デュアル クォータニオン スキニングは、エンベロープ デフォーメーションの標準の計算方法(「リニア ブレンド」と呼ばれる)の代替法です。[Dual Quaternion Deformation]コンパウンドではデュアル クォータニオン スキニング、またはデュアル クォータニオンとリニア ブレンド スキニングの間の補間を使用できます。
リニア ブレンド スキニングは、コンピュータ アニメーションの創成期より、エンベロープ デフォーメーションの標準の計算方法です。ただし、この方法で、求めている結果がいつも得られるとは限りません。特に、デフォーマがねじれたり極端に曲げられたりした場合、ボリュームの破壊や喪失が起こる場合があります。このような場合、デュアル クォータニオン スキニングの方がよりきれいな外観を生成します。
キャラクタの場合、リニア ブレンド スキニングで特に問題となる領域は肩です。腕を後ろに廻したときに肩が壊れる場合があります。
ただし、デュアル クォータニオン スキニングがいつも最適な解決法とは限りません。たとえば、膝や肘を曲げたときに、不自然な突起ができることもあります。このようなエリアの場合、リニア ブレンド スキニングか、またはリニア ブレンドとデュアル クォータニオン スキニングの間の補間の方が適しています。
[Dual Quaternion Deformation]コンパウンドを使用する際に必要な手順を簡単に説明します。
標準のエンベロープ デフォーメーションを適用します。このとき、必ず、デフォーメーションのグループを使用します。ポイント ウェイトを定義する場合は、エンベロープ オペレータが必要です。「エンベロープ」(「キャラクタ アニメーション」)を参照してください。
メッシュに影響を与えないように、エンベロープ オペレータをミュートします。「デフォーメーションをミュートする」(「モデリングおよびデフォーメーションの基本」)を参照してください。
エンベロープ オペレータの上のアニメーション領域に ICE ツリーを作成し、[Dual Quaternion Deformation]コンパウンドを追加します。「[Dual Quaternion Deformation]コンパウンドを適用する」を参照してください。
必要な場合は、ウェイト マップを使用して、デュアル クォータニオンとリニア ブレンドス キニングのブレンドをコントロールします。「ウェイト マップを使用してスキニング方法をブレンドする」を参照してください。
[Dual Quaternion Deformation]コンパウンドを適用する
アニメーション コンストラクション モードが有効で(「コンストラクション モードを設定する」(「モデリングおよびデフォーメーションの基本」)を参照)、エンベロープ オペレータがミュートされていることを確認します。
間違ったコンストラクション領域で ICE ツリーを作成してしまった場合、「オペレータの順序を変更する」(「モデリングおよびデフォーメーションの基本」)で説明する手順に従って、後でそれを移動できます。
Preset Manager の[Deformation]タスクの[Skinning]グループから[Dual Quaternion Deformation(デュアル クォータニオン デフォーメーション)]コンパウンドを ICE ツリーに追加し、それをルートに接続します。
[Get Data]ノードを使用してエンベロープ デフォーマに使用するグループを取得し、その[Out Name]出力を[Dual Quaternion Deformation]ノードの[Bones Group Name]入力に接続します。
最初にデフォーマのグループを使用しなかった場合、メッシュを選択し、[Animate]ツールバーから[デフォーム] [エンベロープ] [エンベロープからデフォーマを選択]を選択し、最後に[Edit]パネルの[グループ]をクリックします。
必要に応じて、[Dual Quaternion Deformation]プロパティ エディタの[Deformation Method(デフォーメーションの手法)]パラメータを使って、デュアル クォータニオン スキニングとリニア ブレンド スキニングを切り替えます。
または、[Deformation Method(デフォーメーションの手法)]を[Use Blend Input(ブレンド入力の使用)]に設定してから、2 つの手法を補間する[Blend Input(ブレンド入力)]を使用することもできます。[Blend Input(ブレンド入力)]の値が 0.0 の場合はリニア ブレンド スキニングが使用され、1.0 の場合はデュアル クォータニオン スキニングが使用されます。その中間の値の場合は、ウェイト配分された平均が使用されます。次のセクション「ウェイト マップを使用してスキニング方法をブレンドする」の説明に従って、ウェイト マップを使用することもできます。
[Deformation Method(デフォーメーションの手法)]を[Use Blend Input(ブレンド入力の使用)]に設定すると、ウェイト マップを使用して、デュアル クォータニオン スキニングまたは 2 つの手法を組み合わせたものを使用する領域をペイントできます。
エンベロープされたメッシュにウェイト マップを適用します。この方法およびウェイト マップの詳細については、「 ウェイト マップ」(「シーン エレメント」)を参照してください。
[Deformation Method(デフォーメーションの手法)]を[Use Blend Input(ブレンド入力の使用)]に設定します。
ICE ツリーで、[Get Data]ノードを使用して、マップのウェイト値、[(メッシュ名).cls.(クラスタ名).(マップ名).Weights] を取得します。
[Get Data]ノードの[Value]出力を[Dual Quaternion Deformation]コンパウンドの[Blend Input]ポートに接続します。