Showcase では、ハードウェア レンダリング モード(上の左側のイメージ)またはレイ トレース レンダリング モード(上の右側)でシーンを表示できます。ハードウェア レンダリングは、すべてのシーンの既定の表示方式です。各レンダリング モードは、特性や利点がそれぞれ異なっていますが、使用するモードにかかわらず、データの準備、プレゼンテーション、出力のワークフローおよびツールはすべて同じです。ハードウェア
レンダリング モードとレイ トレース レンダリング モードの切り替えは簡単ですが、シーンの外観では各モードの制限が維持されます。
[R]を押すことで、いつでもレイ トレーシングを有効にすることができます。ハードウェア レンダリングに戻す(シャドウとアンビエント シャドウの両方をオンにする)には、[D]を押します。レンダリング モードの切り替えの詳細については、「表示スタイルを切り替える」を参照してください。
ハードウェア レンダリングについて
ハードウェア レンダリングの利点:
- シーンの計算および表示に GPU (ビデオ カード)が使用されます。
- 認定ハードウェアでの応答時間(フレーム/秒)が非常に高速です。
- 応答時間が短いため、オブジェクト、マテリアル、テクスチャ、およびカメラの操作が容易です。
- 高解像度のイメージおよびムービーの出力が短時間で行えます。
ハードウェア レンダリングでは、ビデオ カードのタイプおよびメモリ サイズがパフォーマンスを左右します。
レイ トレーシングについて
レイ トレーシングでは、3D シーンにレンダリングされる各ピクセルからの "光線" をトレースすることによって非常にリアルな画像が得られます。この方法では、現実のライトと同様のバウンス、ベンドなどの視覚効果が生み出されます。Showcase のレイ
トレーシングは、視覚的にはハードウェア レンダリングに似ていますが、さまざまな新しい効果が加えられます。
レイ トレーシングの利点:
- シーンの計算および表示に CPU (コンピュータ プロセッサ)が使用されます。
- 現実的なシャドウ、透明度、および反射により非常に高品質な画像となります。
- 新たな特性や機能により環境、アクセント ライト、およびマテリアルが拡張されます。
- 操作性または最終出力品質に応じて最適化することができます。
レイ トレーシングでは、プロセッサの数と速度がパフォーマンスを左右します。
レイ トレーシングに関するその他の重要な点:
- Showcase のレイ トレーシングは、インタラクティブ(レイ トレーシングの更新中にシーンを操作できる)およびオフライン出力(シーンを任意のサイズまたは品質レベルでレンダリングして即座にディスクに書き込むことができる)で利用できます。
- インタラクティブ レイ トレーシングでは、シーンが固定されているときはいつでも、徐々に品質を向上させることができます。
- 高度なレイ トレーシング効果を選択して追加および設定するには、[パフォーマンスおよび品質]ウィンドウのプリセットを使用します。
レイ トレーシング効果のタイプ
ハードウェア レンダリングでの効果の他に、レイ トレーシングでは、イメージの品質を高める視覚効果が生み出されます。こうした効果の一部は、シーン内のマテリアルに基づきます。それ以外は、効果の表示に使用される特定のレイ トレーシング品質プリセットを必要とします。以下に、効果のいくつかをプリセット内での表示順に示します。
- レイ トレース反射と透明度: オブジェクトに、オブジェクト自体、環境、およびシーン内の他のオブジェクトが反射されます。効果はマテリアル プロパティによって制御され、[パフォーマンスおよび品質]ウィンドウの[反射および透過性]の[上限値]で、一度に表示される反射の数が設定されます。
- 屈折: 透明なマテリアルを通して見えるオブジェクトは、現実の世界のレンズや透明な媒体を通した場合と同様に、そのマテリアルの屈折率に基づいて歪曲して表示されます。効果はマテリアル プロパティで制御されます。
- 吸光度: マテリアルの透明度は、厚みに基づいてライトの吸光度をシミュレートすることによって色付けされ、奥行きが制限されます。効果はマテリアル プロパティで制御されます。
- レイ トレース シャドウ: オブジェクトに、オブジェクト自体、シーン内の他のオブジェクト、または環境の正確なシャドウを投影できます。レイ トレーシング モードでは、シーン内のアクセント ライトによってもシャドウが配置され、距離とライトのサイズに基づいてすべてのシャドウの柔らかさを変えることができます。効果は、アクセント
ライト プロパティによって制御され、レイ トレーシング品質プリセットで有効に設定されます。
- レイ トレース アンビエント シャドウ: すべてのオブジェクトに、レイ トレーサによって計算されたアンビエント シャドウ(シーンの周囲のライトによるシェーディング)を設定できます。[アンビエント シャドウの作成]と異なり、この効果は事前の計算を必要とせず、ハードウェア レンダリングでは表示されません。効果は、レイ トレーシング品質プリセットで有効に設定されます。
- グローバル イルミネーション: 他のオブジェクトや環境からの "バウンス ライト" をシミュレートしてすべてのオブジェクトのサーフェスに投影させることができます。このため、強いライトが当たっている範囲は、シーンが目に見えて明るくなります。効果は、レイ トレーシング品質プリセットで有効に設定されます。