トラッキング
 
 
 

| トラッカー | 変換 | オプション | 出力短形 | マスク | 出力

トラッキングを使用すると、イメージ シーケンスの最大 4 つのポイントの動きをフォローできます。生成されたモーション パスを使用すると、あるオブジェクトを別の移動しているオブジェクトに貼り付けたり、カメラのぶれなどの不要な動きのあるシーケンスを安定させることができます。また、元々安定していたシーケンスを不安定化させて、カメラの動きを復元することもできます。

入力(RGB(A))を受け取ります。

オプションで、前景入力(RGB(A))を受け取ります。

出力(RGB(A))を乗算します。

トラッキングワークフローの概要](Tracking Workflow Overview):

一般的には、トラッカーの使用には次の基本手順があります。

トラックボタン](Tracking Buttons):

次のボタンでは、トラッキング プロセスの開始と再開を実行できます。トラッキング中にイメージ シークエンスが再生され、トラック ポイント、テンプレート、および検索領域にキーフレームが設定されます。トラッキングが完了したら、マッチ ムーブ、固定、または不安定化のエフェクトを確認できます(必要に応じてモードを切り替える)。トラッキングに問題がなければ、それ以上調整されないようトラックをロックします。

[スタートからトラック](Track From Start): シークエンスの最初からトラッキングを開始します。

[現在から](From Current): 現在のフレームからトラッキングを開始します。

[ステップ](Step): トラッキング中に次のフレームに進みます。トラッキング エラーが発生する場所を特定する際に有効です。

トラッカー

トラッカーを有効にするには、[トラッカー]ページのこのタブのオプションを使用します。既定では、トラッカーが 1 つだけ有効になります。各タブで他の 3 つのトラッカーもすべて使用できます。

トラッカーは選択した矩形領域を各フレームで追跡し、モーション パスを作成します。次の 4 つのトラッカーを使用して追跡できます。各トラッカーにはテンプレート、検索領域、およびトラック ポイントがあります。

  • テンプレート(The Template)

    このテンプレートは、後続フレームの検索対象イメージ部分の小さな領域を定義します。定義とは、トラッカーの動きを決定するこの小さな領域の移動範囲です。テンプレートおよび移動範囲をトラッキング システムに認識させられるよう、可能な限りコントラストが大きくめりはりのある領域を選択します。

  • 検索範囲(The Search Area)

    検索領域は、テンプレート領域の検索時にイメージ内の分析面積の大きさを決定します。

    処理時間は検索範囲の全面積に対して均等に配分されるため、不必要に検索範囲を大きくしないでください。検索領域を非常に大きくすると、イメージの大きく変化する場所が見落とされる確率が高くなります。特定の領域をとても速く動くオブジェクトがある場合は、検索領域を拡大する代わりに移動します。これにより、広い領域を検索しなくてもシステムは新しいテンプレート位置を見つけることができます。

  • トラック ポイント(The Track Point)

    トラック ポイントは、時間が経過したときの最終位置です。トラック ポイントの値は、モーション パスの描画に使用されるほか、マッチ ムーブする間の変換計算や処理の安定化に使用されます。デフォルトのトラック ポイント位置はテンプレートの中心です。ただし、最終的なパスを編集したり、テンプレートとトラックポイント位置の間のオフセットを設定することにより既定の位置を変更できます。

トラッカーを Fx Viewer に表示するには、トラッキング オペレータを編集中であること、およびプロパティ エディタにトラッカー ページまたはオプション ページを有効にすることが条件となります。トラッカーを Fx Viewer に表示したら、以下の手順でエレメントを配置できます。

  • エレメントを 1 つずつ配置するには、追跡ポイントのアームのいずれか、テンプレートの端、または検索領域をドラッグします。

  • 3 つのエレメントをすべて同時に配置するには、[Shift]キーを押しながらテンプレートをドラッグします。

  • エレメントをリサイズするには、テンプレートまたは検索領域のうちいずれかのリサイズ ハンドルをドラッグします。

モード

トラックモード(Track Mode)

[トラックの編集](Edit Tracks):[マッチムーブ]や[固定]と同様に、エフェクトを何も適用せずにトラックを生成、表示、および編集できます。初期トラッキング データの生成に使用するモードです。

[マッチムーブ](Match Move): 前景イメージを挿入します(このオプションを実行するには、[Output]ページの前景イメージをオンにする必要があります)。 既定では、イメージのコーナーがトラック位置に固定されます。[変換]ページの[スケール]や[回転]などを使用して前景イメージの固定方法を変更することもできます。

