シーンのオブジェクトを使用して(「[表示/非表示]プロパティ エディタ」を参照)、各オブジェクトがどのようにファイナルギャザリングの計算を分担するのかを正確に制御できます。各オブジェクトには、次のような3つのファイナルギャザリングの可視性パラメータが用意されています。
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オブジェクトがファイナルギャザリングレイをシーンにキャストするかどうかを指定します。
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オブジェクトを、他のオブジェクトによるファイナルギャザリングレイのキャストに対して可視状態にするかどうかを指定します。このオプションをオフにすると、ファイナルギャザリングのレイはオブジェクトを通過します。
このオプションをオフにすると、[サンプル済み]オプションが使用できなくなります。これは、サンプリングレイに対して可視化されていないオブジェクトはサンプリングできないためです。
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オブジェクトのサーフェイスを、他のオブジェクトによるファイナルギャザリングレイのキャストによって実際にサンプリングするかどうかを指定します。このオプションをオフにすると、オブジェクトがファイナルギャザリングのレイを吸収します。
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ここに示すシーンは、ファイナルギャザリングエフェクトをはっきり目立たせるために、非常に大きなファイナルギャザリング値を使用してレンダリングされています。 キャラクタは、赤い壁と緑の壁の角に立っています。床は灰色です。 それぞれのオブジェクトのカラーがどのように別のオブジェクトににじんでいるかを確認します。このシーンは、各オブジェクトのファイナルギャザリングレイのサンプリング対象を確かめる良い目安になります。
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キャラクタのパラメータをオフにすると、ファイナルギャザリングレイのキャストによるシーンのサンプリングを中止します。その結果、キャラクタ上で周りのカラーがにじむことがなくなります。
壁は引き続きファイナルギャザリングレイを照射するため、壁ではキャラクタのカラーがにじみます。
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キャラクタのパラメータをオフにすると、他のオブジェクトによるサンプリングレイキャストに対して非表示状態になります。レイはキャラクタを通過します。その結果、壁と床ではお互いのサンプリングが行われますが、キャラクタのサンプリングは行われません。
キャラクタがもう一度キャスタになり、壁のサンプリングを行っています。これにより、壁のカラーがキャラクタ上でにじんでいます。
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キャラクタのパラメータをオフにすると、他のオブジェクトのファイナルギャザリングレイによってサンプリングされません。レイを通過させる代わりに、キャラクタはレイを吸収します。
その結果、キャラクタが壁と床のファイナルギャザリングレイを遮る場所では、壁と床はお互いのサンプリングが行えません。 キャラクタのカラーが壁上でにじまなくても、キャラクタがファイナルギャザリングレイをブロックする場所ではオクルージョンのパターンが表示されます。
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オプションを使用すると、シーンのファイナルギャザリングの計算を細かく制御できます。たとえば、ファイナルギャザリングを特定のオブジェクトに制限する場合や、ファイナルギャザリングの計算からいくつかのオブジェクトだけを削除する場合などがあります。デフォルトでは、これらのオプションはすべてオンになっています。
オブジェクトのファイナルギャザリングの可視性オプションを設定するには
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調整するファイナルギャザリングの可視性オプションを含むオブジェクトを選択し、Explorer を開きます(キーを押します)。
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オブジェクトの階層を展開し、ノードをクリックして、オブジェクトの[表示/非表示]プロパティエディタを開きます。
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[Rendering]タブで、、またはオプションを必要に応じて切り替えます。
ファイナルギャザリングキャスタとレシーバのパーティション作成
シーンに多くのオブジェクトが含まれる場合、オブジェクトごとにファイナルギャザリングの可視性オプションを管理するのは難しくなります。複雑なシーンでは、オブジェクトをパーティションに分割し、オーバーライドを使用して、1つのパーティション内のすべてのオブジェクトごとにファイナルギャザリングの可視性オプションを管理する方が簡単です。たとえば、この方法を使用して、すべてのシーンの背景オブジェクトが照射されないようにしたり、ファイナルギャザリングレイによってサンプリングされないようにしたりできます。このプロセスの説明は、「パーティションのオブジェクトに対するレンダリングの可視性をオーバーライドする」を参照してください。