MotionBuilder がキャラクタ モデルの構造の一部として認識しているすべてのオブジェクトの名前は、左に一覧表示されます。オブジェクトをキャラクタの一部として定義するには、(Viewer ウィンドウ、Scene Browser、または Schematic ビューで)オブジェクトをキャラクタのスケルトンから選択し、[Alt]キーを押しながら Mapping List の対応するスロットにドラッグします。
たとえば、Spine を定義するには、[Alt]キーを押しながら Spine オブジェクトをキャラクタのスケルトンから Mapping List の Spine スロットにドラッグします。このようにして、MotionBuilder に「このキャラクタ モデルではこれがヒップ ボーンとなる」と認識させます。
Mapping List の各スロットには、ジョイント、ボーン、Null(ヌル)、またはモデルのスケルトンのその他のいかなるオブジェクトも配置することができます。
また、Character アセットをモデルの上にドラッグして、自動的にオブジェクトをすべてのスロットにマップすることもできます。スケルトンが Mapping List の命名規則に従っている限り、この操作によりキャラクタのスケルトンのジョイントやボーンは、適切なスロットへと自動的に配置されます。キャラクタの構造をマップする詳細については、「キャラクタ マッピング 」を参照してください。
モデルをモーション ソースへと正常に関連付けるには、ジョイントやボーン オブジェクトを Mapping List の Base グループの各スロットに定義します。
モデル作成に使用する手法によっては、Reference オブジェクトや追加の Auxiliary、Spine、Roll オブジェクトも指定する必要がある場合があります。
キャラクタの特定の胴体領域を定義するスロットは、キャラクタ マッピング作業が完了すると、展開や折りたたむことができるグループに整理されます。 Mapping List は、次のスロットまたはスロット グループに分割されます。
マッピング作業中は Reference オブジェクトを必要としませんが、モデル全体を移動、スケール、および回転するには、このスロットにオブジェクトを定義します。Reference オブジェクトは、モデル全体のルートの役割を果たします。理想的な Reference オブジェクトはモデルのヒップにペアレント化されたNull(ヌル)またはジョイントです。
Reference オブジェクトは、次のような状況で定義することをお勧めします。
Left Foot Floor および Right Foot Floor
Left Foot Floor スロットと Right Foot Floor スロットは、床を表すマーカーなどのオブジェクト用にあります。それぞれの足に、異なるマーカーを設定することができます。これらのスロットは、Feet Floor Contact 設定と共に使用してください(Toes Floor Contact Setup プロパティを参照)。
Left Hand Floor および Right Hand Floor
Left Hand Floor スロットと Right Hand Floor スロットは、キャラクタの左手または右手のために、床を表すマーカーなどのオブジェクト用にあります。左右両手に、それぞれ異なるマーカーを設定することができます。これらのスロットは、Hands Floor Contact 設定と共に使用してください(Feet Floor Contact Setup プロパティを参照)。
スロットの Base グループでは、MotionBuilder にロードされるすべてのスケルトンで必要なボーンの基本セットを定義できます。MotionBuilder がキャラクタ モデルとそのスケルトンの構造を理解できるように、オブジェクトをこのスロット グループにマップします。
MotionBuilder の命名規則に従ってスケルトンのボーンに名前を付けて、オブジェクトをこれらのスロットに自動的にマップすることができます。また、手動でボーンをこれらのスロットにマップすることもできますが、いずれの方法でもこれらの 15 本の Base ボーンを定義する必要があります。
Mapping リストの(必須)オブジェクトの Base グループ
Base グループ内の各スロットの説明は、次の表を参照してください。これらのボーンの配置を図解する単純なスケルトンを確認するには、ボーン命名規則を参照してください。
Base スロット | 説明 |
---|---|
Hips | モデルのヒップを動かすジョイントまたはボーンです。 |
LeftUpLeg/RightUpLeg | モデルの左上脚/右上脚を動かすジョイントまたはボーンです。この LeftUpLeg/RightUpLeg ジョイントまたはボーンは Hips ジョイントまたはボーンのである必要があります。 |
LeftLeg/RightLeg | モデルの左右の膝を動かすジョイントまたはボーンです。この LeftLeg/RightLeg ジョイントまたはボーンは LeftUpLeg/RightUpLeg ジョイントまたはボーンの子に設定する必要があります。 |
LeftFoot/RightFoot | モデルの左右の足を動かすジョイントまたはボーンです。この LeftFoot/RightFoot ジョイントまたはボーンは LeftLeg/RightLeg ジョイントまたはボーンの子に設定する必要があります。 |
Spine | マッピング先スケルトンの胸を指定するジョイントまたはボーンです。このスロットは、脊椎を持つキャラクタにおいて、オプションの Spine スロットと併用できます。Spine ジョイントまたはボーンはヒップと同じ位置に配置しないでください。同じ位置だと、正しくマッピングが行えません。 |
