レンダ領域内でヘアをレンダリングしたり、レンダリング結果をファイルに出力したりするには、あらかじめ、レンダリングの品質に大きく影響するいくつかの設定を行う必要があります。これには、レンダリングの品質の設定、ジオメトリアプロクシメーションの設定、ヘア用のBSPツリーの設定などが含まれます。
低品質ですばやくレンダリングすることもできますし、処理に時間を要しますが高品質でレンダリングすることもできます。この設定は、前処理の時間(ヘア生成)にのみ影響します。ヘアの縮れやカールが少なく、セグメントも少ない場合(短いヘアやファーなど)は、処理時間を短縮するために[Low]設定を使用します。それ以外の場合は、品質を高めるために[High]設定を使用します。
ヘアオブジェクトにシャドウをアタッチします(「ヘアのカラーリング」を参照)。
[Hair]プロパティエディタを開き、[レンダ品質](Render Quality)リストから[Low]または[High]を選択します。
ヘアの表示やレンダリングを行う場合、ジオメトリアプロクシメーションを設定できます。ジオメトリアプロクシメーションは、オブジェクトやカーブをどのようにテッセレーションするか(レンダリング時にオブジェクト(三角形分割)またはカーブ(ラインセグメント分割)をどのように分割するか)を指定します。
ヘアにジオメトリアプロクシメーションを設定すると、ヘアを表現する汎用のベジェカーブが作成されます。これにより、ヘアカーブのセグメント数を減らしても、非常にスムーズなサーフェイスをレンダリングすることができます。
ジオメトリ アプロクシメーションを適用および編集する[シーン エレメント]で説明するようにジオメトリアプロクシメーションのプロジェクトを適用または編集し、[ヘア]タブでオプションを設定します。
すべてのオプションに関する完全な説明については、「[ジオメトリアプロクシメーション]プロパティ エディタ」(「プロパティ リファレンス」)を参照してください。
ヘアのレンダリング専用のBSPツリーを設定することができます。これらの設定は、シーンに対する標準のBSPツリー設定と同様に機能しますが、計算は別々に行われます。これにより、シーンの他の部分とは別に、ヘアのレンダリングだけに必要な処理を行うことができます。
レンダリング速度を向上させるためには、ヘアBSPの設定は慎重に行う必要があります。プレビューの表示に時間がかからないように、ヘア上に小さいレンダ領域を描画します。
ヘアのレンダリングに関するヒントについては、「レイトレーシングとアンチエイリアス」を参照してください。
ヘアをレンダリングすると、そのヘアは約 400,000 束の塊で個別のmental rayオブジェクトに分割されます。この結果、デフォルトの10セグメントのヘアではオブジェクトごとに約 40,000 束のヘアになります。
ヘアオブジェクトをより小さなヘアオブジェクトに分割すると、レンダリングが高速になります。つまり、レンダリングするヘアを増やすことができ、全体的なリアル感が高まります。また、より小さなヘアの塊を作成すると、多くのメモリを必要とするモーションブラーを使用したヘアのレンダリングで役に立ちます。
コンピュータのプロセッサ数によって、レンダヘアの生成方法は異なります。これを修正するには、プロセッサ数と同数のバッチに分割してヘア生成を行います。
そのため、最大 8 個のヘア(シェイブ)インスタンスを使ってヘアバッチを作成できます。使用するインスタンスの数は、XSI_SHAVEINSTANCES環境変数を設定して制御します。
ヘアが原因でシーンのレンダリング速度が低下することも少なくないため、ヘアをレンダリングせずにシーンをレンダリングできると便利です。ヘアを非表示にしたり、ヘアを別のシーンレイヤに配置してそのレイヤをレンダリング不可にしたりする方法もありますが、Render Managerでオプションを非アクティブにして、高速なプレビューレンダリングを簡単に実現することもできます。これは、インスタンス化されたジオメトリではなく、ジオメトリレンダタイプを使用するヘアにのみ適用されます。
[Render]ツールバーで[Render] [Render Manager]を選択し、Render Managerを開きます。
Render Managerの右側のレンダラオプションパネルに、[mental ray]タブが表示されていることを確認します。
[Rendering]タブをクリックし、[Enabled Features] [Hair Geometry]オプションの選択を解除します。このオプションをオフにすると、ヘアは生成はされますが、レンダリングは行われません。
レンダリング(およびレンダ領域)の各オプションの詳細については、「レンダ オプションを管理する」(「レンダリング」)を参照してください。