hairSystemShape

 
 
 

hairSystemShape ノード(と hairSystem ノード)内のアトリビュートに関する説明です。これらのアトリビュートを変更すると、ヘア システム全体に反映されます。

シミュレーション方法(Simulation Method)

シミュレーション方法(Simulation Method)

ヘア システムでシミュレーションするものを制御します。プルダウン リストからオプションを選択します。

オフ(Off)

シミュレーションの再生中、ヘア システムの表示や更新は行われません。

スタティック(Static)

シミュレーションの再生中、ヘア システムは動きません。ただし、サーフェスがトランスフォームされた場合、ヘアの位置は更新されます。

ダイナミック毛根のみ(Dynamic Follicles Only)

シミュレーションの再生中、ヘア システムはダイナミック ヘアのみのシミュレーションと更新を行います。パッシブ ヘアは非表示になります。

すべての毛根(All Follicles)

シミュレーションの再生中、ヘア システムはすべてのヘア(ダイナミック ヘアおよびパッシブ ヘア)のシミュレーションと更新を行います。

表示精度(Display Quality)

この値は、インタラクティブな描画で表示される束のヘアのパーセンテージです。この表示精度は、ペイント エフェクト(Paint Effects)ストロークの表示精度に対応します。既定値は 100 です。

Nucleus ソルバの使用(Use Nucleus Solver)

オンに設定すると、ヘア システムは Nucleus オブジェクトのように動作し、Nucleus ソルバによって解析されます。ヘア オブジェクトは、自己衝突と同様に Nucleus オブジェクトとして、他の Nucleus オブジェクトと相互作用できます。オフの場合、ヘア システムは Maya の従来のヘア ソルバを使用して解析し、Nucleus オブジェクトとしては動作しません。

Nucleus ソルバの使用(Use Nucleus Solver)がオフの場合、Nucleus に関連するアトリビュートは hairSystemShape ノードアトリビュート エディタ(Attribute Editor)では使用できません。

束とヘアのシェイプ(Clump and Hair Shape)

このセクションには、ヘアの束およびヘア全体のシェイプを制御するアトリビュートが含まれます。

束ごとのヘア(Hairs Per Clump)

各毛根に対してレンダーされるヘアの数です。

生え具合マップ(Baldness Map)

テクスチャを使用してヘア密度を制御します。使用するテクスチャは、2D テクスチャでなければなりません。

サブセグメント(Sub Segments)

レンダー時にスムーズに補間されるセグメントの数を定義します。エルミート(Hermite)補間は、カールや細かい要素にディテールを加え、ラインのシェイプをスムーズします。追加されたセグメントはレンダリング表示にのみ影響し、ダイナミック シミュレーションには影響しません。

間引き(Thinning)

短めのヘアの割合を制御します。

束のツイスト(Clump Twist)

ヘアの主軸を中心に束のグループを回転するときの角度です。

ベンドに追従(Bend Follow)

ヘアの束全体の回転角度がヘアの主軸にどの程度準じるかを定義します。幅の広い束の場合、その端はツイストされている方がうまくブレンドされるため、この値が0に近いほど短くまっすぐなヘアの処理に適しています。この値が 1.0 の場合、ヘアの束のクロス セクションは常にチューブの方向に直行しており、長く比較的細い束の処理に適しています。この値が 0 の場合、クロス セクションはヘアの束の開始地点でサーフェスの法線に直行します。

束の幅(Clump Width)

ダイナミック ヘアのグループの基本幅または最大幅です。

ヘアの幅(Hair Width)

ヘアのグローバル幅です。

束の幅スケール(Clump Width Scale)

ランプ(グラフ)を使用して、ヘアの束の幅を定義できます。束の幅スケール(Clump Width Scale)は、ヘアの束の根元から先端までの幅に影響します。グラフの左側が根元、右側が先端にあたります。ヘアの束の端が先端部分になるようにする場合は、右の値を左より小さくします。このアトリビュートは束の幅(Clump Width)のパラメータ値に掛けられるため、値が 1.0 の場合、束の幅(Clump Width)は変更されません。また、束の幅(Clump Width)アトリビュートが 0 の場合、このパラメータには効果がありません。

ヘアの幅スケール(Hair Width Scale)

ランプ(グラフ)を使用して、ヘア全体のシェイプの幅を定義できます。ヘアの幅スケールは、ヘアの根元から先端までの幅に影響します。グラフの左側が根元、右側が先端にあたります。このアトリビュートはヘアの幅(Hair Width)パラメータの値に掛けられるため、値が 1.0 の場合ヘアの幅(Hair Width)は変更されませんが、ヘアの幅(Hair Width)アトリビュートが 0 の場合、このパラメータには効果がありません。

