二足動物のモーションをデフォーム可能トラックに変換する
 
 
 

モーション デフォーメーション ツールを使用すると、二足動物の足および重心(一般的には腰)から一連のトラック(カーブ)にアニメーションを変換して、スペース内でアニメーションを視覚化できます。その後で、他のカーブに対して行う場合と同様にトラックの変形および編集(ポイントの移動、デフォーマの使用など)を行い、キャラクタがトラックの新しいシェイプに適合します。

モーション デフォーメーションでは、次のような多様な目的に合わせてアニメーションを修正することができます。

作成されたカーブは、スペース内のモーションを表すレールに似ています。カーブに沿ってキャラクタが運ばれます。これにより、モーションを変形して、足と重心の間の相関関係を維持できるようになります。モーション自体がコンストレイントの長さを維持しています。

セットアップする

モーション デフォーム ツールを使用する前に、アニメーションに修正を加えるキャラクタが正しくセットアップされていることを確認する必要があります。

  • キャラクタは二足動物でなければなりません。

  • 二本足および重心で支えられるアニメーションが必要です。これは、IK(エフェクタの位置)または FK(ボーンの回転)のどちらかですが、キャラクタは「(固定した歩行サイクルのない)スペース内」で動いていなければなりません。

  • タイムラインを処理対象となるアニメーションの正確なフレームに設定します。設定しないと、キャラクタの他のアニメーションの速度が速度の一部として計算されてしまい、結果として生成されたステップ マークおよびモーション トラックが損なわれます。

モーション トラックを作成する

二足では、アニメーションを操作する 3 つのエレメント(2 つの足、重心、または尻)をタグ付けする必要があります。モーション デフォーマは、3 つのエレメントをすべて考慮します。これらのエレメントの組み合わせた結果として、キャラクタのモーションが生じるためです。

ヒント:あらかじめ定義されたキャラクタ リグ(「定義済みリグの使用の概要」を参照)は、操作の便宜上、すでにタグ付けされています。

トラックを作成してキャラクタのモーションを修正するには

  1. アニメートされたキャラクタの各エレメントをひとつずつ選択し、[Animate]ツールバーの[作成](Create) [キャラクタ](Character) [二足用タグ](Biped - Tags)メニューから対応するコマンドを選択します。エレメントは、[左足]、[右足](Left Foot, Right Foot)、および[重心](Gravity)です。

  2. 試しに[作成](Create) [キャラクタ](Character) [二足 - ステップ マークの定義](Biped - Define Step Marks)コマンドを実行して、[速度しきい値]に値を入力します。これを使用すると、ステップ位置を表す小さいアイコンが作成され、適切な[速度しきい値]を調整できます。

    一歩一歩進む足が地面上にあるときなど、アニメートされたエレメントの最も遅い速度を見つける必要があります。この値は 0 に最も近い必要がありますが、0 であってはいけません。

    このテストは繰り返し実行できます。非常に低いしきい値から始めて、すべてのステップ マークが存在するのが見えるまで続けます。値が低すぎたり高すぎたりする場合は、ステップ マークを削除して新しいレベルで試してみてください。ステップ マークは、[デフォーム モーション]コマンドの実行後に削除できます。

  3. [速度しきい値]がわかったら、[作成](Create) [キャラクタ](Character) [二足 - デフォーム モーション](Biped - Deform Motion)を選択します。これにより、設定したステップ マークに基づくキャラクタのモーションがリターゲットされます。キャラクタのモーション パスを表す 3 つのカーブが作成されます。

  4. プロパティ セットに表示される[Offset_Multiplier]コントロールでは、トラックの回転と位置をオフセットして、アニメーションを空間にワープさせることができます。

  5. 他のカーブに対して行う場合と同様にトラックを変形させ、この変化にキャラクタがどのように応答するかを確認します。

    たとえば、カーブからチェインを作成し、エフェクタをドラッグしてパスを変更できます。

クリップをマッチングする

Animation Mixer から[クリップ](Clip) [クリップの照合](Match Clips)コマンドを使用することで、[Animate]ツールバーの[キャラクタ](Character) [二足用タグ](Biped Tags)コマンドでタグ付けされた基準オブジェクトを基準に、2 つのクリップを位置揃えできます。Softimage はタグ付けされたオブジェクトの情報を使用して、適切なポーズ オフセットを計算してターゲット クリップ上に設定し、リファレンス クリップをターゲットの先頭フレームにマッチングさせます。このコマンドは、2 つのモーション キャプチャが同じ空間に配置されるように、モーション キャプチャを並べたり重ねたりするような場合に便利です。

クリップで操作されなくてもクリップの影響を受けるオブジェクト(たとえば、クリップで操作される親の子など)を位置揃えする際には、このコマンドも役立つと考えられます。子をタグ付けし、クリップを選択して、[クリップの照合]コマンドを選択できます。

注:このツールで処理されるのは、XZ 平面上に実行されたアニメーションのみに限られています。つまり、Y 軸が上方向を指しているという前提で、フル移動および Y 軸を中心にした回転のみが実行されます。

2 つのクリップを位置揃えするには

  1. オブジェクトをタグ付けしてマッチングプロセスの一環として使用するには、[Animate]ツールバーの[キャラクタ](Character) [二足用タグ](Biped Tags) [左足]、[右足](Left Foot, Right Foot)または[重心](Center of Gravity)コマンドを使用します。

    オブジェトにタグ付けする理由は、基準点として使用するためです。そのオブジェトのポーズは、[クリップの照合]コマンドの使用後にマッチングするはずです。たとえば、左足とみなすオブジェクトを選択して、そのオブジェクトを[二足用タグ](Biped Tags) [左足](Left Foot)タグでタグ付けします。右足とみなすオブジェクト、および重心とみなすオブジェクトに対しても、同じ処理を行います。

  2. リファレンス クリップおよびターゲット クリップ(オフセットに対するクリップ)をこの順で選択します。

    ターゲット クリップは、リファレンス クリップの後ろに続けることも、リファレンス クリップにオーバーラップさせることもできます。オーバーラップしている場合、タイム リファレンスがオーバラップの先頭です。

  3. Animation Mixer のコマンドバーで[クリップ](Clip) [クリップの照合](Match Clips)を選択します。

    ターゲット クリップ用のポーズ オフセットが作成されます。2 番目のクリップの先頭にあるアニメーションは、最初のクリップの末尾とマッチングされます(つまり、開始点とオーバーラップします)。