nucleus オブジェクトのコンストレイント

 
 
 

nConstraint を使用して、動きの制限や他のオブジェクトへの固定により、nCloth、nParticle、および nHair オブジェクトの動作を調整できます。たとえば、nCloth の衣類の一部がずり落ちないようにキャラクタにコンストレイントしたい場合、コンストレイントを使用して、ズボンが落ちないようにする、またはドレスのストラップが肩からずれないようにすることができます。また、コンストレイントを使用して nHair をポニーテイルなどのスタイルにまとめることもできます。nParticle では、nParticle を nCloth オブジェクトにコンストレイントして、nCloth が別の nucleus オブジェクトに衝突するときに nCloth からパーティクルが飛び散るようにコンストレイントの強さを調整することもできます。

nCloth オブジェクトはすべての nConstraint をサポートしていますが、nParticle オブジェクトと nHair オブジェクトにはすべての nConstraint を適用できるわけではありません。nParticle オブジェクトと nHair オブジェクトは、次の nConstraint をサポートしています。

トランスフォーム(Transform)コンストレイント

トランスフォーム(Transform) コンストレイントは、nCloth オブジェクトとパッシブ衝突オブジェクトの選択された頂点、nHair カーブ CV、および nParticle オブジェクトの選択されたパーティクルを、同じ位置に保持するか、または XYZ 空間を使用してそれらを移動します。トランスフォーム(Transform) コンストレイントには、コンストレイントされた頂点またはパーティクルをコントロールするトランスフォーム コンストレイント ロケータがあります。このロケータは、他のオブジェクトにペアレント化、アニメート、またはコンストレイントすることができます。たとえば、トランスフォーム(Transform)をコンストレイントした nCloth のシルク スカーフのトランスフォーム コンストレイント ロケータをアニメートして、このスカーフが落下する動きを演出できます。

nConstraint > トランスフォーム(nConstraint > Transform)」を参照してください。

コンポーネント間(Component to Component)コンストレイント

コンポーネント間(Component to Component)コンストレイントでは、nCloth コンストレイント(頂点、エッジ、フェース)、nHair カーブ CV、および nParticle コンポーネント(個々のパーティクル)を他の nCloth、nParticle、nHair、またはパッシブ オブジェクト コンポーネントにアタッチできます。たとえば、コンポーネント間(Component to Component)コンストレイントを使用して、nCloth シャツにボタンをアタッチすることができます。

nConstraint > コンポーネント間(nConstraint > Component to Component)」を参照してください。

コンポーネント(Component)コンストレイント

コンポーネント(Component)コンストレイントを使用すると、nCloth メッシュの選択したフェースの間や選択したエッジ上の伸長とベンドの動作を詳細にコントロールできます。コンポーネント(Component)コンストレイントには、伸長(Stretch)ベンド(Bend)の 2 つのタイプがあります。

伸長(Stretch)コンストレイントを作成すると、メッシュの選択したエッジまたはフェースの頂点の間にリンクとクロス リンクが構築されます。これらのリンクとクロス リンクは選択されたコンポーネント間の角度を維持して nCloth を安定させるので、コンストレイントされた領域でのシアなどの動作が回避されます。

コンポーネント(Component)コンストレイントのレスト長のスケール(Rest Length Scale)アトリビュートを調整して、コンストレイントされた領域においてリンクとクロス リンク間でクロスがどのように伸長するかをコントロールできます。たとえば、nCloth のシャツの袖の上に 2 つの伸長(Stretch)コンストレイントを作成して、メッシュの長さに沿った伸長の抵抗とメッシュの外周上の伸長の抵抗を別々にコントロールすることができます。

伸長(Stretch)タイプのコンストレイントは、衣類の伸縮性のあるウエストひもをシミュレートしたり、スカートやカーテンに自然なプリーツを作成するのに便利です。

ベンド(Bend)コンストレイントでは、nCloth メッシュの選択したエッジに沿って追加のベンド抵抗を適用できます。ベンド(Bend)コンストレイントは、クロスのベンドの強さを大きくして、しっかりとしたシャツの襟や袖口などのエフェクトを作成する場合に使用します。

nConstraint > コンポーネント(nConstraint > Component)」と「nCloth コンポーネント(Component)コンストレイントを作成する」を参照してください。

ポイント対サーフェス(Point to Surface)コンストレイント

ポイント対サーフェス(Point to Surface)コンストレイントでは、nCloth コンポーネント(頂点、エッジ、フェース)、nHair カーブ CV、および nParticle コンポーネント(個々のパーティクル)をターゲット サーフェス(nCloth サーフェスまたはパッシブ衝突オブジェクト)にアタッチできます。このタイプの nConstraint は、nCloth オブジェクトの一部(シャツの袖口など)をポリゴン メッシュ(キャラクタの手首など)に保持する場合に便利です。

nConstraint > ポイント対サーフェス(nConstraint > Point to Surface)」を参照してください。

サーフェスでスライド(Slide on Surface)コンストレイント

サーフェスでスライド(Slide on Surface)コンストレイントでは、nCloth コンポーネント(頂点、エッジ、フェース)、nHair カーブ CV、および nParticle コンポーネント(個々のパーティクル)をターゲット サーフェス(別の nCloth サーフェス、またはパッシブ衝突オブジェクト)にアタッチでき、コンストレイントされたコンポーネントをコンストレイント先のサーフェスに沿って移動またはスリップさせることができます。サーフェスでスライド(Slide on Surface)コンストレイントは、ポイント対サーフェス(Point to Surface)コンストレイントをスライドに対応させたものです。このタイプの nConstraint は衝突の代わりに使用でき、多くの場合は衝突よりも高速に処理されます。