束のカール(Clump Curl)

ランプ(グラフ)を使用して、ヘアの束にカールを定義できます。束のカール(Clump Curl)は、ヘアの束の主軸のカール具合をコントロールします。グラフの左側が根元、右側が先端にあたります。ランプの中央値(0.5)ではまったくツイストがありませんが、これより大きい値は正方向のツイスト、小さい値は逆方向のツイストが適用されます。

束の平面度(Clump Flatness)

ランプ(グラフ)を使用して、ヘアの束の平坦の度合いを定義できます。束の平面度(Clump Flatness)は、ヘアの束の根元から先端までの平坦さに影響します。グラフの左側が根元、右側が先端にあたります。

束の補間(Clump Interpolation)

この値は、現在のヘア システムのヘアの束間の補間の総数を指定します。束の補間(Clump Interpolation)は、各ヘアの束に対して、最近接するヘアの束を 3 つ評価し、次のことを行います。

束の補間(Clump Interpolation)の値が高いほど、ヘアの束のヘアが分散しているように見えます。これはあまり目立たないヘアの束でスムーズな連続的な頭を作成する場合に便利です。

このアトリビュートは、現在のヘア システムのヘアの束全体に対して、全体的なエフェクトを与えます。このアトリビュートのエフェクトは、低い束の幅(Clump Widths)の値よりも、高い束の幅(Clump Widths)の値でより明らかです。束の補間の既定は 0.0 です。

警告:束の補間(Clump Interpolation)が 0.0 より高い場合は、ヘアの束のヘアがヘアの束の境界からはみ出しているかもしれません。

これは好ましくないヘアの衝突を引き起こす可能性があります。衝突は束の補間範囲内ではなく、オリジナルのヘアの束の境界内でのみ発生します。

補間範囲(Interpolation Range)

この値は、補間可能な束同士の距離を決定します。補間範囲(Interpolation Range)は、現在のヘア システムの束の幅(Clump Width)で乗算し、束の補間に含めることができる束同士の最大距離を決定します。

たとえば、補間範囲(Interpolation Range) 8 は、ヘア ソリューションが束の幅(Clump Width)の値の 8 倍の距離内にある束を探すよう指定します。この範囲外にあるヘアの束はいずれも束の補間には含まれません。

これは、毛根をより自然に見せるためにヘアの束の幅を変えたい場合に便利です。補間範囲の既定は 8.0 です。

衝突(Collisions)

衝突(Collide)

これをオンにすると、nHair オブジェクトは同じ Maya Nucleus ソルバを共有する他の nHair オブジェクトを含む Nucleus オブジェクトと衝突します。これをオフにすると、nHair オブジェクトは他の Nucleus オブジェクトと衝突しません。

自己衝突(Self Collide)

これをオンにすると、ヘア オブジェクトによって生成されたダイナミック ヘアが相互に衝突します。オフにすると衝突しません。

衝突フラグ(Collision Flag)

どの nHair オブジェクトのコンポーネントを衝突させるかを指定します。

頂点

nHair オブジェクトの頂点が衝突します。nHair 頂点を囲む衝突球で衝突が起こります。

エッジ(Edge)

nHair オブジェクトのエッジが衝突します。nHair エッジを囲む衝突円柱で衝突が起こります。

自己衝突フラグ(Self Collision Flag)

どの nHair オブジェクトのコンポーネントを自己衝突させるかを指定します。

頂点

nHair オブジェクトの頂点が衝突します。nHair 頂点を囲む衝突球で衝突が起こります。

エッジ(Edge)

nHair オブジェクトのエッジが衝突します。nHair エッジを囲む衝突円柱で衝突が起こります。

衝突の強さ(Collide Strength)

nHair オブジェクトと他の Nucleus オブジェクトとの衝突の強さを指定します。既定値の 1 では、オブジェクトがそれ自体またはその他の nucleus オブジェクトと完全に衝突します。衝突の強さ(Collide Strength)が 0 ~ 1 の値のとき完全な衝突状態が緩和され、0 の値のときオブジェクトの衝突がオフになります(オブジェクトの衝突アトリビュートをオフにすることと同じです)。

衝突の間にヘアがトラップされた場合、衝突の強さ(Collide Strength)を下げると、シミュレーションをより安定させ、良好な結果が得られることがあります。

衝突レイヤ(Collision Layer)

