Autodesk Showcase 2013 の新機能

2013 ファイル形式

このリリースの Showcase で保存されるファイルは、2012 リリース以降に行われた変更をサポートするように設計されています。したがって、2013 リリースでファイルを保存すると、以前のリリース(2012 を含む)では開くことができなくなります。

グラフィックスパイプライン

Showcase 2013 には、以下のメリットがある新しいグラフィックスパイプラインが取り入れられました。

より正確なグラフィックス計算(ハイダイナミックレンジ(HDR)イメージの処理など)
より正確なカラー管理(標準イメージのガンマ補正など)
レイトレーシング、環境、アクセントライティング、カメラプロパティの、一貫性の高い、物理ベースのコントロール

レイトレーシングの変更点

インタラクティブなレイトレーシング設定は、改良されたグラフィックスパイプラインを反映するように変更されました。アップデートされたプロパティコントロールを確認するには、[ファイル] > [設定] > [インタラクティブレイトレーシング]の順に選択してください。「フレームレートまたはフレーム精度に応じてレイトレーシングを最適化する」を参照してください。

ライティング環境(以前に「環境」と称されていたもの)

「ライティング環境」は、過去の Showcase リリースで「環境」と呼ばれていたものの新しい呼称です。

ライティング環境プロパティは設定が簡単であり、改良されたグラフィックスパイプラインを反映するように再編成されています。実際のライティング状況をシミュレートするトーンマッピングコントロールがいくつか追加されました(露出コントロールなど)。詳細は、「カスタム環境を作成する」を参照してください。

「LatLong」形状の HDR イメージがサポートされるようになり、イメージライティングと方向ライティングの強度を現実的な値としてスケールすることができます。Showcase は、環境ライトの強度値と、カメラプロパティトーンマッピングで使用される露出値を対応付けます。

この結果が、現実のライティングシナリオをより正確にシミュレートするシーンライティングです(屋外の日光、昼光、室内の昼光、室内の昼光と人工照明、夜間の人工照明など)。

その他の変更点は以下のとおりです。

[Environment Library]コマンドと[Environment Properties]コマンドは、[ストーリー]メニューから[外観設定]メニューに移りました。これらは、現在、[Lighting Environment Library]と[Lighting Environment Properties]という名前になっています。
ライティング環境はどれも、シーンに追加した時点ですぐに編集ができます。古いバージョンの環境を編集しようとすると、問題が発生する可能性があります。古いバージョンのシーン環境を編集可能な状態にするには、それらを削除し、シーンにもう一度追加してください。
通常、古いバージョンの Showcase からカスタム環境を作り直す必要があります。インストールされている旧バージョンのライブラリ環境は自動的に変換されます。

カメラ

このリリースでは、Showcase カメラでのトーンマッピングをサポートします。この処理は、ダイナミックレンジが限定されることが多い標準のコンピュータモニタに HDR イメージをリアルに表示できるようにするために行います。Showcase のトーンマッピングは、現実のカメラのレスポンス曲線を模倣しています。

Showcase のトーンマッピングでは、あらかじめ設定されている値を使用して露出パラメータが設定されますが、必要に応じてそれらを変更できます。

新しいカメラコントロールを表示するには、[表示] > [カメラプロパティ]を選択します。詳細は、「カメラプロパティを調整する」を参照してください。

マテリアル表示

[マテリアルプロパティ]ウィンドウは、新しいグラフィックスパイプラインを反映するように、コントロールの変更、削除、または追加が行われました。コントロールの大部分は簡略化されましたが、以前のリリースと同等か、以前のリリースを凌ぐ結果となりました。

Showcase マテリアルは、これらの変更の恩恵を受けるように更新されました。環境間でのマテリアルの一貫性が向上しました。

変更された[マテリアルプロパティ]ウィンドウを表示するには、マテリアルを選択し、[Ctrl]+[M]を押します。詳細は、「マテリアルプロパティパラメータ」を参照してください。

相互運用性

複数の Inventor 拘束の読み込みのサポート。
AutoCAD 外部参照(xrefs)のサポート。
AutoCAD オブジェクトイネーブラのサポート。AutoCAD Architecture と AutoCAD MEP でオブジェクトイネーブラを使用して作成したオブジェクトを読み込むことができるようになりました。
色を「オブジェクト別」に設定した AutoCAD からのマテリアル読み込みのサポート。これは、Showcase への読み込み時に Autodesk マテリアルにレイヤ色を適用できることを意味します。
AutoCAD ビューのサポート。

このリリースでは、他の Autodesk 製品(AutoCAD、Inventor、Revit など)からのワンクリックワークフローを受け付けるようになりました。これらの製品のアプリケーションメニューから、[スイートワークフロー]をクリックしてください。詳細については、これらの製品のヘルプを参照してください。

パフォーマンス

このリリースでは以下の機能のパフォーマンスが向上しました。
- アニメーション
- ファイルの読み込み、ロード、および保存
WARP を介して Intel 集積グラフィックスカードをサポート。ハードウェアレンダリングが、ハードウェアエミュレーションモードで行われます。

