Maya では、キャラクタをノンリニアにアニメートするときに、さまざまなアニメーション コンポーネントとアニメーション階層を操作します。これらのアニメーション データとレイヤを操作しながら、キャラクタのアニメーションを任意に結合、操作、編集、および分割して目的のシーケンスを作成することができます。キャラクタのノンリニア アニメーションのさまざまな機能を管理するときには、Trax エディタ(Trax Editor)ツールを使用します。Trax エディタの概要を参照してください。
Maya のノンリニア アニメーションの基本コンポーネントは、クリップです。クリップは、キャラクタのアニメーション カーブの集まりです。アニメートされたオブジェクトのクリップを作成するときに、そのオブジェクトがキャラクタ セットに含まれていない場合は、Trax エディタ(Trax Editor)によってそのクリップのキャラクタが自動的に作成されます。キャラクタ、グループ、およびサブキャラクタを参照してください。
クリップを使用すると、キャラクタのキーフレームまたはモーション キャプチャ カーブをまとめることができるため、キャラクタのアニメーション データをノンリニアに操作することができます。
クリップを作成すると、ソース クリップと通常クリップの 2 種類のクリップが生成されます。
ソース クリップはキャラクタのシーンに追加され、通常クリップは Trax エディタ(Trax Editor)のそのキャラクタの下に挿入されます。クリップを作成したときに、Maya のディペンデンシー グラフ(DG)に与える影響の詳細については、animClip を参照してください。ディペンデンシー グラフ(『Maya の基本』マニュアル)も参照してください。
ソース クリップは、バイザー(Visor)、アウトライナ(Outliner)、ライブラリ(Library)で表示できます。
ソース クリップには、キーフレーム アニメーション データをクリップに変換したときのデータが、操作されていないオリジナルの状態で入っています。ソース クリップは、Trax エディタ(Trax Editor)には表示されません。その代わりに、誤ってオリジナルのアニメーション カーブを変更しないように、ソース クリップは Trax エディタの影響が及ばない場所に保存されます。このため、確実に変更前のクリップを保存して、変更を元に戻すことができます。
通常クリップは、ソース クリップのインスタンスです。ソース クリップのアトリビュートを変更すると、Trax エディタ(Trax Editor)の通常クリップも変更されます。
ソース クリップは、バイザー(Visor)、アウトライナ(Outliner)、または Trax のライブラリ(Library)メニューからアクセスできます。バイザー(Visor)、アウトライナ(Outliner)、およびクリップ ライブラリ(Clip Library)についてを参照してください。ソース クリップを編集するには、チャンネル ボックス(Channel Box)でそのアトリビュートを変更します。ソース クリップを編集するを参照してください。
通常クリップは、ソース クリップの子またはインスタンスであるアニメーション クリップです。通常クリップの再生範囲は、ソース クリップに格納された再生範囲の一部またはすべてです。ソース イン/アウトを参照してください。Trax エディタ(Trax Editor)に表示されるアニメーション クリップは通常クリップです。
通常クリップは、Trax エディタ(Trax Editor)またはアウトライナ(Outliner)からアクセスできます。アウトライナ(Outliner)を参照してください。通常クリップを編集する場合は、Trax エディタ(Trax Editor)で変更するか、アトリビュート エディタ(Attribute Editor)でアトリビュートを変更します。
エクスプレッションまたはコンストレインのあるアニメーションについては、特殊なクリップを作成できます。エクスプレッション クリップとコンストレイン クリップには、エクスプレッションまたはコンストレイン チャンネルだけを含めることができます。エクスプレッションとコンストレインを通常アニメーション クリップから切り離しておけば、キャラクタのアニメーションでエクスプレッションとコンストレインを適用するタイミングと、クリップに含まれているエクスプレッションまたはコンストレインの範囲を詳細に制御することができます。
たとえば、アニメートされたキャラクタにキーフレーム アニメーション チャンネルとエクスプレッション チャンネルの両方がある場合は、キーフレーム チャンネルには通常クリップを作成し、キャラクタのエクスプレッション チャンネルにはエクスプレッション クリップを独自に作成する必要があります。エクスプレッションまたはコンストレイン クリップを作成するを参照してください。
Trax エディタ(Trax Editor)では、通常アニメーション クリップと同様に、エクスプレッション クリップとコンストレイン クリップにアクセスして編集できます。
クリップを操作するためのコントロールとクリップの状態を参照してください。
オーディオ クリップとは、オーディオ ファイル データを含むクリップのことです。.wav または .aiff ファイルを Trax エディタ(Trax Editor)にインポートすると、これらのオーディオ ファイルはオーディオ クリップとしてサウンドトラック(Soundtrack)に表示されます。サウンドトラック(Soundtrack)を参照してください。Trax でオーディオ クリップを使用して、アニメーション データと対応するオーディオ ファイルのタイミングを設定できます。