現在選択されている nHair オブジェクトを特定の衝突レイヤに割り当てます。衝突レイヤ(Collision Layer)は、同じ Maya Nucleus ソルバを共有する Nucleus オブジェクトが相互作用する方法を定義します。

同じ衝突レイヤ上にある Nucleus オブジェクトは正常に衝突します。ただし nucleus オブジェクトが異なるレイヤにある場合、小さい値のレイヤにあるオブジェクトは大きい値のレイヤのオブジェクトよりも優先順位が高くなります。つまり衝突レイヤ 0.0 上の Nucleus オブジェクトは衝突レイヤ 1.0 上のオブジェクトを押し込み、順に衝突レイヤ 2.0 上のオブジェクトを押し込みます。この衝突優先順位は、nucleus ノード上の衝突レイヤ範囲(Collision Layer Range)アトリビュートで設定した範囲内で発生します。

2 つのオブジェクトの衝突レイヤの論理差が 1.0 以上である場合は、下位レイヤは上位レイヤに相対してリジッドになります。衝突レイヤの論理差が 1 未満の場合は、相対的な押し込み(または質量)がより同等になります。

注:

衝突レイヤ内の他の nucleus オブジェクトは、同じ衝突レイヤまたはより高い値のレイヤにある nHair オブジェクトのみと衝突します。

nClothShape ノードの衝突レイヤアトリビュートも参照してください。

自己衝突最大反復回数(Max Self Collide Iterations)

現在のヘア オブジェクトの自己衝突(ダイナミック カーブ間)に対して、シミュレーション ステップごとの反復の最大回数を指定します。自己衝突最大反復回数(Max Self Collide Iterations)を使用して反復回数をクランプし、高レベルのプロパティ値や多数のステップによって nHair オブジェクトがロックされることを防止します。

衝突の幅のオフセット(Collide Width Offset)

衝突を解決する前に束の幅(Clump Width)に追加する値を指定します。この値は 束の幅(Clump Width)を基準にしています。

パッシブ ヘアがアクティブの束の境界の外へ移動するときに、相互貫通を解決し、髪の動作を修正するには、衝突の幅のオフセット(Collide Width Offset)を使用します。ヘアがオブジェクトから離れすぎて衝突する場合には、負の値を使用して束の相互間の貫通を許可します。

自己衝突の幅スケール(Self Collide Width Scale)

自己衝突に対してヘアおよび束の厚みをスケールできるようにします。2.0 に設定すると、ヘアは自己衝突において、他の Nucleus オブジェクトとの衝突の 2 倍の幅になります。

ソルバ表示(Solver Display)

シーン ビューに表示させる、現在選択されている nHAir システムの Maya Nucleus ソルバ情報を指定します。ソルバ表示(Solver Display)を使用して、ヘア シミュレーションに関する問題の診断やトラブルシューティングをより分かりやすくすることができます。

オフ(Off)

シーン ビューに Maya Nucleus ソルバ情報が表示されません。

衝突の厚み(Collision Thickness)

これをオンにすると、シーン ビューに現在選択されている nHair システムの衝突ボリュームが表示されます。衝突の厚み(Collision Thickness)は、個々のヘアの束の厚みを視覚化し、他の Nucleus オブジェクトとのヘア衝突を調整するのに役立ちます。現在選択されている nHair の衝突ボリュームの外観は、その衝突フラグ(Collision Flag)で定義します。詳細については、衝突フラグ(Collision Flag)を参照してください。

自己衝突の厚み(Self Collision Thickness)

これをオンにすると、シーン ビューに現在選択されている nHair システムの自己衝突ボリュームが表示されます。自己衝突の厚み(Self Collision Thickness)は、ヘアの束の自己衝突の厚みを視覚化し、nHair 自己衝突を調整するのに役立ちます。

バウンス(Bounce)

各ダイナミック ヘアの自己衝突の張りまたは弾みを指定します。

摩擦(Friction)

nHair オブジェクトの摩擦の量を指定します。摩擦(Friction)を使用して、同じ Maya Nucleus ソルバを共有する他の Nucleus オブジェクトと、それ自体との衝突で、ヘアが相対モーションに抵抗する度合いを定義します。

摩擦(Friction)の効果は、ヘア オブジェクトの スティッキネス(Stickiness)値の影響を受けます。

スティッキネス(Stickiness)

スティッキネス(Stickiness)は、衝突の間の互いのまたは他の Nucleus オブジェクトへの、ヘア スティックの傾向を指定します。

スティッキネス(Stickiness)および摩擦(Friction)の追加情報については、nClothShape ノード摩擦(Friction)およびスティッキネス(Stickiness)アトリビュートを参照してください。

