カーブを使用して投影およびトリミングする

サーフェイスカーブおよびトリムカーブとは

サーフェイスカーブやトリムカーブには、カーブオブジェクトを NURBS サーフェイスに投影したものが含まれています。最終的にサーフェイスの一部を削除するかどうかという点で、両者は異なります。

サーフェイスカーブ

投影されただけのカーブオブジェクはサーフェイスカーブと呼ばれます。サーフェイスカーブは、サーフェイスの新しいコンポーネントとなります。サーフェイスカーブも、[ロフト]、[カーブに到達]などのモデリング操作において、サーフェイス上の他のカーブコンポーネント(アイソライン、ノットカーブなど)と同様に使用されます。

カーブオブジェクト(A)、NURBS サーフェイス(B)、生成されるサーフェイスカーブ(C)。

トリムカーブ

サーフェイスの一部を削除するために投影結果が使用される場合、この投影をトリムカーブと呼びます。サーフェイスに穴を空ける場合や、通常の 4 サイドを持たない NURBS パッチを作成する場合は、トリムカーブを使用すると便利です。

トリミングは、サーフェイス上の表示領域に対して行われます。もともと存在するポイントはそこに残るため、トリミングした領域内でポイントを移動させるとトリミング後もサーフェイスのシェイプを変更できます。一方、トリミング後のサーフェイスは、ソフトボディおよびクロスシミュレーションの衝突オブジェクトとして使用することができ、シミュレーションではトリミング後の正確なシェイプのサーフェイスを使用します。

トリミング後の領域でポイントを移動した場合のエフェクト。

トリムカーブやサーフェイスカーブを使用して作業する

サーフェイスカーブとトリムカーブを表示する

サーフェイスを選択したり、コンポーネント選択操作で選択したりすると、サーフェイスカーブおよびトリムカーブは濃い青色で表示されます(既定)。トリミング後のサーフェイスでは、U および V の境界も濃い青色で表示されますが、トリミング時には考慮されませんので無視してもかまいません。

トリムカーブやサーフェイスカーブに使用される解像度は調整できます。[ジオメトリアプロクシメーション]プロパティエディタの[ハードウェアディスプレイ]タブでは[OpenGL]ビューで使用する解像度をコントロールし、[サーフェイストリム]タブではレンダリングに使用する解像度をコントロールします。詳細については、「[ジオメトリアプロクシメーション]プロパティエディタ」(「プロパティリファレンス」)を参照してください。

トリムカーブおよびサーフェイスカーブを選択する

トリムカーブやサーフェイスカーブで作業をする場合は、サーフェイスオブジェクトの選択時に[選択]パネルの[トリムカーブ]および[サーフェイスカーブ]コンポーネント選択フィルタを使用できます。コンポーネント選択全般の詳細については、「選択」(「シーンエレメント」)を参照してください。

サーフェイスカーブとトリムカーブを抽出する

サーフェイスカーブとトリムカーブは、他のサーフェイスコンポーネント(アイソラインやノットカーブ)と同じ方法で抽出できます。「サーフェイスからのカーブの抽出」を参照してください。

カーブの投影方法

Softimage では、平行投影によりカーブオブジェクトがサーフェイス上にマッピングされます。投影は、カーブの平均プレーンの法線を追いながら両方向に無限に伸びます。

カーブはサーフェイスの表と裏の両方に投影され、サーフェイスを折り重ねた場合は複数回に渡りサーフェイスを交差させることができます。カーブでサーフェイスの中に穴を空けたり、エッジをぎざぎざに切り取ったりすることも可能です。

トリミングおよび投影前の準備

投影用のカーブを作成する際に覚えておくべき点がいくつかあります。

カーブのポイントはできるだけ同一平面内からはみ出さないようにしてください。このようにすることで、投影時のエフェクトの確認が容易になります。
平均プレーンではカーブ自体が交差しない点に注意してください。カーブが正しく投影されない場合は、カーブの一部が無視されます。

カーブによって投影またはトリミングする

[修正](Modify) [サーフェイス](Surface) [プロジェクションでトリム](Trim by Projection)コマンドを使用し、サーフェイスへのカーブの投影やカーブによるサーフェイスのトリミングを行います。

