アクティブなトラッカの初期設定が終了したら、モーション パスを描画するトラッキング処理を開始できます。モーション パスはトラック ポイントの位置に描画されますが、実際のトラッキングにはテンプレートが使用されることに注意してください。
トラッキングの処理中に、キーフレームが自動的に各トラッカのトラック ポイント、テンプレート、および検索範囲に設定されます。
Fx Tree で[トラッキング]オペレータをダブルクリックして[トラッキング]オペレータのプロパティ エディタを開き、Fx Viewer でプレビューします。
[モード]タブで[トラック モード](Track Mode)を[トラックの編集](Edit Tracks)に設定します。
これらのオプションではすべて、トラッキング時に自動的に([オプション]ページの)[処理時に再トラック](Retrack on Process)オプションが有効になり、トラッキング処理が完了すると無効になります。
トラッキングを行う場合、追跡したい領域を直接トラッキングできない状況も考えられます。たとえば、シーケンスの一部で木に隠れてしまっているものをトラッキングしたい場合などです。Fx Viewer では、トラック ポイントは追跡の対象の上に残したまま、テンプレートを追跡可能なものの上に再配置することができます。
手動でテンプレートを配置したフレームでは、テンプレートとトラック ポイントの間隔は後続フレームでも保持されます。
このようなオフセットの例として、トラッキングの途中でテンプレートの選択を変更する場合が考えられます。テンプレートが木の陰に隠れてしまうという例で言えば、次のような操作を行います。
[トラッキング]オペレータはテンプレートの動きをすべて調整し、単一の途切れのない最終的なトラックを作成します。
この原理は、検索範囲の場合にも同じように適用できます。たとえば、テンプレート領域がすばやく移動する場合は、特定のフレームで検索範囲の位置またはサイズを変更し、テンプレートから追跡の対象物の領域が外れないようにします。テンプレートに対して相対的な検索範囲の新しい位置やサイズは、次に変更するまでの間は後続のフレームでも保持されます。
[トラッカー]ページの[精度]タブのプロパティでは、トラッキング エラーの監視としきい値の設定を行います。以下に、使用できるプロパティを示します。
[現在のフレームのエラー](Current Frame Error): トラック単位。[トラッキング]オペレータが検索しているテンプレートと、実際に検出された領域との間のエラーです。
このアルゴリズムは複数の領域をピクセルごとに比較し、全体のエラー値を生成するために小さな差異をすべて計算します。このエラー値は絶対的なものというよりは相対的なもので、エラーが 2 よりも大きい値でもトラッキングは正確に行われることもあれば、エラー値が 0.1 などの小さい値でもトラッキングが正確に行われない場合もあります。
[エラー警告しきい値](Error Warning Threshold): トラック単位。最大限許容できるエラーを定義します。[トラッキング]オペレータは定義された領域を取得し、検索範囲に移動して、テンプレート内のピクセルをこのフレームのイメージ内のピクセルと比較します。全体のエラーを計算するために、発生した小さなエラーが収集、追加されます。
[自動テンプレート変更しきい値](Auto Template Change Threshold): トラック単位。算出されたエラーがこの値を超えた場合、[トラッキング]オペレータはそのフレームでテンプレートを切り替えます。エラーがこのしきい値よりも大きくなったフレーム以降は、元のテンプレートの代わりに新しい領域が追跡されます。
この機能は、トラッカが回転する点を追跡している場合などに、フレームのシーケンスにわたって徐々にテンプレートを変更していき、最初のフレームと最後のフレームで著しく異なるフィーチャを使用する場合に便利です。