一般的に、シーンに大きなテクスチャ ファイルを使用したり、多数のテクスチャを使用すると、レンダリングが遅くなります。最初に必ず 2D テクスチャ ファイルがメモリにロードされます。これにより、メモリ スワッピング(RAM とディスク間のデータ転送)が発生し、レンダリング時間を増大させます。
2D テクスチャの詳細については、「イメージ テクスチャ」(「テクスチャリング」)を参照してください。
レンダリングをプレビューする場合は、低解像度で小さいテクスチャ ファイルを使用してください。最終レンダリングの際に、低解像度のテクスチャを高解像度のテクスチャに置き換えます。
スクリプトを書いて、イメージをすばやく変換したり、External Files Manager で検索および置換機能を使用できます(メイン メニューから[ファイル](File) [外部ファイル](External Files)を選択します)。
詳細度が高いテクスチャを使用する場合は、楕円フィルタリングを有効にします。これにより、レンダリング処理はわずかに遅くなりますが、テクスチャのノイズ、歪み、ちらつきが減少します。
楕円フィルタリングを有効にすると、イメージの品質を損なわずにアンチエイリアスのサンプリング値を低下させることができます。
シーンの設定を完了したら、[レンダ]ツールバーから[取得](Get) [クリップ](Clip) [未使用のソースとクリップの削除](Delete Unused Sources and Clips)を選択して、シーン ファイルから未使用のテクスチャ イメージをすべて削除します。
2D テクスチャが既存のファイルから作成されるのに対し、プロシージャル テクスチャや 3D テクスチャは使用するときに計算され、作成されます。その結果、投影された 2D テクスチャよりもレンダリングに時間を要します。プロシージャル テクスチャを拡大すると、ピクセルが補間されるのではなく再計算されるため、レンダリング結果も美しくなります。
プロシージャル テクスチャの詳細については、「 プロシージャル テクスチャ」(「テクスチャリング」)を参照してください。
バンプ マップとディスプレイスメント マップはこれらのレンダリングに必要な計算の数に基づいて、さまざまなレベルでレンダリング性能に影響します。バンプ マップが適用されるオブジェクトのジオメトリは実際には変更されないため、一般的に、バンプ マップにかかるレンダリング時間は非常に短くなります。可能な限り、ディスプレイスメント マップよりもバンプ マップを使用してください。バンプ マップは計算量が少なく、高度にテッセレートされたモデルよりも非常に高速なレンダリングが可能となります。
ディスプレイスメント マップを使ってレンダリングを実行する場合、[mental ray レンダー オプション]プロパティ エディタ(プロパティ リファレンス)の[レンダタイプ]タブで[レンダ前にディスプレイスメントをサンプル](Sample Displacement Before Rendering)を選択できます。このオプションは、計算用の適切なバウンディング ボックスを mental ray に提供することにより、ディスプレイスメントのレンダリングを高速にします。これにより、全体のレンダリング時間を短縮できます。
ディスプレイスメントによりオブジェクトを移動する場合、[mental ray レンダー オプション]プロパティ エディタ(プロパティ リファレンス)の[レンダタイプ]タブにあるシャッター設定オプションで設定したオブジェクトの移動速度に基づいて、ディスプレイスメント アプロクシメーションを最適化できます。移動オブジェクトのディスプレイスメントの詳細の自動削減は、膨大なテッセレーションのデータ量を大きく削減でき、レンダリング処理とメモリ容量に大きく影響します。
移動させたジオメトリには適用されたジオメトリ アプロクシメーション プロパティが含まれ、モーション ブラーがレンダ領域やレンダ パスで有効になる必要があります。ジオメトリ アプロクシメーションを適用および編集する[シーン エレメント]とモーション ブラーを定義およびレンダリングする[カメラとモーション ブラー]参照してください。
バンプ マップおよびディスプレイスメント マップの詳細については、「バンプマップ」および「ディスプレイスメント マップ」(「テクスチャリング」)を参照してください。
レイトレーシングを使用した反射の代わりに環境マップを使用することで、レンダリングをかなり高速化できます。環境マップは、シーン内のオブジェクトで反射される環境をシミュレートするためにテクスチャを使用します。
環境マップの詳細については、「環境マップシェーダを使用する」(「テクスチャリング」)を参照してください。
メモリ マッピング テクスチャを使用すると、テクスチャのレンダリングをすばやく実行できます。メモリ マッピング テクスチャはメモリにはロードされませんが、シェーダで必要なときにはいつでも、ディスクから直接アクセスできます。Softimage によってメモリ マッピング可能なテクスチャが認識され、自動的にマッピングされます。マップ イメージ ファイル形式(.map 拡張子を持つ)のみマッピングできます。
メモリ マッピング テクスチャの詳細については、「メモリ マッピング テクスチャを使用する」(「テクスチャリング」)を参照してください。
ピラミッド マッピングでは、カメラからのテクスチャの距離に応じて、テクスチャ上にあるタイプのプレブラーを実行します。その結果、アンチエイリアスの設定値を上げずに、カメラから離れたところにあるディテール テクスチャに関連するちらつきが取り除かれます。ピラミッド マッピングは、2D テクスチャと 3D テクスチャの両方で使用できます。
ピラミッド マッピング オプションを設定する方法については、「ミップマップ(ピラミッド マッピング)を使用する」(「テクスチャリング」)を参照してください。
設定をテストする場合は、解像度を低くするとイメージをすばやく取得できます。また、サブリージョンのみをレンダリングするのもイメージをテストする 1 つの方法です。「出力フォーマットおよび解像度の設定」を参照してください。
Softimage にはイメージ クリップの管理方法を定義するオプションがあります。多数の大きなイメージの作業をしている場合、または多数のコンピュータのネットワークを介して作業している場合に特に役立ちます。
マテリアル ノードのプロパティ エディタから、イメージごとに[ブロードキャスト]、[ディスクから使用]、または[メモリにロード]オプションを定義できます。オプションは次のように定義されます。
[メモリにロード](Load in Memory): Softimage はファイルを開き、ピクセル データを mental ray に送信し、mental ray はそのピクセル データをスレーブに送信します。mi ファイルはインラインテクスチャを持ちます。
[ディスクから使用](Use from disk): Softimage はパスを直接 mental ray に渡し、mental ray がイメージをロードし、ピクセル データをスレーブに送信します。
[ブロードキャスト](Broadcast): Softimage はパスを直接 mental ray に渡し、mental ray がテクスチャ ファイルを開き、レンダ スレーブにパスを一斉送信します。