アニメーションを再生しているときに、オーディオ クリップは一度に 1 つしか再生できません。また、オーディオ クリップを再生するときの優先順位は、最上位にあるクリップが最も高く、最下位のクリップが最も低くなります。たとえば、複数のオーディオ トラックとクリップが重複している場合には、最上位のトラックのオーディオ クリップが常に再生され、Trax タイムライン上で同じ位置にあるほかのトラックのほかのオーディオ クリップは再生されません。
Trax では、オーディオ クリップを操作(トリミング、スケール、スプリットなど)することはできません。Trax のタイムラインに沿ってオーディオ クリップを移動することはできます。Trax でオーディオを操作するを参照してください。
アニメーションを再生しているときに、サウンドトラック(Soundtrack)に表示されているオーディオ クリップを聴く方法については、Trax でオーディオを操作するを参照してください。再生中に聴くことができるオーディオ クリップの位置と長さは、タイム スライダ上で緑色の水平線によって表されます。
キャラクタ アニメーションの任意のタイミングで、現在の場所のスナップショットを格納できます。このスナップショットをポーズと呼びます。ポーズを作成するを参照してください。ポーズもクリップですが、キャラクタ アニメーションの特定のフレームだけをキャプチャしたクリップになります。
ポーズは、Trax のバイザー(Visor)、アウトライナ(Outliner)、またはライブラリ(Library)メニューからアクセスできます。バイザー(Visor)、アウトライナ(Outliner)、クリップ ライブラリ(Clip Library)を参照してください。Trax エディタ(Trax Editor)では、通常アニメーション クリップと同様に、ポーズをスケール、サイクル、および保持することができます。アニメーション クリップで実行できる操作を参照してください。ただし、Trax では、クリップのアトリビュート(フレーム イン(Frame In)、フレーム アウト(Frame Out)など)はポーズに表示されません。ポーズのデフォルトの長さが 1 フレームしかないためです。ポーズ アトリビュートを編集するには、アトリビュート エディタ(Attribute Editor)を使用する必要があります。
キャラクタに作成したクリップまたはポーズは、そのキャラクタの下にあるトラックに配置されます。トラックとは、Trax タイムライン上にあるトラック ビュー領域のセルのことです。トラックには、複数のクリップを含めることができます。トラックに含まれるクリップは、シーンの再生に合わせて、左から右に再生されます。
トラックを使用して、キャラクタのアニメーション シーケンスをアライン、分割、またはグループ化できます。また、トラック コントロール領域のボタン(ロック、ミュート、およびソロ)を使用して、トラックの状態を制御することもできます。トラックを作成または削除するときには、コンテキスト依存メニューを使用するか、クリップをトラック ビュー領域で上下方向にドラッグします。トラックをキャラクタ、グループ、サブキャラクタに追加する方法については、トラックを追加するを参照してください。
トラックは、キャラクタ、グループ、およびサブキャラクタの下に表示されます。キャラクタ、グループ、およびサブキャラクタを参照してください。Trax のキャラクタ、グループ、またはサブキャラクタには、複数のトラックを含めることができます。
キャラクタ セットまたはキャラクタは、アニメートされたオブジェクト、オブジェクトの一部、またはアトリビュートの集まりです。アニメートされたオブジェクトのクリップを作成するときに、そのオブジェクトがキャラクタ セットに含まれていない場合は、Trax エディタ(Trax Editor)によってそのクリップのキャラクタが自動的に作成されます。Trax エディタ(Trax Editor)では、キャラクタはトラック階層の最上位レベルとして表示されます。つまり、キャラクタは、すべてのトラック、グループ、およびサブキャラクタの親または最上位レベルのグループになります。トラック階層を参照してください。
グループとは、1 つのキャラクタのクリップを任意に分類したものです。グループを使用して、キャラクタ アニメーションの特定のシーケンスを分離することができます。グループを作成するを参照してください。キャラクタまたはサブキャラクタに複数のグループを含めることはできますが、グループにグループを含めることはできません。
サブキャラクタ セットまたはサブキャラクタは、関連するキャラクタ セット アトリビュートを集めたものです。サブキャラクタを使用して、アトリビュート グループを同時にキー設定したり操作することができます。サブキャラクタ セットを作成する(『キャラクタ セットアップ』マニュアル)を参照.してください。
サブキャラクタは、キャラクタ グループと同じレベルのトラック階層に配置されます。サブキャラクタを参照してください。Trax エディタ(Trax Editor)では、サブキャラクタは常にキャラクタのグループの下に表示されます。キャラクタには、複数のサブキャラクタを含めることができます。
Trax エディタ(Trax Editor)でサブキャラクタを操作するときは、次の点に注意してください: