各衝突オブジェクトの[Rigid Body]プロパティページにある[サーフェイスプロパティ](Surface Properties)の値には、別の衝突オブジェクトに設定されている対応するパラメータの値が掛けられます。つまり、衝突の結果は、衝突しているすべてのリジッドボディの弾性と摩擦によって変わります。
この関係を単純化するには、衝突オブジェクトの値を 1 度に 1 つずつ設定し、その結果をテストします。
このパラメータの詳細については、「サーフェイス プロパティ」(「プロパティ リファレンス」)を参照してください。
[弾性](Elasticity)(反発係数とも呼ばれる)は、衝突時にリジッドボディを反対方向に動かす(バウンスする)ために保持されるエネルギー量を左右する係数です。たとえば、弾性プロパティが非常に低いビリヤードボールでは、ボールがテーブルに当たった際に保持される運動エネルギーはごくわずかです。
値0では、衝突の際にリジッドボディはバウンスしません。値1では、リジッドボディはほとんどエネルギーを失わないため、衝突する前と反対の方向に同じ速度で跳ね返ります。
値を1より大きくすると、リジッドボディのエネルギーは衝突のたびに増加することになります。さらに、弾性の値を高くするほど、シミュレーションが不安定になる可能性があります。
[摩擦](Friction)は、衝突するリジッドボディ同士の間で作用し、モーションに逆らい減衰させる傾向のある抵抗力です。たとえば、テーブルの上でビリヤードの球とゴムボールを転がした場合、球のほうがゴムボールより摩擦の値が低くなります。同様に、カーペットの上で転がした場合は、大理石の上で転がした場合と比べて摩擦の値が大きくなります。
摩擦には静摩擦と動摩擦があります。一般的に、静摩擦は動摩擦より大きくなります。
[静摩擦](Static friction)は、リジッドボディが他のリジッドボディと接触したときに、リジッドボディの状態が静止から運動に変更されるのに逆らうフォースです。たとえば、勾配面にボールを置くと、ボールがどれくらい簡単に平面を初めて滑り込み始める、または転がり落ち始めるかが静摩擦によって決定されます。オブジェクトが動き始めてからの静摩擦の影響は非常にわずかになるか、まったくなくなります。
[動](Dynamic)(あるいは運動)[摩擦](friction)は、移動中のリジッドボディが別のリジッドボディのサーフェイスに逆らった動きにどれだけ抵抗するかを示します。これはリジッド ボディの動きを遅くする力です。一般的に、この力はリジッド ボディに適用されているすべての力に対して均等に働きます。つまり、リジッド ボディに適用されている力に対する摩擦力の比率として考えることができます。