LeftArm/RightArm | モデルの左右の腕を動かすジョイントまたはボーンです。この LeftArm/RightArm ジョイントまたはボーンは Spine ジョイントまたはボーンの子に設定する必要があります。 |
LeftForeArm/RightForeArm | モデルの左右の肘を動かすジョイントまたはボーンです。この LeftForeArm/RightForeArm ジョイントまたはボーンは LeftArm/RightArm ジョイントまたはボーンの子に設定する必要があります。 |
LeftHand/RightHand | モデルの左右の手を動かすジョイントまたはボーンです。この LeftHand/RightHand ジョイントまたはボーンは LeftForeArm/RightForeArm ジョイントまたはボーンの子に設定する必要があります。 |
Head | モデルの頭を動かすジョイントまたはボーンです。この Head ジョイントまたはボーンは Spine ジョイントまたはボーンの子に設定する必要があります。 |
Auxiliary グループのスロットはオプションです。これらのスロットでは、足指や指、首、および肩のベースとなるオブジェクトを定義することでキャラクタをよりリアルにすることができます。
Mapping リスト内の Auxiliary スロット グループ
次の表では、Auxiliary グループ内の各スロットについて説明します。
Auxiliary スロット | 説明 |
---|---|
LeftToeBase/RightToeBase | モデルの左右の足指を動かすジョイントまたはボーンです。このジョイントまたはボーンは LeftFoot/RightFoot ジョイントまたはボーンの子に設定する必要があります。 |
LeftShoulder/RightShoulder | モデルの左右の肩を動かすジョイントまたはボーンです。このジョイントまたはボーンは Spine ジョイントまたはボーンの子に設定し、LeftArm/RightArm ジョイントまたはボーンの親に設定する必要があります。 |
Neck | モデルの首を動かすジョイントまたはボーンです。このジョイントまたはボーンは Spine ジョイントまたはボーンの子に設定し、Head ジョイントまたはボーンの親に設定する必要があります。 |
LeftFingerBase/RightFingerBase | モデルの左右の指を動かすジョイントまたはボーンです。このジョイントまたはボーンは指の根元の子に設定する必要があります。 |
Spine スロット グループでは、最大 1 本の脊椎(オプションの背骨 9 本 + 必須 Spine 1 本 = 10)で脊椎を指定できます。詳細については、脊椎を定義するを参照してください。
Spine グループ
Roll グループのスロットは、腕や脚のボーンの回転に影響を与えるオブジェクトを定義できます。
Roll グループ
モデルのスケルトンを作成するときに、スケルトンの構造にロール ボーンを追加することをお勧めします。モデルにロール ボーンがあると、エンベロープ変形をよりリアルにするために、特定のボーンのロール軸の動きのパーセントを指定できます(Character Settings > Modifiers オプション グループの「Modifiers」を参照)。
ロールを適切に転送するには、ボーンまたはジョイントを次の表に説明するように配置する必要があります。
Roll スロット | 説明 |
---|---|
LeftUpLegRoll/RightUpLegRoll | LeftUpLeg/RightUpLeg をロールさせるジョイントまたはボーンです。この LeftUpLegRoll/RightUpLegRoll ジョイントまたはボーンは LeftUpLeg/RightUpLeg ジョイントまたはボーンの子に設定する必要があります。 |
LeftLegRoll/RightLegRoll | LeftLeg/RightLeg をロールさせるジョイントまたはボーンです。この LeftLegRoll/RightLegRoll ジョイントまたはボーンは LeftLeg/RightLeg ジョイントまたはボーンの子に設定する必要があります。 |
LeftArmRoll/RightArmRoll | LeftArm/RightArm をロールさせるジョイントまたはボーンです。この LeftArmRoll/RightArmRoll ジョイントまたはボーンは LeftArm/RightArm ジョイントまたはボーンの子に設定する必要があります。 |
LeftForeArmRoll/RightForeArmRoll | LeftForeArm/RightForeArm をロールさせるジョイントまたはボーンです。この LeftForeArmRoll/RightForeArmRoll ジョイントまたはボーンは LeftForeArm/RightForeArm ジョイントまたはボーンの子に設定する必要があります。 |
モデルのスケルトン構造とアニメーションの制御の度合いによっては、ヒップの移動と回転を 2 つの異なるジョイントまたはボーンに分割することがあります。
Special スロット グループには、モデルのヒップを移動するための 2 番目のオブジェクトを定義できるHips Translation スロットが含まれています。Hips Translation オブジェクトを定義すると、ヒップ位置のデータはそのオブジェクトに、そしてヒップ回転データは Base グループで定義されているオリジナルの Hips オブジェクトに移動します。
Hips Translation スロットのある Special グループ
Hips Translation スロットで定義するオブジェクトは、キャラクタの Reference オブジェクトの子階層である必要があります。
