テクスチャレイヤプロパティの設定

 
 
 

テクスチャレイヤを設定し、そのプロパティを編集することができるのは、次の場所からです。

ほとんどの場合、テクスチャレイヤを操作するには、Texture Layer Editorとこのプロパティエディタを一緒に使用するのが最も効果的です。たとえば、Texture Layer Editorを使用してレイヤの設定と並べ替えを行ってから、個々のレイヤのプロパティエディタを使用して設定の微調整とパラメータのアニメートを行うことができます。

テクスチャレイヤのプロパティ: ワークフローの概要

各テクスチャレイヤには、以下の4つの基本的な属性があります。この属性は、任意の順序で設定することができます(ただし、以下の順序で設定することをお勧めします)。

  • [Color]入力-他のレイヤとブレンドされているテクスチャです。詳細については「カラー入力プロパティの設定」を参照してください。

  • [Mask]入力-テクスチャを使用してレイヤのウェイトを駆動することができます。詳細については「マスクプロパティの設定」を参照してください。

  • ミキシングオプション: 前のレイヤのブレンド結果にレイヤをブレンドする方法を指定します。詳細については「テクスチャレイヤのミックス」を参照してください。

  • レイヤ/ポートオプション-レイヤに追加されている各ポートへのレイヤのエフェクトを指定します。各レイヤには、そのレイヤが影響する各ポートのレイヤ/ポートの操作部のセットがあります。詳細については「レイヤとポートのプロパティを設定する」を参照してください。

カラー入力プロパティの設定

テクスチャレイヤの[Color]入力の接続は、前のレイヤにミックスされている実際のテクスチャまたはシェーダです。レイヤの[Color]ポートがテクスチャに接続されていない場合は、そのレイヤはプロパティエディタで調整可能なカラー値を使用します。

ヒント:

1つのテクスチャまたはシェーダを使用してレイヤの[Color]入力を管理するほかに、シェーダのネットワーク全体を使用することもできます。こうすると、複雑なテクスチャのエフェクトを個々のレイヤで使用することが可能になります。この方法は、Render Treeで行うのが最適です。

詳細については「Render Tree でテクスチャ レイヤを操作する」を参照してください。

各レイヤには、[Color]入力を設定および修正するための操作部のセットがあります。

  • Texture Layer Editorおよびマテリアルパネルでは、これらの操作部は[Color]サムネイルのコンテキストメニュー(右クリック)にあります。

    [Color]サムネイル: 右クリックすると、レイヤの[Color]入力へのテクスチャの追加またはテクスチャの置換を行ったり、[入力カラー]オプションを設定することができます。

  • テクスチャレイヤのプロパティエディタでは、[入力カラー]オプションは一番上にあり、すぐ下に[ミュート]オプションと[ソロ]オプションがあります。

これらの操作部を使用すると、テクスチャまたはシェーダを選択してレイヤの[Color]入力に接続したり、[Color]入力のアルファチャンネルに関するさまざまなオプションを設定することができます。

テクスチャレイヤの[Color]入力の設定

シェーダまたはマテリアルに追加する新しいテクスチャレイヤには、デフォルトのカラー値または実際のテクスチャである[Color]入力があります。また、次の手順で説明されているように、[Color]入力を修正または変更することもできます。

レイヤのカラー入力を修正または変更するには

  1. 次のいずれかの操作を実行します。

    • Texture Layer Editorで、[Color]サムネイルの矢印アイコンをクリックします(またはサムネイルを右クリックします)。

      または

    • レイヤのプロパティエディタを開き、[入力カラー](Input Color)パラメータの接続アイコンをクリックします。

  2. メニューから、以下のいずれかを選択します。

    Texture(テクスチャ)

    エフェクト

    接続解除

    現在接続されているシェーダが、レイヤの[Color]ポートから切断されます。

    挿入

    有効な変換シェーダのサブメニューが開きます。このサブメニューでシェーダを選択すると、レイヤの[Color]入力と前に接続されていたシェーダとの間にこのシェーダが挿入されます。

