現実の世界では、薄暗く照らされたシーンのカラーは特徴的な色あせたカラーになります。昼間には明るい赤色に見えるオブジェクトも、月光の中では淡いピンク色に見えます。この彩度減少は、人間の目が持つ 2 種類の光の受容器官の動作によって発生します。明るいライトの中では、カラーを敏感にとらえる円錐の器官が目の受け取る情報を提供します。暗くなると、カラーを感知しない棒状の器官がこれに代わり、目に与えられる情報の量が減ります。その結果、オブジェクトの彩度が減少したように見えるのです。[Night]シェーダはこのエフェクトをシミュレートします。人間の目の機能と同じように、ライトを薄暗くする一方でカラーの彩度を下げた状態のままにします。
夜のシーンをデザインするときは、ライトの設定前に[Night]シェーダをアクティブにしておく必要があります。このシェーダは、薄暗いライトに大きな影響を与えます。[Night]シェーダをアクティブにする前には良好に見えたものも、このシェーダをアクティブにした後には調整が必要になります。
[Night]シェーダは、薄暗く照らされたイメージのカメラによるキャプチャではなく、薄暗いライトでの人間の目の機能をシミュレートします。レンダリング後のイメージに写真のような外観を持たせる場合以外は、このシェーダを使用しないでください。