シーンやモデルを作成する際、今後変更したくない部分や、他のユーザに変更されたくない部分があるとします(特にワークグループ環境で作業する場合)。このような変更を防ぐために、ロック機能を使用し、シーンの部分に許可する変更タイプをコントロールできます。たとえば、テクニカル ディレクタは、リグを含むキャラクタにロックを使用して、データの損失や変更(意図しないものかどうかに関係なく)などを防ぐことができます。または特定のパラメータに対するアニメーションのみをロックすることができます。これにより、ロックされたパラメータは利用可能ですが、キーは設定できなくなります。
[ロック](Lock)コマンドを使用してシーン エレメントをロックすると、ユーザ ロックを適用していることになります。ロック解除はいつでも選択できます。
システム ロックのメカニズムはユーザ ロックと同じですが、システム ロックは特定タイプのシーン エレメントをロックするために Softimage の内部で使用されます。オーバーライド プロパティとリファレンス モデルはシステム ロックで保護されており、ユーザ ロックで使用できるロック、ロック解除、削除はここではできません。
シーン エレメントがユーザ ロックの対象かシステム ロックの対象かを調べるには、[ロック](Locks) 
[ロックの情報](Locks Info)コマンドを選択します。詳細は「スクリプトでのロックを使用する」を参照してください。
シーン エレメントには、トポロジ、アニメーション、値、すべてという各種レベルのロックを適用できます。これらのレベルでシーン エレメントをロックすることで、特定の種類の変更のみを制限できます。たとえば、[ノードのトポロジ/階層でロック]レベルでロックされているジオメトリには、ポイントの追加や削除を行うことはできません。
すべてのレベルを一度に適用することも、個別に適用することも可能です。
| ロック レベル |
説明 |
スクリプト コマンド |
|---|---|---|
| ノードのトポロジ/階層 |
トポロジおよび階層は変更できません。 |
siLockLevelConstruction |
| アニメーション |
キーは設定できません。 |
siLockLevelAnimation |
| 値 |
値は変更できません。 |
siLockLevelManipulation |
| すべて |
上記のすべて。 |
siLockLevelAll |
このレベルは連続的で、あるレベルはそれより上位のすべてのレベルを含みます(プロパティが上から下へと付加されていく親子関係とは逆になります)。
最も低いロック レベルは[値](value)レベルです。このレベルでロックを設定すると、それより上位の他のレベルも自動的に有効になります。
[アニメーション](animation)レベルのロックを設定すると、その上位の[ノードのトポロジ/階層]レベルもロックされます。
最も高いレベルのロックは[ノードのトポロジ/階層](node topology/hierarchy)ロックで、他の 2 つのレベルとは独立して設定できます。
アニメーション レベルでシーン エレメントがロックされている場合、キーの設定も、Animation Editor での F カーブの編集もできません。
FCurve Editor では、ロックされている F カーブは点線で描画されます。
ロックされている F カーブは選択できないため、そのカーブ上のキーを選択することも編集することもできません。F カーブからキーをコピーするには、DopeSheet を使用できます。
ロックされているトラックは、左端に黒い鍵のアイコンが表示されます。折りたたまれたトラックにすべてロックされているトラックが含まれている場合は、黒いアイコンが表示されます。ロックされているトラックとされていないトラックが混在する場合は、鍵のアイコンは黒と緑の混じったものになります。
ロックされている F カーブ(トラック)上で領域を選択または作成してキーのコピーおよび貼り付けを行うことはできますが、キーの編集はできません。
キーを編集しようとすると、対象の F カーブはロックされているため編集できませんという内容のエラーメッセージがスクリプト ウィンドウに表示されます。
F カーブおよび DopeSheet の詳細については、「F カーブの編集」および「DopeSheet でアニメーションを編集する」(「アニメーション」)を参照してください。
ロックの解除とレベルの変更は、初めにそのロックを適用したノードからのみ行うことができます。このノードは「ロックのオーナー」と呼ばれます。
特定のノードのロックの解除やレベルの変更を試みようとしたときにコンテキスト メニューのロック レベル メニューが使用不可能(グレー)になっている場合は、選択したノードまたはオブジェクトがロックを継承していることを意味しており、変更はロックのオーナーからのみ可能です。この場合、継承されているロックのレベルは変更はできませんが、チェック マークで示されます。
ロックのオーナーでなくてもロック解除が可能な唯一のシーン エレメントはパラメータです。パラメータのロック、ロック解除はノード モードでのみ可能です。「シーン エレメントをロック解除する」を参照してください。
ロックは常にブランチ モードで適用されます。これは、オブジェクトをロックするとそのオブジェクトのすべての子がロックを継承することを意味します。たとえば、シーン全体をロックするには、[Scene_Root]ノードにロックを適用します。[Scene_Root]ノード以下のすべてのオブジェクトとモデルは、そのプロパティやパラメータを含めてロックされます。
グループをロックするとそのグループのすべてのメンバーがロックされ、グループ ノードがロックされている限りロックされたままになります。
