ファイナルギャザリングの精度オプションの設定

 
 
 

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ファイナルギャザリングの精度オプションは、ファイナルギャザリングレンダリングの品質を制御できるメインの設定です。

お使いのファイナルギャザリングモードによっては、レイの数、最大半径、最小半径、ポイント、ビュー依存の精度オプションを組み合わせて設定する必要があります。

ファイナル ギャザリングモードの選択

最初に、5 つのファイナルギャザリング[モード](Modes)からのいずれか1つを選択する必要があります。これによって、表示される精度オプションと、そのデフォルト値が決定されます。

  • [複数フレーム](Multiframe)モードは、カメラのフライスルー アニメーションのレンダリングを対象としています。離れたオブジェクトのイルミネーションを受けないようにするには([自動的]モードでは可能)、最大距離を制限するために[最大半径]オプションを設定します。この半径内では、(十分なファイナルギャザリングポイントが見つからない場合)イルミネーションがスムーズに黒にフェードアウトします。

    通常、このモードはアニメートされたシーンで便利ですが、ちらつきが問題とならないアニメーションでは最適な方法とは言えません。このモードは、アニメーションのない静止画でも使用できます。

    このモードを制御する[精度](Accuracy)パラメータは、[レイの数]、[最大半径]、[ビュー依存]オプション、および補間に使用するファイナルギャザリングの[ポイント]です。

  • [自動的](Automatic)モードは、主に単一の静止画のレンダリングを対象としています。このモードを制御する[精度](Accuracy)パラメータは、[レイの数]、[ビュー依存]オプション、および補間に使用するファイナルギャザリングの[ポイント]です。

  • [エキスパート](Expert)モードは、mental ray のバージョン 3.4 との互換性を持たせるためのオプションです。経験のあるユーザがこのモードを選択すると、ファイナル ギャザリングの計算をさらにコントロールできます。このモードでは、通常、mental rayのバージョン3.4と似た結果となり、[精度](Accuracy)オプションすべてを活用します(最小半径および最大半径を含む)。

  • [レガシー](Legacy)モードは[エキスパート]モードと似ていますが、mental ray バージョン3.4との互換性がさらに高く、mental ray バージョン3.5以降を使用して古いシーンを再レンダリングすることができます。このモードでは、一部のレンダリング改良点が無効になります。

  • [精密](Exact)モードは、ファイナルギャザリングポイントのキャッシュ全体をバイパスし、各サンプルで常に完全なソリューションを計算します。このモードでは、ファイナルギャザリングポイントの最初のキャッシュから値を補間することによってファイナルギャザリングポイントがまったく導出されないため、より正確で優れた結果が得られます。

    シーン内に照らされたポイントすべてのファイナルギャザリングを計算するとなると手間がかかり、レンダリングにもかなりの時間がかかります。これは特に、アニメーションのない静止フレームではなく、アニメートされたシーンをレンダリングする場合などです。

    このモードを制御する[精度](Accuracy)パラメータは、[レイの数]のみです。

レイの数の設定

ファイナルギャザリングの事前の計算処理段階では、視線レイがカメラからシーンへ送信されます。視線レイが、間接照明を計算するシェーディングを持つジオメトリと交わるとき、交差するポイント上の半球へ多くのファイナルギャザリングが照射されて、そのファイナルギャザリングポイントの直接および間接照明の分布がサンプリングおよび平均化されます。

この事前の計算処理段階で生成(保存)されたファイナルギャザリングポイントは、[ファイナルギャザリングのポイントを表示](View Final Gather Points)診断モードを使用するときに緑の点で表示されます。

ファイナル ギャザリング

 