    変換シェーダの詳細については、「Methods for Editing Shaders(シェーダの編集方法)」を参照してください。

    イメージ

    [Image]シェーダをレイヤの[Color]ポートに接続します。このシェーダはデフォルトのイメージクリップを使用しますが、シェーダのプロパティを編集して別のイメージを選択することができます。

    クリップ

    シーンのすべてのイメージ クリップが一覧表示されたサブメニューが開きます。任意のクリップを一覧から選択することができます。

    このクリップは、[Image]シェーダを使用してレイヤの[Color]ポートに接続されます。

    ソース

    シーンのすべてのイメージ ソースが一覧表示されたサブメニューが開きます。任意のソースを一覧から選択することができます。

    新しいイメージクリップがソースから作成され、[Image]シェーダを使用してレイヤの[Color]ポートに接続されます。

    各種シェーダ

    レイヤに影響されるパラメータに応じて、特定のグループのシェーダが表示されます。

    その他...

    ブラウザが開きます。これにより、シェーダ ライブラリからシェーダを選択できるようになります。選択したシェーダは、レイヤの[Color]ポートに接続されます。

    [注](Note): ブラウザから選択したシェーダは、[その他](More...)オプションの下の「最近使用したシェーダ」の一覧に表示されます。

    選択したテクスチャは、レイヤの[Color]ポートに接続されます。

カラー入力オプションの設定

[Color]入力のアルファチャンネルを制御することが可能な、いくつかのオプションを設定することができます。

レイヤのカラー入力のオプションを設定するには

  1. 次のいずれかの操作を実行します。

    • Texture Layer Editorで、[Color]サムネイルの矢印アイコンをクリックします(またはサムネイルを右クリックします)。

      または

    • レイヤのプロパティエディタを開きます。

  2. レイヤのプロパティエディタにある[Color]入力のメニューまたは[入力カラー]オプションで、必要に応じて以下のオプションを設定します。

    • [Invert Alpha]はカラー入力のアルファチャネルを反転します。

    • [Use Alpha]は、カラーとしてカラー入力のアルファチャネルを使用し、グレイスケールテクスチャを作成します。

      通常は、[アルファ反転](Invert Alpha)オプションと[アルファ使用](Use Alpha)オプションを一緒に使用して、透明度や反射率のようなグレースケール値の処理に最も適したポートを制御します。

    • [Ignore Alpha]は、アルファチャネルを使用せずにカラー入力をブレンドします。このオプションを使用すると、[アルファ反転]オプションと[アルファ使用]オプションが無効になります。

    • [Premultiplied] カラーの入力ピクセルに対応するアルファ値を掛けます。

マスクプロパティの設定

テクスチャレイヤのマスクは、レイヤのウェイトを調整するのに使用されるグレイスケールのテクスチャです。マスクが暗いほどウェイトは低くなり、その逆も同様です。レイヤが前のレイヤとブレンドされるときは、マスクにはウェイト値が掛けられ、レイヤの最終的なウェイトが算出されます。このため、テクスチャを使用して、前のレイヤとブレンドされるレイヤの位置を管理することができます。

ヒント:

1つのテクスチャまたはシェーダを使用してレイヤの[Mask]入力を管理するほかに、シェーダのネットワーク全体を使用することもできます。こうすると、使用しているレイヤについて、[Mask]の複雑なエフェクトを作成することが可能になります。この方法は、Render Treeで行うのが最適です。

詳細については「Render Tree でテクスチャ レイヤを操作する」を参照してください。

   

この例では、テクスチャレイヤは緑色のスライムでマグカップの表面を覆うために追加されています。マスクは、スライム状のテクスチャを表示する場所を指定するために使用されています。

ここで、最初のテクスチャレイヤ(ラベル)のみを適用したマグが表示されます。

   

マスクなしで2番目のレイヤを追加すると、スライム状のテクスチャがオブジェクト全体に適用され、ラベルが見えにくくなります。これは、望ましい結果ではありません。

マスクを使用すると、マスクのテクスチャによって定義された領域にブレンドを限定し、スライムが垂れているような効果が作成されます。

ヒント:[Over]ミキシングモード(「ミキシングモードの選択」を参照)を使用してレイヤのミキシングを行う場合は、マスクを使用し、アルファチャンネルを持たない[Color]入力の切り抜きを作成することができます。この方法が、上の例で使用されています。

