各オブジェクトには、1 つのマテリアルが必要です。便宜上、オブジェクトの見た目の変更に使用されるシェーダのエフェクトの集まりを参照する際に、「マテリアル」という用語が使用されます。Softimage のマテリアルとは、厳密にはオブジェクトのさまざまな属性のコンテナまたはそれら属性への接続ポイントにすぎません。オブジェクトのマテリアルにシェーダがアタッチされていない場合は、オブジェクトの外観を定義するものがないため、オブジェクトはレンダリングされません。
このシーンのすべてのオブジェクトは、マテリアルによって定義されています。
マテリアルの概念を理解するには、The Render Tree(レンダ ツリー) でマテリアルを表示させるのが最も簡単な方法です。Render Tree では、マテリアルが[Material]ノードによって表されています。[Material]ノードには、特定のマテリアルのすべての入力が一覧表示されます。これらの入力は、「ポート」と呼ばれることもあります。各ポートは、オブジェクトの属性のサブセットをコントロールします。マテリアルがオブジェクトに割り当てられると、これらのポートに接続したシェーダが対応する属性を変更します。
[Material]ノードにはマテリアルの全入力(またはポート)が一覧表示されます。この入力を使用して、オブジェクトの属性を使用できます。
たとえば、[Surface]ポートはオブジェクトのサーフェイスの特性をコントロールします。このポートにシェーダまたはシェーダのネットワークを接続すると、オブジェクトのカラー、透明度、反射率などを変更できます。さまざまなシェーダを受け入れられるポートもあれば、ごく限られたシェーダしか受け入れられないポートもあります。オブジェクトの外観を変更する操作には、ほとんどの場合、シェーダをオブジェクトのマテリアルに接続する作業が含まれるということを理解しておくことが重要です。
新しいシーンには、それぞれに[Scene_Material] というデフォルトのマテリアルがあります。このマテリアルは、ブランチ モードでシーン ルートに割り当てられます。階層の内外に関係なく、親からマテリアルが継承されておらず、ローカルに定義されたマテリアルもないオブジェクトは、シーンのデフォルト マテリアルを継承します。
Explorer では、デフォルト マテリアルをマテリアル ライブラリの階層に表示できるほか、シーン ルートのサブノードとして表示できます。シーン ルートのサブノードを表示するには、[ビュー](View)メニューから[ローカル プロパティ](Local Properties)を選択します。
ローカル マテリアルをオブジェクトに割り当てると、そのオブジェクトについてのみデフォルト シーン マテリアルがローカル マテリアルに置き換えられます。オブジェクトのローカル マテリアルを消去または削除すると、オブジェクトは再度デフォルト シーン マテリアルを継承します。
デフォルト シーン マテリアルは他のマテリアルと同様に修正することが可能であり、修正内容はそのデフォルト シーン マテリアルを継承するオブジェクトに適用されます。デフォルト シーン マテリアルには[Phong]サーフェイス シェーダが適用されますが、デフォルト シーン マテリアルは他のマテリアルと同様に編集できます(詳細については、「マテリアルプロパティの編集」を参照)。
Softimage のほとんどのプロパティは、適用先のシーン エレメントによって所有されています。一方、マテリアルはマテリアル ライブラリに属しています。マテリアル ライブラリは、シーンで使用されているマテリアルの共通のコンテナです。作成したマテリアルはいずれもライブラリに追加されます。ライブラリに追加されると、マテリアルを 1 つまたは複数のオブジェクト(クラスタ、階層、グループ、パーティションなど)に割り当てることができます。こうすると、複数のシーン エレメント間で 1 つのマテリアルを共有するのが簡単になり、管理するマテリアルが 1 つだけになります。
Material Manager のライブラリにシェーダボールとして表示されているマテリアル。
シーンには、必要に応じて任意の数のマテリアル ライブラリを作成できます。また、これらのライブラリは、外部への保存や書き出しを行うことによってシーン間およびプロジェクト間で共有できます。
シーンのマテリアル ライブラリを表示するには、Material Manager を使用するか、Explorer を開き、スコープを[マテリアル]に設定します。マテリアルライブラリの詳細については、「Managing Material Libraries(マテリアル ライブラリの管理)」を参照してください。
サーフェイス シェーダは、Softimage で頻繁に使用されるシェーダです。各サーフェイス シェーダは、特定のシェーディング モデルに従って、オブジェクトの基本的なサーフェイス特性(カラー、透明度、反射率、スペキュラリティなど)を定義します。適切なサーフェイス シェーダを選択すると、必要な外観を作成するのに大いに役に立ちます。
Softimage でマテリアルを新規に作成すると、何らかのサーフェイス シェーダが最初からアタッチされているということは、注目すべき点です。これによって基本サーフェイス シェーディングが定義されるため、最初からマテリアルのレンダリングが可能になります。
たとえば、マテリアル ライブラリからマテリアルを作成すると、そのマテリアルの[Surface]ポート、[Shadow]ポート、[Photon]ポートに[Phong]シェーダがアタッチされます。[Render]ツールバーの[取得](Get) [マテリアル](Material)メニューまたは Material Manager の[作成]メニューのコマンドを使用してマテリアルを作成した場合は、そのマテリアルにアタッチするサーフェイス シェーダを選択できます。
デフォルトでは、新しいマテリアルには[Phong]シェーダなどのサーフェイス シェーダがアタッチされます(左図参照)。
サーフェイス シェーダの詳細については、「Working with Surface Shaders(サーフェイス シェーダを操作する)」を参照してください。