障害物と衝突したときに簡単に変形するオブジェクトです。あるオブジェクトをソフト ボディ オブジェクトとして指定すると、そのオブジェクトはダイナミックな動作を柔軟にシミュレートします。
たとえば、ソフト ボディを使用して、ビーチ ボールが風で砂の上を転がるといった変形を表現できます。ビーチ ボールは風(フォース)で動き、バケツ(障害物)に衝突してつぶれて変形します。
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ソフト ボディ オブジェクト(ビーチ ボール)のシミュレーションは、元のアニメーションから継承した速度でフレーム 10 から開始されます。 |
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重力がビーチ ボールに作用し、障害物(バケツ)に衝突して変形します。 |
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ビーチ ボールはさらに転がり、2 つ目の障害物(砂地)に当たって停止します。ビーチ ボールが転がる距離は、障害物の摩擦によって決定します。 |
ソフト ボディ オブジェクトを作成する主な理由は、障害物との衝突にあります。ソフト ボディ オブジェクトの障害物と衝突については、「ソフトボディ衝突の設定」を参照してください。
他のシミュレーションと同様、ソフト ボディに自然のフォース(重力および風力)を適用することができます。詳細については、「Forces(フォース)」を参照してください。
ソフト ボディは、オブジェクトのセンターを動かさずにオブジェクトの頂点のみを動かす純粋なデフォーム オペレータです。シミュレーションの最初のフレームでスナップ ショットが撮られると、シミュレーションの結果に応じてソフトボディが頂点の位置をフレームごとに設定します。
オブジェクトの動きとデフォーメーションはスプリング ベースのラティスを用いて計算されます。ラティスの解像度は、[ソフト ボディ オペレータ]プロパティ エディタの[サンプリング](Sampling)パラメータを使用して指定できます。ラティスはモデルのボリュームに合わせて自動的に作成されます。解像度が高くなるほど、オブジェクトの形状を模倣するラティスの精度が高くなります。オブジェクトを障害物に衝突した後で跳ね返るように設定できるほか、衝突後に元の形状に戻すか、あるいは衝突後は変形したままにするかどうかを、オブジェクトの硬さに応じて指定できます。
ソフト ボディ オブジェクトをアニメートする際に、そのアニメーションを保持するか、あるいは適用する外部の力に従って再計算するかを決定できます。アニメーションを保持する場合、ソフト ボディはオブジェクトのデフォーメーションだけに作用し、動きには影響しません。静止した障害物またはアニメートされた障害物と、ソフト ボディ オブジェクトを相互に作用させることができます。
エンベロープなどの他のタイプのデフォーメーションでソフト ボディを使用する場合は、「クロスまたはソフト ボディとエンベロープおよび他のデフォーメーションとの併用」を参照してください。
ソフト ボディ オブジェクトをすばやく作成するための多数のプリセットが、ここで示す[ソフト ボディ オペレータ]プロパティ エディタから使用できます。これらを使用するには、ソフト ボディをオブジェクトに適用し(「ソフト ボディによるデフォーメーションを作成する」を参照)、[プリセット]ページのボタンを 1 つクリックし、シミュレーションを計算します。
独自のプリセットを作成する場合は、「クロスまたはソフト ボディのプリセットを保存およびロードする」を参照してください。
アニメーション ゴースティング(オニオン スキンとも呼ぶ)を使用すると、現在のフレームの前後の数フレームでアニメートされたオブジェクトの一連のスナップショットを表示できます。このモードを使用すると、オブジェクトのモーションを簡単に視覚化でき、タイミングやフローの調整に役立ちます。ゴースティングは、シミュレーション オブジェクトをはじめ、あらゆるタイプのアニメーションに適用できます。
ゴースティングを効果的に使用する 1 つには、ソフト ボディ シミュレーションをプレビューする方法があります。現在のフレームより後のフレームを表示するようにゴースティングを設定すると、オブジェクトの初期状態を変更するたびにシミュレーション結果をプレビューできます(シミュレーションを実行する必要はありません)。これにより、時間を節約できます。
ゴースティングでは、オブジェクトのジオメトリ、モーションの軌跡、または単なるポイントなど、さまざまな表示モードを使用できます。
詳細については、「アニメートされたオブジェクトのゴースティング」(「アニメーション」)を参照してください。