決されたパス([map file resolved path])

パーティクル マップの完全に解決されたファイル名および出力パスを表示します。マップ ファイル名は、[Scene Render Options]プロパティエディタで定義されているシーン出力パスの後ろに追加されます。

フォトン グローバル

間接照明アルゴリズム

グローバル イルミネーション/ファイナル ギャザリング(Global Illumination/Final Gathering)

グローバル イルミネーションのフォトンまたはファイナル ギャザリング アルゴリズムのいずれかを使用して、間接照明をシミュレートします。

放射照度パーティクル(Irradiance Particles)

放射照度パーティクル アルゴリズムを使用して間接照明をシミュレートします。放射照度パーティクルを有効にすると、自動的にグローバル イルミネーション フォトンおよびファイナル ギャザリング計算が無効になります。コースティクス エフェクトは、放射照度パーティクルと併せて定義できます。

インポートン

一般的な importon の詳細については、「インポートン マップを使用する」(「間接照明」)を参照してください。

放射照度パーティクルと importon を使用する方法の詳細については、「放射照度と Importons の保存」(「間接照明」)を参照してください。

有効(Enable)

importon のサンプリングを有効にします。このオプションをオンにすると、importon が放出され、importon マップが作成されます。

グローバル イルミネーションで importon を使用してフォトン マップを最適化する場合は、フォトン マップが作成されると、importon は削除されます。

放射照度パーティクル アルゴリズムを使用する場合は、importon は自動的に有効になります。

密度(Density)

カメラから発生する importon の数をピクセルごとに指定します。既定値は 1.0(推奨)です。

密度の値を 1.0 以下に設定できますが、この場合、複数のピクセルに単一の importon が発生します。このオプションに設定できる最小値は 0.02 です。この場合、およそ 50 ピクセルごとに 1.0 つの importon が発生します。低い値を設定すれば importon が発生するスピードは速くなりますが、最適なフォトン マップが作成されない場合があります。つまり、このため最終的なイメージの品質に影響します(これでは importon を有効にする意味がなくなってしまいます)。

距離のマージ(Merge Distance)

importon をワールド空間の距離より近づけるようにマージするためのワールド空間の距離を指定します。値が 0.0 の場合は軸がマージが無効になることを意味します。

ディフューズバウンス(Diffuse Bounces)

importon を分散させるディフューズ バウンスの数を設定します。値を 0.0 に設定すると、ディフューズ バウンスは分散されません。これはデフォルト値です。

一部のケースでは、拡散バウンスを複数使う必要があります。たとえば、グローバル イルミネーションとファイナル ギャザリングを組み合わせている場合や、[ジオメトリを通り抜けてトレース]オプションがオフになっている場合などです。

ジオメトリを通り抜けてトレース(Trace Through Geometry)

オンにすると、最初の不透明なジオメトリで停止し、そこに importon が配置される代わりに、シーンから離れるまで importon のトレーシングが続行され、ジオメトリのヒットごとに importon が配置されます。これにより、かなり数多くの importon がシーン内に格納されます。ただし、不連続な importon の配分はスムーズになります。

このオプションは放射照度パーティクルでは使用できないことに注意してください。このオプションは、放射照度パーティクルの拡散を避けるために自動的に無効になります。

トレース深度

以下のオプションを使用すると、レンダリング時間は長くなりますが、優れたフォトン エフェクトが得られます。

結合(Combined)

光線が屈折する回数と屈折する回数の合計に上限を設定します。

反射(Reflection)

シーンにおける光線の反射の最大ブランチ数を設定します。たとえば、反射率が 100% のシーンでは、光線はシーンのいたるところで連続的に反射するので無限のブランチが作成されます。このオプションによって、このような計算の上限を設定できます。

屈折(Refraction)

シーンにおいて光線が屈折する回数の最大値を設定します。

フォトン ボリューム精度

以下のオプションを使用して、ボリューム シェーダで定義されたボリューム内のグローバル イルミネーションを計算します。

フォトン ボリューム精度(Photon Volume Accuracy)

サンプリング パラメータのように、半径パラメータに定義されている範囲に格納されている特定数のフォトンを検索します。これにより、フォトン マップの解像度を定義します。

フォトン マップが計算され、表示されると、事前に計算したグローバル イルミネーション エフェクトのマップを使用してレンダ領域内のアニメーションのズーム、パン、再生できます。レンダ領域がリフレッシュされるたびにエフェクトを計算する必要はありません。

フォトン検索半径(Photon Search Radius)

SOFTIMAGE 単位で表されます。このパラメータにより、ボリューム内のフォトンの検索範囲が定義されます。

フォトン マージ係数(Photon Merge Factor)

距離とシーンのサイズに基づいてフォトンをマージします。値が上がるほどより多くのフォトンがマージされるので、ちらつきが抑えられます。

フォトン マップ ファイル

フォトン マップ(Map File Name)

フォトン マップとして使用するファイルの名前を指定します。無効なパスが指定されると、レンダリングが失敗し中断されます。ファイル名は、トークンとテンプレートを使用して作成できます。

