Syflex ダンピング フォースを使用する

 
 
 

ダンピングはシミュレーションされたクロスまたはカーブ オブジェクトのエネルギーを分散させることによってそれらの移動速度を低下させるフォースです。たとえば、ダンピングを使用して地上にパラシュートを静かに降ろしたり、水中に引きずり込まれるクロスのエフェクトを作成することができます。

シミュレーション用のフォースとしてダンピングを追加するためのコンパウンドには、[Damp]と[Damp Air]の 2 つがあります。それぞれの詳細については、以下を参照してください。

この他、[Syflex Cloth]コンパウンドと[Syflex カーブ]コンパウンドで[ダンピング](Damping)パラメータ値を設定することによって、クロス スプリングまたはカーブ スプリングだけにダンピングを設定することもできます。「Syflex クロス」を参照してください。

クロスまたはカーブのシミュレーションにダンピング フォースを適用する

[Syflex Cloth]コンパウンドと[Syflex カーブ]コンパウンド(基本的なデフォーメーション シミュレータ)には、ダンピング フォース コンパウンドが組み込まれています。このコンパウンドは、デフォルトではアクティブに設定されています。このため、ユーザはクロスまたはカーブのシミュレーション全域にわたり全体的なダンピングを追加できます。ダンピング フォースの強度は、シミュレーション オブジェクトの速度に比例します。

また、独自のシミュレーションを構築する場合などは、ダンピング フォース コンパウンドを単体で使用することもできます。

  1. デフォームするクロス オブジェクトまたはカーブ オブジェクトのために、シミュレートされた ICE ツリーを作成します。

    独自のシミュレーションを作成するためにどのノードを使用すべきかを判断するには、[Syflex Cloth]または[Syflex カーブ]コンパウンドを編集し、中に何があるかを確認してください。

    シミュレーションの計算をコントロールする[syflexISimul]ノードは、必要なメイン ノードの 1 つです。

  2. ICE Tree ビューの Preset Manager で[タスク]>[Syflex]タブを選択し、[フォース](Forces) [Syflex Damp]コンパウンドを ICE ツリー ワークスペースにドラッグします。

  3. [Force]出力を[syflexISimul]ノード上の[Force]ポートに接続します。

  4. [Syflex ダンプ]プロパティ エディタで、[ダンピングの強さ]を設定します。

  5. フォース、衝突、コンストレイントを必要に応じて使用し、Syflex ICE ツリーの構築を続けます。サンプルは、「Syflex ICE ツリーの構造」を参照してください。

クロス シミュレーションに湿った空気フォースを適用する

[Damp Air]コンパウンドは、[Damp]コンパウンドに似ています。ただし、湿った空気フォースは、クロスの移動方向については、クロスのポリゴン フェイスの向きに比例します。空気(移動方向に対して鉛直)を「スライス」するフェイスは、湿った空気フォースの影響を受けません。一方、移動方向とは完全に方向が逆であるフェイスは、速度が低下します。

また、ダンピングを適用する、クロス オブジェクトのサイドを選択することもできます(両サイド(旗などに便利)、内側だけ、または外側だけ(T シャツや閉じたメッシュなどに便利))。サイドはオブジェクトの法線の方向によって決まります。次のシャツの図に示すように、外側は法線が指しているサイドであり、内側はその逆です。

注:[Syflex Damp Air]コンパウンドは、Syflex Curves にはサポートされません。これは、Syflex カーブにはフェイスがないためです。代わりに[Syflex Damp]コンパウンドを使用してください。
  1. Syflex ICE クロス シミュレーションを作成します。「Syflex ICE シミュレーションの作成」を参照してください。

  2. シミュレートされたクロス オブジェクトを選択し、以下のいずれかを実行します。

    • [ICE Tree]ツールバーから、[パーティクル](Particles) [フォース](Force) [Syflex] [湿った空気](Damp Air)コマンドを選択します。

      この操作で、フォース ノードの[Force]出力が、[Syflex Cloth]ノード上の[Force]ポートに接続されます。

    • ICE Tree ビューの Preset Manager で、[タスク]>[Syflex]タブの[フォース](Forces) [Syflex Damp Air]コンパウンドをドラッグし、これを[Syflex Cloth]ノード上の[Forces]ポートに接続します。

  3. [Syflex Damp Air]コンパウンド プロパティ エディタで、パラメータを設定します。