Matte Shadow(mip)(マット シャドウ(mip))

 
 
 

| Render Tree の使い方

カテゴリ: イルミネーション

シェーダ ファミリ: サーフェイス マテリアル

出力: カラー

既存の現実世界のオブジェクトが敷き詰められた背景プレートに合成オブジェクトを含めることは頻繁にあります。たとえば、空き地に建設予定の建物を追加する場合、道路にバーチャルな車を追加する、シーン内をバーチャルなキャラクタが歩き回るなどして、現実世界のシーンのオブジェクトとリアルに相互作用する場合などです。一般的に「合成」という用語はシーンに挿入される追加のオブジェクトを示し、「現実世界」は既にそこにあるオブジェクトを示します。

この機能を実現するために、主に 2 つのシェーダがあります。[Camera Map](mip_Camera_Map)シェーダは、イメージをカメラからジオメトリに「投影」します。[Matte Shadow](mip_Matte_Shadow)シェーダはホールド アウトマットを生成し、写真プレートの現実世界オブジェクトがシャドウのキャスティングと受け取りができるようにします。また、反射と間接ライティングも受け取れるようにします。

マット シャドウ シェーダは次のような目的で「マット オブジェクト」(写真プレートで既存の実世界のオブジェクトを表すために使用されるオブジェクト)を作成するときに使用します。

上記のすべての場合において、マット シャドウは実世界のオブジェクトを表すオブジェクトに適用され、人工オブジェクトは従来のマテリアルを使用します。

このシェーダは「シャドウのみ」のシェーダとしても機能します。これは、入力ライトと比較したあるポイントのシャドウの暗さのみを表示しますが、実際の入力ライトそのものの量は無視します(遮られた割合のみ)。

シャドウ

キャッチ(Catch)

有効の場合は他のオブジェクトがこのオブジェクトにシャドウをキャストできます。

自己遮へい無し(No Self-Shadowing)

有効の場合は、マット シャドウ シェーダを使用するオブジェクトは他の同様のオブジェクトからシャドウを受けられません。

ライト角を考慮(Consider Light Angle)

入力ライトの量を計算するときにライトの角度を考慮するかどうかを指定します。

シャドウ カラーリング係数(Shadow Coloring Factor)

[シャドウカラーリング係数]が 0.0 の場合は、すべてのシャドウはグレースケールでキャストされます。1.0 に設定すると、シャドウはフル カラーになります。たとえば、サーフェイスが 1 つの赤いライトと 1 つの緑のライトで照らされている場合、赤いライトには緑のシャドウ、緑のライトには赤いシャドウが付きます。

アンビエント オクルージョン

有効(Enable)

有効の場合は、組み込みアンビエント オクルージョンが適用されます。アンビエント オクルージョンは[自己遮へい無し]オプションを優先し、同じマテリアルを持つオブジェクトからのアンビエント オクルージョンを発生させません。

サンプル(Samples)

シーンに放射されるアンビエント オクルージョン レイの数です。

最大距離(Maximum Distance)

アンビエント オクルージョン レイが移動できる最大距離を設定します。値が 0 の場合は、レイは限りなく遠くへ到達します(無限)。短いレイはパフォーマンスを劇的に向上させますが、アンビエント オクルージョン エフェクトを局所化します。

反射

キャッチ(Catch)

反射を有効にします。

サンプル(Samples)

光沢反射のサンプル数を設定します。値が 0 の場合は、ミラー反射が使用されます。

光沢(Glossiness)

反射の Ward(ワード)光沢を設定します。

最大距離(Maximum Distance)

光沢反射レイの範囲を制限します。

最大距離を 0.0 に設定すると、光沢反射レイの範囲は無限になります。0.0 より大きな値に設定すると、光沢反射レイの範囲はこの距離に制限され、レイの長さがこの距離に近づくにつれ、反射カラーは環境カラーにフェードアウトしていきます。

[最大距離]を使用すると、パフォーマンスを向上させ、その距離内にあるコントラストの高いオブジェクトによって発生する過度なノイズを減らすことができます。

減衰(Falloff)

環境にフェードインする場合のレートです。既定値 2.0 は、減衰が距離の二乗であることを意味します。同様に、値 3.0 は距離の三乗のように続きます。[最大距離]が 0.0 の場合、このパラメータは無効になります。

間接

キャッチ(Catch)

間接照明の収集を有効にします。

追加イルミネーション

キャッチ(Catch)

シーンを照らすためにイルミネーションの使用を有効にします。

照明(Illuminators)

照明としてリストされるライトを指定します。これらのライトは実際にシーンを照らすためにテストおよび使用されます。

ライトと照明の違いは、ライトは背景にシャドウを作るためだけに使用するのに対し、照明は背景に実際にライトを照射するために使用する点です。つまり、ライト リストにはすでに背景プレートに存在するライトが含まれますが、照明リストには CG エレメントで導入されたすべての追加ライトが含まれます。たとえば、CG の車のヘッドライトなどです。

詳細については、「ライト一覧を使用する」(「直接照明」)を参照してください。

Render Tree の使い方

マット シャドウ シェーダには複数の出力があります。すべての出力は、ポスト プロダクションでレイヤとして最大限利用できるように、できる限り未加工の状態です。たとえば、反射は反射カラーで乗算されていないこと、などです。

結果(result)

結合された結果です。(The combined result.)

shadows_raw

白い背景での未加工のフルカラー シャドウ パスです。「乗算」モードの背景の上に合成する場合に適しています。

ao_raw

未加工のアンビエント オクルージョンです。

refl_raw

未加工の反射です。

indirect_raw

入力間接照明です。

illumination_raw

照明リストのライトから収集されるライトです。