クイックストレッチは、オブジェクトのシェイプをモーションに基づいて自動的に変更する、アニメートされたデフォーメーションです。クイックストレッチによりオブジェクトのデフォーメーションは、オブジェクトの速度と加速度に基づいてモーションの進行中に計算されます。直線的なモーションや回転モーションに基づき、オブジェクトを屈曲、伸長、軟化させることができます。
クイックストレッチ デフォーメーションの計算に使用するモーションには、リニア速度、リニア加速度、回転速度、回転加速度の 4 つのコンポーネントがあります。モーションコン ポーネントの詳細については、「モーション コンポーネント」を参照してください。
各モーション コンポーネントには、最大で 3 つのクイックストレッチ デフォーメーション(フレックス、ストレッチ、およびイールド)を適用できます。これらのデフォーメーション タイプの異なるエフェクトについては、「クイックストレッチ デフォーメーション タイプ」を参照してください。
クイックストレッチを一度適用すれば、アニメーションを再生したり、ジオメトリ ビュー内でオブジェクトを簡単に移動させてみたりして、エフェクトを確認することができます。
クイックストレッチを適用する前に、オブジェクト センターとサブディビジョンを確認してください。
クイックストレッチでは、オブジェクト センターがデフォーメーション センターとして使われます。ブランチ モードで選択された階層では、親のセンターがデフォーメーション センターとして使われます。
クイックストレッチが適用されたオブジェクトは、何らかの力(アクティブまたは慣性)を受けてデフォームしたように見えます。この力が適用される場所がデフォーメーション センターとなります。
クイックストレッチを適用する前に、デフォーメーションを開始する場所にオブジェクトのセンターが配置されていることを確認します。たとえば、ビルがしなるような強風に直面する場合は、地面を起点に上方向にデフォームします。これは、ビルが地面に固定されていることを想定しているからです。
クイックストレッチを適用した後にセンターを移動する場合は、クイックストレッチ デフォーメーションを変更する必要はありません。[センター]オペレータがスタックのクイックストレッチ オペレータに追従するからです。スタック内のオペレータは並べ替えることができます(「オペレータの順序を変更する」を参照)。また、センターを移動する前にクイックストレッチ オペレータを無効にすることも可能です(「上位スタックを無効にする」を参照)。
[デフォーム](Deform) [クイックストレッチ](QStretch)を選択します。このコマンドは、[Model]ツールバーと[Simulate]ツールバーの[修正]、および[Animate]ツールバーの[デフォーム](Deform)で使用できます。[Qストレッチ オペレータ]プロパティ エディタが表示されます。
必要に応じてパラメータを設定します。[Overview]プロパティ ページでは、それぞれのモーションコンポーネント([Linear Velocity/Acceleration]および[Rotational Velocity/Acceleration])に対して 3 種類のデフォーメーション([屈曲、伸長](Flex, Stretch)および[軟化](Yield))を切り替えることができます。.
これらの切り替えは別のプロパティ ページでも行うことができ、各モーション コンポーネントに関連するデフォーメーションをさらに細かくコントロールすることができます。
モーション コンポーネントについては、「モーション コンポーネント」を参照してください。
クイックストレッチのデフォーメーション タイプについては、「クイックストレッチ デフォーメーション タイプ」を参照してください。
クイックストレッチ デフォーメーションを作成した後は、次のいずれかの手段でエフェクトを確認できます。
モーション ベクトルがアニメーション シークエンスの再生中に計算されるため、アニメーションを逆再生すると、生じるデフォーメーションは異なったものとなります。
同様に、あるフレームから別のフレームへジャンプする際に、非常に大きな速度または加速度を伴って位置が変わる場合は、非常に大きなデフォーメーションが生じることもあります。この場合、次の更新時にジオメトリは通常の状態に戻ります。
クイックストレッチでは、オブジェクトのモーションの次の 4 つの要素でオブジェクトをデフォームします。
移動するオブジェクトには速度があります。速度が変化すれば、これにアクセラレーションまたは減速が伴います。たとえば、定常 100km/h で移動する車の速度は 100 ですが、アクセラレーション(および減速)は 0 です。
速度とアクセラレーションはそれぞれ、さらに、直線と回転の 2 つのタイプに分けられます。たとえば、直線に沿って移動する車には直線モーションだけしかありませんが、一方その場でスピンするボールには回転モーションしかありません。モーションのタイプに関わらず、オブジェクトの移動速度が大きいほど、デフォーメーションは大きくなります。
どのような種類のモーションをオブジェクトに適用した場合も、フレックス、ストレッチ、イールド、またはこれらの任意の組み合わせによって、オブジェクトをデフォームできます。
各デフォーメーション タイプは個別にウェイティングできますが、そのエフェクトは加算されます。各エフェクトはそれぞれ可能な限り微調整できるように設計されているので、すべてのエフェクトを併用しても、最終的なデフォーメーション結果は容易に予測できます。