タスク UI

タスク UI は、既定で Showcase ビューポートの下部に表示される一式のコントロールです。

これらのコントロールを使用し、Showcase のほとんどの重要機能に簡単にアクセスできます。これらのコントロールの機能を確認するには、マウスポインタをそれぞれの上に合わせます。特定のコントロールの関連オプションを開くには、そのコントロールをクリックします。

以下に、[表示スタイル]コントロールをクリックしたときにタスク UI がどのように表示されるかを示します。

表示スタイル間の移動は左右にスクロールします。特定の表示スタイルを適用するにはそのスタイルをクリックします。クラシックタイプの表示スタイルインタフェースを表示するには、右側の[ライブラリ]をクリックします。

詳細は、「Showcase タスク UI を使用する」を参照してください。

公開(書き出し)

Autodesk 360 を使用し、コンテンツをクラウドに公開できるようになりました。詳細については、「クラウドに公開する」を参照してください。

シーンをイメージ、ムービー、YouTube ムービー、およびプレゼンテーションに保存するための複数のコントロールが、1 つのウィンドウに統合されました。このウィンドウを表示するには、[ファイル] > [公開する] [出力タイプ] を選択します。詳細は、「シーンを異なる形式で公開する」を参照してください。

新しい機能には以下の内容が含まれます。

イメージ: [公開する]ウィンドウ内のプレビューイメージは、イメージ設定を調整するにつれて動的に更新されます。
Web プレゼンテーション: [公開する]ウィンドウ内のプレビューイメージは、プレゼンテーション設定を調整するにつれて動的に更新されます。HTML5 出力がサポートされるようになりました。
Autodesk 360 によるクラウドサポート: 詳細は、「クラウドに公開する」を参照してください。

読み込み

このリリースでは、すべてのファイル形式の読み込み設定が[読み込み設定]ウィンドウで行われるようになりました。[読み込み設定]ウィンドウを開くには、[ファイルを開く]ダイアログボックスの[設定]をクリックします。このウィンドウの設定によって、何がどのように読み込まれるかが決定されます。コンテンツを読み込む前に、必要に応じてこれらの設定を確認して調整しておく必要があります。「読み込み設定を調整する」を参照してください。

その他の変更点は以下のとおりです。

オブジェクトが読み込まれた後は、既定でそれらのオブジェクトが選択されることはなくなります。以前のリリースでは、引き続き選択されてトランスフォームハンドルが目視できたため、紛らわしい場合がありました。
このリリースでは、[ファイル] > [開く]を使用して、サポートされるすべてのファイル形式を開いて読み込むことができます。

バリエーションインタフェース

[バリエーション]インタフェースは、現在のシーンの状態を正確に示すように変更されました。バリエーション見本をクリックすると、その見本が強調表示されます。バリエーションを無効にする方法(マテリアルまたはオブジェクトの非表示化やオブジェクトの移動など)によってシーンを変更すると、バリエーション見本は強調表示されなくなります。見本をもう一度クリックすると、再び強調表示され、元のバリエーションに戻ります。

ナビゲーションバー

ナビゲーションバー(ビューポートの右側にある)は以下のように変更されました。

3 つのズームボタン、、およびが追加されました。以前のリリースでは、これらのボタンにアクセスするには、メインズームボタンの下にあるドロップダウン矢印をクリックする必要がありました。

最近使用された 2 つのズーム間を切り替える矢印ボタンが追加されました。

旧:	新:

ViewCube が現在表示されていない場合のショートカット。
3 つの新しいズームボタン。以前のリリースでは、[ズーム]ドロップダウンメニューでしか使用できませんでした。
トグルビュー。

ウォークゾーンが作成されている場合は、ルックアラウンドツールを使用している間、ウォークショートカットキー(左向き矢印と右向き矢印)を使用できます。
タンブルツールを使用している間、スポットをクリックし、タンブルの新しいピボットポイントを設定します。
いずれかのツールを使用している間、使用しているツールの種類がマウスポインタイメージによって示されます。
ツールを使用してアクションを実行し終わると、そのツールは閉じられます。
ViewCube が表示されない場合、そのショートカットがナビゲーションバーに追加されます。
ボタンは、右クリックしてナビゲーションバーから削除できます。

Esc キー

[Esc]キーは、以下の優先度に基づいて一貫して動作するようになりました。

現在アクティブなツール(ナビゲーションバーツール、ライト/シャドウ移動、単一ライト配置、テクスチャ配置、ピボットの移動、パッチの抽出など)を終了します。
現在アクティブなウィンドウを閉じます。
スライド、ショット、または動作の再生を停止します。
モードを終了します。
1. ポインタモード
2. フルスクリーンモード
3. プレゼンテーションモード
選択されているものの選択解除を行います。
診断表示スタイルから既定の表示スタイルに切り替えます。