テクスチャまたはシェーダの単独のプリセットをレイヤのマスクとして使用したり、他のいくつかの[マスクモード]のいずれかを使用して[Color]入力の属性に基づいてマスクを作成したりすることができます。デフォルトでは、テクスチャレイヤにはマスクがありません。つまり、テクスチャレイヤの[マスクモード]は[マスクなし](No Mask)に設定されています(サムネイルには X マークが付いています)。また、各レイヤにはモードを設定するための固有の操作部と、その他のマスクプロパティがあります。

  • Texture Layer Editorでは、これらの操作部は[Mask]サムネイルのメニューにあります(矢印アイコンをクリックするか、サムネイルを右クリックすると、メニューが開きます)。

    [Mask]サムネイル: 右クリックすると、レイヤのマスク入力へのテクスチャを追加したり、[マスクモード]オプションを設定することができます。

  • テクスチャレイヤのプロパティエディタでは、[マスク]オプションは[入力カラー]オプションのすぐ下にあります。

以降のセクションでは、さまざまなマスクモードと、その使用方法を説明します。

テクスチャまたはシェーダのプリセットをマスクとして使用する

レイヤのマスクを設定する最も一般的な方法は、単独のテクスチャイメージまたはシェーダのプリセットを使用することです。グレースケールのテクスチャをレイヤの[Mask]入力に接続すると、テクスチャは「そのままの状態」で使用されます。カラー(RGB または RGBA)テクスチャを接続すると、強度に基づいてテクスチャがグレースケールに変換され、マスクとして使用されます。

ヒント:レイヤの[マスクモード]を[マスクの接続を使用](Use Mask Connection)に設定してから、テクスチャまたはシェーダのプリセットを接続した場合は、マスクは単純なスカラ値によって制御されます。このスカラ値はレイヤのプロパティエディタで調整することができます。

テクスチャレイヤのマスクを設定するには

  1. 次のいずれかの操作を実行します。

    • Texture Layer Editorで、[Mask]サムネイルの矢印アイコンをクリックします(またはサムネイルを右クリックします)。

      または

    • レイヤのプロパティエディタを開き、[マスク](Mask)パラメータの接続アイコンをクリックします。

  2. メニューから、以下のいずれかを選択します。

    Texture(テクスチャ)

    エフェクト

    イメージ

    [Image]シェーダをレイヤの[Mask]ポートに接続します。このシェーダはデフォルトのイメージクリップを使用しますが、シェーダのプロパティを編集して別のイメージを選択することができます。

    クリップ

    シーンのすべてのイメージ クリップが一覧表示されたサブメニューが開きます。任意のクリップを一覧から選択することができます。

    このクリップは、[Image]シェーダを使用してレイヤの[Mask]ポートに接続されます。

    ソース

    シーンのすべてのイメージ ソースが一覧表示されたサブメニューが開きます。任意のソースを一覧から選択することができます。

    新しいイメージクリップがソースから作成され、[Image]シェーダを使用してレイヤの[Mask]ポートに接続されます。

    各種シェーダ

    レイヤに影響されるパラメータに応じて、特定のグループのシェーダが表示されます。シェーダを選択することによって、レイヤのマスクポートに接続されたシェーダが置換されます。

    その他...

    ブラウザが開きます。これにより、シェーダ ライブラリからシェーダを選択できるようになります。選択したシェーダは、レイヤの[Mask]ポートに接続されます。

    シェーダがすでにポートに接続されている場合は、シェーダは切断され、新しいシェーダに置き換えられます。

    [注](Note): ブラウザから選択したシェーダは、[その他](More...)オプションの下の「最近使用したシェーダ」の一覧に表示されます。

    選択したテクスチャレイヤは、レイヤの[Mask]ポートに接続され、レイヤの[マスクモード]は自動的に[マスクの接続を使用](Use Mask Connection)に設定されます。

その他の方法でマスクテクスチャを選択するには

テクスチャまたはシェーダのプリセットを選択してレイヤのマスクとして使用するには、以下のいずれかを行います。

  • Texture Layer Editorで、ブラウザまたはツールバーからレイヤのマスクサムネイルにテクスチャイメージまたはシェーダのプリセットをドラッグします。