オブジェクトを Hips Translation スロットで定義しない場合、位置データと回転データの両方が Hips スロットで定義されたオブジェクトに送信されます。Hips Translation Mode を参照してください。
また、Hips Translation ModeのCharacter Solving プロパティ オプションを使用し、回転と移動を Hips Translation オブジェクトと Hips オブジェクトに転送する方法を選択することができます。
Left Hand グループと Right Hand グループのスロットを使用し、オブジェクトを定義してリアルな手と指の動きをキャラクタに追加できます。これらのグループには、親指、人差し指、中指、薬指、小指オブジェクト用のスロットと、追加の指用のスロットが含まれています。
Left Hand グループ
各スロットの番号はそれぞれの指のジョイントに対応しています。たとえば、番号が「1」のスロットは指または足指の 1 番目のジョイントに対応し、番号が「4」のスロットは指の最後のジョイントに対応します。指先を正しく定義するため、それぞれの指の最後のジョイントまたはボーンは 4 番目のスロットにマップする必要があります。
Left Foot グループと Right Foot グループのスロットでモデルの足を定義し、キャラクタにリアルな足と足指の動きを追加できます。これらのスロットを使用する場合、モデルのスケルトンは足指のある足を持っている必要があります。
Foot グループは Hand グループと同じ命名規則に従うため、親指(第 1 趾)、人差し指(第 2 趾)、中指(第 3 趾)、薬指(第 4 趾)、小指(第 5 趾)用のスロットと追加の足指用のスロットを含んでいます。
たとえば、次の図は Beast キャラクタの Mapping List 内の Left Foot スロットを示しています。
Left Foot スロット グループ
各スロット グループの番号はそれぞれの足指のジョイントに対応しています。たとえば、番号が“1”のスロットは足指の 1 番目のジョイントに対応し、番号が“4”のスロットは足指の最後のジョイントに対応します。足の指先を正しく定義するため、それぞれの足指の最後のジョイントまたはボーンは最後のスロットにマップする必要があります。
詳細については、つま先の動作を定義するを参照してください。
Left In-Hand および Right In-Hand
Left In-Hand グループと Right In-Hand グループには、それぞれの手のボーンを定義するためのオプション スロットが含まれています。これらは、それぞれの指の 1 番目のジョイントまたはボーンを LeftHandBase または RightHandBase スロットに関連付けるジョイントまたはボーンです。
Left In-Hand グループ
たとえば、次の図は、ボーンが Left In-Hand オプション スロットで定義されているスケルトンを示しています。
left In-Hand ボーンを持つモデル
Left In-Hand グループと Right In-Hand グループにはそれぞれの指(親指、人差し指、中指、薬指、小指)の In-Hand スロットと追加の指用のスロットが含まれています。
各 Left In-Hand オブジェクトと Right In-Hand オブジェクトは、LeftFingerBase/RightFingerBase オブジェクトとそれぞれの指の 1 番目のジョイントまたはボーンの間にある必要があります。たとえば、LeftInRing オブジェクトは LeftFingerBase オブジェクトの子である必要があると同時に、LeftHandRing1 オブジェクトをペアレント化する必要があります。
Left In-Foot および Right In-Foot
Left In-Foot グループと Right In-Foot グループには、それぞれのボーンを定義するためのオプション スロットが含まれています。これらボーンは、それぞれの足指の 1 番目のジョイントを LeftToeBase または RightToeBase に関連付けます。
Left In-Foot グループ
たとえば、次の図は、ボーンが Left In-Foot オプション スロットで定義されているスケルトンを示しています。
Left In-Foot オブジェクト A. LeftInFootIndex B. LeftInFootMiddle C. LeftInFootRing
Left In-Foot グループと Right In-Foot グループにはそれぞれの足指(親指、人差し指、中指、薬指、小指)の In-Foot スロットと追加の足指用のスロットが含まれています。これらのスロットの名前は、Left In-Hand グループと Right In-Hand グループが類似しているため、これらのグループに基づいてつけられます。LeftInFootThumb スロットは左足の親指、LeftInFootIndex は左足の第 2 趾、などというように表現されます。
それぞれの Left In-Foot/Right In-Foot ジョイントまたはボーンは、LeftToeBase/RightToeBase と各足指の 1 番目のジョイントまたはボーンの間になくてはいけません。たとえば、 次の図では、LeftInFootRing オブジェクト(B)は LeftToeBase(A)の子で、LeftFootRing1 オブジェクト(C)をペアレント化する必要があります。
Left In-Foot オブジェクトの階層 A. LeftToeBase オブジェクト B. LeftInFootRing オブジェクト C. LeftFootRing1 オブジェクト
Neck グループには、複数のネック ボーンを定義できる 10 個のスロットが含まれています。通常、二足歩行では 1 つのみのネック ジョイントまたはボーンを使用します。一方、四足歩行では多数のネック ジョイントまたはボーンを使用します。