静電気によるまとわりつき(Static Cling)

自己衝突(Self Collide)がオンのとき、静電気によるまとわりつき(Static Cling)は、自己衝突ヘア間のローカルの引き付けの量を指定します。これは静電気によるまとわりつきの効果をシミュレートし、ヘアにさらに摩擦を作ります。

静電気によるまとわりつき(Static Cling)を使用してヘア質量のモーションをダンピングし、大量のヘアの自然なモーションを実現できます。静電気によるまとわりつき(Static Cling)の負の値は、ヘアを互いに反発させます。

衝突の幅の描画(Draw Collide Width)

オンのとき、各ヘアの束の周りに円が描かれ、衝突に使用される幅が示されます。

幅の描画のスキップ(Width Draw Skip)

衝突の幅の描画(Draw Collide Width)の描画の精度を調整します。値 0 では、各セグメントに対して円が描かれます。幅の描画のスキップ(Width Draw Skip)を増やすと、描画される円の数が少なくなります。

ダイナミック プロパティ(Dynamic Properties)

伸長なし(No Stretch)

オンにすると、出力されるヘア カーブの長さは、開始時のヘア カーブの長さに固定されます。伸長なしは出力されるヘア カーブの長さを一定に保ち、伸長されるのを防ぎます。これにより、ヘア ソルバの反復回数を増やさないで、リアルで柔軟性のある、伸長されないヘアを作成できます。

伸長なしを使用すると、ヘア カーブは毛根ベースで常にコンストレイントされます。伸長なしの既定はオフです。

開始フレーム(Start Frame)

このフレームの後でシミュレーションが実行されます。このオブジェクトの開始フレームより前のものは何も再生されません。

現在のタイム(Current Time)

ヘア ソリューションに使用される現在のタイムです。既定では、メインの時間ノードからの入力接続が指定されます。これは、式やパラメータ カーブなどからの他の接続に置き換えることができ、その場合、その時間値がベースになります。ヘア システム(Hair System)オブジェクトを再生するには、何らかの入力接続が必要です。

伸長の抵抗(Stretch Resistance)

ヘアが張力を受けている場合に、伸長に抵抗する量を指定します。値が大きいとさらに多くの計算が必要になり、シミュレーションの時間が長くなります。ソルバサブステップ(Substeps)を増やすと伸長が少なくなることがあります。

圧縮の抵抗(Compression Resistance)

ヘアがセグメントに沿った圧縮に抵抗する量を指定します。

ベンドの抵抗(Bend Resistance)

ヘアが張力を受けている場合に、ベンドに抵抗する量を指定します。値が大きいとさらに多くの計算が必要になり、シミュレーションの時間が長くなります。

ツイストの抵抗(Twist Resistance)

ヘアが長さに沿ってダイナミックにツイストできる量を指定します。ツイストの抵抗(Twist Resistance)のエフェクトは、ヘア レストのシェイプがストレートではないときに顕著になります。ツイストの抵抗(Twist Resistance)を大きくすると、レストのシェイプを保つことができます。

追加ベンド リンク(Extra Bend Links)

互いに最も近くはない、または近接するヘア同士ではないヘアの頂点間にベンドのリンクを追加します。これらのリンクは、多くの頂点を持つヘアのベンドおよびツイストの抵抗に役立ちます。追加ベンド リンク(Extra Bend Links)は、ヘアが小さいスケールよりも大きいスケールで固くなる、不自然に見えるヘア エフェクトを作成することがあります。

レスト長のスケール(Rest Length Scale)

ヘアがレスト位置で膨張または収縮できるヘアのレスト長の乗数を指定します。シミュレーション開始時の突然のスナップを避けるには、レスト長のスケール(Rest Length Scale)の値を 1.0 にして第 1 フレームにキーを作成します。次に続くキー フレームでこの値を徐々に上げるか下げていきます。

伸長がありません(ポストをクリップして長さを解決) (No Stretch (clip post solve length))

オンにすると、出力されるヘア カーブの長さは、開始時のヘア カーブの長さに固定されます。これは出力されるヘア カーブの長さを一定に保ち、伸長されるのを防ぎます。伸長がありません(ポストをクリップして長さを解決) (No Stretch (clip post solve length))は、Nucleus がシミュレーションを解析した後、ヘア システムに適用されます。

固さのスケール(Stiffness Scale)

固さのスケールは、ヘアの根元から先端までの剛性に影響します。グラフの左側が根元、右側が先端にあたります。一般的にヘアは根元が厚いため、先端よりも硬くなります。このアトリビュートは、固さ(Stiffness)パラメータの値に掛けられるので、値が 1.0 の場合固さ(Stiffness)は変更されませんが、固さ(Stiffness)アトリビュートが 0 の場合このパラメータには効果がありません。