1

[カメラ視線レイ](Camera eye ray)が、間接照明を計算する必要のあるシェーディングを持つジオメトリと交わります。

2

[ファイナルギャザリングレイ](Final gathering rays)が交差ポイント上の半球に照射されて、照明がサンプリングされます。

3

[間接](Indirect)照明の分布。

4

[直接](Direct)照明の分布。

5

[ファイナルギャザリングポイント](Final gathering point)が計算されます。

ファイナルギャザリングレイの数を設定するには

[レイの数](Number of Rays)が各ピクセルから発し、それをもとに間接照明を計算するように設定する場合は、以下のガイドラインに従います。

  • レイの数を増やすと間接照明が落ち着きますが、レンダリング時間が長くなります。

  • [レイの数](Number of Rays)を低い値(20または30)から設定し始めます。エフェクトは粗くなりますが、高速処理が可能になります。

  • 比較的ハイクオリティなレンダリングではこの値を100~500に設定します。

  • 最終レンダリング時でも1000以上に設定することはまれです。

A

レイの数 = 25

B

レイの数 = 50

C

レイの数 = 100

D

レイの数 = 500

補間のための半径とポイントの設定

通常、ファイナルギャザリングポイントをシーンの照明ポイントごとに計算するとなるとかなり手間がかかります。したがって、mental rayでは、既存のファイナルギャザリングポイントのキャッシュ値(事前の計算処理段階で計算される)を使用して、エフェクトを完成させるために必要な追加のファイナルギャザリングポイントの補間を設定します。[最小半径](Min Radius)[最大半径](Max Radius)、およびファイナル ギャザリング ポイント数は、このような追加のファイナル ギャザリング ポイントの補間に使用するためのパラメータです。

ヒント:ファイナルギャザリングの半径とパスの長さには関連性はありません。レイの長さは、[減衰]オプションで制御されます。「ファイナルギャザリング減衰の設定」を参照してください。

レンダリング処理段階で生成(追加)されたファイナルギャザリングポイントは、[ファイナルギャザリングのポイントを表示](View Final Gather Points)診断モードを使用するときに赤い点で表示されます。赤い点は通常、ジオメトリのエッジに表示されます。

補間で使用するファイナルギャザリングポイントを設定する

 

1

[最大半径](Max Radius)では、新しいレイを発生させずにファイナルギャザリングに補間または外挿を設定できる最大の長さ(影響するゾーン)を定義します。最大半径の制限内のファイナルギャザリングポイントが少な過ぎる場合は、さらに多くのファイナルギャザリングのレイが照射され、新しいファイナルギャザリングポイントが計算されます (ファイナルギャザリングモードの[マルチフレーム]、[エキスパート]、および[レガシー]で使用できます)。

2

[最小半径](Min Radius)は、ファイナルギャザリングに設定する補間または外挿に使用する領域内の最小の長さを定義します。通常は最大半径を 10% に設定します。(ファイナルギャザリングモードの[エキスパート]および[レガシー]で使用できます)。

3

[ポイント](Points)オプションでは、補間または外挿で再利用するためのファイナルギャザリングポイントの最小数を指定することができます (ファイナルギャザリングモードの[マルチフレーム]および[自動]で使用できます)。

ファイナルギャザリングエフェクトを微調整するには

ファイナルギャザリングエフェクトを微調整し、ノイズや問題を除去するには、以下のガイドラインに従います。

  • 傾向としては、広大な開けた空間があるシーンでは半径を大きくする必要があり、小さく細かいオブジェクトが存在するシーンでは半径を小さくする必要があります。

  • レンダリング後のシーンで高周波ノイズ(タイルなど)を見つけた場合は、[レイの数](Number of Rays)値を大きくし、[最大半径](Max Radius)値を小さくします。

  • 低周波ノイズ(シミなど)やアニメーションのちらつきを見つけた場合は、ノイズがなくなるまで[最大半径](Max Radius)値を小さくします。1 未満の小さな値を設定すると品質は向上しますが、その分レンダリング時間を要します。

  • シーンのアーティファクトを除去できない場合は、[レイの数](Number of Rays)値を大きくしてください。

ビューに依存するファイナル ギャザリングをアクティブにする

デフォルトでは、ファイナルギャザリングの半径の値がシーン単位で測定されます。[ビュー依存](View Dependent)チェックボックスをオンにすると、ピクセル単位で測定されます。

このオプションを有効にすると、オブジェクトがカメラから離れるほどそのオブジェクトに投影されるファイナルギャザリングのサンプルが減少します。これにより、レンダリング速度が向上し、メモリ使用量が減ります。