バウンディング ボリュームを使用してポイントの割り当てを変更する

 
 
 

バウンディング ボリュームを使用して、エンベロープ ウェイトの割り当てを変更できます。指定のバウンディング ボリュームの内側にあるポイントはデフォーマに影響し、外側にあるポイントは影響しません。バウンディング ボリュームはインプリシット オブジェクトでなければなりません。

バウンディング ボリュームは、最終的なエンベロープ ウェイトの設定に使用するためのものではありません。バウンディング リューム(おおまかなウェイト配分のセットアップで使用)を使用すると、デフォーマの割り当てをデフォルトよりもさらに細かく制御できます。ウェイト配分の初期段階でバウンディング ボリュームを使用する利点の 1 つは、割り当て方法の変更やデフォーマの追加によって初期ウェイトを変更しても、バウンディング ボリュームのエフェクトが保持されることです。おおまかなウェイト配分が完了したら、フリーズしてさらに微調整します(「エンベロープ ウェイトを変更する」を参照)。

バウンディング ボリュームは、常にリファレンス ポーズに関連して考慮されます。つまり、エンベロープ ポイントが現在バウンディング ボリュームの内側にあるか外側にあるかは問題ではありません。問題となるのは、エンベロープが変形されていないリファレンス ポーズにあった場合に、エンベロープ ポイントが内側にあるか外側にあるかです。

バウンディング ボリュームは、ウェイトをフリーズするまでエンベロープ ポイントの初期ウェイトに影響を与えます。詳細については、「エンベロープ ウェイトをフリーズする」を参照してください。

バウンディング グループ

すべてのデフォーマは、バウンディング ボリューム プロパティに 3 つのグループがあります。これらのグループを表示するには、Explorer の[フィルタ]メニューで[プロパティ](Properties)[グループ](Groups)の両方がオンになっていることを確認してください。

デフォーマごとにバウンディング ボリュームを定義するには、バウンディング ボリューム プロパティのグループに対してインプリシット オブジェクトの追加または削除を行います。インプリシット オブジェクトを追加または削除するには、[デフォーム](Deform) [エンベロープ](Envelope)メニューのコマンドを使用するか、グループを直接変更します。バウンディング ボリューム プロパティのグループは、コピーできない点を除いて、他のグループと同様です。

グループ全般の詳細については、「オブジェクトのグループ化(「シーン エレメント」)を参照してください。

バウンディング ボリュームのタイプ

バウンディング ボリュームには次の 3 つのタイプがあります。

  • [包括的](Inclusive): バウンディングボリューム内のすべてのエンベロープポイントは100%デフォーマに割り当てられます。これらのポイントは別のデフォーマからの影響は受けませ(別のデフォーマによる包含バウンディング ボリューム内にも入っている場合は除く)。

  • [排他的](Exclusive): バウンディング ボリューム内のすべてのポイントは、デフォーマに割り当てられません。

  • [制限](Limit): バウンディング ボリュームの外側のポイントはデフォーマには割り当てられません。ただし、ボリュームの内側のポイントは、このデフォーマ、および場合によっては他のデフォーマに割り当てられることがあります。

バウンディング ボリュームを作成する

バウンディング ボリュームには、インプリシット球体またはインプリシット立方体があります。

バウンディング ボリュームを作成するには

次のいずれかの操作を実行します。

  • [Animate]ツールバーの[デフォーム](Deform) [エンベロープ](Envelope) [バウンディングボリュームの作成](Create Bounding Volume)サブメニューで、[ボックス](Box)または[球](Sphere)のいずれかのコマンドを選択します。

  • 任意のツールバーから、[取得](Get) [プリミティブ](Primitive) [インプリシット](Implicit) [立方体](Cube)または[取得](Get) [プリミティブ](Primitive) [インプリシット](Implicit) [球](Sphere)を選択します。

[デフォーム](Deform) [エンベロープ](Envelope) [バウンディグ ボリュームの作成](Create)メニューのコマンドは、[取得](Get) [プリミティブ](Primitive) [インプリシット](Implicit)メニューのコマンドとまったく同じ機能を持ちます。

ただし、[デフォーム](Deform) [エンベロープ](Envelope) [バウンディグボリュームの作成](Create)メニューのコマンドでは、バウンディング ボリュームとしてどのインプリシット シェイプがサポートされているかが明確です。

バウンディング ボリューム オブジェクトがあると、それをデフォーマに関連付ける前に所定の位置にスケーリング、回転、および移動できます。

バウンディング ボリュームを関連付け/関連付け解除する

バウンディング ボリュームとエンベロープ デフォーマの関連付けまたは関連付け解除は、[デフォーム](Deform) [エンベロープ](Envelope) [バウンディングボリュームを関連付け](Associate Bounding)コマンドを使用してインタラクティブに選択するか、デフォーマのバウンディンググループで手動によりインプリシット オブジェクトを追加または削除して行うことができます。

バウンディング ボリュームの関連付け後、バウンディング ボリュームのスケーリング、回転、移動を調整して、ポイントがデフォーマに割り当てられる方法を変更できます。

バウンディング ボリュームを関連付ける前に

バウンディング ボリュームをデフォーマに関連付ける前に、エンベロープとデフォーマがリファレンス ポーズにあることを確認します。確認には、必要に応じて[デフォーム](Deform) [エンベロープ](Envelope) [アクターのリセット](Reset Actor)を使用してください。これにより、どのポイントがリファレンス ポーズのボリュームの内側と外側に入るかがわかります。