固定: イメージを固定させるために、最初のフレームから現在のフレームまでのパスの相対モーションが保持されます。

[変換]ページの[スケール]や[回転]などを使用して前景イメージの固定方法を変更することもできます。

このオプションは、トラックの位置を以前に[固定]を使用して削除したモーションに戻します。

[変換]ページの[スケール]や[回転]などを使用して前景イメージの固定方法を変更することもできます。

2 ポイント トラッキング > スケーリングの適用/回転の適用(Two Point Tracking > Apply Scaling/Apply Rotation)

2 つのトラック ポイントを使って固定すると、イメージ固定化を図るためのイメージ変換方法は無視され、スケーリングと回転を適用して 2 点の相対位置を保持します。これらのオプションを無効にすると、スケーリングまたは回転が無効になります。

トラック 1/2/3/4

これらのタブのオプションでは、各トラッカーを有効にしたり、トラッカーにさまざまなプロパティを設定できます。

有効(Enable)

トラッカーを有効にします。

モード(Mode)

トラッキング アルゴリズムが使用するカラー スペースを指定します。ルマ、赤、緑、青、RGG、またはアルファを選択できます。

固定されたトラック(Locked Track)

これ以上修正されないようにトラックをロックします。

各アクティブ トラッカーのモーションが完成したらこのオプションを使用します。

テンプレート(Template Settings)

テンプレート ボックスの各辺の位置を入力し、テンプレートの形を指定します。Fx Viewer でテンプレート ボックスを修正すると、これらの設定が自動的に更新されます。トラッキング オペレータによって自動的に設定されるキーを無効にするようキーフレームを設定することはできますが、手動では調整できません。

トラック ポイント(Track Point Settings)

X および Y でトラック ポイントの位置を示します。これらの設定は、FX Viewer でトラック ポイントを移動すると自動的に更新されます。トラッキング オペレータによって自動的に設定されるキーを無効にするようキーフレームを設定することはできますが、手動では調整できません。

検索範囲(Search Area Settings)

検索領域の各辺の位置を入力し、その形を指定します。Fx Viewer で検索領域を修正すると、これらの設定が自動的に更新されます。トラッキング オペレータによって自動的に設定されるキーを無効にするようキーフレームを設定することはできますが、手動では調整できません。

現在のフレーム キーのリセット(Reset Current Frame Keys)

現在のフレームのキーフレーム データ削除します。

すべてのトラック データのクリア(Clear All Track Data)

最初からキーフレームを設定できるよう、トラッカーのキーフレーム データをすべて削除します。

精度

現在のフレームのエラー(Current Frame Error)

各トラックに対し、トラッキング オペレータが検索するテンプレートと実際の検索領域との間のエラーが表示されます。

このアルゴリズムは複数の領域をピクセルごとに比較し、全体のエラー値を生成するために小さな差異をすべて計算します。このエラー値は絶対値よりも相対的な値になるため、2 よりも大きくなる場合があります。この場合はトラックが正しく機能します。一方、エラー値が 0.1 などのような低い値になることもあり、この場合はトラックがコースからはずれます。

この情報は参照用ですので、 修正することはできません。

エラー警告しきい値(Error Warning Threshold)

各トラックに対し、このパラメータは許容できるエラーの上限値を定義します。

トラッキング オペレータは定義済みエリアを取得した後、検索領域内を移動してテンプレート内のピクセルおよびこのフレームにあるイメージのピクセルを比較します。全体のエラーを計算するために、発生した小さなエラーが収集、追加されます。

自動テンプレート変更しきい値(Auto Template Change Threshold)

各トラックで計算されたエラーがこの値を超えると、トラッキング オペレータはそのフレームのテンプレートを切り替えます。エラー値がしきい値を超えるフレームでは、オリジナル テンプレートを追跡する代わりにそのフレームの新しい領域を追跡します。

フレーム シークエンスが進むにつれ徐々にテンプレートが変化し、開始フレームと比べて最終フレームが大幅に異なるような場合は、この機能が有効です。たとえば、トラッカーが回転するポイントを追跡する場合などに使用します。

エリア シフト

[エリア シフト]タブには、前景イメージ内のトラック領域の位置を直接変更するためのスライダがトラックごとに表示されます。トラック ポイントのパスによって変換される領域は、指定方向に指定の量だけ変化します。マッチ ムーブでは、これによって前景イメージがゆがみます。

変換

[変換]ページのオプションでは、マッチ ムーブの実行時に前景イメージをどのように操作するのかを決定できます。

ボタンをクリックしてこのページを開くと、Fx Viewer に 4 つのソース ポイント マーカーが表示されます。各ソース ポイントは有効なトラック ポイントに固定され、それぞれに番号が付けられます。

