アニメーション リグ(シェイプ)を書き出す

 
 
 

アニメーション リグ エクスポート ツールによって、すべての顔のデフォーメーションをシェイプとしてキャプチャし、単純なリグに変換して、Maya や Softimage で簡単に読み込めるようにします。リグは .dotxsi ファイルとして書き出されます。この単純なリグを 3D アニメーション パッケージに読み込んだ後、アニメーションの微調整を行うか、Face Robot で使用したのと同じアニメーション コントロール セットで新しいリグを作成することができます。

dotxsi ファイルを Maya で読み込む場合は、Maya と同じコンピュータに事前に Autodesk® Crosswalk をインストールしておく必要があります。「アニメーション リグを Maya で読み込む」を参照してください。

Softimage には Crosswalk が含まれているので、Softimage にアニメーション リグを読み込むときは個別にインストールする必要がありません。

アニメーション リグ エクスポートの注意事項と制限

  • アニメーション リグが Face Robot の頭と同様に動作するようにするには、Face Robot の頭のゼロに設定したバージョンがオリジナル バージョンと同じになるようにします。これはアニメーション リグが常にオリジナル バージョンの Face Robot メッシュに基づいているためです。

  • 口のコントロールにリップシンク アニメーションがある場合、それらを選択し、それらのアニメーションを F カーブにプロットすると、Face Robot の頭をエクスポートできるようになります。これは、アニメーション リグが F カーブのみをエクスポートでき、リップシンク アニメーションは、SpeechBlend オペレータによって操作されるためです。

    [ツール](Tools) [プロット](Plot) [すべての変換](All Transformations)コマンドを使用して、[プロット](Plot)ダイアログ ボックスの[オブジェクトへのプロットアニメーションの適用](Apply Plotted Animation to Object)を必ず選択してください。詳細については、「アニメーションをプロットする(焼き付ける)」を参照してください。

  • アニメーション リグで最適な結果を得るには、アニメーション コントロールを極端な場所に置かないでください。リグを書き出すときに、シェイプの問題が発生することがあります。

  • アニメーション リグ エクスポートでは頭の回転および移動はサポートされていません。

  • アニメーション リグ エクスポートでは方向のトラッキングはサポートされていません。

  • アニメーション リグ エクスポートでは Lip Stiction 機能はサポートされていません。

  • アニメーション リグ エクスポートではアニメートされた歯の衝突はサポートされていませんが、静的な歯の衝突はサポートされています。

  • 瞼のバルジ デフォーメーションや回転するアニメーション コントロールのデフォーメーションは、アニメーション リグにキャッシュされず、単純に無視されます。

アニメーション リグ エクスポート ワークフローの概要

基本的なアニメーション リグ エクスポート ワークフローには、次の手順があります。詳細は次の手順を参照してください。

  1. オリジナルの Face Robot の頭が解析され、次の手順に進む準備ができていることを確認します。この頭はアニメートされていても、アニメートされていなくても構いません。

    注:アニメーション リグが Face Robot の頭と同様に動作するようにするには、Face Robot のメッシュのゼロに設定したバージョンがオリジナルのバージョンと同じになるようにします。これはアニメーション リグが常にオリジナル バージョンの Face Robot メッシュに基づいているためです。
  2. [Act(アクト)]パネルの[読み込み/書き出し]タブをクリックし(「高速再生キャッシュ ファイルを保存およびロードする」を参照)、[アニメーションのエクスポート - リンクしたシェイプ](Animation Export - Linked Shapes)オプションを選択します。

    [Export Animation Rig(アニメーション リグのエクスポート)]プロパティ エディタが開きます。

  3. デフォームされたジオメトリをサンプリングするサンプラを作成し、シェイプを作成するために使用します。「サンプラを作成する」を参照してください。

  4. 書き出すリグを作成します。「エクスポート リグを作成する」を参照してください。

  5. オリジナルの頭からシェイプを生成して、エクスポート リグに転送します。「シェイプを生成する」を参照してください。

  6. コントロールのアニメーションをプロットし、エクスポート リグに転送します。「アニメーションを転送する」を参照してください。

  7. リグを dotxsi フォーマット ファイルに保存します。「Face Robot からリグを書き出す」を参照してください。

  8. Maya がインストールされているコンピュータに Crosswalk をインストールし(Softimage には、すでに Crosswalk が含まれています)、リグの dotxsi ファイルを Maya または Softimage で読み込みます。「アニメーション リグを Maya で読み込む」と「アニメーション リグを Softimage で読み込む」を参照してください。

    アニメーションを少し調整して、通常そのソフトウェアで実行するようにレンダリングします。

リグ エレメントを非表示にする

[Export Animation Rig(アニメーション リグのエクスポート)]プロパティ エディタの[表示/非表示]エリアを使用して、次の表示を切り替えることができます。