nConstraint > サーフェスでスライド(nConstraint > Slide on Surface)」を参照してください。

隣接する境界の縫合(Weld Adjacent Borders)コンストレイント

隣接する境界の縫合(Weld Adjacent Borders)コンストレイントは、選択した nCloth オブジェクトの最も近い境界をスナップしてマージします。このタイプの nConstraint は、個別の nCloth メッシュを単一の nCloth オブジェクトのように動作させる場合に便利です。nParticle オブジェクトは隣接する境界の縫合(Weld Adjacent Borders)コンストレイントをサポートしていません。

nConstraint > 隣接する境界の縫合(nConstraint > Weld Adjacent Borders)」を参照してください。

フォース フィールド(Force Field)コンストレイント

フォース フィールド(Force Field)コンストレイントは、球状ボリューム境界がある放射状フィールドで、nCloth、nHair カーブ、および nParticle コンポーネントまたはオブジェクトをコンストレイントの中心から押しのけます。フォース フィールド(Force Field) コンストレイントを作成すると、フォース フィールド ロケータがシーンに表示されます。ロケータのサイズ、シェイプ、位置は、フォース フィールドのサイズ、シェイプ、位置を示します。

フォース フィールド(Force Field)コンストレイントを使用してオブジェクト、特定の頂点、nHair カーブ CV、または nParticle を押しのけることで、不要な貫通を補正できます。たとえば、nCloth がキャラクタの肘ジョイント内で動かなくなった場合、ジョイントにフォース フィールド(Force Field) コンストレイントを配置すると、これを押し出すことができます。逆に、コンストレイントの境界内でこのコンストレイントを使用して nCloth を吸い込む、または収容することができます。

フォース フィールド(Force Field)コンストレイントは、ローカライズされた頂点、カーブ CV、個々の nParticle の他、nucleus オブジェクト全体にも適用できます。フォース フィールドのパワーを決定するには、dynamicConstraint ノードで強制(Force)強さ(Strength)、および強さドロップオフ(Strength Dropoff) アトリビュートを使用します。正の値を設定するとフォース フィールドは nCloth または nParticle を押し出し、負の値を設定すると nCloth、nHair、または nParticle を吸い込みます。

nConstraint > フォース フィールド(nConstraint > Force Field)」を参照してください。

一致するメッシュに引き付け(Attract to Matching Mesh)コンストレイント

一致するメッシュに引き付け(Attract to Matching Mesh)コンストレイントは、nCloth オブジェクトの頂点をトポロジが一致するパッシブ オブジェクトの対応する頂点に引き付けます。このタイプのコンストレイントは、シミュレーション時に nCloth を特定のシェイプにしたい場合に便利です。

たとえば、キャラクタから落ちたガーメントが特定のシェイプで、または特定の方向で接地するシーンの場合、このコンストレイントを使用してガーメントの最終シェイプを作成できます。dynamicConstraint ノードの強さ(Strength)アトリビュートは、nCloth オブジェクトがターゲット メッシュに類似する程度を定義します。nParticle オブジェクトは一致するメッシュに引き付け(Attract to Matching Mesh)コンストレイントをサポートしていません。

nConstraint > 一致するメッシュに引き付け(nConstraint > Attract to Matching Mesh)」を参照してください。

引き裂き可能なサーフェス(Tearable Surface)コンストレイント

引き裂き可能なサーフェス(Tearable Surface)コンストレイントは nCloth オブジェクトを引き裂きまたは粉砕可能にします。これは縫合(Weld)コンストレイント方法を使用して、nCloth オブジェクトのすべてのフェースを分離、新しいエッジと頂点を生成、nCloth の頂点をマージ、nCloth のエッジを軟化、そして nCloth のポイント(引き裂き)またはエッジ(粉砕)をコンストレイントして行います。このコンストレイントは、nCloth サーフェスを作成して、これがパッシブ オブジェクトまたは他の nCloth オブジェクトと衝突するときに、破裂または粉砕させる場合に便利です。dynamicConstraint ノードの粘着の強さ(Glue Strength)アトリビュートは、nCloth の引き裂きまたは粉砕の容易さを定義します。nParticle オブジェクトは引き裂き可能なサーフェス(Tearable Surface)コンストレイントをサポートしていません。

nConstraint > 引き裂き可能なサーフェス(nConstraint > Tearable Surface)」を参照してください。

衝突の無効化(Disable Collision)コンストレイントと衝突ペアを除外(Exclude Collision Pairs)コンストレイント

衝突の無効化(Disable Collision)コンストレイントと衝突ペアを除外(Exclude Collision Pairs)コンストレイントは、nCloth オブジェクト、nParticle オブジェクト、パッシブ オブジェクトのコンポーネントが衝突する度合いを制限します。衝突の無効化(Disable Collision)コンストレイントを使用して、メンバーがその他のすべての nucleus オブジェクトまたは nCloth と nParticle オブジェクト コンポーネントの衝突を回避できます。衝突ペアを除外(Exclude Collide Pairs)コンストレイントを使用して、メンバーが特定の nucleus オブジェクト、nCloth オブジェクト、または nParticle オブジェクトのコンポーネントと衝突することを回避できます。これらのコンストレイントは、nCloth オブジェクトまたは nParticle オブジェクトのパフォーマンスを向上させる、nCloth の衝突領域を制御する、衝突するパーティクルをコントロールする、またはクロスが衝突ジオメトリ内に閉じ込められることを回避する、といった場合に便利です。

nCache > 選択項目にあるすべてのキャッシュの無効化(nCache > Disable All Caches On Selected)」と「nConstraint > 衝突ペアを除外(nConstraint > Exclude Collide Pairs)」を参照してください。

関連項目