Fx Viewer でこれらのソース ポイントをドラッグし、トラック ポイントに固定する前景イメージのどこかに配置します。

変換

移動 X/Y(Move X/Y)

X および Y 方向に前景イメージを移動します。

オリジンX/Y(Origin X/Y)

X および Y で原点の位置を指定します。原点は、このタブのオプションを使用して行われるスケーリングと回転のピボットとして機能します。

スケールX/Y(Scale X/Y)

原点を中心にして、前傾イメージを X および Y 方向にスケーリングします。

回転(Rotate)

原点を中心にして、前傾イメージを指定の量だけ回転させます。

コーナー

[コーナー]タブのオプションは、前景イメージのパースペクティブ変換を設定します。コーナーごとに X および Y スライダを調整し、パースペクティブを設定します。

ソース ポイント

[ソース ポイント]タブには、前景イメージ内のソース ポイント位置を直接変更するためのスライダがトラックごとに表示されます。また、Fx viewer には番号の付いた十字型のマーカが各アクティブ トラックに表示されます。このマーカーをドラッグしてソース ポイントの位置を直接修正できます。

マッチ ムーブの実行時には、トラッキング オペレータが前景イメージ上のソース ポイントを、対応する背景上のトラック ポイントの位置に固定します。

ソース ポイントを正しく設定するには、前景イメージを Fx Viewer でプレビューしながらトラッキング オペレータを編集します。

レンダリング

不透明度(Opacity)

前景の不透明度をコントロールします。

前景タイプ(Foreground Type)

背景色を強調する場合はプリマルチプライ前の出力イメージを表示し、背景色を抑えるにはプリマルチプライ後の出力イメージを表示します。

色の焼き付け(Backing Color)

[前景タイプ]リストから[バッキング カラー]を選択すると、選択したバッキング カラーが抑えられます。

アルファの出力(Output Alpha)

背景イメージのアルファ、前景イメージのアルファ、またはその両方を出力します。

リサンプル(Resampling)

変換されるイメージのピクセルの内容を計算する方法を指定します。[ポイント]は最も簡単で手早い方法です。[バイリニア]は低速ですが、スケール アップには効果があります。[EWA](Elliptic Weighted Average)は低速ですが、大きな度数でスケール ダウンするには最適です。[ランチョス]は低速ですが、鮮明なイメージをプレビューするには最適です。

変換をラップ(Wrap Transform)

トラッキングモードを[固定]に設定しているときのオプションです。固定プロセス中は、イメージの一部が失われる可能性が非常に高くなります。1 ポイント固定の場合は、このオプションを有効にすることでこの問題を防止できます。

カットアウト化(Make Cutout)

変換された前景のみを出力します。

マッチ ムーブ中に、変換した前景のみを出力するには[カットアウト化]を選択します。その後、この前景を背景と合成できます。

オプション

トラッキング

ポイントの表示(Show Points)

トラックを点で表示します。

線の表示(Show Lines)

トラックを線で表示します。

処理時に再トラック(Retrack on Process)

レンダリング中のトラッキングまたは再トラッキングを許可します。生成するキーフレームをトラッキングする場合はこのオプションを有効にしてください。

[スタートからトラック]、[現在位置]、または[ステップ]ボタンをクリックすると、トラッキング中に自動的にこのオプションが有効になります。再生してトラッキングが完了すると、このオプションが無効になります。

トラッキングの際にクロップ(Crop When Tracking)

トラッキング中にクロップ領域を適用します。

フィールド モード(Field Mode)

フレームごとにトラッキングします。または、フィールド ベースのマテリアルを使用している場合は、フィールドごとにトラッキングします。

[フレーム](Frame): 各フレームのオブジェクトをトラッキングします。

[フィールド1](Field1): フィールドベースのマテリアルを使用している場合に、[フィールド1]モードのオブジェクトをトラッキングします。

[フィールド2](Field2): フィールドベースのマテリアルを使用している場合に、[フィールド1]モードのオブジェクトをトラッキングします。

出力短形

次のオプションでは、トラッキング オペレータから出力されるイメージのサイズを調整できます。

トラッキング

適用(Apply)

有効にすると、出力矩形コントロールによって定義されている領域のみが出力されます。

出力矩形 レフト/ライト/ボトム/トップ(Output Rect Left/Right/Bottom/Top)

出力する範囲を囲む矩形の上下左右をピクセル単位で指定します。これらの値を調整すると、出力イメージが指定の寸法になり、各辺の大きさが調整されます。

マスク

このオペレータのマスク オプションをコントロールします。

出力

このオペレータの出力オプションをコントロールします。