  • オリジナルの Face Robot の頭([Face Robot]ボタン)

  • サンプラ([サンプラ](Samplers)ボタン)

  • エクスポート リグ([アニメーションリグ](Animation Rig)ボタン)

たとえば、エクスポート リグを作成した後、ビューを整然とした状態に保つためにオリジナルの Face Robot の頭を非表示にすることができます。

注:Face Robot の頭およびアニメーション コントロールを非表示でシーンを保存し、シーンを再ロードすると、保存した状態でロードされます。ただし、評価のタイムラインが表示され、顔とコントロールの表示/非表示はリセットされます。

解決策として、[Act(アクト)]パネルの[表示](Display)タブをクリックして(「エレメントを表示/非表示にする」を参照)[顔のトグル](Toggle Face)または[コントロールのトグル](Toggle Controls)を選択し、顔またはアニメーション コントロールを非表示に戻すことができます。

サンプラを作成する

サンプラは格子のような形状で、顔のアニメーション コントロールに作成されます。これらのラティスによって、コントロール周辺で顔のジオメトリがどのようにサンプリングされるかをわかりやすく表示します。サンプリングされた部分には、顔のジオメトリにあるポイントが含まれ、これを使用して書き出すシェイプが作成されます。

ROM サンプラも作成できます。これはアニメーション コントロールが空間内で動作可能な範囲に基づいたサンプラです。Face Robot によってアニメーションの経過時間に伴う各コントロールのアニメーションが計算され、カバーする位置が決定されます。サンプラのサイズが、コントロールの動作可能な範囲を示しています。これは、顎や口など、空間の広い範囲を動くコントロールの場合に便利です。

サンプラを作成したら、サンプラをインスペクトし、サンプラの法線を顔の法線に合わせたり、サイズやラティスの密度を変更できます。

  1. Face Robot の頭をアニメートする場合は、頭が静止ポーズになっているフレームにするか、頭のアニメーションをミュートします。これは必須ではありませんが、サンプラの操作が簡単になります。

  2. 顔で、サンプラを作成するコントロールを 1 つ以上選択します。

    何も選択していない場合は、すべてのコントロールにサンプラが作成されます。

  3. 次のいずれかを実行します。

    • [Export Animation Rig(アニメーション リグのエクスポート)]プロパティ エディタの[サンプラ]エリアで[作成](Create)ボタンをクリックします。同じサイズのサンプラのラティスが、すべてのコントロールまたは選択したコントロールの周囲に作成されます。必要に応じて各サンプラを調整できます(次の図を参照)。

      [作成]ボタンをクリックすると、同じサイズのサンプラが作成されます。必要に応じて、[インスペクト]ボタンをクリックし、[インスペクト]プロパティ エディタでオプションを設定して、サンプラを調整できます。

      または

    • [サンプラ]エリアの[ROMの作成](Create ROM)ボタンをクリックして、各コントロールの動作可能な範囲に基づいてサンプラを作成します。Face Robot によってアニメーションの経過時間に伴う各コントロールのアニメーションが計算され、カバーする位置が決定されます。そのため、タイムラインに大量のフレームがある場合は、処理に時間がかかります。サンプラが作成されたら、必要に応じて各サンプラを調整できます(次の図を参照)。

      ROM(動作可能な範囲)サンプラは、各コントロールの空間での動きに基づいて作成されます。サンプラが大きいほど、コントロールが動いた範囲が大きいということです。

    ヒント:プロパティ エディタの[表示/非表示]エリアで[サンプラ](Samplers)ボタンをクリックして、顔のサンプラの表示を切り替えます。

サンプラを調整する

  1. 1 つ以上のサンプラを選択して[サンプラ]エリアの[インスペクト](Inspect)ボタンをクリックします。

  2. [サンプラ]プロパティ エディタでは、サンプラの法線を顔のジオメトリに位置合わせしたり、任意の軸上でサンプラをスケーリングしたり密度を変更することができます。

     

サンプラの法線を顔のジオメトリの法線に[位置合わせ](Align)して、ラティスが顔の輪郭に沿うようにします。

サンプラの[スケーリング](scaling)を変更できます。

サンプラの[密度](density)を変更できます。

サンプラの変更後にシェイプを更新するには

エクスポート リグを作成し、シェイプを生成した後でサンプラを変更した場合は、シェイプを更新して変更を反映させる必要があります。

  • プロパティ エディタの[シェイプ]エリアで[作成/更新](Create/Update)ボタンをクリックします。「シェイプを生成する」を参照してください。

サンプラ プリセットを保存およびロードする

サンプラ プリセットを保存およびロードして、サンプラの作成プロセスを迅速化し、同じサンプラを多数の顔に使用できるようにします。サンプラ プリセット ファイルは .smp ファイルに保存されます。