    または

  • Texture Layer Editorで、レイヤの[Color]サムネイルまたは[Mask]サムネイルを別のレイヤのマスクサムネイルにドラッグします。

    または

  • Render Treeで、レイヤの[Mask]ポートにシェーダを接続します。

カラー入力のアルファチャネルからマスクを作成する

レイヤのマスクを作成するには、レイヤの[Color]入力のアルファチャンネルに基づいてグレースケールのテクスチャを作成し、マスクとして使用する方法があります。

オリジナルのテクスチャ

アルファから作成されたマスク

ヒント:レイヤの[Color]入力が[アルファを無視](Ignore Alpha)または[アルファ使用](Use Alpha)に設定されていても、そのアルファチャンネルをマスクとして使用することが可能です。詳細については「カラー入力オプションの設定」を参照してください。

カラー入力のアルファチャンネルからマスクを作成するには

  • 次のいずれかの操作を実行します。

    • Texture Layer Editor で、[Mask]サムネイルの矢印アイコンをクリックし(またはサムネイルを右クリックし)、メニューから[Use Layer Input Alpha as Mask]を選択します。

      または

    • レイヤのプロパティエディタを開き、[マスクモード](Use alpha of input)リストから[入力のアルファを使用](Mask mode)を選択します。

カラー入力の強度からマスクを作成する

レイヤのマスクを作成するもう1つの方法として、レイヤの[Color]入力の輝度に基づいてグレースケールのテクスチャを作成し、マスクとして使用する方法があります。

オリジナルのテクスチャ

輝度から作成されたマスク

カラー入力の輝度からマスクを作成するには

  • 次のいずれかの操作を実行します。

    • Texture Layer Editor で、[Mask]サムネイルの矢印アイコンをクリックし(またはサムネイルを右クリックし)、メニューから[レイヤ入力の強度をマスクとして使う](Use Intensity of Layer Input as Mask)を選択します。

      または

    • レイヤのプロパティエディタを開き、[マスクモード](Use intensity of input)リストから[入力の強度を使用](Mask mode)を選択します。

カラー入力のしきい値からマスクを作成する

[Color]入力のしきい値からマスクを作成すると、[Color]入力のピクセルの輝度が、指定されたしきい値と比較されます。[Color]入力の輝度がしきい値を下回る場合、マスクは完全な黒になります。輝度がしきい値を超える場合は、マスクは完全な白になります。この方法では、[Color]入力から大まかなマットをすばやく作成できます。

   

この例では、海賊のマークのテクスチャが、ラベルテクスチャ上にデカールとして追加されています。 海賊のマークのテクスチャには、アルファチャンネルがないため、しきい値を使用してマスクが作成されています。この結果は、下の図で確認することができます。

マスクなし

マスクがない状態では、アルファチャンネルのないフォアグラウンドレイヤは、バックグラウンドレイヤを完全に遮断しています。

   

しきい値=0

フォアグラウンドレイヤのしきい値をマスクとして使用すると、最初の切り抜きが作成されます。

しきい値=0.6

しきい値を上げると、輪郭が除去され、無難な出来映えのフォアグラウンドレイヤのデカールが作成されます。

しきい値を使用してマスクを作成するには

  1. 次のいずれかの操作を実行します。

    • Texture Layer Editor で、[Mask]サムネイルの矢印アイコンをクリックし(またはサムネイルを右クリックし)、メニューから[レイヤ入力のしきい値をマスクとして使う](Use Threshold of Layer Input as Mask)を選択します。

      または

    • レイヤのプロパティエディタを開き、[マスクモード](Mask mode)リストから[入力しきい値を使用](Use input threshold)を選択します。

  2. レイヤのプロパティエディタを開き、適切なマスクが作成されるまで、[しきい値]の値を調整します。

マスクを反転させる

レイヤのマスクは、[マスクモード]設定に関係なく、反転することができます。

レイヤのマスクを反転するには

  • 次のいずれかの操作を実行します。

    • Texture Layer Editor で、[Mask]サムネイルの矢印アイコンをクリックし(またはサムネイルを右クリックし)、メニューから[反転](Invert)を選択します。