キャラクタが特定のポーズまたは特定のフレームのときにエンベロープ ポイントがバウンディング ボリュームの内側にあるか外側にあるかは問題ではありません。問題なのは、エンベロープがデフォームされていないリファレンス ポーズのときに、ポイントがバウンディング ボリュームの内側にあるか外側にあるかです。

ボリューム オブジェクトをデフォーマに対してペアレント化またはポーズ コンストレイントすることはお勧めしません。ペアレント化またはポーズ コンストレイントを行うと、デフォーマの移動に応じて、バウンディング ボリュームも同様に移動し、ポイントがリファレンス ポーズに対してボリュームの新しい位置の内側および外側に移動した場合、ポイントが再ウェイト配分されます。

バウンディング ボリュームをインタラクティブに関連付け/関連付け解除する

[デフォーム](Deform) [エンベロープ](Envelope) [バウンディング ボリュームを関連付け](Associate Bounding Volume)サブメニューのコマンドを使用すると、選択操作により、バウンディング ボリュームをインタラクティブに関連付けおよび関連付け解除できます。

バウンディング ボリュームをインタラクティブに関連付けまたは関連付け解除するには

  1. バウンディング ボリュームまたはデフォーマを選択します。

  2. [デフォーム](Deform) [エンベロープ](Envelope) [バウンディング ボリュームを関連付け](Associate Bounding Volume)サブメニューからコマンドを選択します。コマンドには、[含む]、[排他的]、[制限]があります。詳細については、「バウンディング ボリュームのタイプ」を参照してください。

  3. 次のいずれかの操作を実行します。

    • 最初にバウンディング ボリュームを選択した場合は、1 つまたは複数のデフォーマを選択します。関連付けの場合はマウスの左ボタン、関連付け解除の場合は中央ボタンを使います。

    • 最初にデフォーマを選択した場合は、1 つまたは複数のバウンディング ボリュームを選択します。関連付けの場合はマウスの左ボタン、関連付け解除の場合は中央ボタンを使います。任意のタイプのインプリシットを選択できますが、バウンディング ボリュームとして機能するのは立方体と球体のみであることに注意してください。

  4. 選択を終了したら、右クリックまたは[Esc]を押して選択セッションを終了します。

バウンディング ボリュームを手動で関連付け/関連付け解除する

バウンディング ボリュームの関連付けと関連付け解除は、デフォーマのバウンディング グループでバウンディング ボリュームを追加および削除することにより、手動で行うことができます。

Explorer にバウンディング グループを表示するには、[フィルタ]メニューで[プロパティ](Properties)[グループ](Groups)の両方がオンになっていることを確認し、デフォーマのバウンディング ボリューム ノードを展開します。

バウンディング ボリュームを手動で関連付けるには

次のいずれかを実行します。

  • インプリシット立方体またはインプリシット球体を、Explorer の該当するバウンディング グループにドラッグします。

  • オブジェクトと必要なバウンディング グループの両方を選択し、次に[編集](Edit) [グループに追加](Add to Group)を選択します。

バウンディング ボリュームを手動で関連付け解除するには

次のいずれかを実行します。

  • グループ内のバウンディング ボリューム オブジェクトを右クリックし、[グループから削除](Remove from Group)を選択します。

  • バウンディング ボリューム オブジェクトを選択して、[編集]パネルの[グループの削除](Ungroup)をクリックします。オブジェクトが複数グループのメンバの場合は、最初にオブジェクトとグループの両方を複数選択する必要があります。

  • バウンディング ボリューム オブジェクトがシーンで必要なくなった場合は、オブジェクトを単に削除できます。

バウンディング ボリュームを結合する

バウンディング グループのオブジェクトは、さまざまな方法で結合できます。以下に 2 つの例を示します。

異なるバウンディング ボリュームを重ね合わせる

デフォーマの影響を徐々に少なくするには、デフォーマの周りに包括的バウンディング ボリュームを使用し、その周りをさら大きい制限バウンディング ボリュームで囲みます。

  • 包括的ボリューム内部のポイントは、100% 完全にデフォーマに割り当てられます。

  • スピルオーバ領域(小さい方の包括的ボリューム外であるが、大きい方の制限ボリューム内)のポイントは、さらに離れているので、100% 未満でデフォーマに割り当てられます。

  • 制限ボリュームの外側のポイントはすべて、デフォーマには割り当てられません。

包括的バウンディング ボリュームを重ね合わせる

場合によっては、特定のポイントを強制的に特定のデフォーマに割り当てたいことがあります。その際は、無理な割り当て方を避け、ポイントが不自然に移動したりデフォームしたりしないようにします。

これを行うには、2 つのボーンのジョイントの近くで重なり合う複数の包括的バウンディング ボリュームを作成します。バウンディング ボリューム内のポイントは、次のように割り当てられます。

  • エンベロープ ポイントは、[自動的にエンベロープ割り当て]プロパティ エディタの[スケルトン オブジェクトの数](Number of Skeleton Objects)値に関係なく、指定したデフォーマにだけ割り当てられます。

  • 重ね合った領域のエンベロープ ポイントは、2 つのデフォーマへの相対的距離に応じてウェイト配分されます。

  • 1 つのボリュームだけにあるポイントは、通常、100% のウェイトで関連するデフォーマに割り当てられます。