クラスタ

 
 
 

クラスタはコンポーネントの集合に名前を付けたものであり、特定のモデリング、アニメーション、またはテクスチャリング目的で 1 つにグループ化したものです。コンポーネントをグループ化し、命名することにより、コンポーネントの再利用が容易になります。たとえば、眉を形成するすべてのポイントをグループ化することによって、操作ごとに同じポイントを再選択する代わりに、眉を 1 つのグループとして容易にデフォームすることができます。オブジェクト全体の代わりに特定のクラスタを指定して、デフォーメーションやクロスのようなオペレータを適用することもできます。

オブジェクトには、クラスタをいくつでも定義することができます。また、同一のコンポーネントが、複数の異なるクラスタに属することもできます。

クラスタは、ポイント、エッジ、ポリゴン、サブサーフェイス、およびその他のコンポーネントに対して定義することができます。各クラスタには、1 タイプのコンポーネントだけを格納することができます。たとえば、1 つのクラスタには、ポイントまたはポリゴンを格納することができますが、両方を格納することはできません。

クラスタには、単一オブジェクトのエレメントのみ格納できます。クラスタは、複数のオブジェクトにまたがることはできません。

上部(A)と下部(B)の 2 つのクラスタを持つ回転体

重要:オブジェクトのコンストラクション ヒストリにあるオペレータを編集し、クラスタを作成した位置の前にコンポーネントを追加すると、クラスタが置き換わる可能性があります。

クラスタを作成する

クラスタを作成するだけでなく、ヌル(クラスタ センター)に拘束されたクラスタを作成することも、非オーバーラップ クラスタを作成することもできます。非オーバーラップ クラスタは、ローカル マテリアルとテクスチャをポリゴンに適用する際に特に役立ちます。

注:選択したコンポーネントにデフォーメーションやマテリアルを適用したり、その他の操作を実行すると、クラスタが自動的に作成されます。

クラスタを作成するには

  1. いくつかのコンポーネントを選択します。

    • エッジとポリゴンなど、異なるタイプのコンポーネントを選択したときは、各タイプに個別のクラスタが作成されます。

    • 異なるオブジェクト上のコンポーネントを選択したときは、オブジェクトごとに個別のクラスタが作成されます。

  2. [編集]パネルから[編集](Edit)[クラスタの作成](Create Cluster)を選択します。クラスタが作成され、自動的に選択されます。

  3. 必要に応じて、[Enter]キーを押してクラスタのプロパティ エディタを開き、デフォルト名を変更します。また、選択していないクラスタのデフォルト表示カラーを変更することもできます。これは、1 つのオブジェクト内に多数のクラスタがあるときに役立ちます。

クラスタおよびセンターを作成するには

  1. オブジェクト上のコンポーネントを選択します。

  2. [編集]パネルから[編集](Edit) [センターでクラスタの作成](Create Cluster with Center)を選択します。クラスタ センター デフォーメーションがすでに適用された状態でクラスタとヌルが作成されます。ヌル センターは自動的に選択されます。

  3. ヌルのスケーリング、回転、および移動を変更/アニメートし、クラスタに作用させます。

    クラスタ センターのデフォメーションの詳細については、「クラスタ センター」(「モデリングおよびデフォーメーションの基本」)を参照してください。

非オーバーラップ クラスタを作成するには

  1. オブジェクト上のコンポーネントを選択します。

  2. [編集]パネルから[編集](Edit) [オーバーラップしないクラスタの作成](Create Non-Overlapping Cluster)を選択します。クラスタは作成されますが、すでに定義されたクラスタに含まれるコンポーネントは除外されます。

クラスタを選択する

3D ビューまたは Explorer を使用して、クラスタを選択できます。選択したクラスタは、デフォルトでは白で表示されます。

ツールやフィルタの選択など、一般的な選択の詳細については、「選択」を参照してください。

ヒント:[Shift]キーを使用すると、コンポーネントとクラスタを合わせて同時に選択できます。

3D ビューでクラスタを選択するには

  1. 次のいずれかの操作を実行します。

    • 選択ツールおよびコンポーネント フィルタがアクティブのときに、[選択]パネルの[クラスタ](Cluster)ボタンをクリックします。オブジェクトタイプ フィルタがアクティブの場合、[クラスタ](Cluster)ボタンは[グループ](Group)ボタンに変化することに注意してください。

      または

    • コンポーネントフィルタがアクティブのときに、=キーを押します。

      または

    • [選択](Select) [SI|3D 選択モデル](SI|3D Selection Model)および[選択](Select) [拡張コンポーネント選択](Extended Component Selection)が両方ともオフの場合、選択ツールおよびコンポーネント フィルタがアクティブのときに、マウスの中央ボタンを使用します。

  2. マウスを使用してコンポーネントを選択します。

    • あるコンポーネントが 1 つのクラスタのメンバの場合は、そのクラスタが選択されます。

    • あるコンポーネントが複数のクラスタのメンバの場合は、そのすべてのクラスタが選択されます。[選択]ボタンを使用して選択をさらに絞り込むことができます(「Explorerを使用した選択の絞りこみ」を参照)。

    • あるコンポーネントがどのクラスタのメンバでもない場合は、何も選択されません。

アクティブなオブジェクトのすべてのクラスタを確認するには

  • [選択]パネルの下部にある[クラスタ](Clusters)ボタンをクリックします。ポップアップ Explorer が開き、アクティブなオブジェクトのすべてのクラスタが表示されます。

    このポップアップ Explorer を使用して、Explorer ウィンドウと同様の方法で 1 つまたは複数のクラスタを選択できます。「Explorer でエレメントを選択する」(「インタフェースおよびツール」)を参照してください。