      または

    • レイヤのプロパティエディタを開き、[Mask]の[反転](Invert)オプションを選択します。

テクスチャレイヤのミックス

テクスチャレイヤは、ベースレイヤに最も近いテクスチャレイヤから、ベースレイヤから最も離れたテクスチャレイヤまで、連続的にミックスして結合することができます。リストまたはスタックの1番目のテクスチャレイヤは、ベースレイヤとミックスされます。次に、このブレンド結果と2番目のテクスチャレイヤがミックスされます。その後も同様に処理が行われます。

レイヤが前のレイヤとミックスされる方法を制御するには、レイヤのウェイトを調整し、ミキシングモードを指定します。ウェイト値によってレイヤのエフェクトの強度が調節され、ミキシングモードに応じてフォアグラウンドレイヤとバックグラウンドレイヤの両方またはいずれかに特定の数値演算が行われ、これらのレイヤがさまざまな方法でミックスされます。各レイヤには、これらの設定を行うための固有の操作部があります。

  • Texture Layer Editorでは、これらの設定を行うための操作部は各テクスチャレイヤの[Mask]サムネイルの隣に表示されます。

    [Layer Weight]スライダ(A)と[Mixing mode]リスト(B)

  • テクスチャレイヤのプロパティエディタでは、ミックス処理用の操作部は[Mask]オプションのすぐ下にあります。

レイヤのウェイトを設定する

テクスチャレイヤのウェイトは、レイヤが前のレイヤに影響する度合いを制御します。ウェイト値が高いほど、ブレンド結果ではそのレイヤのエフェクトがより目立つようになります。このウェイト値は、レイヤのマスクで乗算され、最終的なウェイトが生成されます。

この例では、赤色から透明への階調が、肌のテクスチャを構成するベースレイヤ上にブレンドされており、赤面または発熱しているような効果が作成されています。

ウェイトの値を増やすと、階調の効果が目立つようになります。若干まだら状になった外観にするために使用されているマスクが、階調のウェイトにどのように影響しているかに注目してください。

ウェイト=0

ウェイト=0.25

ウェイト=0.5

ウェイト=0.75

ヒント:ウェイトの考え方としては、レイヤのエフェクトが前のレイヤに対して適用される度合いと捉えるとよいでしょう。ウェイト値が0(ゼロ)であると、エフェクトが実行されないのと同じです。また、この値が1の場合は、エフェクトが完全に実行されます。
注:レイヤのウェイトは、Layer/port scalingスライダを使用して、レイヤのポートごとに調整することもできます。各ポートのローカルのスケール値は、レイヤのウェイト値を総合した値で乗算されます。詳細については「レイヤとポートのプロパティを設定する」を参照してください。

ミキシングモードの選択

ミキシングモードとは、レイヤが前のレイヤにブレンドされるときにフォアグラウンドとバックグラウンドの両方またはいずれかに対して実行される数値演算です。たとえば、[Plus]ミキシングモードでは、フォアグラウンドとバックグラウンドのピクセル値が合計され、ほとんどの場合どちらのレイヤよりも輝度が高くなります。

テクスチャレイヤのミキシングモードを設定するには

Texture Layer Editor でレイヤの[Mixing Mode]リストからモードを選択するか、レイヤのプロパティエディタを開き、モードを[Mode]リストから選択します。

各テクスチャレイヤについて、以下のいずれかのモードを選択することができます。

ミキシングモード

エフェクト

新しいレイヤのアルファのウェイトに基づいて、前のレイヤの色を新しいレイヤの色で補間します。アルファ値が高いと、新しいレイヤのカラーが目立つようになり、アルファ値が低いと、その逆になります。このため、新しいレイヤのアルファ値が0(ゼロ)の領域には、前のレイヤのカラーしか表示されず、アルファ値が 1 の領域には、新しいレイヤのカラーしか表示されません。

レイヤをデカールとして適用する場合に使用します。

C + B*(1-C.a)

イン

前のレイヤを、新しいレイヤのアルファチャンネルの形状に切り取ります。

C*B.a

外側

Inの逆で、 新しいレイヤの形状を、前のレイヤのアルファチャンネルから切り取ります。

C*(1-B.a)

