口の部分のモデリング
 
 
 

唇と口角

口角は、顔の中で最もモデリングが複雑な部分であり、最終的なアニメーションの品質を大きく左右する部分でもあります。

  • [唇](Lips): 唇は閉じたときの位置でモデリングします。動いたときの唇が、特に口角のあたりで肉厚であることが大切です。鋭いエッジに注意してください。閉じた状態の口に小さいエッジがある場合、口が開いたときにそれらのエッジが大きく広がることになります(その部分の弾性が高くなります)。

  • [エッジフロー](Edge Flow): 口角のモデリングにおける第一目標は、エッジフローが良いことです。そのためには、口角にスムーズで詳細度の高いループを使用します。可能な限り四角形を使い、口角のフロー ラインをできるだけクリーンに、かつ位置合わせができた状態にします。

  • [口角部分の区分線](Corner Section Line): 下の図で、口部分の区分線をどこに配置するか、検討してみましょう。水平プレーンにできるだけ近く配置するのが理想的です。

    口がスムーズに変形するかどうかは、ステージ 3: ランドマークで選択する口角のランドマークの位置に大きく左右されます。口角のポイントを選択する際、内側へと続いて唇の境目を形成する線にポイントが乗るよう注意してください。

  • [口角の先端](Corner Tip): 口角部分の区分線の先端をどこに配置するかは、モデリング作業の中でも最も重要な決定事項です。このモデリングを正しく行えば、口をスムーズに問題なくアニメートすることができます。ここでモデリングを誤ると、アニメーション処理で問題が生じ、後から口のスカルプトの大幅な修正が必要となります。

    口角の先端で難しい点は、唇が閉じているときの位置と開いているときの位置がサーフェイス フローによって正確に表現されるようにモデリングしなければならないことです。

  • [唇の粘着](Sticky Lips): これは、口角の先端を配置する上で注意の必要な部分です。というのも、唇の写真を見たアーティストが、粘着した部分を唇がつながっている部分と勘違いすることが多いためです。

    次の図は、参照写真に唇の粘着が見られる場合に、そのような間違いを防ぎ、口角の先端を正しく配置する方法を示しています。上の図は、口が開き気味なのでニュートラル ポーズの参照写真としては理想的ではありませんが、唇の全体像を捉える上ではかろうじて有効です。

    口角の先端を正しく配置すると、口を開いたときに口角が適切に開き、粘着してしまうことがありません。

    唇の粘着は、後で[Lip Stiction(唇の粘着)]コマンドを使って調整することができます。「「唇の粘着」問題を解決する」を参照してください。

口内壁

口の中は、口が動いたときに大きく変形する上、よく見える部分なので、モデリングとシェーディングを完全に行う必要があります。

  • 最良の結果を得るには、フロー ラインを口の中まで引きます。Face Robot では、この部分を詳細にコントロールすることができるので、口のすぐ内側は頻繁に変形した状態で表示されます。

  • 口内壁は、唇の裏が存在し、唇を外側へ曲げられるようにモデリングします。口蓋に扁桃腺と口蓋垂を加えるとリアルです。

  • 唇の内側の部分は、外側の部分のパラメタリゼーションとエッジ フローを延長して作成し、適度なボリュームと半径を持たせることが重要です。簡単な作業方法としては、エッジを複製してモデリングする方法があります。まず、唇の最後のエッジを複製して後方へわずかにずらし、適切な形状にモデリングします。その後、口内壁全体が完成して喉の先端に達するまで、複製とモデリングを繰り返します。