レッスン 6: ジグル デフォメーションの設定

 
 
 

これまでのレッスンでは、筋肉が収縮した脚を作成しました。より詳細なコントロールを得るために、Maya マッスルを使用して、メッシュでジグル ウェイトをポイント単位にペイントできます。

注:

ジグル デフォーマは、マッスルのスキニングを実行していない場合でも使用できます。たとえば、Maya skinCluster を使用してオブジェクトにスキンを設定しているか、まったくスキンを設定していない場合でも、移動するオブジェクトにジグリング用のウェイトをペイントして追加することで、ジグル エフェクトが得られます。

レッスンで使用するシーンを開く

  1. 前のレッスンで使用したファイルをロードするか、Lesson 6 フォルダから DragonLeg_Jiggle_Start.mb ファイルをロードします。

    このリグには、ボーンとマッスルにスティッキー ウェイトとスライド ウェイトが適用された完全な脚が収められています。

ジグル デフォメーションを有効にする

他の機能と同様に、ジグル デフォーマも単独でオンとオフを切り替えることができます。ジグルが発生すると、ジグル衝突が有効になり、スライドしているボーンやマッスルにポイントが移動しないようにできます。自己衝突はありません。スライド デフォーマが有効な場合は衝突がスライドするだけです。

  1. スキン メッシュを選択します。
  2. アトリビュート エディタ(Attribute Editor)で、cMuscleSystem1 タブを選択します。
  3. ジグルの有効化(Enable Jiggle)をオンにします。

ジグル ウェイトをペイントする

  1. スキン メッシュを選択します。
  2. マッスル > マッスル ウェイトのペイント(Muscle > Paint Muscle Weights)を選択します。

    マッスル ペイント(Muscle Paint)ウィンドウが開きます。

  3. マッスル ペイント(Muscle Paint)ウィンドウで、ウェイト(Weights)プルダウン メニューからジグル(Jiggle)を選択します。
  4. 以下の図に示すように、脚の中心にジグル ウェイトをペイントします(ポイント単位のスキン ジグルを設定する他のスキン メッシュの領域に、ウェイトをペイントすることもできます)。
  5. メッシュのさまざまな領域をペイントし、ウィンドウ > プレイブラスト(Window > Playblast)でアニメーションをブレイブラストして結果を確認します。

    一般的に、ジグル関連のウェイトを使用する際には、ペイント時に減衰をスムーズにする事で良い結果を得られます。終了したらマッスル ペイント(Muscle Paint)ウィンドウを閉じます。

    注:

    チャネル ボックス(Channel Box)またはアトリビュート エディタ(Attribute Editor)で、cMuscleSystem ノードのその他の ジグル アトリビュートを確認できます。各アトリビュートの詳細については、『Maya マッスル』マニュアルの「ジグル アトリビュート」を参照してください。

これで、基本的な脚のリギングは完成しました。このレッスンの完成ファイルである DragonLeg_Jiggle_End.mb は、Maya マッスルの高度なテクニックのフォルダにあります。

注:

ポイント単位のスキン ジグルのジグル計算はマシン リソースをかなり消費する場合があるため、ライティングやレンダリングなどの操作中には、マッスルのポイント単位のキャッシュ機能を使用すると、より高速なアニメーション再生が可能です。次のステップでは、アニメーションの各フレームを Maya シーンのノードに内部的にキャッシュします。このようにして再生をキャッシュすると、再生とインタラクションの速度が向上します。

キャッシュを作成する

  1. スキン メッシュ オブジェクトを選択します。
  2. メイン メニューからマッスル > キャッシング > キャッシュの作成(Muscle > Caching > Create Cache)を選択します。

    フレーム レンジは現在のタイム スライダ(Time Slider) レンジになっており、キャッシュ データは Maya シーンに保存される設定になっています。表示されるキャッシュの生成(Generate Cache)ダイアログのオプションは、既定のままにしておきます。

    注:

    このレッスンでは、ノード ベースのキャッシングを使用します。ただし、外部ファイル ベースのキャッシングを使用する場合は、アトリビュート エディタ(Attribute Editor)を使用するか、メイン メニューからマッスル > キャッシング > ファイル キャッシュの場所を設定(Muscle > Caching > Set Location of Cache File)を選択して、パスとベース ファイル名を設定できます。

  3. スキン メッシュが選択されたままであることを確認し、選択したオブジェクトのキャッシュを生成(Generate Cache for Selected Objects)をクリックします。

    タイム スライダ(Time Slider)が再生されてキャッシュが計算されるとともに、進捗ウィンドウが表示されます。

    一度ドラゴンの脚のアニメーションをキャッシュしておくと、プレイブラストを高速化でき、カメラ角度を変更して再生し、さまざまな角度からアニメーションを確認できます。データがキャッシュされており、変形は実際には計算されないため、再生が高速化します。

  4. アニメーションを再生します。

    コンピュータの処理速度によって異なりますが、キャッシュされたアニメーションはほぼリアルタイムで再生されます。cMuscleSystem ノードの cache アトリビュート(チャネル ボックス(Channel Box)またはアトリビュート エディタ(Attribute Editor)で確認可能)は、キャッシュが読み取りノード(read-node)に設定されたことを示します。つまり、完全な計算を実行するのではなく、ポイント キャッシュを読み取るようになりました。

注:

キャッシュされたデータを表示しているときに設定を変更しようとしても(スライド デフォメーションのオン/オフ設定やウェイトのペイントなど)、メッシュには何も作用しません。

キャッシュを削除するには

  1. 次のいずれかを実行します。
    • マッスル > キャッシング > ノード キャッシュの削除(Muscle > Caching > Delete Node Cache)を選択し、クリアするフレームを選択して、選択したオブジェクトのノード キャッシュを削除(Delete Node Cache for Selected Objects)をクリックします。
    • cMuscleSystem ノードのキャッシュ(cache)アトリビュートを無効(disabled)に切り替えます。

      これによりキャッシングが無効になり、通常の計算に戻ります。

レッスンを終えて

このレッスンでは、以下について学習しました。

このレッスンの完成ファイルである DragonLeg_Cache_End.mb は、Maya マッスルの高度なテクニックのフォルダにあります。