開始カーブに引き付け(Start Curve Attract)

開始カーブに引き付け(Start Curve Attract)

現在のヘアの位置を(変形する)開始位置へ引き付ける量を決定します。このアトリビュートは、たとえば、硬めのヘアやキャラクタとともに動くヘアの場合など、多くのヘア ワークフローで役立ちます。さらに、キーフレームを設定されたアニメーションを開始カーブに配置する場合、開始カーブに引き付けアトリビュートを使用して、シミュレーションと開始カーブ アニメーションをブレンドすることができます。

流れるような長いヘアの場合には、通常、開始カーブに引き付けの値はゼロのままにします。ただし、短いヘアの場合は、ヘアの十分な剛性を保つことが困難になる場合があります。ヘアの剛性を非常に大きくして、同時に、いくつかのダイナミックなプロパティを持たせる必要がある場合、ゼロより大きい値を使用します。1.0 の値のとき、ヘア位置はカーブ開始位置です(トランスフォームされる毛根からの相対位置になります)。衝突およびフォースだけは、ヘアを偏向させます。開始カーブに引き付けがない場合、非常に大きい反復回数とダンプの値が必要です(特に、ヘアごとの CV の数が多いとき)。

開始カーブに引き付けの値を 1.0 に設定すると、カーブ開始位置への引き付けが 100% です。固さのスケール(Stiffness Scale)アトリビュートを使用して、カーブのどの部分をカーブ開始位置に引き付けるかを制御することができます。カーブ開始位置をアニメートしたとき、シミュレーション方法(Simulation Method)スタティック(Static)に設定したときと類似した動作が生成される場合があります。ただし、ダイナミック フィールドは、依然として、ソルブの上に追加されたままになります。

ヒント:ヘアの硬さを表現するのに開始カーブに引き付けアトリビュートを使用すると、多くの場合レスト カーブを作成する必要がありません。

衝突するヘアの場合、ダンプアトリビュートを使用せず、反復(Iteration)の値を 1 に設定しても、このアトリビュートは余分なヘアの動きを抑制することができます。

速度の継承(Inherit Velocity)が 1 に設定されたドラッグ フィールド(フィールド > ドラッグ(Fields > Drag)を参照)を頭部のペアレントにし、ヘアに適用することができます。ドラッグの値が大きければ、ヘアは正確に頭部とともに動きます。求める効果にもよりますが、多くの面で、この効果は開始カーブに引き付けアトリビュートより優れています。

引き付けのダンプ(Attraction Damp)

開始カーブに引き付けのエフェクトをダンプし、ヘアをカーブの開始位置の方に移動させて、ヘアの速度を遅くします。これは、ヘアの弾力性(開始カーブに引き付けの値が高い場合に発生)を小さくしたい場合や、アニメートされたヘアの頂点にダイナミック フィールドを適用したい場合に便利です。引き付けのダンプを 1 にすると、開始カーブの方に移動するヘアの動きは完全にダンプされ、開始位置(Start Positions)とフィールド フォースだけをそのままにして、後から任意でその動きにインフルエンスを及ぼせるようにします。

引き付けスケール(Attraction Scale)

引き付けスケール(Attraction Scale)ランプは、ヘア システムの束の長さに従って、開始カーブに引き付け(Start Curve Attract)アトリビュート値を減衰させます。

ランプ グラフを使用して、ヘア システムの束に対し、毛の根元から毛先まで変化する毛の固さを定義できます。ランプ グラフの左側は、ヘア システム内のヘアの束の根毛を、右側は毛先を表します。たとえば、ヘアの束の根毛を毛先よりも柔らかくするには、ランプ グラフの右側の値を左側の値よりも小さくします。

引き付けスケール(Attraction Scale)ランプ値は、ヘア システムの開始カーブに引き付け(Start Curve Attract)アトリビュート値の乗数です。したがって、引き付けスケール(Attraction Scale)が 1.0 の場合、開始カーブに引き付け(Start Curve Attract)の値は変わりません。また、値が 0.0 の開始カーブに引き付け(Start Curve Attract)は、引き付けスケール(Attraction Scale)による影響を受けません。

選択した位置(Selected Position)

これは、引き付けスケール(Attraction Scale)グラフで選択されたポイントに対する現在のヘア システムのヘアの束上の位置です。X 軸のポイントの位置によっても示されます。

選択した値(Selected Value)

