Portal Light(mia)(ポータルライト(mia))

 
 
 

| Render Tree の使い方

カテゴリ: ライト

シェーダ ファミリ: ライト

出力: カラー

関連 mental ray シェーダ(Related mental ray shader): mia_portal_light

[Portal Light]シェーダは、ほとんどの場合、部屋のシーンの窓に配置される矩形エリア ライトに適用されます。このシェーダは窓の外の空(たとえば、Physical Sky(mia)(自然の空(mia))シェーダなどの環境シェーダ)から適当な強度とカラーを取得し、その空が見える量を取得します。

ファイナル ギャザリングで使用すると、[Portal Light]はファイナル ギャザリングの集信装置のように動作します。そのため、窓を探すためにシーンの周囲にある大量のファイナル ギャザリング レイを送信する代わりに、ポータル ライトは実際にファイナル ギャザリング レイを遮断し、ハイクオリティのエリア シャドウを含めた窓の外からのライトを直接光に変換します。

これでファイナル ギャザリングは黒い部屋ではなく明るい部屋になり、使用するファイナル ギャザリング レイの数も大幅に少なくすることができます。さらに、窓から入射する光は直接光になるため、無償で追加の光の跳ね返りを 1 つ得ることができます。

有効(Enabled)

ライトのオン/オフを切り替えます。

カラー

強度(Intensity)

ライトの強度の乗数です。

ティント(Tint)

ライトのカラーを修正します。

ティントが白で乗数が 1.0 のとき、放射されるライトは、フィルタされていない大量のファイナル ギャザリング レイの送信が許可されている場合のファイナル ギャザリングで見られる環境ライトと同じ強度とカラーになります。

レンダ時に可視(Visible in Render)

ライト放射サーフェイスが可視かどうかを指定します。

オフの場合は、視線レイや反射レイなどがまっすぐに通過するため、ポータル ライトそのものは見えませんが、窓の外は「見る」ことができます。

オンの場合は、実際のライト放射サーフェイスが視線レイや反射レイなどに対して可視になり、窓の外は「見る」ことができなくなりますが、環境シェーダの結果は「見る」ことができます。これは、ポータルライトをライト カード シェーダとして使用する場合に便利です(「Portal Light(mia)(ポータルライト(mia))」オプションを参照)。

ポータル透明度(Portal Transparency)

ポータル透明度には次の 2 つの機能があります。

  • [レンダ時に可視]がオンの場合、ポータル透明度はエリアライトの「可視カラー」の乗数になります。白に設定すると、直接的な「可視」カラーがその分量のライトを放射するサーフェイスの物理法則によって規定されているカラーになります。

    パラメータ値を白から遠ざかるように変更すると、目に見える結果(このパラメータを変更して調整)と、放射ライトの強度(このパラメータには左右されない)とのバランスを人工的に変更できます。これはノイズを避ける場合に便利です。

  • [レンダ時に可視]がオフの場合、ポータル透明度はエリアライトの透明度を定義します。これによりポータル ライト シェーダは窓上の「ジェル」としての役目も果たすことができ、露出オーバーで色が消えたように表現されがちな野外で見られるイメージの強度を緩和できます。実際に放射されるライトの強度はこの影響を受けることはなく、これが窓から入ってくる他のライト レイの強度に影響することもありません。屈折や反射において目に見えるものにだけ影響します。

シャドウ

シャドウ有効(Enable Shadows)

シャドウのオン/オフを切り替えます。

シャドウオフセット(Shadow Offset)

シャドウ オフセットが 0.0 の場合は、ポータル ライト シェーダはライトの位置でシャドウ レイのトレースを開始します。値が正数の場合は、シャドウ レイは実際に「野外」のその距離で開始されます。そのため、大きなオブジェクトが窓のすぐ外側にある場合はそのシャドウが考慮されます。逆に、値が負数の場合は、シャドウ レイを窓の内側のその距離から開始できます。これにより、窓の近くの厄介なジオメトリ(花やカーテンなど)がシャドウの中に単なるノイズとして取り込まれないように省いてシャドウを生成することができます。

環境

カスタム環境シェーダを使用(Use Custom Environment Shader)

[カスタム環境シェーダを使用]がオフの場合は、ポータル ライト シェーダはライトのカラーをシーンに定義されているグローバル環境シェーダから取得します。

[カスタム環境シェーダを使用]がオンの場合は、ポータル ライト シェーダはそれ自身の[custom_environment]入力ポートに接続されているシェーダを呼び出してライトのカラーを取得します。

[ライト カードの例](Light card example): このシェーダは環境に対するポータルになることが目的であるため、無地の背景カラーを自身の[custom_environment]入力ポートに返すシェーダに接続することで、「ライト カード」として使用することもできます。[カスタム環境シェーダを使用]がオンのときに、実際に渡されるカスタム環境がない場合は、このシェーダはホワイト ライト カードのように動作します。

FG を使って環境をサンプル(Sample Environment Using FG)

[FG を使って環境をサンプル]がオフの場合は、レイは環境にキャストされ、ライトのカラーを計算するために環境シェーダが呼び出されます。

ただし、一部のシェーダはファイナル ギャザリング レイや別のレイによって呼び出されたときの動作が異なります(たとえば、自然の空(mia)シェーダは目に見える太陽の「イメージ」をファイナル ギャザリング レイに表示しません)。ポータル ライト シェーダの主な用途はファイナル ギャザリングの集信装置としての役目を果たすことにあるため、その動作に従うのが道理です。つまり、[FG を使って環境をサンプル]がオンの場合は、環境をファイナル ギャザリング レイの種類とともに呼び出すので、この情報に基づいて自身のビヘイビアを切り替えるシェーダは、ファイナル ギャザリング レイに適切なカラーを返すことができます。

その他オプション

ライト カットオフしきい値(Light Cutoff Threshold)

これはパフォーマンスの最適化オプションです。このレベルより低いライトはすべて無視され、シャドウ レイのトレース(エリア ライトのレンダリング時間の大部分を消費する)は一切行われません。ライトが無視されるためシーンはわずかに暗くなりますが、過度なレンダリング時間を大いに削減できます。

ライト向きを反転(Reverse Light Direction)

通常、ライトはライト オブジェクトの座標空間の正の Z 方向へ照らし出されます。[ライト向きを反転]がオンの場合は、ライトが負の Z 方向へ照らし出されます。

フォトンのみ放出(Emit Photons Only)

[フォトンのみ放出]がオンの場合は、ライトはフォトンのみを放出し、実際には直接光をまったく放射しません。

Render Tree の使い方

ポータル ライト シェーダは、矩形(標準のウィンドウ設定の場合)のエリア ライトの[ライト シェーダ](Light Shader)入力と[ライトフォトン放出シェーダ](Light Photon Emitter Shader)入力の両方に接続します。

既定では、ポータル ライト シェーダはシーンに定義されているグローバル環境シェーダからライトのカラーを取得します。別の方法として(下図の Render Tree の設定を参照)、ポータル ライト シェーダは([custom_environment]入力ポートに接続されている)別の環境シェーダを呼び出してライトのカラーを取得することができます。