アセット テンプレートは、アセット共通の交換可能なユーザ インタフェースを作成できる XML ファイルです。テンプレートごとに、パブリッシュ済みアトリビュートの複数のカスタム ビューを作成できます。各ビューは独自のレイアウト、アトリビュート ラベル、説明(ツールのヒント)を使用してカスタマイズできます。
アセットを作成してパブリッシュ済みアトリビュートを定義すると、パブリッシュ済みアトリビュートとパブリッシュ済みノード名のテンプレートを保存できます。(詳細については、アセット テンプレートを作成するを参照してください)。次に同じ種類のアセットを作成する場合に、保存したテンプレートをロードして、同じパブリッシュ済みの名前を持つ新しいアセットを設定できます(詳細については、テンプレートをアセットに割り当てるを参照してください)。
すべてのアセットの設定に同じテンプレートを使用して、ハイパーグラフ(Hypergraph)とアウトライナ(Outliner)に同じアイコンを表示することもできます(詳細については、カスタム アイコンを使用してアセットを特徴付けるを参照してください)。
テンプレートは、アセットのテンプレート名(Template Name)アトリビュートを使用してアセットによって参照されます。このアトリビュートはアセットに使用するテンプレートを伝えます。(テンプレートの命名規則も参照)。各テンプレート ファイルには、割り当てられたアセットに必要なパブリッシュ済みアトリビュートの名前のセットが格納されています。これにより、迅速かつ簡単に同じ種類の他のアセットを作成でき、必要なアトリビュートが欠落することがなくなります。テンプレートを個別ファイルとして保存すると、特定のシーン ファイルに関係なく、パイプラインで再利用可能なテンプレートのライブラリを構築できます。
テンプレートをシーンのアセットに割り当てると、そのアセットのアトリビュートをテンプレートの未バインド アトリビュートにバインドすることができます。
たとえば、同じアセット テンプレートを使用して、シーンのスポット ライトをすべて設定し、すべてのスポット ライト アセットに共通のインタフェースを使用できます。すべてのスポット ライト アセットは完全に同一のパブリッシュ済みアトリビュートを持つため、リファレンスの置き換え(Replace Reference)またはアトリビュート値の転送(Transfer Attribute Values)を使用して、コントロールとアニメーションを簡単に入れ替えることができます(詳細については、リファレンスされたアセットを置き換えるとアセット間でアトリビュート値を転送するを参照してください)。
テンプレートを使用したアセットの共通インタフェースの作成は、必須作業ではありません。しかし、テンプレートを保存すると、複数のビュー(レイアウト)をテンプレートごとに定義することもできます。テンプレート ビューを使用すると、アセット エディタ(Asset Editor)、アトリビュート エディタ(Attribute Editor)、アウトライナ(Outliner)、チャネル ボックス(Channel Box)でアトリビュートのグループ化、編成、命名方法を変更して、アセット インタフェースを自由にカスタマイズできます。
次の例は、左からビューが割り当てられていない fountain アセットのアトリビュート エディタ(Attribute Editor)、チームのシェーディング アーティスト用のビュー、チームの環境アーティスト用のビューです。各アーティストには fountain アセットでの作業に必要なアトリビュートのみが供給されます。
テンプレートを保存しない場合、またはカスタム ビューを定義しない場合でも、アセットのビュー モード(View Mode)アトリビュートでは、各種ウィンドウとエディタでパブリッシュ済みアトリビュートのレイアウトを編成できる 2 つのオプションを設定できます。ノード別のグループ(Group By Node)ビューでは、パブリッシュ済みアトリビュートがノード単位で整理され、ノードごとに折り畳み可能なフレームが表示されます。フラット(Flat)ビューでは、ノードがパブリッシュされた順序で一覧表示されます。