これは、現在のヘア システムにあるヘアの束に対応する引き付けスケール(Attraction Scale)グラフで選択した位置(Selected Position)と関連付けられているスケール値です。Y 軸のポイントの位置によっても示されます。

補間(Interpolation)

現在のヘア システムにあるヘア カーブの値をスムーズにするために使用される数学的方法を定義します。ランプの補間(Interpolation)は、中間値の計算方法を制御します。

なし(None)

補間は行われません。最終的なテクスチャには、さまざまなカラーが異なるバンドとして表示されます。

リニア(Linear)

値は RGB カラー スペースでリニアに補間されます。

スムーズ(Smooth)

値はベル カーブに沿って補間されます。ランプの各カラーが周囲の領域に適用され、それから隣の色とすばやくブレンドされます。

スプライン(Spline)

さらに平滑性を高めるために隣接するインデックスを考慮しながら、値がスプライン カーブで補間されます。

フォース(Forces)

質量(Mass)

シミュレートされたヘアの頂点の質量を設定します。質量(Mass)はヘアが他の Nucleus オブジェクトとどのように衝突するかに影響し、ドラッグ(Drag)に影響を与えます。質量(Mass)が高いヘアは、低いドラッグ(Drag)値が使用される場合、チェーンのように動作します。この場合、ヘアは空気よりもはるかに質量が多くなります。

ドラッグ(Drag)

これは、シミュレーションを安定させるのに役立つだけではなく、空気摩擦をシミュレートします。ドラッグ(Drag)の値が 1.0 のとき、ヘアは慣性のモーションやフォロースルーがないように動作するため、粘度が高い液体の中にあるかのように動きます。

接線のドラッグ(Tangential Drag)

ヘアの方向に沿ってドラッグする量を指定します。0 に設定すると、ヘアは接線方向またはシェイプの方向に沿った移動において抵抗がなくなります。接線のドラッグ(Tangential Drag)を 1 に設定すると、ドラッグ(Drag)はすべての方向に均一になります。ドラッグ(Drag)のレベルが高く、接線のドラッグ(Tangential Drag)が低い場合、ヘアは水中を移動する蛇のような揺らぎモーションの動きをします。

モーション ドラッグ(Motion Drag)

毛根の動きに相対的なヘア カーブの動きをダンプします。モーション ドラッグの値は、ヘア カーブが毛根に合わせて動く量、またヘアのシェイプが他のフォースに影響される程度を決定します。これにより、反復回数を増やさなくても、ボビングやウィグルのようなヘアの余分な動きをダンプすることができます。

たとえば、モーション ドラッグを 1.0 に設定すると、ヘアは毛根に合わせて動くので、周囲の大気をそれに合わせてドラッグしているように見えます。

固さのスケール アトリビュートを使用してモーション ドラッグのエフェクトに影響を及ぼすこともできます。たとえば、固さのスケール ランプ ドロップオフを使用して、ヘアの先端よりも根元の方にモーション ドラッグを作成することができます。モーション ドラッグの既定値は 0.0 です。

注:

モーション ドラッグはヘアの衝突を妨げません。

ダンプ(Damp)

ヘアのベンドおよび伸長の方法に影響する個々のヘアの相対的シェイプの変化をダンピングします。

伸長のダンプ(Stretch Damp)

ヘア カーブ頂点間の伸長による速度がどのくらいダンピングされるかを指定します。伸長のダンプ(Stretch Damp)を大きくすると、ヘアは弾まずに伸長できます。

ダイナミクス ウェイト(Dynamics Weight)

ヘア モーションで機能するフォースのエフェクトに対するスケール係数。

ソルバの重力を無視(Ignore Solver Gravity)

これをオンにすると、現在選択されているヘア オブジェクトのソルバの重力(Gravity)が無効になります。

ソルバの風を無視(Ignore Solver Wind)

これをオンにすると、現在選択されているヘア オブジェクトのソルバの風(Wind)が無効になります。

乱気流(Turbulence)

このセクションには、ヘア システムの乱気流プロパティを制御するアトリビュートが含まれます。

強度(Intensity)

この値を大きくすると、乱気流によって適用されるフォースの量が大きくなります。

周波数(Frequency)

この値を小さくすると、乱気流の渦巻きが大きくなります。これは、乱気流関数の特別なスケール係数で、乱気流の強さが 0 の場合は無効です。

スピード(Speed)

乱気流のパターンが時間の経過とともに変化する速度です。

キャッシング(Caching)