リビルド(Rebuild)

オンの場合は、レンダリングされたフレームごとにフォトン マップを再計算します。

診断

メッセージの記録

下記のメッセージ タイプをログ(Log These Types of Messages)

レンダリング セッションで表示する情報やフィードバックをコントロールします。以下のオプションのオン/オフを切り替えることができます。

[エラー](Errors): .dll ファイルやシェーダが見つからない場合など、レンダリングが中止されるようなエラーが発生した場合にメッセージを出力します。

[警告](Warnings): シーンのレンダリングが正常に行われない問題に関するメッセージを出力します。

[情報](Information): テッセレートされた三角形の数、放出されたレイの数など、シーンの計算情報を出力します。

[経過](Progress): シーンのレンダリング進行率、およびその他のレンダリング進行状況(レンダリングの開始時間と終了時間など)を出力します。

[基本デバッグ]: タイルがレンダリングされるたびにどのデータが計算され、送信されるかに関する情報を出力します。

[詳細デバッグ](Detailed Debug): 各タイルのレンダリング時に計算、送信された情報について詳細に出力します。

診断

以下のオプションでは、さまざまなパラメータに関するビジュアル情報を提供するシーンを別の表現でレンダリングします。

サンプリング表示(View Sampling)

オンにすると、アンチエイリアス サンプリング密度のグレイスケールでシーンがレンダリングされます。領域が暗くなるほどサンプリング量が減少し、明るくなるほどサンプリング量が増加します。

ファイナル ギャザリングのポイントを表示(View Final Gather Points)

オンにすると、ファイナル ギャザリング ポイントがレンダリングされるイメージに付加されます。緑のポイントは前処理の間に計算されるポイントです。一方、赤いポイントは特別なポイントで、ファイナル ギャザリング エフェクトを計算するため、レンダリング時に計算されます。

フォトン表示

マップ([map])

シーンのレンダリングで、赤、緑、青のフォトン照射コンポーネントまたはフォトン密度でカラー マップを作成するかどうかを指定します。

最大(Maximum)

この値は、診断レンダリングの最大値として動作します。この値に合致するフォトン密度または放射密度は赤色でレンダリングされます。密度がが高くなるに連れ、白色にフェードアウトします。

座標グリッド表示

空間([space])

診断グリッドをオブジェクト空間、ワールド空間、またはカメラ空間に合わせるかどうかを指定します。いずれかのオプションが選択されている場合は、指定の空間座標を表すカラーグリッドがすべてのシーンオブジェクトに表示されます。赤、緑、青の線はそれぞれ X 軸、Y 軸、Z 軸を表します。

サイズ(Size)

グリッドの各ステップのサイズを定義します。

ピクセル時間レンダ チャンネル

最大ピクセル時間(µS)(Max Pixel Time (µS))

レンダ領域に表示またはディスクに出力される場合の、ピクセル時間値の上限またはホワイトポイント(マイクロ秒単位)。

領域に表示する場合、問題のスポットがわかりやすいように、イメージは誤った色で表示されます。青のピクセルは低い値、緑のピクセルは中間の値、赤のピクセルは高い値を示します。

mi アーカイブ

シーンがレンダ アーカイブ(*.mi2)またはオブジェクト レンダ アーカイブ(*.mia)に書き出される方法を定義します。

すべてのカメラをアーカイブに書き込み(Write all cameras in archive)

オンの場合は、パス カメラだけではなく、すべてのシーン カメラが書き出されます。

三角形化されたポリゴン サーフェイスの書き込み(Write triangulated polygon surfaces)

オンの場合は、レンダリングによって元のジオメトリでなくテッセレーション済みのポリゴンが書き出されます。

三角形化された NURBS サーフェイスの書き込み(Write triangulated NURBS surfaces)

オンの場合は、レンダリングによって元のサーフェイスでなくテッセレーションされた面が書き出されます。

ASCII データの書き込み(Write ASCII data)

MI2 ファイルへのベクトル出力のフォーマットをコントロールします。オンの場合は、MI2 ファイルにベクトルがテキストとして記述され、オフの場合はバイナリで記述されます。

テクスチャをアーカイブに埋め込み(Embed textures in archive)

パス(ブロードキャストまたはディスクから使用)で定義されたテクスチャをパスとしてエコーするかバイナリ テキストとしてエコーするかをコントロールします。

サブディビジョン サーフェイスにジオメトリ シェーダを使用(Use a geometry shader for subdivision surfaces)

オンにすると、サブディビジョン サーフェイス オブジェクトのサブディバイドされていないメッシュのみがエクスポートされます。Softimage のオブジェクト分割およびレンダ コールバックを使用してメッシュをサブディバイドするために、メッシュごとにジオメトリ シェーダが付加されます。これにより、エクスポートされる MI2 ファイルのサイズが低くなります。

このオプションをオフにすると、サブディビジョン サーフェイスが最大テッセレーション レベルで書き出されます。

Windows や Linux 以外の OS で mental ray スタンドアロンを使用する場合を除き、通常はこのオプションをオンにします。他の OS ではこのオプションをサポートしていません。