キーボードショートカット

Showcase で Revit、Inventor、および AutoCAD のナビゲーションホットキーを使用できるようになりました。

機能	旧	新規
[法線を反転させる]	[F3]	[F8]
[法線を表示]	[F2]	[F7]
[ホームビューに移動する]	[Home]	[Home]または[Alt]+[Home]
表示位置を上下に移動する	[Page Up]または[Page Down]	[ウォーク時にゾーンを使用する]がアクティブの場合は[PageUp]または[PageDown]
前または後ろにウォークする	上矢印または下矢印	[ウォーク時にゾーンを使用する]がアクティブの場合は上下矢印
段階的に左または右にウォークする	左矢印または右矢印	[ウォーク時にゾーンを使用する]がアクティブの場合は左右矢印
注視点の周りのオービットの左または右	[Alt]+左矢印または右矢印	[ウォーク時にゾーンを使用する]がアクティブではない場合のみ、左右矢印。それ以外は、以前同様に[Alt]+左矢印または右矢印。
[オービット]	[Alt]+左クリック [Shift]+中クリック	[Alt]+左クリック [Shift]+中クリック [Alt]+[Shift]+左クリック [F4](クラッチキー)+左クリック
[画面移動]	[Alt]+中クリック中クリック	[Alt]+中クリック中クリック [Alt]+[Shift]+中クリック [F2](クラッチキー)+左クリック [F2](クラッチキー)+中クリック [F3](クラッチキー)+中クリック F4(クラッチキー)+中クリック
[ズーム]	[Alt]+右クリック [Ctrl]+中クリックスクロールホイール	[Alt]+右クリック [Ctrl]+中クリックスクロールホイール [Shift]+中クリック [Ctrl]+中クリック [F3](クラッチキー)+左クリック [F3]+マウスのスクロールホイール [ウォーク時にゾーンを使用する]がアクティブではない場合は上下矢印
注視点の周りのオービットの上または下	[Alt]+上矢印または下矢印	[ウォーク時にゾーンを使用する]がアクティブではない場合は[PageUp]または[PageDown]、それ以外は常に[']。
最新の 2 つのビュー間で切り替える		[Alt]+左矢印と[Alt]+右矢印、または[Alt]+[Y]と[Alt]+[Z]。

アクセントライト

このリリースでは、環境ライトとの区別のため、ライトは「アクセントライト」という呼称に変わりました。サブカテゴリは、選択的なスポットライトと選択的なポイントライトという呼称に変わりました。
ユーザは、[プロパティ]ウィンドウを使用してライトにカスタム名を付けることができるようになりました。
グリップサイズを調整できるようになりました。ライトグリップを右クリックし、[アクセントライトグリップサイズの設定]を選択します。グリップのサイズは、ズームレベルに関わらず変化しません。
[ライト]コントリビューションコントロールを使用し、環境に対するライトの強度をコントロールできます。詳細は、「ライトプロパティ」を参照してください。

表示スタイル

このリリースでは、新しい表示スタイルが 1 つ追加されました。エッジ付きのアンビエントシャドウです。詳細については、「表示スタイルを切り替える」を参照してください。

その他

Showcase のメインメニューを表示または非表示にするには、ビューポートの最上部にある矢印をクリックします。
動作をリンクする機能は削除されました。動作は、ストーリーボードスライドで一緒にコントロールできます。
Photoshop (PSD)ファイルに保存する場合、かつては 2 つのレイヤが作成されました(1 つはバックグラウンド用、もう 1 つはオブジェクトとシャドウ用)。このリリースで、シャドウはそれ自体の 3 つ目のレイヤを持つようになりました。これらは、シーンのバックグラウンドカラー([ファイル] > [設定] >[読み込み設定]で設定される)によってアンチエイリアシングも行われます。
テンプレートとガイド付きのタスクウィザードは削除されました。
このリリースでは、アクセントライト、断面、デカールのために、右クリックメニューを使用してグリップを隠すことができるようになりました。
このリリースでは、警告ウィンドウがこれ以上開かれないようにあらかじめ指定していると、警告ウィンドウをリセットできます。このためには、[ファイル] > [設定] > [警告ダイアログのリセット]を選択します。
[マテリアル]や[バリエーション]のようなビューポートインタフェースは、ViewCube またはナビゲーションバーをブロックしないように動的に調整されます。
オブジェクトが選択されていることを示すアニメーショングリッドは、現在、青色です。選択肢などのサポートシーンのハンドルカラーは、他の Autodesk アプリケーションに合わせて更新されました。たとえば、オブジェクトを右クリックして右クリックメニュー内の選択オプションにカーソルを合わせると、対応するオブジェクトが「事前選択された」色であるマゼンタで強調表示されます。
プリファレンスは「設定」という呼称に変わりました。
プラグインは「アドイン」という呼称に変わりました。
利用可能なドライバとともにサポートグラフィックスカードを使用すると、Windows 7 で Microsoft DirectX DX11 がサポートされます。
[ヘルプ] > [ラーニング動画]に、新しい重要なスキルムービーが追加されました。