変換は階層で継承されます。各オブジェクトのローカル位置はその親を基準にして保存されます。この場合、親のセンターが子のワールド空間の原点のように動作します。
階層内のオブジェクトの変換の動作は、特定の条件によって異なります。
既定では、次のいずれかの条件が当てはまる場合、親が変換されると子オブジェクトは親に従います。
対応するローカル変換パラメータにオブジェクトのアニメーションがある場合。これは、ローカル変換のアニメーションは親のセンターを基準に保存されるためです。つまり、変換値がアニメートされた値に対して更新されると、子は親を基準にして正しい位置にスナップされます。
[コンストレイント]パネルの[ChldComp]([子変換コンペンセイション](Child Transform Compensation))オプションがオフの場合。「 子変換コンペンセイション」を参照してください。
対応するローカル変換パラメータに子のアニメーションがない場合。たとえば、子のローカル移動がアニメートされており、回転はアニメートされていないとします。この状態で、親の位置を移動すると子も移動しますが、親を回転させても子は回転しません。
既定の動作は、親のコンストレイントを非アクティブにして変更できます。「親のコンストレイント」を参照してください。
[コンストレイント]パネルの[ChldComp]オプションは、オブジェクトがノード選択で変換された場合の、アニメートされていない子の動作をコントロールします。これは、[コンストレイント](Constrain) [子変換コンペンセイション](Child Transform Compensation)メニュー項目と同じです。
このオプションがオンの場合、子には目に見える影響はありません。子のローカル変換は、そのグローバル位置、向き、およびサイズが維持されるように調整されます。
このオプションがオフの場合、親のコンストレイントが有効なすべての子はその親に従います。親は子と切り離して移動させることはできません。
[子変換コンペンセイション]は、子に変換パラメータのローカル アニメーションがある場合や親がブランチ選択されている場合の動作には影響しません。
SRT(「プロパティ リファレンス」)プロパティ エディタの[オプション]タブにある設定は、オブジェクトがその親から変換を継承する方法をコントロールします。
[ローカル変換]プロパティ エディタの[オプション]タブにある[アクティブ](Active)オプションは、親のコンストレイントのオン/オフを切り替えます。このオプションをオフにすると、親が変換された場合にオブジェクトはその親に従いません。また、親がブランチ選択された場合や[子変換コンペンセイション](Child Transform Compensation)がオフの場合でも同様です。
[位置](Position)、[向き](Orientation)、[スケーリング](Scaling)の各オプションを使用して、移動、回転、スケーリングに対して個々に継承のオン/オフを切り替えることもできます。
オブジェクトの親をスケールまたは回転すると、そのオブジェクトの位置が影響を受けます。
[ローカル変換]プロパティ エディタの[オプション]タブにある[向きから影響を受ける](Affected by Orientation)オプションは、オブジェクトの親または上位ノードが回転された場合のそのオブジェクトの位置を変更します。このオプションがオンの場合、下位ノードは、地球が回転する際に地球に対して固定位置で動かない静止衛星のように旋回します。オフの場合、最上位の親が回転すると最下位の子はその子のセンターを中心にしてスピンします。
[スケーリングから影響を受ける](Affected by Scaling)は、オブジェクトの親または上位ノードがスケーリングされた場合のそのオブジェクトの位置を変更します。このオプションがオンの場合、ローカル空間でのオブジェクトの相対位置を測定する距離の単位のサイズが変わると、そのオブジェクトはグローバル空間でその親から離れたり、近づいたりします。このオプションがオフの場合、子はその親と一緒にスケーリングされますが、そのセンターは移動しません。