サンプラ プリセットをロードするには

  1. サンプラをロードするコントローラを 1 つ以上選択します。

    何も選択していない場合は、サンプラ プリセットが存在するすべてのコントロールに適用されます。

  2. [サンプラ]エリアの[ロード](Load)ボタンをクリックします。

  3. 表示されるブラウザで、.smpプリセットファイルの名前を選択します。

    Face Robotに付属している[default.smp]ファイルがあります。このファイルはサンプラを初めて使用するときのためのものです。サンプラを特定の頭に合わせて調整し、プリセットを別の名前で保存します。

    プリセットのサンプラはコントロールに適用されます。必要に応じてサンプラを編集できます。

サンプラ プリセットを保存するには

  1. プリセット ファイルを保存するコントローラを 1 つ以上選択します。

    何も選択していない場合は、サンプラ プリセットにすべてのコントロールのプリセットが保存されます。

  2. [サンプラ]エリアの[保存](Save)ボタンをクリックします。

  3. 表示されるブラウザで、.smpプリセットファイルの名前を入力します。

エクスポート リグを作成する

頭にサンプラを作成したら、エクスポート リグを作成できます。リグを作成するには、Face Robot でオリジナルの頭のジオメトリをコピーし、次にコントロールを再構築します。このリグの階層構造は、シーン エレメントが少なく、Face Robot ソルバおよびオペレータが含まれていないため、Face Robot のものより単純です。

  1. エクスポート リグの一部として眼球、歯、舌を含めるには、[Export Animation Rig(アニメーション リグのエクスポート)]プロパティエディタの[リグ]エリアで、[目、歯、および舌のジオメトリをコピー](Copy Eyes, Teeth, and Tongue Geometry)オプションを選択します。

  2. [ビルド](Build)ボタンをクリックします。

    Face Animation Rig という名前のモデルが作成され、リグのすべてのエレメントが含まれます。

    ヒント:プロパティ エディタの[表示/非表示]エリアで[Face Robot]ボタンをクリックして、オリジナルの Face Robot の頭を非表示にして、リグをわかりやすく表示できます。[アニメーションリグ](Animation Rig)ボタンをクリックして、アニメーション エクスポート リグの表示を切り替えます。

エクスポート リグを削除するには

  • [リグ]エリアの[削除](Delete)ボタンをクリックします。

シェイプを生成する

アニメーションリグを作成したら、オリジナルのFace Robotの顔のジオメトリデフォーメーションをシェイプとして保存して、エクスポートリグに転送できます。

初めてシェイプを生成するときは、Face Robot によって、オリジナルの頭のジオメトリ デフォーメーションが、アニメーション リグに転送されます。これにより、リグのアニメーション コントロールと顔のジオメトリの接続が作成されます。

シェイプの作成プロセスでは、コントロールの動きによって影響を受けるポイントのクラスタを作成することによって、デフォーメーションが転送されます。ポイントのクラスタはコントロールごとに 1 つずつ作成され、シェイプ(シェイプ ソースまたはシェイプ キーとも呼ばれます)がそれぞれのクラスタに作成されます。 コントロールの影響を受けるポイントのクラスタのみがキャッシュされるため、頭にあるすべてのポイントが各シェイプにキャッシュされた場合よりも、キャッシュのサイズが小さくなります。

クラスタおよびシェイプが作成された後で、エクスポート リグのモデルの[Mixer]ノードにシェイプ(シェイプ ソース)にウェイト オペレータが追加されます。

シェイプを生成および更新するには

  1. 初めて各コントロールのポイントのクラスタを作成するときは、[シェイプ]エリアで[作成/更新](Create/Update)ボタンをクリックして、各クラスタのシェイプを作成します。

  2. 終了したら、サンプラを修正してから、もう一度[作成/更新](Create/Update)ボタンをクリックします。これで更新されるのはサンプラの変更によって影響を受けるコントロールのクラスタとシェイプのみです。

リグを選択して Animation Mixer を開き([Alt]+[0]キーを押す)、各コントロールのトラックにシェイプ コンパウンド クリップがあるかどうかを確認します。シェイプ コンパウンド クリップをダブルクリックして開き、シェイプ クリップを確認します。シェイプ クリップはシェイプのインスタンスです。

アニメーションを転送する

エクスポート リグのシェイプを作成したら、オリジナルの Face RObot の頭のコントロールから、エクスポート リグのコントロールにアニメーションを転送します。詳細については、転送を参照してください。

Face Robot からリグを書き出す

ここまでのすべての手順を終了したら、アニメーション リグを .dotxsi ファイルに書き出すことができます。dotxsi は、Softimage での書き出し/読み込みに既定で使用されているフォーマットで、Maya にも簡単に読み込みできます。

