ICE パーティクル シェーダの概要

 
 
 

パーティクル シミュレーションのレンダリングは、数多くの基本的な面で、Softimage の他のオブジェクトのレンダリングと類似しています。標準的なライティング技術(グローバル イルミネーションやファイナル ギャザリングなど)をすべて使用することができ、シャドウの設定、モーション ブラーの適用が可能です。

mental ray レンダラでは、パーティクル(ポイント クラウド)はサーフェイスです。これは、Softimage の他のオブジェクトの場合とまったく同様です。つまり、任意のシェーダをパーティクルで使用して、パーティクルをオブジェクト(ソリッドなサーフェイス)としてレンダリングできるということです。ただし、パーティクルをレンダリングする場合、パーティクルを何らかの現象(煙、霧、火、水など)として見せたいことがほとんどです。このために、特別な ICE シェーダがいくつか用意されています。これらのシェーダを使用すると、パーティクルにこれらのエフェクト(特にボリューム エフェクト)を作成できます。

クラウドのボリュームが互いに交差する場合でも、シーン内に複数のパーティクル クラウドを配置して、適切にレンダリングできます。

レンダリングの一般情報については、以下のセクションを参照してください。

注:このトピックに関するビデオを表示するには、「Softimage YouTube Learning Channel」の内容を確認してください。

ICE パーティクル シェーダのタイプ

パーティクル シミュレーションには、パーティクルの外観を思いどおりに調整できる特別なパーティクル シェーダがあります。パーティクル シェーダ(ただし、[Particle Volume Cloud]シェーダを除きます。このシェーダは、適切に言えばボリュームシェーダです)は、すべてテクスチャ シェーダです。

シェーダを組み立てて必要なエフェクトを作成したら、ICE ツリーのノードの場合と同様に、それらのシェーダすべてを含むコンパウンドを作成することができます。これによって、複数のシーンで使用できる標準的なエフェクトや外観を作成して、複数のユーザに送ったり、1 つのコンテナで保管したりできます。詳細については、「ICE パーティクルシェーダコンパウンド」を参照してください。

これらの特殊なパーティクル シェーダに加えて、数多くの標準的なシェーダをポイント クラウドの Render Tree に接続し、パーティクルをサーフェイスとしてシェーディングできます。異なるパーティクル シェーダを一緒に使用することも、他のシェーダと混用することも可能であるため、視覚的な可能性はほとんど無限大です。

Render Tree で ICE パーティクル シェーダを接続する

パーティクル システムの Render Tree でシェーダを接続すると、シェーダの接続元および接続先を完全にコントロールできます。各ポイント クラウドにシェーダを直接アタッチすれば、最大限のコントロールが可能です。

パーティクル シミュレーションを作成すると、Softimage の他のオブジェクトの場合と同様、[Phong]シェーダは既定でポイント クラウドの[Material]ノードに接続されます。

ポイント クラウドに他のシェーダを適用するには、Render Tree でこれらのシェーダを接続します。これにより、接続元シェーダや接続先ノードを綿密にコントロールできるようになります。さらに、標準のシェーダ(そのほとんどはパーティクル シェーダに接続可能)にもアクセスできます。

Render Tree の概要については、「The Render Tree(レンダ ツリー)」を参照してください。

レンダ領域でシェーダをプレビューする

完璧なパーティクルを作成するために微調整を行う際に、レンダ領域がとても役立ちます。パーティクルにシェーダを適用したら、レンダ領域を使用して、パーティクルの最終的な外観を mental ray でレンダリングしたイメージでプレビューできます。

レンダ領域の詳細については、「レンダ領域を使ったインタラクティブなプレビュー」を参照してください。

ICE パーティクルのレンダリングについて

パーティクル シミュレーションのレンダリングは、数多くの基本的な面で、Softimage の他のオブジェクトのレンダリングと類似しています。標準的なライティング技術(グローバル イルミネーションやファイナル ギャザリングなど)をすべて使用することができ、シャドウの設定、モーション ブラーの適用が可能です。

パーティクル、レンダパス、およびパーティション

他のオブジェクトと同様に、レンダ パスおよびパーティションでポイント クラウドを使用できます。

パーティクルとモーション ブラー

パーティクルでモーション ブラーを使用する場合は、Softimage の他のタイプのオブジェクトでモーション ブラーを使用するときと同じ方法を使用します。モーション ブラーは、カメラのシャッタ-速度を使用して、パーティクルの速度を計算します。カメラ モーションは、カメラに対して相対的なパーティクル モーションとしてマッピングされるので、ブラーのベクトルはどのような絶対モーションおよび相対モーションにおいても計算されます。モーションブラー全般の詳細については、「モーション ブラー」を参照してください。

パーティクルでモーション ブラーを使用するためのヒントを次に示します。

  • Softimage ではモーション ブラーを計算するために最後のフレームからモーションが格納されるため、パーティクルのモーション ブラーをレンダリングする場合は、パーティクル シミュレーション全体がキャッシュされていることを確認してください。「ICE シミュレーションをキャッシュする」を参照してください。

  • レンダラの[1 次レイ](Primary Rays)タイプを[mental ray レンダ オプション プロパティ エディタ](mental ray Render Options Property Editor)[スキャンライン](Scanline)ではなく、[レイトレース](Raytracing)に設定した方が良い結果が得られます。

    [ラスタライザ](Rasterizer)タイプはパーティクルで機能しないため、その効果は得られません。

  • フレームのシャッター モードとして[フレームの最後](End of Frame)オプションを使用します。デフォルトは[フレームの中心]です。「シーン モーション ブラー設定」を参照してください。

  • シーン内でパーティクルにのみモーション ブラーを適用し、その他のオブジェクトには適用したくない場合は、モーション ブラーが不要なすべてのオブジェクトを 1 つにグループ化し、そのグループにモーション ブラー プロパティを適用して、[ブラー](Blur)を選択解除します。

  • パーティクル ボリュームでのモーション ブラーは、レンダラで直接サポートされていません。モーション ブラーをパーティクル ボリュームに持たせるには、モーション ベクトル フレームバッファ([パーティクル ボリューム クラウド](Particle Volume Cloud)シェーダの「フレームバッファ」を参照)をレンダリングしてから、そのファイルを使用してコンポジタでモーション ブラーを作成します。Fx ツリー、Toxik、または他のコンポジタで機能する、任意のサードパーティのモーション ブラー プラグインを使用できます。
  • また、テクスチャベースのモーション ブラーを作成して、パーティクル ボリューム上でモーション ブラーの外観を作成することもできます。これを行うには、[テクスチャ モーション ブラー有効](Enable Texture Motion Blur)を選択し、パーティクル密度シェーダで楕円形のシェイプ パラメータを使用します。パーティクルのサイズを少し大きくしてから、[楕円形のシェイプ](Elliptical Shape)パラメータで希望の速度方向を設定し、[楕円状](Elliptical)パラメータ値を 0 より大きくします(値が大きいほど、より楕円状のシェイプになります)。もちろん、この方法の成否はシーンに大きく左右されます。

パーティクルのライトとシャドウ

シーン内のパーティクル同士でシャドウを投影したり、パーティクルから別のオブジェクトにシャドウを投影できます。パーティクルを使ったシャドウの投影は、Softimage の他のオブジェクトと同様に、使用しているライトの数と種類によって結果が異なります。

シャドウを使用する場合、使用するライトに対してシャドウがアクティブになっていることを確認します。詳細については、「シャドウ」を参照してください。