現在選択されている nHair オブジェクトを nCache するときに、サーバまたはローカル ハード ディスクに保存するシミュレーション データを指定します。

キャッシュ可能なアトリビュート(Cacheable Attributes)

位置(Position)

ヘア カーブ CV の X、Y、Z の位置をキャッシュします。

位置と速度(Position and Velocity)

ヘア カーブ CV の X、Y、Z の位置とオブジェクトの速度をキャッシュします。

ダイナミック状態(Dynamic State)

ヘア カーブ CV の X、Y、Z の位置、オブジェクトの速度、内部状態情報をキャッシュします。

シェーディング(Shading)

このセクションには、ヘアのシェーディングやカラーを制御するアトリビュートが含まれます。

ヘア カラー(Hair Color)

ヘアのベース カラーです。使用される最終的なカラーは、ヘア カラー スケール(Hair Color Scale)とランダム化パラメータの適用後に定義されます。また、ヘアの束によってヘア カラーがオーバーライドされる場合があります。

このアトリビュートの隣にある、ヘア カラー マップ ボタンを使用してテクスチャをヘアのカラーにマッピングし、異なるヘア シェーディング外観を作成します。たとえば、下のイメージは、白黒のチェッカ テクスチャをヘア カラー アトリビュートにマッピングした例です。

ヘア カラー スケール(Hair Color Scale)

ヘア カラーは、ヘアの根元から先端までの全体的なカラーを定義します。グラフの左側が根元、右側が先端にあたります。

高度なランプ機能があります。詳細については、次のトピックを参照してください。

ディスプレイスメント(Displacements)

このセクションには、ヘアのディスプレイスメント プロパティを制御するアトリビュートが含まれます。

カール(Curl)

各ヘアに適用されるカールのディスプレイスメント量です。ディスプレイスメントの量は、ヘアの幅に比例します。束のカール(Clump Curl)は束の中心に大きなカールを作成しますが、このアトリビュートは個々のヘアの方向にカールを作成します。

カールの頻度(Curl Frequency)

カールの割合です。この値が大きいとカールの量も多くなります。ディスプレイスメントの量は、ヘアの幅に比例します。

ノイズ方法(Noise Method)

ランダム(Random)は縮れたチリチリのヘアに適しており、その他のよりスムーズなノイズ方法は、自然なシェイプとヘアの束(Hair Clump)の基礎構造を提供することができます。

ランダム(Random)

隣接したヘアに関係しない、各ヘアの小刻みな揺れ(wiggle)としてノイズを定義します。

サーフェス UV (Surface UV)

ノイズ ディスプレイスメントを容量で定義し、サーフェス全体にわたるヘアの UV 分布に対する相対量です。ノイズは、サーフェスに関する U、V のスケールと、ヘアの長さだけマッピングされる 3 番目の次元(W)を持つ 3D 空間領域です。

束の UV (Clump UV)

束と相関するノイズを定義します。隣接する束は完全に独立したノイズを持ちます。ノイズの周波数は、サーフェスの密度パラメータによって影響を受けません。

ノイズ(Noise)

ヘアの Perlin ノイズ ディスプレイスメントの量です。ディスプレイスメントの量は、ヘアの幅に比例します。これにより、結び目のあるちりちりの髪を作成できます。

ノイズの詳細(Detail Noise)

スムーズな(サーフェス UV (Surface UV)束の UV (Clump UV))ノイズ方法(Noise Methods)を使用する場合に追加される二次的な高周波ノイズの量です。このオプションにより、ベース ノイズのスムーズな波形の上に微妙なディテールを加えることができます。この値がゼロでない場合、第 2 ノイズのオフセット計算が実行されるため、ディテール ノイズがないスムーズなノイズよりヘアの計算に時間がかかる場合があります。

ノイズ周波数(Noise Frequency)

ヘアに沿ったノイズ オフセットの空間スケールです。この値を大きくすると、細かくちぢれたヘアになります。

ノイズ周波数 U (Noise Frequency U)

スムーズな(サーフェス UV (Surface UV)束の UV (Clump UV))ノイズ方法(Noise Methods)が使用されるとき、このアトリビュートは、ヘアがアタッチされているサーフェスの U パラメータ方向のノイズ周波数をスケールします。

ノイズ周波数 V (Noise Frequency V)

スムーズな(サーフェス UV (Surface UV)束の UV (Clump UV))ノイズ方法(Noise Methods)が使用されるとき、このアトリビュートは、ヘアがアタッチされているサーフェスの V パラメータ方向のノイズ周波数をスケールします。

ノイズ周波数 W (Noise Frequency W)

