四足歩行リグを作成する

 
 
 

スケルトンのリグがプロポーショナルになるようセットアップするために、リグビルディング ガイドをロードできます。好みに合わせて四足ガイドをセットアップした後、このガイドを基に四足リグを作成できます。

このガイドは、さまざまなリグ設定スタイルの出発点としても使用できます。テクニカル ディレクタは、独自のプロポーショナル スクリプトを記述してリグをガイドにアタッチできます。

四足のプロポーショナル ガイドで定義した動物のボディを基に四足リグが作成されます。

四足歩行ガイドのセットアップ

四足歩行のプロポーショナル ガイドをロードするには

  1. [Animate]ツールバーから[作成](Create) [キャラクタ](Character) [四足ガイド](Quadruped Guide)を選択します。

  2. 赤色の操作立方体をガイド上で移動させながら、最終的な使用エンベロープ内にフィットするよう四肢のプロポーションを調整します。

    任意の立方体を操作すると、ボディの反対側にある対応立方体が同じように操作されます。これにより、ボディの両側のプロポーションが一致するように、同時にすばやく設定できます。

    任意の赤色の立方体をドラッグし、ボディ エンベロープのさまざまなパーツにフィットさせます。

    ボディの両側面が 1 度の操作で一様に調整されるよう、四肢は対称的にサイズ変更されます。

  3. キャラクタに合うようガイドのプロポーションをセットアップした後、そのガイドからリグを作成できます。これについては、次のセクションで説明します。

四足リグを作成する

このリグは、コントロール オブジェクト(キャラクタ ボディのさまざまなパーツの配置と向きを決定し、アニメートします)を含むスケルトンです(次のページの図を参照)。

リグはコンポーネント リギングの基盤を提供し、必要に応じて詳細にリギングを定義できます。この方法でリグを作成することにより利用できるスタイルはさまざまに存在しますが、さらに修正を加えるのも容易です。このリグは、削除、コンストレイント、新規オブジェクトへの接続などの操作が可能な、標準的な Softimage コンポーネントで構成されます。

二足歩行リグとは異なり、内側に配置される脚を持つ適切な四足歩行に対し、プリファレンス アングルが並べられます。動物キャラクタの骨格に対応するようリグが適切に並んでいることを、常に確認する必要があります。プロジェクトを開始するときに、動物の骨格やモーションの研究に時間を割くことは決して無駄にはなりません。以下に、動物の作成とアニメーションを適切に実行するための例を挙げます。

ヒント:デフォルトのガイド値を基に定義済みのリグをロードするには、任意のツールバーから[取得](Get) [プリミティブ](Primitive) [モデル](Model) [四足 - リグ](Quadruped - Rig)を選択します。

リグを作成する

四足歩行リグを作成するには

  1. キャラクタのプロポーショナルに合うためにプロポーショナル ガイドを変更します(「四足歩行ガイドのセットアップ」を参照)。

  2. [Animate]ツールバーから[作成](Create) [キャラクタ](Character) [四足ガイドからリグ作成](Rig from Quadruped Guide)を選択します。

  3. 表示される[Make Quadruped]ダイアログ ボックスで、必要なリグをセットアップします。

    この手順の以降のセクションでは、各プロパティ ページにおけるオプションの概要について説明します(「胸、腹、および頭をセットアップする」以降)。

  4. [OK]をクリックします。ガイドのプロポーションとユーザが選択したオプションに基づき、新しいスケルトン リグが作成されます。

    A

    耳: カーブは、スプリングで操作されるチェインです。耳の回転は、立方体によって制御されます。詳細については、「尻尾、耳、および腹リグ コントロールのスプリング オペレータ」を参照してください。

    B

    胸(大きい立方体): 胸部/背骨の回転と移動を制御します。

    C

    前脚のアップベクター(ピラミッド): IK 用の前脚のレゾリューション プレーンを制御します。

    D

    指(先端の立方体): 回転時の足からのオフセットを制御します。

    E

    足のロール(立方体の内側): 足運びとかかとの回転の回転角度を制御します。詳細については、「[Quadruped]コントロール」(「プロパティ リファレンス」)を参照してください。

    F

    エクステンション(中間の立方体): 後脚の 3 つのボーンの間で回転の分散を制御します。詳細については、「[Quadruped]コントロール」(「プロパティ リファレンス」)を参照してください。

    G

    足(下半身の外側): 足の回転と移動を制御します。

    H

    腹: ボックスは腹部の回転と移動を制御します。ボックスとリグを結ぶカーブは、スプリングで操作されるチェインです。詳細については、「尻尾、耳、および腹リグ コントロールのスプリング オペレータ」を参照してください。

    I

    下半身(下半身の外側): 腰の回転と移動を制御します。

    J

    腰(立方体の内側): 腰の 2 次オフセット アニメーション レイヤです。

    K

    後脚のアップベクター(ピラミッド): IK 用の後脚のレゾリューション プレーンを制御します。

    L

    尾: カーブは、スプリングで操作されるチェインです。尻尾の回転と移動は、立方体によって制御されます。詳細については、「尻尾、耳、および腹リグ コントロールのスプリング オペレータ」を参照してください。

