リジッド ボディ コンストレイントのタイプ

 
 
 

Softimage で使用可能なリジッド ボディ コンストレイントには、ちょうつがい、ボールとソケット、スプリング、スライダ、固定などがあります。これらはすべて、[Simulate]ツールバーの[作成](Create) [リジッドボディ](Rigid Body) [リジッド コンストレイント](Rigid Constraint)または[マルチ コンストレイント ツール](Multi Constraint Tool)メニューから選択できます。

各タイプのコンストレイントの基本的な作成手順については、「リジッド ボディ コンストレイントの作成の概要」を参照してください。

コンストレイントを作成すると、現在の環境の[Constraints]グループにコンストレイントオブジェクトが追加されます(「シミュレーション環境」を参照)。

ちょうつがいコンストレイント

ヒンジ コンストレイントは、連結された複数のリジッド ボディを、ヒンジ ジョイントとして動作する軸を中心に動かします。この場合は、回転の自由度は 1 度になります。

速度を低下させるダンピングと同様に、ちょうつがいのスプリングの強度を設定することができます。また、ちょうつがいの動く範囲を制限する設定も可能です。制限をオンにすると、現在の移動範囲を示す赤いアイコンがちょうつがいの中央に表示されます。

ちょうつがいには角度スプリングがアタッチされています。リニア スプリングを停止長さから伸ばすほど戻ろうとする力が大きくなるのと同じように、角度スプリングを停止角度から回転させるほど、戻ろうとするトルクが大きくなります。

コンストレインされたリジッド ボディに作用する力による動きに加えて、コンストレイントにモータを追加して、コンストレイントを指定の速度で動かすトルクを発生させることができます。モータは、コンストレイントがアクティブな 2 つのリジッド ボディにアタッチされている場合にのみ追加できます(「リジッド ボディをコンストレイント モータで動作させる」を参照)。

各パラメータの詳細については、「[ちょうつがい]プロパティ エディタ」(「プロパティ リファレンス」)を参照してください。

ボールとソケット コンストレイント

ボールとソケットのコンストレイントは、連結されたリジッド ボディを、ピボット ポイントを中心に動かします。これにより、各軸に沿って完全に自由にリジッド ボディを回転させることができます。このタイプのコンストレイントを使用して、チェインの連結やロボットのアームのようなエフェクトを作成できます。

リジッド ボディ間にアンカー ポイントがあるボールとソケット

速度を低下させるダンピングと同様に、ボールとソケットの角度スプリングの強度を設定することができます。角度スプリングによってトルクが適用されるときに、停止軸からの回転が大きくなると、それに伴ってトルクも大きくなります。

ダンピングはほぼ摩擦と考えることができます。ダンピングにより、ジョイントの角速度とは逆に比例してフォースが適用されます。なお、ダンピング値が高いことが必ずしも適切とは限らないことに注意してください。ダンピング値を高く設定する([摩擦]パラメータと比較して高く設定する)と、ジョイントが不安定になります。つまり、ダンピング フォースが大きくなり、これに伴ってジョイントが逆の方向に速く動き、さらに大きな力が必要になり、ジョイントが後ろへ速く動いてしまう結果となります。通常は、ダンピング値をスプリング定数の 2 倍以上に設定しないようにします。最大値は、スプリング定数の 3 分の 1 から 2 分の 1 に設定してください。

コンストレインされたリジッド ボディに作用する力による動きに加えて、コンストレイントにモータを追加して、コンストレイントを指定の速度で動かすトルクを発生させることができます。モータは、コンストレイントがアクティブな 2 つのリジッド ボディにアタッチされている場合にのみ追加できます(「リジッド ボディをコンストレイント モータで動作させる」を参照)。

各パラメータの詳細については、「[ボールとソケット]プロパティ エディタ」(「プロパティ リファレンス」)を参照してください。

スライダ コンストレイント

スライダ コンストレイントは、連結された複数のリジッド ボディを、テレスコープ(望遠鏡)のように直線に沿って動かしたり、ピストン シャフトに沿って動かします。この場合は位置の自由度は 1 度になります。

スライダの位置は、リジッド ボディのセンターに直接アタッチされないように、オフセットすることができます。スライダに限度を設定し、特定の範囲内でしか動作しないよう制限することもできます。また、スライダが限度に達したときの跳ね返り(弾性)とぼかし(ダンピング)も設定できます。制限をアクティブにすると、現在の移動範囲を示す赤いアイコンがスライダの端に表示されます。

速度を低下させるダンピングと同様に、スライダのスプリングの強度を設定することができます。ダンピング フォースは、[ダンピング]パラメータと、連結した 2 つのリジッド ボディの相対的な角速度にのみ依存します。

コンストレインされたリジッド ボディに作用する力による動きに加えて、コンストレイントにモータを追加して、コンストレイントを指定の速度で動かすトルクを発生させることができます。モータは、コンストレイントがアクティブな 2 つのリジッド ボディにアタッチされている場合にのみ追加できます(「リジッド ボディをコンストレイント モータで動作させる」を参照)。

各パラメータの詳細については、「[スライダ]プロパティ エディタ」(「プロパティ リファレンス」)を参照してください。

スプリング コンストレイント

スプリング コンストレイントは、複数のリジッド ボディを、スプリング(バネ)状のシャフトで連結されているかのように動かします。スプリングの伸縮性に基づく移動には一定の限度がありますが、回転に関しては自由自在に行えます。

スプリング コンストレイントはフックの法則に基づいており、スプリングの力はその伸び(長さ)に直接比例します。

スプリングにアタッチされたボディは、もう一方のボディに対して自由に動き回ることができます。このエフェクトは、オブジェクト(リジッド ボディ)同士が弾力性のあるコードでつながれていて、コードを伸ばすとその弾力で戻るエフェクトとよく似ています。スプリングの位置は、リジッド ボディのセンターに直接アタッチされないように、オフセットすることができます。

速度を低下させるダンピングと同様に、スライダのスプリングの強度を設定することができます。また、停止長さを設定することも可能です。停止長さとは、シミュレーション時にスプリングが戻ろうとする長さです。

各パラメータの詳細については、「[スプリング]プロパティ エディタ」(「プロパティ リファレンス」)を参照してください。

固定コンストレイント

固定コンストレイントは、複数のリジッドボディを、それぞれ相手のリジッド ボディに対して固定の位置および向きで静止させます。この位置と向きは、リジッド ボディ オブジェクトにコンストレイントを適用したときのリジッド ボディ オブジェクトの状態です。

このタイプのコンストレイントは、ロボットの足などのように、リジッド ボディをあるベースに接続し続ける場合に便利です。

各パラメータの詳細については、「[固定]プロパティ エディタ」(「プロパティ リファレンス」)を参照してください。

オブジェクトは、それぞれ相手のオブジェクトに対して位置と向きが固定されます。