プラス

前のレイヤのピクセル値を、新しいレイヤのピクセル値に加算します。結果は1で切り捨てません(100%)。

C + B

有界プラス

[プラス]モードと同様に計算されますが、すべての値は1(100%)で切り捨てられます。

[プラス]モードと同じですが、すべてのコンポーネントが0~1の範囲内に制限されます。

表示/非表示(乗算)

前のレイヤのカラーと、新しいレイヤのカラーを掛け合わせます。

C * B

表示/非表示で有界(乗算)

[表示/非表示(乗算)]モードと同様に計算されます。すべての値が 1(100%)で切り捨てられる点が異なります。

乗算モードと同じですが、すべてのコンポーネントが0~1の範囲内に制限されます。

各カラーチャンネルの情報を調べ、前のレイヤのカラーを新しいレイヤから減算するか、その逆が行われます。どちらが行われるかは、どちらのレイヤのカラーが明るいかによって異なります。

{ abs(C.r-B.r), abs(C.g-B.g), abs(C.b-B.b), abs(C.a-B.a)}

比較(暗)

前のレイヤと新しいレイヤとの間で最も暗いカラーを結果のカラーとして設定します。新しいレイヤよりも明るいピクセルが置き換えられます。新しいレイヤよりも暗いピクセルは置き換えられません。

{ min(C.r,B.r), min(C.g,B.g), min(C.b,B.b), min(C.a,B.a)}

比較(明)

前のレイヤと新しいレイヤとの間で最も明るいカラーを結果のカラーとして設定します。新しいレイヤよりも明るいピクセルは変更されません。新しいレイヤよりも暗いピクセルが置き換えられます。

{ max(C.r,B.r), max(C.g,B.g), max(C.b,B.b), max(C.a,B.a)}

ハード ライト

前のレイヤのピクセルが明るいと、新しいレイヤのピクセルがさらに明るくなり、 前のレイヤのピクセルが暗いと、新しいレイヤの暗いピクセルがさらに暗くなります。視覚的には、それぞれのレイヤによってもう一方のレイヤの極端なピクセル値が強められます。つまり、暗い部位はさらに暗くなり、明るい部位はさらに明るくなります。

{ HL( C.r, B.r ), HL( C.g, B.g ), HL( C.b, B.b ), HL( C.a, B.a )}

Where HL( c, b )=

if ( c < 0.5 ) 2 * c * b

else 1-2*(1-c)*(1-b);

ソフト ボディ

前のレイヤと新しいレイヤを混合し、新しいレイヤの最も明るいピクセルで結果のカラーを表示します。

{ SL( C.r, B.r ), SL( C.g, B.g ), SL( C.b, B.b ), SL( C.a, B.a )}

Where SL( c, b )= HL( c, b*0.5+0.25)

注: HLの定義については、前述の「Hard Light」を参照してください。

スクリーン

各カラーチャンネルの値が、新しいレイヤのカラーと前のレイヤのカラーの逆数で乗算されます。元の色が色あせたような明るい色が生成されます。

C + B - C*B

Overlay(オーバーレイ)

背景レイヤに基づいて前景レイヤの明るさを変えます。

背景が暗い場合(<0.5)はフロントカラーと黒が補間され、背景の相対的な暗さで前景色が弱くなります。

背景が明るい場合(>0.5)はフロントカラーと白が補間され、背景の相対的な明るさで前景色が強くなります。

これにより背景レイヤのシャドウが保持されるか、または前景レイヤを重ねたときに前景レイヤが強調されます。

{ OL( C.r, B.r ), OL( C.g, B.g ), OL( C.b, B.b ), OL( C.a, B.a )}

Where OL( c, b )= HL( b, c )

注: HLの定義については、前述の「Hard Light」を参照してください。

ブレンド

新しいレイヤの明るいセクションが徐々に(そして均一に)前のレイヤの暗いセクションを隠していきます。このモードは追加する前に前のレイヤを補正して、生成されるカラーが1(100%)を超えないようにします。

C + B*({1,1,1,1}-C)

