テクスチャを貼り付けるか、または浮遊させるかを制御する

 
 
 

オブジェクト上にテクスチャ プロジェクションを作成すると、プロジェクションのテクスチャ オペレータが、オペレータ スタックのモデリング領域の一番上に配置されているオペレータの上に追加されます。つまり、テクスチャ オペレータは、テクスチャの前に適用されているモデリング オペレータの上から「読み取り」を行い、これによりプロジェクションを使用したテクスチャがオブジェクト サーフェイス上でどのように表示されるのかが決まります。

たとえば、[ツイスト]オペレータをオブジェクトに適用した後にテクスチャ プロジェクションを適用すると、プロジェクションを使用するテクスチャは変形されたオブジェクトに正しく適合せず、[ツイスト]の[角度]パラメータの変更時に、サーフェス上でずれた状態で表示されます。一方、[ツイスト]の前にテクスチャ プロジェクションを適用すると、テクスチャがサーフェイスに「ぴったり貼り付き」ます。

A

次の B と C のイメージは、この A のグリッドにツイスト オペレータを適用してレンダリングした結果を表します。

B

テクスチャを適用する前にツイストを適用した場合、プロジェクションの下でグリッドがねじられるとテクスチャがずれます。

C

ツイストを適用する前にプロジェクションを適用すると、グリッドとプロジェクションがともに変形されます。

テクスチャ オペレータはオペレータ スタックで表示されません。テクスチャ オペレータが読み込んでいる箇所を確認するには、Explorer ビューを開いて、[TextureOp]ノードの上にマウス ポインタを置き、ツールチップを表示します。

浮遊、貼り付け、および再投影

[浮遊]、[貼り付け]、および[再投影]の各ツールは、[Render]ツールバーの[修正](Modify) [プロジェクション](Projection)メニューから使用できます。これらのツールを使用すると、オブジェクトのオペレータスタックでテクスチャオペレータが読み込んでいる箇所を変更できます。各ツールは、それぞれ特定の方法でプロジェクションのテクスチャ オペレータの位置を変更します。

  • [浮遊](Swim)は、現在のプロジェクションが読み込んでいる箇所がオペレータ スタックのモデリング領域内であるかどうかを確認し、モデリング領域内である場合は、オペレータ スタックの一番上に移動させます。

    その結果、エンベロープやシェイプ アニメーションなどのデフォーメーションがすべて完了した後にテクスチャが適用されます。言い換えると、オブジェクトがデフォームする際にはテクスチャが必ず一番上にずれることになります。これは、特にカメラ プロジェクションを使用する場合に役立ちます(「カメラ プロジェクション」を参照)。

  • [貼り付け](Stick)は、プロジェクションが読み込んでいる箇所がオペレータ スタックの一番上(浮遊)であるかどうかを確認し、一番上である場合は、現在モデリング領域の一番上に配置されているオペレータの上に移動します。

    その結果、すべてのモデリング デフォーメーションが完了した後、かつエンベロープにする前にテクスチャが適用されます。言い換えると、モデル領域内のオペレータによってオブジェクトがデフォームされる場合はテクスチャがサーフェス上の一番上に移動しますが、オブジェクトがアニメートする場合はその場に止まります。

    すでにプロジェクションがモデリング領域内のどこかを読み込んでいる場合は、このコマンドが影響しません。

  • [再投影](Reproject)は、プロジェクションが読み込んでいる箇所がモデリング領域内であるかどうかを確認し、モデリング領域内である場合は、現在モデリング領域の一番上に配置されているオペレータの上(テクスチャ プロジェクションの後に作成されたすべてのデフォーメーションの上)に移動します。

    その結果、すべてのモデリング デフォーメーションが完了した後、シェイプとエンベロープが完了する前に、テクスチャが適用されます。つまり、テクスチャが「リファレンス状態」でオブジェクトに適用され(モデリング領域の上)、オブジェクトがアニメートされるときに貼り付けられます。ただし、モデリング領域でデフォメーションを変更するとテクスチャはずれます。

    すでにプロジェクションが浮遊している場合(オペレータスタックの一番上)は、再投影してもなにも変化しません。

これらのコマンドは、選択したオブジェクトまたは個々のテクスチャ プロジェクションに適用できます。

  • オブジェクトに適用すると、[貼り付け]、[浮遊]、および[再投影]は、オブジェクトの現在のテクスチャ プロジェクションのテクスチャ オペレータに作用します。これは、オブジェクトをテクスチャ表示モード([テクスチャ]、[テクスチャ デカール]など)で表示する場合に使用されるプロジェクションです。

    現在のプロジェクションの変更は、オブジェクトの[Material]プロパティ エディタから実行します。「[Material Node]プロパティ エディタ」(「プロパティ リファレンス」)を参照してください。

  • 個々のプロジェクションに適用すると、[貼り付け]、[浮遊]、および[再投影]は、プロジェクションのテクスチャ オペレータに作用します。オブジェクトのテクスチャ プロジェクションの選択は、Explorer ビューから行います。

    A

    オブジェクトのテクスチャ プロジェクションは、Explorer の[Clusters]>[Texture_Coordinates_AUTO]ノード下に配置されています。

    注:[浮遊]、[貼り付け]、および[再投影]は、まだテクスチャ オペレータを有しているプロジェクションに対してのみ機能します。フリーズされたプロジェクションに対しては無効です。

スタック内のテクスチャオペレータのドラッグアンドドロップ

また、エクスプローラ ビューでオペレータをドラッグとドロップすることで、オペレータ スタックでテクスチャ オペレータを読みこむ位置を変更できます。これによって、テクスチャ オペレータを読みこむ位置を微調整できます。

A から B(A to B)

この例では、[TwistOp]を[TextureOp]の上にドラッグすると、テクスチャ オペレータはツイストの下で読み込みを行うようになり、オブジェクトのデフォーム時にテクスチャがぴったり張り付きます。

B から A(B to A)

逆に、[TextureOp]を[TwistOp]の上にドラッグすると、テクスチャ オペレータはツイストの上で読み込みを行うようになり、オブジェクトのデフォーム時にテクスチャがスリップします。プロジェクションをフリーズしない状態で、ツイスト オペレータをフリーズできます。

オペレータ スタックおよび操作順序の詳細については、「オペレータ スタック」(「データ交換」)を参照してください。