サーフェイスへのカーブの投影、またはカーブによるサーフェイスのトリミングを行うには

NURBS サーフェイスオブジェクトを選択します。
[モデル]ツールバーから[修正](Modify) [サーフェイス](Surface) [プロジェクションでトリム](Trim by Projection)を選択します。選択を開始します。
カーブオブジェクトを選択します。カーブがサーフェイスに投影されます。既定では、投影されたすべてのカーブによりサーフェイスがトリミングされます。
[空間カーブでのトリムサーフェイス]プロパティエディタで以下のいずれかを実行します。
- 投影されたカーブの一部のみを使用してサーフェイスをトリミングする場合は、[トリムの選択](Pick Trims)をクリックし、目的のサーフェイスカーブを選択します。選択が完了したら、右クリックします。
- 投影されたすべてのカーブを使用してサーフェイスをトリミングする場合は、[すべてでトリム](Trim with All)をクリックします。これは、[選択されたトリム]または[すべて投影]を使用した後にこの操作をキャンセルしたい場合に便利です。
- サーフェイスにカーブを投影する場合は、[すべて投影](Project All)をクリックします。サーフェイスカーブはサーフェイスのコンポーネントとなり、ロフトなどのモデリング操作で利用できるようになります。
必要に応じて以下のオプションを調整します。
- 投影するだけではなくトリムする場合は、[境界は?](Is Boundary)を使用してサーフェイスのどの部分を保持するか(カーブの外側の領域を保持して穴を開けるか(オフ)、内側だけを残して外側を切り取るか(オン))を決定します。
- [プロジェクション精度]では、投影を計算するときの精度を調整します。投影されたカーブのシェイプの精度が落ちる場合は、この値を大きくしてください。
  
  ただし、値が高い場合は、計算に時間がかかり、コンピュータの処理速度が低下する可能性があります。最適なパフォーマンスが得られるよう、精度が損なわれない範囲でできるだけ低い値を設定してください。

トリムを削除する

トリムカーブを削除すると、サーフェイスのオペレータスタックのフリーズ後でもトリミング操作を取り消すことができます。スタックをフリーズしていない場合は、[空間カーブでのトリムサーフェイス]プロパティエディタを再度開いて[選択されたトリム](Pick Trims)を実行するか、[空間カーブでのトリムサーフェイス]オペレータを削除します。

トリミング操作を削除するには

トリミング後の NURBS サーフェイスを選択します。
選択フィルタを[トリムカーブ](Trim Curve)に設定し、サーフェイス上のトリムカーブを 1 つ以上選択します。
[モデル]ツールバーから[修正](Modify) [サーフェイス](Surface) [トリムの削除](Delete Trim)を選択します。

手順 2 でカーブを選択していない場合は、ここでカーブを選択できます。

トリミングと投影に関する注意事項

トリミングおよび投影に関していくつかの注意点を説明します。

開いたカーブでもトリミングできます。サーフェイスのエッジより多少外を切り取るような場合に便利です。事前にカーブを閉じる必要はありません。しかし、カーブ全体をサーフェイスに投影できる場合は、直線のセグメントが終端に接続します。

テキストや読み込まれた EPS ファイルで作成されたカーブなど、複数のサブカーブで構成される単一のカーブオブジェクトを使用することができます。この場合、各サブカーブは、独立したサーフェイスカーブコンポーネントやトリムカーブコンポーネントを作成します。

トリミング時には、連続していないサブカーブ(異なるキャラクタの外側のカーブなど)で独立した穴が作成され、穴内側のサブカーブにより「アイランド」が作成されます([境界は?](Is Boundary)がオンになっている場合はその逆になります)。
2 回目のトリミング操作により、トリミング後の領域にアイランドを作成できます。2 回目のトリミング操作を実行する際には、[境界は?](Is Boundary)をオンにしてください。

最初のトリミング操作で穴を作成し(A)、2 回目のトリミング操作でアイランドを作成します(B)。
組み立てられたサーフェイスメッシュにカーブを投影するときに、サブサーフェイス間で投影結果が境界と交差する場合は、トリムカーブまたはサーフェイスカーブが複数作成されます。
サーフェイスオブジェクトやカーブオブジェクトをアニメートし、作成されたトリムカーブやサーフェイスカーブを時間の経過とともに変化させることができます。