Softimage の最も重要な要素のひとつは、アニメーションがレイヤ構造を持つという点です。単一のパラメータ値のキー設定から、あるキャラクタから別のキャラクタへのアニメーションのコピーまで、それぞれのレイヤで異なるレベルのコントロールが可能です。この機能により、複雑なアニメーションを簡単に管理しながら、細部にわたる操作性も失われることがありません。
コントロール レベルがどのように階層構造化されているかを理解することは重要です。各レベルごとにツールがあり、ツールは下位レベルのツールと互換性があります。また、上位レベルのツールから下位レベルのすべてのツールが使用できます。ツールに組み込まれている下位レベルのすべてのツールを使用できますが、上のレベルのツールは使用できません。たとえば、アクションにファンクション カーブ、コンストレイント、またはエクスプレッションが含まれる場合でも、Animation Mixer でアクションをブレンドする際にレベルを意識する必要はありません。
また、キーフレームのレイヤを作成して、F カーブの別のレイヤや Animation Mixer 内の上位レベルのアニメーションとミックスすることもできます。詳細については、「アニメーション レイヤ」を参照してください。
下位レベル(基本レベル)でのアニメートとは、オブジェクトのパラメータを使用してその値でアニメートすることを意味します。Softimage では、ほとんどすべてのパラメータをアニメートできます。基本レベルのアニメーション テクニックでは、方法によっては規則性の高い操作を実現できるとともに、さまざまな方法でアニメーションを強力にコントロールすることができます。
直接的なアニメーションの手法として最もよく使用されるのはキーフレーミングです。この他にもパス アニメーション、コンストレイント、リンク パラメータ、エクスプレッション、スクリプト オペレータを使用した「間接的」なアニメートも可能です。これらの手法でパラメータ間の関係を作成すれば、アニメーション処理を高速化することができます。簡単な例を挙げると、あるオブジェクトと多数のオブジェクト間にコンストレイントを設定し、そのオブジェクト 1 つだけをアニメートすれば多数のオブジェクトを追従させることができます。
下位レベルのアニメーションの詳細については、このアニメーション内の該当するセクションを参照してください。スクリプト オペレータの詳細については、「スクリプトオペレータ」(「Softimage をカスタマイズする」)を参照してください。
上位レベル(応用レベル)でのアニメーションとは、ノンリニア方式あるいはノンディストラクティブ方式でアニメーション情報を操作することです。ノンリニア方式とはタイムラインとは独立した方法、ノンディストラクティブ(非破壊)方式とは作業時にオリジナルのアニメーション データを変更しない方法を意味します。
上位レベルのアニメーションは、ファンクション カーブ、エクスプレッション、あるいは格納したシェイプを基にしたアニメーションを、Animation Mixer でアニメートします。アニメーションを作成したアニメーションはそのタイプを問わず、格納し、別の機会に同一モデルあるいは別のモデルで再利用することができます。また、複数の異なるタイプのアニメーションを同時にミックスし、ウェイトを設定することも可能です。
Animation Mixer の使用については、「Animation Mixer のノンリニア アニメーション」を参照してください。
さまざまなテクニックを駆使してオブジェクトをアニメートする場合には、その相互作用を理解し、どのアニメーション操作から実行されていくのかを知る必要があります。実行順序は、同一パラメータに複数のタイプのアニメーションを適用した場合に問題となります。
ファンクション カーブ(キー)、エクスプレッション(エクスプレッションの特殊形態であるリンク パラメータを含む)、およびスクリプト オペレータは下位レベルです。
ミキサの接続は、下位レベルより優先します。ただし、これは、同じフレーム上で F カーブとアクション クリップをブレンドするといった特殊なオプションを選択する場合以外です。
コンストレイントは、ミキサの接続が優先します(アップベクタとタンジェントは「本物」のコンストレイントではないため含まれません)。
たとえば、パラメータを制御する F カーブとアクション ソース(ミキサ内)が存在し、特殊なブレンド オプションを使用しない場合、ミキサが F カーブより優先されます。