以下は、ジオメトリ follicleShape ノードの毛根アトリビュート(Follicle Attributes)セクションのアトリビュートの説明です。ジオメトリには、球など、ヘアがアタッチされるジオメトリの種類が入ります。これらのアトリビュートの変更は、選択した毛根にのみ影響します (毛根ノードとも呼ばれます)。
毛根単位オーバーライド(Per Follicle Overrides)アトリビュートは、関連するヘア システム アトリビュートの修正機能で、可視結果には両方のアトリビュートが影響します(特に Mults の場合)。
ヘアが毛根から放出される最初の方向を定義します。ヘア システムでサブセグメント(Sub Segments)が増加するときだけでなく、レスト偏向(Rest Deflection)を定義するときにもこれが使用されます。レスト位置がまっすぐでこのアトリビュートが開始カーブ ベース(Start Curve Base)に設定されている場合、ヘアは開始カーブの 1 つ目のセグメントに基づくまっすぐな線を基準にしようとします。サーフェス法線(Surface Normal)が選択されていると、ヘアはサーフェスからまっすぐに突き出した線に向かって移動します。また、サーフェス法線が選択されていると、ヘアの根元がサーフェスの法線になるようヘア システムのサブセグメント(Sub Segments)が調整されます。
毛根単位オーバーライド(Per Follicle Overrides)
これらのアトリビュートは、選択した毛根に適用され、対応するヘア システムのアトリビュートをオーバーライドしたり、掛け合わされたり、ブレンドされます。
ダイナミクス オーバーライド(Dynamics Overrides)
ここでは、ダイナミクスに関連するアトリビュートを説明します。
ヘア システムのダンプの値をオーバーライドします。これを使用して問題のあるヘアを安定させることができます。詳細については、「hairSystemShape」セクションのダンプ(Damp)を参照してください。
現在選択されているヘア位置から開始位置への引力の強さを定義します。堅いヘアやキャラクタと共に移動するヘアが必要な場合に便利です。さらに、キーフレームを設定されたアニメーションを開始カーブに配置する場合、開始カーブに引き付けアトリビュートを使用して、シミュレーションと開始カーブ アニメーションをブレンドすることができます。
流れるような長いヘアの場合には、通常、開始カーブに引き付けの値はゼロのままにします。ショート ヘアの場合には、ヘアの剛性を非常に大きくして、同時に、いくつかのダイナミックなプロパティを持たせる必要がある場合、ゼロより大きい値を使用します。1.0 でヘア位置は(トランスフォームされた毛根位置に対して)開始カーブ位置になり、ヘアは衝突とフォースのみによって曲がります(開始カーブに引き付けを使用しない場合、特にヘアごとの CV が多いときには、反復数とダンプ値をかなり大きくする必要があります)。
開始カーブに引き付けの値を 1.0 に設定すると、カーブ開始位置への引き付けが 100% です。アニメートされた開始カーブがある場合、このカーブにより、シミュレーション方法(Simulation Method)をスタティック(Static)に設定したときと似た動作になります。ただし、ダイナミック フィールドは、依然として、ソルブの上に追加されたままになります。
毛根単位の開始カーブに引き付けアトリビュートを使用できるのは、オーバーライド ダイナミクス(Override Dynamics)アトリビュートが有効になっているときだけです。0 より大きい値に設定すると、接続された hairSystemShape の開始カーブに引き付けアトリビュートをオーバーライドします。固さのスケール(Stiffness Scale)アトリビュートを使用して、カーブのどの部分をカーブ開始位置に引き付けるかを制御することができます。
指定した毛根の開始カーブに引き付けアトリビュートの効果を小さくします。これは、ヘアの弾力性(開始カーブに引き付けの値が高い場合に発生)を小さくしたい場合や、アニメートされたヘアの頂点にダイナミック フィールドを適用したい場合に便利です。
この値は既定ではゼロになります。これはダンピングなしを意味します。値を 1 に 設定すると毛根が完全にダンプされ、モーションに動的な影響を与えるのは毛根の開始位置(Start Positions)とフィールド フォースだけになります。値を 0 と 1 の間に設定すると、部分的なダンピングが発生します。hairSystemShape の開始カーブに引き付けの値はこの値によってオーバーライドされ、毛根のオーバーライド ダイナミクス アトリビュートがオンなっているときだけ有効になります。
引き付けスケール(Attraction Scale)ランプは、毛根の束の長さに従って、開始カーブに引き付け(Start Curve Attract)アトリビュート値を減衰させます。follicle ノード上の引き付けスケール(Attraction Scale)は、ヘアグループ単位で、hairSystem ノードの引き付けスケールをオーバーライドすることです。
ランプ グラフを使用して、毛の根元から毛先まで変化する束の固さを定義できます。ランプ グラフの左側は、束の毛の根元を、右側は毛先を表します。たとえば、束の毛の根元を毛先よりも柔らかくするには、ランプ グラフの右側の値を左側の値よりも小さくします。
引き付けスケール(Attraction Scale)ランプ値は、毛根の開始カーブに引き付け(Start Curve Attract)アトリビュート値の乗数です。したがって、引き付けスケール(Attraction Scale)が 1.0 の場合、開始カーブに引き付け(Start Curve Attract)の値は変わりません。また、値が 0.0 の開始カーブに引き付け(Start Curve Attract)は、引き付けスケール(Attraction Scale)による影響を受けません。
固さのスケールは、ヘアの根元から先端までの剛性に影響します。グラフの左側が根元、右側が先端にあたります。一般的にヘアは根元が厚いため、先端よりも硬くなります。このアトリビュートは固さのパラメータ値に掛けられるため、値が 1.0 の場合、固さは変更されません。ただし、固さアトリビュートがゼロの場合、このパラメータは効果を持ちません。
このオプションは、指定した毛根の関連する hairSystemShape の固さのスケール アトリビュートをオーバーライドします。固さのスケール アトリビュートは、毛根のオーバーライド ダイナミクス アトリビュートが無効になっている場合には使用できません。
follicle ノード上の束の幅スケール(Clump Width Scale)は、束単位で、hairSystem ノードの束の幅(Clump Width)をオーバーライドします。
束の幅スケール(Clump Width Scale)ランプ グラフを使用して、毛の根元から毛先までの束の幅をさまざまに定義することができます。ランプ グラフの左側は、束の毛の根元を、右側は毛先を表します。たとえば、束内のヘアをグループの末端でテーパにするには、ランプ グラフの右側の値を左側の値よりも小さくします。
束の幅スケール(Clump Width Scale)ランプ値は、毛根の束の幅(Clump Width)アトリビュート値の乗数です。したがって、束の幅スケール(Clump Width Scale)が 1.0 の場合、束の幅(Clump Width)は影響を受けません。また、値が 0.0 の束の幅は、束の幅スケールに影響されません。