Simple Tone Mapping(mia)(シンプルトーンマッピング(mia))

 
 
 

| Render Tree の使い方

カテゴリ: レンズ

シェーダ ファミリ: レンズ

出力: カラー

[関連 mental ray シェーダ](Related mental ray shader): mia_exposure_simple

物理的な光レベルをレンダリングする際に、実際の HDRI 出力を、コンピュータのモニタ画面の制限のあるダイナミック レンジで表示するのが困難となる場合があります。この解決策として、「トーン マッピング」と呼ばれる、視覚的に優れた効果を作成します。

シンプルトーンマッピング(mia_Simple_Tone_Mapping)シェーダは簡単なトーンマッパーです。「ニー コンプレッション」を追加するだけで、明るすぎる部分を管理しやすい範囲に圧縮できます。このシェーダは HDR カラーを採用し、操作は次の手順で実行されます。

  1. 基礎パラメータ値がカラーに追加されます。

  2. カラー コンポーネントにゲイン パラメータ値を掛けます。

  3. これにより、カラーがニー パラメータ値より高い場合は、そのカラーがチェックされます。

  4. 最終的な値がこの値より高い場合は、圧縮率の値にでカラーが圧縮されます。

  5. 最後にガンマ補正が実行されます。

トーンマッピング

基礎(Pedestal)

黒く表示される領域のカラーを微調整できます。正の値を入力すると明るくなり、最も濃い黒でもわずかにグレーに変わります。負の値を入力すると暗くなり、明暗がよりくっきり表現されます。

ゲイン(Gain)

イメージ全体の輝度をコントロールします。これは、HDR 値が LDR 値に変換されるメイン ポイントです。たとえば、カラーの強度がおよそ0~10の範囲であることがわかっている場合、この値を0.1にして、0~1の希望する範囲でこのカラーの強度を取得します。

トーン マッピングではむやみに範囲を下げないようにします。たとえば、0.1 を設定すると、暗くてぼやけたイメージに仕上がってしまいます。0.15 または 0.2 の値が適していますが、0.2 は 0~10 の範囲を 0~2 の範囲にマッピングします。1以上の値は、圧縮を使用する必要があります。

Knee

明るすぎる部分が圧縮され始めるポイント。ゲインの後に適用されるため、0~1の範囲にします。0.5~0.75 の範囲に設定すると便利です。

圧縮(Compression)

明るすぎる部分を圧縮します。この値を0.75に設定すると、基礎が追加され、ゲインが掛けられた後、0.75より上のカラーは圧縮されます。5.0 の値は極めて強く圧縮され、0 の値は圧縮されません。

ガンマ(Gamma)

コンピュータ画面など出力装置に応じて、圧縮されたカラーを補正します。

プレビュー使用(Use Preview)

出力結果をプレビューして、トーン マッパーをよりインタラクティブに調整します。

プレビュー イメージを使用してトーンマッピングを調整するには、以下の操作を行います。

  1. シンプルトーンマッピングシェーダを無効にします。

  2. イメージを HDRI 対応形式(*.exr、*.hdr など)のファイルにレンダリングし、そのファイルに名前を付けます(preview.exr など)。

  3. プレビュー イメージをイメージ クリップおよびソースとしてシーンに追加します。詳細については、「ソースとクリップを作成する」(「データ交換」)を参照してください。

  4. シンプルトーンマッピングシェーダを再び有効にします。

  5. Render Tree で[クリップ]メニューからプレビュー イメージを取得し、そのイメージをシェーダの[preview]入力ポートに接続します。

  6. [プレビュー使用]チェックボックスをオンにします。

  7. フォトン マッピングまたはファイナル ギャザリングをすべて無効にします。

  8. 再レンダリングします。このレンダリングでは実際のレンダリングは一切行われないため、ほとんど瞬時に終わります。イメージがプレビュー ファイルから読み取られ、直ちに画面にトーン マップされるためです。

  9. パラメータを調整し、再レンダリングします。満足な結果を得られるまでこの操作を繰り返します。

  10. フォトンまたはファイナル ギャザリングを再び有効にします。

  11. [プレビュー使用]をオフにします。

  12. トーンマッピングが調整され、最終出力の準備が整った状態になります。

Render Tree の使い方

このシェーダは直接レンズ シェーダ スタックのカメラに適用することができます。「カメラへレンズ シェーダを適用する」(「カメラとモーション ブラー」)を参照してください。

また、このシェーダをArchitectural(アーキテクチュラル)というシェーダと関連付けて使用することもできます。