スムーズな(サーフェス UV (Surface UV)束の UV (Clump UV))ノイズ方法(Noise Methods)が使用されるとき、このアトリビュートは、ヘアの長さに沿ってノイズ周波数をスケールします。

サブ束方法(Sub Clump Method)

UV でのサブ束(Sub Clump)の定義方法を決定します。

サーフェス UV (Surface UV)

サブ束が、サーフェス UV 空間全体を基準にしてレイアウトされます。このため、毛根の中には、隣接する毛根と束を共有する毛根が発生します。サブ束の密度は、ヘア システムをアタッチするサーフェスの密度パラメータによって影響を受けます。サーフェス全体に渡る束の合計数は、U 束の数(Num UClumps)V 束の数(Num VClumps)の積です。

束の UV (Clump UV)

各束のサブ束の数は、U 束の数(Num UClumps)V 束の数(Num VClumps)の積です。すべての毛根は、束の幅に関わりなく、同一の数のサブ束を持ち、サブ束の幅は束の幅によって決まります。サーフェス UV (Surface UV)の場合、束が小さければ小さいほどサブ束の数が少なくなり、束の幅はサーフェスの密度パラメータによって決まります。

サブ束(Sub Clumping)

第 2 の束がまとまる量です。サブ束(Sub Clumping)は、濡れた見た目に適しています。これらの束は、ヘアがアタッチされているサーフェスの UV 空間を基準にしたグリッドで定義されます。

サブ束のランダム偏差(Sub Clump Rand)

ノイズ機能を使用して、サブ束をランダム化します。大きい値を設定すると、束は不規則なシェイプに変形されます。

U 束の数(Num UClumps)

ヘア システムをアタッチするサーフェスの U 次元のサブ束数です。

V 束の数(Num VClumps)

ヘア システムをアタッチするサーフェスの V 次元のサブ束数です。

ディスプレイスメント スケール(Displacement Scale)

ランプ(グラフ)を使用して、カール(Curl)ノイズ(Noise)サブ束(Sub Clumping)を変化させることで、ヘアの束(hair clump)の根元から先までの変形具合の程度を変化させることができます。

グラフの左側が根元、右側が先端にあたります。左側がゼロの場合、効果は漸増的に加えられます(ヘアの根元の位置は変わりません)。

マルチストリーク数(Multi Streaks)

このセクションには、ペイント エフェクト ストロークのマルチストリーク数シェーディングを制御するアトリビュートが含まれます。これらのアトリビュートが適用されるのは、ヘアの出力にペイント エフェクト(Paint Effects)が含まれる場合だけです(サーフェス上での独自のヘアの作成を参照)。

マルチストリーク数(Multi Streaks)

マルチストリーク数は、束のヘアそれぞれに追加されるサブ ヘアの数です。これらのヘアは、派生元のベース ヘアと同じシェイプとシェーディングになります。これらはレンダー時に作成される単純な複製なので、シェイプのための計算は必要ありません。これにより、大量の(ペイント エフェクト)チューブがある場合でも、妥当な時間でレンダーすることができます。

マルチストリークのスプレッド 1 (Multi Streak Spread1)

ヘアの束の幅に比例した追加ヘアの最大オフセットです。

マルチストリークのスプレッド 2 (Multi Streak Spread2)

チューブの先端の束の幅に比例した追加チューブの最大オフセットです。

各ヘアのライティング(Light Each Hair)

マルチストリーク(Multi Streak)の各ヘアの輝度を同じにすると、レンダリング時間をかなり速めることができます。マルチストリークの広がりが比較的大きい場合や、マルチストリーク グループ内のヘア同士のセルフ シャドウイングが必要な場合は、各ヘアのライティングをオンにしてください。またこのアトリビュートをオンにすると、動くハード エッジのシャドウがあるような場合に、突然動くようなアーティファクトを抑えることができます。

レンダリング詳細(Render Stats)

このセクションには、ヘアの反射方法および他のオブジェクトでの屈折方法を制御するアトリビュートが含まれています。これらは、mental ray レンダラにのみ適用されます。

シャドウの受像(mental ray) (Receive Shadows (mental ray))

ファー上にシャドウが投影されるようにします。mental ray for Maya レンダラで使用時にのみ有効となります。

反射に現れる(mental ray) (Visible in Reflections (mental ray))

オンに設定すると、ファーが反射面に映ります。mental ray for Maya レンダラで使用時にのみ有効となります。

屈折に現れる(mental ray) (Visible in Refractions (mental ray))

オンに設定すると、ファーが透明なサーフェスで屈折します。mental ray for Maya レンダラで使用時にのみ有効となります。