すべてのビューで、テンプレートに設定したアトリビュート タイプに基づいて、レイアウトに適切なインタフェース ツールが自動的に作成されます(たとえば、数値アトリビュートにはスライダおよび最小値と最大値が表示されます)。ビューのカスタマイズの詳細については、テンプレート ビューをカスタマイズするを参照してください。
アセット テンプレートに関する技術的詳細については、アセット テンプレートのパーツとテンプレート ファイル フォーマットを参照してください。
テンプレート ビューを使用すると、アセットのパブリッシュ済みアトリビュートを Maya の各ウィンドウとエディタに表示する方法を定義できます。制作要件に応じて、テンプレートごとに複数のビューを作成できます(詳細については、ビューをアセット テンプレートに追加するにはを参照)。
テンプレート ビューは、本質的には一連のパブリッシュ済みアセット アトリビュートであり、特定の用途に合わせてグループ化して編成することができます。1 つのテンプレートに複数のビューを作成すると、パイプラインで必要なあらゆる用途に適した各種ユーザ インタフェースを作成できます(詳細については、テンプレート ビューをカスタマイズするを参照)。
たとえば、カスタム テンプレート ビューを作成して次の作業を実行できます。
ユーザがアクセスできるアトリビュートを指定するには、該当ユーザのテンプレート ビューを作成します。たとえば、チームのモデラー、リガー、アニメータ用のビューをそれぞれ 1 つずつ作成することができます。
各ユーザに必要なコントロールとアトリビュートを専用のインタフェースにグループ化します。各ユーザは自分のインタフェースに表示されるアトリビュートしか変更できないため、チーム メンバーが自分の作業に関係のないアトリビュートを誤って上書きしてしまう危険がなくなります。
チーム メンバーがプロジェクト内で実行する必要のあるタスクごとにビューを設定します。テンプレート ビュー内に割り当てられたタスクに必要なアトリビュートのみを表示することで、ユーザごとのワークフローを簡素化できます。ユーザは、各ビューを切り替えながらプロジェクトの作業を完了でき、必要なアトリビュートを検索する時間を節約できます。
カスタマイズされたビューのセットアップに関する詳細については、ビューをアセット テンプレートに追加するには、およびテンプレート ビューをカスタマイズするを参照してください。
バインド セットを使用すると、パブリッシュ済みの名前とそれにバインドされるアトリビュートのマッピングを作成し、それらをアセットのテンプレートに保存することができます。以降は、このマッピングを利用して、同じテンプレートを使用するアセットを自動バインドすることができます。これにより、アトリビュートごとにパブリッシュしなくて済みます。詳細については、バインド セットを作成するを参照してください。
バインド セットを作成すると、テンプレート ファイルに一連のエントリが作成されます。このエントリで、すべてのパブリッシュ済みの名前が、現在バインドされているノード名に自動的に関連付けられます。バインド セットをより一般的な形で機能させる場合は、このテンプレート ファイルを外部から開き、作成された名前を正則表現に置き換えます。
たとえば、バインド セットを使用して自動バインドすると、次のような作業を実行できます。
既存のアセットを開き、テンプレートを適用します。アセットを自動バインドします。前にバインドされていないアトリビュート、またはバインド セット マッピングと異なる形でバインドされているアトリビュートがすべて、テンプレートと合致するようにパブリッシュ、バインド(または再バインド)されます。
セットの最初のキャラクタを作成した後、アセットを作成し、該当するアトリビュートをそのアセットにパブリッシュします。これで、現在のアセットのバインド セットを作成することができます。このセットの 2 番目のキャラクタを作成するときは、同じテンプレートを適用し、そのアセットを自動バインドします。アトリビュートはすべて、テンプレートに従ってパブリッシュ、バインドされます。これで、残りのバインドされていないアトリビュートをすべて修正することができます。
アセットを作成し、該当するアトリビュートをパブリッシュした後、バインド セットを作成します。現在のプロジェクトが終了した後も、このバインド セットをベースとして、次世代バージョンの同じアセットに再使用できます。次世代アセットを自動バインドし、永続的にこの処理を繰り返すことができます。