流体エフェクト
 
 
 

液体アトリビュート

液体(Liquids)アトリビュートが多数追加され、リアルな液体のような外観と動作の流体エフェクトを生成できるようになりました。

新しいアトリビュートには以下があります。

 

液体の方法(Liquid Method)

新しい流体シミュレーション方法により、エフェクトに最適のソルバを選択できます。液体シミュレーションの有効化(Enable Liquid Simulation)をオンにすると、液体の方法液体と空気(Liquid and Air)密度ベースの質量(Density Based Mass)のどちらかを選択できます。

液体の最小密度(Liquid Min Density)

 

液体と空気(Liquid and Air)シミュレーション方法を使用しているときに、ソルバが液体と大気を区別する基準となる密度の値を指定します。液体の密度は圧縮できない流体として計算されますが、大気は完全に圧縮できるものとして計算されます。

液体ミストの落下(Liquid Mist Fall)

 

液体の最小密度(Liquid Min Density)アトリビュートで指定された値よりも低い密度を持つ液体の領域に下向きのフォースを適用します。液体ミストの落下を 0 に設定すると、フォースは適用されません。アトリビュート値を大きくすると、下向きのフォースも強くなります。

質量範囲(Mass Range)

 

密度ベースの質量(Density Based Mass)シミュレーション方法を使用しているときの質量と流体密度の関係を定義します。質量範囲の値が大きい場合、流体内の密度の高い領域が空の領域よりも重くなり、これにより大気と水に似た関係がシミュレートされます。

張力フォース(Tension Force)

 

フォースを適用し、グリッド内の密度に基づいた表面張力をシミュレートします。張力フォース密度の張力(Density Tension)に類似していますが、密度の値を変更するのではなく、流体に少量の速度を加えることで推進力を変更します。

張力フォース密度の張力を使用して、液体のリアルな表面張力を表現するエフェクトを作成できます。

密度の張力(Density Tension)

 

密度の範囲をスムースな丸みのある形状にし、温度の境界線を、流体内でより明確にします。密度の張力を使用すると、液体の表面張力に似たエフェクトを作成できます。

密度圧力(Density Pressure)密度圧力のしきい値(Density Pressure Threshold)

 

前方への移流(Forward Advection)により流体の密度、特にコンテナの境界に沿って適用される圧縮作用を無効にするために、外方向へのフォースを適用します。この方法では、アトリビュートは密度の損失を起こさずに全体的な流体のボリュームを保存しようとします。たとえば、貯水槽のシミュレーションでは、十分な密度圧力(Density Pressure)がなければ、流体は崩壊または流れ出ているように見える可能性があります。

密度圧力のしきい値(Density Pressure Threshold)はボクセル単位で密度圧力(Density Pressure)が適用される密度の値を指定します。密度圧力のしきい値よりも密度が低いボクセルには、密度圧力は適用されません。

密度圧力密度圧力のしきい値は、液体シミュレーションの有効化(Enable Liquid Simulation)がオフの場合のデフォルトの流体ソルバ方法と併用できます。

流体の出力メッシュ(Output Mesh)パフォーマンスの向上と機能追加

Maya 2012 では、出力メッシュのパフォーマンスが向上し、新たなアトリビュートが追加されました。

 

メッシュ方法(Mesh Method)

メッシュ方法(Mesh Method)を使用して、流体出力メッシュの生成に使用するポリゴン メッシュのタイプを選択できるようになりました。

メッシュのスムージング反復(Mesh Smoothing Iterations)

出力メッシュにスムージング反復を適用して、サーフェスの質と均一度を上げることができます。

流体出力メッシュのパフォーマンスの向上

Maya 2012 では、流体オブジェクトをポリゴン メッシュに変換するときのパフォーマンスが向上しました。この向上はメッシュ方法(Mesh Method)三角メッシュ(Triangle Mesh)または四角メッシュ(Quad Mesh)のときに最も顕著です。

空気/燃焼比(Air/Fuel Ratio)

 

設定されたボリュームの燃料を完全に燃焼させるために必要な空気の量を設定します。たとえば、ガソリンを燃やすには、燃料の 15 倍の空気が必要です。ガソリンの火をシミュレートするには、空気/燃焼比(Air/Fuel Ratio)を 15 に設定します。

空気/燃焼比は、コンテンツの詳細(Contents Details)アトリビュートの燃料(Fuel)セクションにあります。

圧力(Pressure)圧力のしきい値(Pressure Threshold)

気体の温度効果をシミュレートする温度(Temperature)グリッドに、新しい圧力(Pressure)アトリビュートが追加されています。圧力アトリビュートは、気体が熱せられ急激に膨張した場合の圧力の増加をシミュレートします。

圧力のしきい値(Pressure Threshold)は、圧力がボクセル単位で適用される場合の温度の値を指定します。圧力のしきい値よりも温度が低いボクセルには、圧力は適用されません。

圧力圧力のしきい値は、コンテンツの詳細(Contents Details)温度(Temperature)セクションにあります。

サイズ自動変更のマージン(Auto Resize Margin)

サイズ自動変更のマージン(Auto Resize Margin)は、流体コンテナの境界と、流体内の一定以上の密度の領域の間に追加される空のボクセルの数を指定します。サイズ自動変更のマージンにより、流体はサイズが自動的に変更される境界線付近で、より自然に流れるようになります。密度が低く高速で移動する流体に使用すると便利です。

サブステップでの自動サイズ変更

新しいサブステップでのサイズ変更(Resize In Substeps)アトリビュートを使用すると、流体コンテナをサブステップごとにサイズ変更できます。旧バージョンの Maya を使用している、またはサブステップでのサイズ変更(Resize In Substeps)がオフの場合、流体はシミュレーション ステップごとに 1 ボクセルだけサイズ変更されます。サブステップでの放出(Emit In Substeps)がオンの場合、特にサブステップの数値が高い場合は、高速で移動する流体はより正確にサイズ変更されます。

サブステップでの放出(Emit In Substeps)

新しいサブステップでの放出(Emit In Substeps)アトリビュートを使用すると、流体の放出は 1 ステップに 1 回ではなく、サブステップごとに計算されます。サブステップでの放出は、爆発などの放出速度の速いエフェクトに使用すると便利です。

流体の再生品質の向上

流体のインタラクティブな描画が向上し、流体エフェクトの再生が速くスムーズになりました。パフォーマンスの向上は、テクスチャをマップした流体エフェクトやキャッシュされた流体エフェクトの再生時に特に顕著です。また、インタラクティブな描画が向上したことにより、特に、エフェクトで内部ライトを使用している(実際のライト(Real Lights)がオフの)場合、流体コンテナのリアルタイム操作(タンブル、ドリー、回転)も速くなりました。