レイヤとポートのプロパティを設定する

テクスチャレイヤに追加されている各ポートには、ポートへのレイヤのエフェクトを微調整するための操作部のセットがあります。

  • Texture Layer Editorでは、これらの操作部はレイヤがポートに追加されている各セルに表示されます。

    A

    レイヤポートスケーリング

    B

    アルファをカラーとして使用

    C

    カラー反転

  • テクスチャレイヤのプロパティエディタでは、レイヤに追加されている各ポートについて、補助的なプロパティエディタがレイヤのメインプロパティエディタに追加されます。

    A

    適用対象のポート

    B

    レイヤポートスケーリング

    C

    ミュート

    D

    アルファをカラーとして使用

    E

    カラー反転

いずれの場合も、これらの操作部が表示されるのは、ポートがレイヤに追加されているときだけです。以降のセクションでは、レイヤ/ポートのオプションと、その使用方法を説明します。

ポートをテクスチャレイヤに追加する方法の詳細については、「Render Tree でテクスチャ レイヤにポートを追加する」および「テクスチャ レイヤにポートを追加する/テクスチャ レイヤからポートを削除する」を参照してください。

ポートのカラーとしてレイヤのアルファチャネルを使用する

特定のポートに対して、レイヤのアルファチャンネルをカラーとして使用することができます。ほとんどの場合、このオプションは透明度や反射率のようなグレースケール値の処理に最も適したポートに対して使用します。このような場合、ポートへのレイヤのカラーを反転する必要もあります。これについては、次のポートに対するレイヤのカラーを反転するで説明します。

A

レイヤの[Color]入力のアルファチャンネルが反転され(次のセクションを参照)、シェーダの[Transparency]ポートに対してカラーとして使用されます。

B

このため、シェーダが適用されているグリッドから、標識の形状の切り抜きが作成されます。

注:レイヤのアルファをポートへのカラーとして使用し、そのカラーを反転している場合は、アルファから生成されるグレー スケールのテクスチャに作用するように反転操作は最後に行われます。

レイヤのアルファチャンネルを特定のポートへのカラーとして使用するには

  • 次のいずれかの操作を実行します。

    • Texture Layer Editor で、ポートのセルの[Use alpha as color](A)アイコンをクリックします。

      または

    • レイヤのプロパティエディタで、ポートのレイヤ/ポートのページを探し、[カラーソース](Color Source)オプションを[レイヤ入力アルファをグレイスケールとして](Layer Input Alpha as grayscale)に設定します。

ポートに対するレイヤのカラーを反転する

レイヤの影響を受けるポートについて、レイヤのカラーを反転することができます。これが最も役立つのは、マットまたはグレースケールのテクスチャ(またはレイヤのアルファチャンネル)を使用して、透明度や反射率のようなパラメータを管理している場合です。

適切な例として、レイヤのアルファチャンネルを使用して、サーフェイスシェーダの透明度を設定している場合が挙げられます。透明度はグレースケールのイメージに対して最も適しているため、RGBチャンネルではなく、カラー入力のアルファチャネルを使用する必要があります。問題は、サーフェイスシェーダが、アルファチャンネルの黒色の領域を不透明と解釈し、白色の領域を透明と解釈することであり、これではまったく逆になってしまいます。ポートへの(アルファチャンネルを使用するように設定されている)レイヤのカラーを反転すると、この問題が解決されます。

注:レイヤのアルファをポートへのカラーとして使用し、そのカラーを反転している場合は、アルファから生成されるグレー スケールのテクスチャに作用するように反転操作は最後に行われます。

ポートへのレイヤのカラーを反転するには

  • 次のいずれかの操作を実行します。

    • Texture Layer Editor で、ポートのセルの[Invert Layer color](Invert color)(I)アイコンをクリックします。

      または

    • レイヤのプロパティエディタで、ポートのレイヤ/ポートのページを探し、反転オプションをオンにします。

ポートに対するレイヤのエフェクトのスケーリング

Texture Layer Editor のレイヤ/ポートのセルと、レイヤのプロパティエディタのレイヤ/ポートのページには、[スケール](Scale)スライダがあります。このスライダの値を調整すると、ポートへのレイヤのエフェクトが調整されます。各ポートのローカルのスケール値は、レイヤのウェイト値を総合した値で乗算され(「レイヤのウェイトを設定する」を参照)、ポートに対するレイヤの最終的なエフェクトが生成されます。

