[障害物]プロパティ エディタ
 
 
 

オブジェクトの障害物特性のほか、他のオブジェクトが障害物に衝突するときの動作を定義します。

シーン内の標準的なジオメトリック オブジェクト(ポリゴンまたは NURBS サーフェイス)は、パスをさえぎる障害物として、あるいは、ヘア、クロス、またはソフト ボディ オブジェクトと衝突する障害物として、いくつでも定義できます。

リジッド ボディ オブジェクトとの衝突は、すべてのリジッド ボディそれぞれに固有の衝突プロパティがあるリジッド ボディ シミュレーション環境で設定します。このため、[障害物の設定](Set Obstacle)コマンドやプロパティ エディタを使用する必要はありません。詳細については、「リジッド ボディとの衝突」(「 シミュレーション」)を参照してください。

障害物を作成するには

  1. 障害物と衝突させるヘア、クロス、またはソフト ボディ オブジェクトを選択します(クラスタやタグ付きポイントは選択しません)。

  2. 選択したオブジェクトのタイプに応じて、[シミュレート]ツールバーから[修正](Modify) [クロス](Cloth) [障害物の設定](Set Obstacle)または[修正](Modify) [ソフトボディ](Soft Body) [障害物の設定](Set Obstacle)を選択します。または、[ヘア]パネルから[修正](Modify) [環境](Environment) [障害物の設定](Set Obstacle)を選択します。

  3. ヘア、クロス、またはソフト ボディ オブジェクトに対する障害物として機能するオブジェクトを、シーンから 1 つまたは複数選択します。選択セッションを右クリックして終了すると、このプロパティ エディタが表示されます。

    注:
    • インプリシット オブジェクトを障害物として使用することはできません。

    • オブジェクトの階層には障害物を適用できません。

    • [障害物]プロパティ エディタのパラメータ([摩擦]および[弾性]を除く)は、ヘアの[衝突タイプ][XSI](Collision Type)に設定されている場合に[のみ](XSI)、障害物とヘアの衝突の計算に使用されます(「ヘアの衝突の設定」(「ヘア」)を参照)。[衝突タイプ]が[実際の](Actual)(既定)または[精密](Exact)に設定されている場合、このプロパティ エディタのパラメータは衝突とはみなされません。

    • オブジェクトを障害物として指定すると、障害物オペレータがプロパティに追加されます。シーンをできるだけ軽く維持するため、障害物として使用しなくなったオブジェクトから障害物オペレータを削除してください。

名前(Name)

障害物オブジェクトを設定すると、そのオブジェクトの名前が自動的に使用され、その名前の末尾に「_obstacle」が付加されます。たとえば、障害物オブジェクトが Wall という名前の場合、障害物プロパティには Wall_obstacle という名前が付けられます。

各障害物を区別しやすいように、障害物の名前を変更することができます。たとえば、オブジェクトに 2 つの異なる障害物がある場合は、1 つに「floor(床)」、もう 1 つに「wall(壁)」という名前を付けることができます。

フォースに名前を付けるには

  • 障害物オブジェクトの[障害物]プロパティ エディタで、[名称](Name)テキスト ボックスに内容が分かるような名前を入力します。

    これ以降は、障害物オブジェクトの名前を変更した場合に、障害物プロパティの名前が変更されません。

ミュート

障害物プロパティを一時的に無効にすることも可能です。無効にすると、シミュレーションをその一部として計算される障害物の有無に関係なく容易にテストできるようになります。また、ミュートのアニメーションも可能です。

障害物をミュートするには

  • 障害物のプロパティ エディタで[ミュート](Mute)オプションを選択します。

一般

これらのパラメータでは、衝突に使用される障害物のジオメトリや、アニメートされたデフォーメーションの状態のほか、両面衝突かどうかを設定します。

障害物タイプ(Obstacle Type)

障害物のサーフェイス タイプを設定します。

[B-プレーン](B-Plane): オブジェクトはそのバウンディング プレーンのサーフェイス上のオブジェクトと衝突します。

[B-ボックス](B-Box): オブジェクトはそのバウンディング ボックスのサーフェイス上のオブジェクトと衝突します。

[B-球](B-Sphere): オブジェクトはそのバウンディング球のサーフェイス上のオブジェクトと衝突します。

[実際の形状](Actual Shape): オブジェクトはそのジオメトリック シェイプのサーフェイス上のオブジェクトと衝突します。

球、グリッド、ボックスなどのプリミティブ形状(あるいはそれらの形状に非常に近似したジオメトリ)を使用している場合、障害物には実際の形状ではなくバウンディング シェイプ(B-シェイプ)を使用します。これにより計算にかかる時間が大幅に短縮されます。

より正確な衝突検知を行う場合(クロス オブジェクトまたはソフト ボディ オブジェクトが障害物の実際の形状を型取りするような場合など)は、表示される高解像度のジオメトリの「代役」として、(隠れた)低解像度のオブジェクトを使用することを考えましょう。

オブジェクトの変形アニメーションに対応(Animatable Deformation)

障害物がほかのデフォーメーション(シェイプ アニメーションなど)の影響を受ける場合に、正確に衝突を検出します。変換(スケーリング、回転、移動)の場合は必要ありません。

このオプションはメモリを大量に消費するため、本当に必要でない限りオフにしておいてください。これはジオメトリが、ある期間にわたって実際に変形する場合にのみ必要です。

両面衝突検知(Double Face Collision)

旗やコンテナの内側と外側など、2 つの側があるオブジェクトの両側で衝突を検出します。このオプションはメモリを大量に消費するため、本当に必要でない限りオフにしておいてください。

物理的

これらのパラメータには、障害物に対する衝突オブジェクトの[抵抗](resistance)[反発性](resilience)、障害物のサーフェイスおよびその衝突ポイント間の[オフセット](offset)、およびすべての物理的パラメータの[精度](accuracy)を設定します。

ここで障害物に設定する[摩擦](Friction)パラメータおよび[弾性](Elasticity)パラメータは、クロス オブジェクトに設定された対応するパラメータに乗算されます。

この関係を簡明にするため、最初にここで値を設定し、その後クロス オブジェクトのパラメータを微調整してください。このようにすると、障害物のパラメータを一定値に保てます。

注:ここでの[摩擦](Friction)および[弾性](Elasticity)パラメータは、障害物とヘアの衝突の計算には使用されません。

摩擦(Friction)

障害物に当たった際の、オブジェクトの反発や抵抗をコントロールします。

ソフト ボディやクロス オブジェクトを障害物に密着させるには、この値を高く設定します。値が低いと、抵抗が小さく、オブジェクトは障害物上を滑っていきます。たとえば、ボールを床に転がすには、値を 1 に設定します。

弾性(Elasticity)

障害物から跳ね返る際の、オブジェクトの弾性力をコントロールします。ソフト ボディやクロス オブジェクトが障害物に当たったとき強く跳ね返るようにするには、この値を高く設定します。スライダで示される値より高い値を入力できます。

プッシュ長さ(Push Length)

障害物のサーフェイスとその衝突ポイントとの間のオフセットです。

たとえば、障害物に掛けられた布(クロス)の見た目をよくする場合や、クロス オブジェクトまたはソフト ボディ オブジェクトが障害物を貫通するのを防ぐ場合には、この値を上げます。さらに、この値を上げることで、クロスをもっと厚く見せることもできます。

許容範囲(Tolerance)

すべての物理的パラメータの設定でコントロールする精度。許容範囲値が低くなるほど、衝突の精度が上がりますが(誤りのしきい値が低くなる)、計算時間が長くなります。