クラスタのメンバ コンポーネントを選択するには

  • クラスタが選択されているときに、[選択](Select) [メンバ/コンポーネントの選択](Select Members/Components)を選択します。クラスタを構成するコンポーネントが複数のコンポーネントとして選択されます。

クラスタを表示する

3D ビューでは、クラスタの表示を切り換え、クラスタのディスプレイ カラーを変更して、クラスタのリファレンス フレームを表示することができます。

クラスタを表示するには

クラスタのディスプレイ カラーを変更する

クラスタ内のコンポーネントは、デフォルトでは緑で表示されます。オブジェクトに多数のクラスタがあり、それを簡単に区別する必要が生じた場合に、ディスプレイ カラーを設定できます。

注:新たに作成したクラスタのデフォルトのカラーを変更することもできます。詳細については、「シーン カラーの設定」(「表示と再生」)を参照してください。

クラスタのディスプレイ カラーを変更するには

  1. クラスタを選択し、[Enter]キーを押します。[Cluster]プロパティ エディタが開きます。

  2. スライダを使って、クラスタのディスプレイ カラーの赤、緑、および青コンポーネントを調整します。

クラスタのリファレンス フレーム

オブジェクトのように、選択したコンポーネントおよびクラスタにはローカル センターがあります。ただし、このリファレンス フレームは動的に計算される点がオブジェクトとは異なります。これは、選択したすべてのコンポーネントの平均ローカル リファレンス フレームです。このリファレンス フレームは表示ガイドとして表示でき、オブジェクトのタンジェント パラメータおよび法線パラメータをクラスタ コンストレイントに設定する際に役立ちます。

注:

表示されたクラスタのリファレンスフレームは、[ローカル]モードでコンポーネントを操作する際に使用するリファレンスフレームと必ずしも同じではありません。表示されたクラスタのリファレンス フレームは 1 つの平均であり、非隣接コンポーネントは操作に独自のリファレンス フレームを使用します。

隣接していないコンポーネントの変形時に複数のビジュアルキューを有効にするには、変換設定で[複数変換軸の表示]をオンにします。コンポーネントおよびクラスタの変換の詳細については、「コンポーネントを操作する」(「モデリングおよびデフォーメーションの基本」)を参照してください。

クラスタのリファレンス フレームを表示/非表示するには

  1. 次のいずれかの操作を実行します。

    • 1 つの 3D ビューの場合は、[Shift]+[S]キーを押すか、目のアイコン(表示メニュー)をクリックし、[可視性オプション](Visibility Options)を選択します。

      または

    • 開いているすべての 3D ビューに対して操作を行う場合は、メイン メニューから[ディスプレイ](Display) [可視性オプション(すべてのカメラ)](Visibility Options (All Cameras))を選択します。

    [カメラの表示/非表示]プロパティ エディタが開きます。

  2. [属性]タブで、[選択オブジェクト]の下にある次のオプションを変更します。

    • [クラスタ リファレンス フレーム](Cluster Reference Frame): 選択したクラスタまたはコンポーネントの軸インジケータが表示されます。

    • [クラスタ リファレンス フレーム情報](Cluster Reference Frame Info): リファレンス フレームの XYZ 座標が表示されます。

クラスタからコンポーネントを追加、削除する

クラスタの作成後もメンバの追加と削除ができます。

クラスタにコンポーネントを追加するには

  1. クラスタを選択します。

  2. 同じタイプの 1 つまたは複数のコンポーネントを選択します。

  3. 次のいずれかの操作を実行します。

    • [Edit]パネルの+ボタン([クラスタ]ボタンの隣)をクリックします。

      または

    • [編集]パネルから[編集](Edit) [クラスタに追加](Add to Cluster)を選択します。

      注:

      オブジェクトにコンポーネントを追加すると、クラスタ上の同種のコンポーネントに完全に囲まれた任意の新しいコンポーネントが、自動的にクラスタに追加されます。

      ただし、トポロジ オペレータ適用後にクラスタへのコンポーネント追加を手動で行うときは、後からクラスタへ追加するコンポーネントは、現在クラスタに適用されているオペレータの影響は受けません。

      たとえば、サーフェイス上のポイント クラスタに[ツイスト]デフォーメーションを適用し、その後、そのサーフェイスにノット カーブを追加した場合、クラスタに追加したポイントはツイストの効果を受けません。

クラスタからコンポーネントを削除するには

  1. クラスタを選択します。

  2. 削除したいクラスタの 1 つまたは複数のコンポーネントを選択します。

  3. 次のいずれかの操作を実行します。

    • [Edit]パネルの+ボタン([クラスタ](Cluster)ボタンの隣)をクリックします。

      または

    • [編集]パネルから、[編集](Edit) [クラスタから削除](Remove from Cluster)を選択します。

ローカル マテリアルとポリゴン クラスタ

選択したポリゴンまたはポリゴン クラスタに対してマテリアルまたはテクスチャを適用すると、そのクラスタにローカル マテリアルが作成されます。ローカルマテリアルおよびローカルテクスチャの詳細については、「選択したポリゴンおよびポリゴン クラスタにマテリアルを割り当てる」(「マテリアルとシェーダ」)を参照してください。

クラスタを削除する

クラスタの削除により、グループは削除されますが、オブジェクトから個々のコンポーネントが削除されるわけではありません。

クラスタを削除するには

  1. クラスタを選択します。

  2. [編集]パネルから[編集](Edit) [クラスタの削除](Remove Cluster)を選択します。

    [Delete]キーを押すことで、選択したクラスタを Explorer ビューを使用して削除することもできます。