レイヤポートスケーリングスライダ(A)

スケールを調整するセルをいくつか選択し、1つのセルのスケールスライダをドラッグすると、一度に複数のポートについてレイヤのスケールを調整することができます。選択したすべてのセルが、同じスケール値に設定されます。

ヒント:セルを選択している間は、選択していないセルのスケール値を調整しても、セルの選択が解除されることはありません。このため、1つのポートと他の複数のポートについて、エフェクトのスケールのバランスを調整することができます。

ポートへのレイヤのエフェクトのミュート

ポートへのレイヤのエフェクトをミュートすると、レイヤのエフェクトはそのポートに適用されなくなります。この操作はレイヤ/ポートのプロパティエディタで実行できます。

ポートへのレイヤのエフェクトをミュートするには

  1. ポートへのエフェクトをミュートするレイヤのプロパティエディタを開きます。

  2. レイヤのプロパティエディタで、レイヤのエフェクトをミュートする各ポートのレイヤ/ポートのページにある[ミュート](Mute)オプションを有効にします。

テクスチャレイヤのミュートとソロ適用

各テクスチャレイヤには、レイヤをミュートしたり、レイヤにソロを適用することが可能な操作部があります。レイヤをミュートすると、レイヤのエフェクトが適用されなくなり、レイヤにソロを適用すると、そのレイヤだけが使用されます。

注:ソロの適用は、常にミュートよりも優先されます。1つのレイヤにソロを適用すると、すべてのレイヤのミュートコマンドは無視されます。
  • Texture Layer Editorでレイヤのミュートまたはレイヤへのソロの適用を行うには、下図に示されているように、その操作に対応するアイコンをレイヤの見出しでクリックします。

    A

    クリックすると、レイヤがミュートされます。

    B

    クリックすると、レイヤにソロが適用されます。

    アイコンの色が変化し、レイヤのミュートまたはソロの適用が有効になっていることを示します。もう一度アイコンをクリックすると、レイヤのミュートまたはソロの適用が解除されます。

  • テクスチャレイヤのプロパティエディタで、ミュートとソロのオプションを切り替え、レイヤをミュートしたり、ソロを適用することができます。

複数のテクスチャレイヤのミュートおよびソロの適用

Texture Layer Editorでは、一度に複数のレイヤをミュートしたり、ソロを適用することができます。これが役立つのは、シェーダの[Transparency]ポートに影響しているすべてのレイヤなど、特定のグループのレイヤのエフェクトのみを確認するときです。[Transparency]ポートに影響しないテクスチャレイヤをすべてミュートしたり、[Transparency]ポートに影響するすべてのレイヤにソロを適用することができます。

一度に複数のレイヤのミュートまたはソロの適用を行うには

  1. Texture Layer Editorで、1つまたは複数のテクスチャレイヤを選択します。

  2. 選択したレイヤのいずれかを右クリックし、メニューから[ミュート](Mute)または[ソロ](Solo)を選択します。あるいは、[m]キーを押して、選択したレイヤをミュートするか、[s]キーを押して、選択したレイヤにソロを適用します。

テクスチャレイヤのロック

レイヤをロックすると、そのすべてのパラメータがロックされるため、レイヤをそれ以上修正することができなくなります。レイヤは、Texture Layer Editorでのみロックすることができます。レイヤをロックするには、レイヤのロックアイコンをクリックします。

A

クリックすると、レイヤがロックされます。

レイヤのプロパティエディタを開くと、レイヤのすべてのパラメータについてロックアイコンが表示されていることがわかります。

パラメータのロックの詳細については、「シーン エレメントをロック解除する」を参照してください。

テクスチャレイヤの名前の変更

レイヤの名前の変更は、Texture Layer Editorまたはレイヤのプロパティエディタで行うことができます。

レイヤの名前を変更するには

  • Texture Layer Editor で、選択したレイヤを右クリックし、メニューから[名前の変更](Rename)を選択するか、[F2]キーを押します。次に、新しい名前を入力して[Enter]キーを押します。

  • レイヤのプロパティエディタで、新しい名前を[名前](Name)テキストボックスに入力します。