リグの書き出しによって、ジオメトリのすべて(頭、眼球、歯、舌)、シェイプ、コントロール、F カーブが 1 つのファイルになります。

サンプラ ファイルもこのプロセスで書き出されます。サンプラ ファイルがあることで、Softimage や Maya によるコントロールの位置の認識が可能になり、読み込んだときにシェイプが正しく割り当てられるようになります。

コントロールのアニメーションを書き出すかどうかは選択できます。

詳細については、リグのエクスポートを参照してください。

アニメーション リグを Maya で読み込む

Face Robot のアニメーション リグを .dotxsi ファイルとして書き出したら、Maya で読み込むことができます。ネイティブの Maya ツールを使用して、アニメーションとシェイプを調整してから、通常どおりにレンダリングします。

dotxsi ファイルを Maya に読み込む場合は、Maya と同じコンピュータに事前に Crosswalk(32 ビットと 64 ビットの両方に対応)をインストールしておく必要があります。

Crosswalk をインストールすると、Face Robot の読み込みに必要な [faceRobotUtils.mel] ファイルと [FaceRobotImporter.mll] ファイルが Maya の Plugins フォルダにインストールされます。これらのファイルは、Crosswalk を使ってリグとアニメーション コントロールを Maya に読み込み、Face Robot リグのシェイプ、コントロール、頭のジオメトリの間の関係を再構築します。

Crosswalkのオプションについては、Maya 対応 Crosswalk を使用するを参照してください。

リグを Maya で読み込むには

  1. Maya と同じコンピュータに Crosswalk の最新バージョンをインストールします。

    Crosswalk をインストールすると、Maya の Application¥Plugins フォルダに [faceRobotUtils.mel] ファイルと [FaceRobotImporter.mll] ファイルがインストールされます。

  2. Mayaのメインメニューから[ファイル](File) [Face Robotのインポート](Import Face Robot)を選択します。

  3. [インポート オプション]ダイアログ ボックスが開いたら、「Maya 対応 Crosswalk による読み込み/書き出し」(「データ交換」)に従ってオプションを設定します。

  4. [インポート](Import)ボタンをクリックします。

  5. [インポート]ダイアログ ボックスで次の手順を行います。

    • [ファイルの場所](Look in)を dotXSI ファイルの書き出し先フォルダに設定します。

    • [ファイルの種類](Files of type)を Autodesk_Crosswalk_Importer(*.xsi)に設定します。

    • Face Robot から書き出した .dotxsi ファイルを選択します。

    • [インポート](Import)をクリックします。

アニメーション コントロールおよびブレンド シェイプのあるリグは、Maya の Face_Animation_Rig というモデルにインポートされます。

アニメーション リグを Softimage で読み込む

Face Robot のアニメーション リグを .dotxsi ファイルとして書き出したら、Softimage で読み込むことができます。ネイティブの Softimage ツールを使用して、アニメーションを調整してから、通常どおりにレンダリングします。

Face Robot のアニメーション リグを読み込む際、Softimage は既定でインストールされている次のファイルを使用します。

  • AnimationRigImport.js

  • ShapeWeight.x86.dll または ShapeWeight.x64.dll(設定による)

  • FR_ICE_Import.x86.dll または FR_ICE_Import.x64.dll(設定による)

  • FR ブレンド Shapes.xsicompound

  • FR シェイプ決定(Point.xsicompound あたり)

Softimage は、(Softimage に含まれる)Crosswalk を使ってリグとそのアニメーション コントロールを読み込みます。リグが Softimage に読み込まれたら、上記の 2 つの ICE コンパウンドがリグのシェイプ、コントロール、頭のジオメトリの間の関係を再構築します。

アニメーション リグを Softimage で読み込むには

  1. Softimage を開き、[ファイル](File) [読み込み](Import) [Face Robot シェイプのアニメーション リグ](Face Robot Shape Animation Rig)を選択します。

  2. 表示されるダイアログ ボックスで、Face Robot から書き出した .dotxsi ファイル選択して、[読み込み]ボタンをクリックします。

    リグとそのアニメーション コントロール(緑色の小さなボックス)が Softimage の Face_Animation_Rig というモデルに読み込まれます。

    • コントロール上のアニメーションを書き出した場合、タイムラインの各フレームに赤いチェック マークが表示されます。これは、コントロール上のキーを示しています。コントロールの F カーブを確認するには、コントロールを選択し、[0](ゼロ)を押してAnimation Editorを開きます。

    • 頭を選択して Animation Mixer([Ctrl]+[0]キーを押す)を開き、各コントロールのトラックにシェイプ コンパウンド クリップがあるかどうかを確認します。シェイプ コンパウンド クリップをダブルクリックして開き、シェイプ クリップを確認します。

シェイプ クリック は ShapeKey オペレータによってコントロールされているため、ウェイトの値を変更することはできません。ただし、アニメーションを再生するか、タイムラインをスクラブして各コントロールのシェイプの動作を確認することができます。