    ヒント:
    • リグを作成した後にプロポーショナル ガイドを非表示にすると、リグの確認が容易になります。

    • 後でリグ設定オプションを変更したい場合は、キャラクタのプロポーショナル ガイドをコピーし、保存しておきましょう。

  5. リグが作成されると、四足コントロールが表示されます。このコントロールを使用すると、足の回転角度の設定と同様にスパインと尻尾をスケールできます。

    詳細については、「四足コントロールを使用する」を参照してください。

  6. リグに対し、ボディ ジオメトリをエンベロープします。

    このキャラクタにエンベロープを適用するには、リグのモデル内にある [envelope_group] グループにウェイト設定します(左図)。リグ設定オプションに応じて内容が変化します。複数のエンベロープ オブジェクトが存在する場合は、エンベロープ グループ全体にすべてのオブジェクトをウェイト設定します。これにより、複数のサーフェイスに渡るウェイトのペイントが容易になります。

  7. 適切なリグ コントロールを移動、回転させ、キーを設定し、スケルトンのパーツをアニメートします。

    重要:リグをアニメートする場合は、必ずコンストレイントおよび子変換のコンペンセイション(補正)を[オフ](off)にしてください。この操作を実行するには、[コンストレイント]パネルの[CnsComp]ボタンおよび[ChldComp]ボタンを無効にします。オフにしないと、リグ上のコンストレイントの位置が変更されてしまいます。

シノプティック ビュー

リグをコントロールするために使用できるシノプティック ビューがあります。リグの任意の部分を選択して[F3]キーを押すと、このビューが開きます。これにより、リグの選択やリセットが容易になります。リグをスケールしても、シノプティックの制御システムが新しい比率に適応するため、引き続きアイテムを選択できます。

ヒント:コントロール オブジェクトのスケールまたはアニメーションなど、リグを使用する際のヒントの詳細については、「リグ使用時のヒント」を参照してください。

胸、腹、および頭をセットアップする

[Make Quadruped]ダイアログ ボックスの[胸]、[腹]、および[頭]ページにあるオプションを使用すると、背骨、肩、腹、および頭(首)のセットアップ方法を選択できます。これらのオプションは、二足リグと同じものです。

尻尾を作成する

[Make Quadruped]ダイアログ ボックスの[尾](Tail)ページでは、リグに尻尾を作成するかどうかを選択できます。尻尾は基本的にチェインであり、各ボーンはリグのアニメーション(2 次アニメーション)に反応するスプリングで制御されます。また、カーブ上の立方体コントロールを FKで アニメートし、正確にコントロールしたり、必要に応じてポージングすることもできます。

尻尾は 6 分割(ボーン)で構成されています。チェインはスプリングで操作されます。

また、カーブ上の立方体コントロールを FKで アニメートし、正確にコントロールしたり、必要に応じてポージングすることもできます。

[尾の作成](Make Tail)を選択する場合は、椎の[分割数](Divisions)を指定できます。分割数が多いほど、尻尾の内側のカーブをトレースするチェイン エレメントが多くなります。スプリングによって制御される外側のケージはそのままの状態を維持します。カールのように特定のポーズの尻尾をより細かく制御する必要がある場合、このチェインに対して FK/IK ブレンドを設定して FK で制御し、外側のケージを無視することができます。

ヒント:

シャドウ リグの作成

[Make Quadruped]ダイアログ ボックスの[シャドウリグ](Shadow Rigs)ページのオプションを使用すると、主要リグを作成する際に 2 次リグも作成できます。作成できるシャドウ リグのタイプは、二足リグと同じものです。

[シャドウ リグ](Shadow Rigs)ページのオプションについては、「シャドウ リグの作成」を参照してください。

回転分割の設定

[Make Quadruped]ダイアログ ボックスの[回転分割](Roll Division)ページのオプションは、ボーンの回転時に、スケルトンのエンベロープにどのようにウェイト設定を適用するかを選択し、精度の高いウェイト設定を実現します。[回転分割]オプションは、ユーザが指定したサブディビジョン数に応じてヌルのセットを作成し、上腕骨(前脚の上の骨)および大腿骨(後ろ脚の上の)にウェイトを分散させます。これらのオプションはクォータニオンベースとなります。

各パラメータの詳細については、「回転分割」(「プロパティ リファレンス」)を参照してください。

A

2 つの上腕骨に設定される 5 つの回転分割。

B

2 つの大腿骨に設定される 4 つの回転分割。

ヒント:

-180~180 度の範囲を超えて足を回転させることはあまりありませんが、この範囲を超えて足を回転させることも可能です。たとえば、構成によっては、縫い目線のセンターの位置を正確に調整する必要があります。手順は次のとおりです。

  1. 足のボーンを選択し、Explorer で開きます。

  2. [Roll_Compensation]パラメータをダブルクリックし、[roll_offset]スライダを調整して必要な範囲を指定します。

四足コントロールを使用する

リグが作成されると、四足コントロールが表示されます。四足コントロールを使用すると、前脚および後脚の回転と同様に、リグのスパイン スケールおよびボリュームを調整できます。

各パラメータの詳細については、「[Quadruped]コントロール」(「プロパティ リファレンス」)を参照してください。

ヒント:これらのコントロールを閉じた後でも、Explorer を開き、Quadruped モデルの下にある[C]([Controls]カスタム パラメータ セット)アイコンをクリックします。