Maya におけるレンダリングとは、シェーディング、ライティング、およびカメラのさまざまなアトリビュート設定に基づいてシーンのビットマップ イメージを作成する過程のことを言います。
レンダー時に、Maya は各種オブジェクトとシーンのあらゆるアトリビュートを考慮し、数学的計算を実行して最終的なイメージまたはイメージ シーケンスを作成します。イメージのシーケンスをいったんレンダーすれば、あとはイメージを順番に再生してアニメーションを作成することができます。
レンダリングでイメージを生成する場合、以下に示す多くのコンポーネントが関係します。
Maya では、レンダリングを実行する方法として、ソフトウェア レンダリング(Maya ソフトウェア レンダラ、mental ray® for Maya® レンダラ、Maya® ベクター レンダラ、サード パーティ レンダラ プラグイン)またはハードウェア レンダリング(Maya ハードウェア 2.0 レンダラなど)を使用できます。それぞれ異なった利点があります。どれを使用するかは、イメージに必要な要件(つまりどのような外観にしたいか)と時間的な制約によって決まります。
ソフトウェア レンダリングでは、通常ハードウェア レンダリングよりも正確な結果を作成できますが、フレームやイメージを作成するのにより長く時間がかかります。Maya のソフトウェア レンダー タイプは、シーン内のオブジェクトを直接照らすシーン イルミネーションのプロセスを使用するか、シーン内の隣接するオブジェクトの反射またはオブジェクトへのエフェクトのテクスチャ マッピングによりイルミネーションをシミュレートします。
さらに、mental ray® for Maya® のソフトウェア レンダー タイプでは、グローバル イルミネーションという機能もあります。これは直接照らすことができないオブジェクトを間接的に照らすエフェクトをシミュレートするプロセスです。また、コースティクスというライト エフェクトもシミュレートします。
ハードウェア レンダリングは一般的に高速ですが、ソフトウェア レンダリングほど詳細な結果を得られません。Maya ハードウェア 2.0 レンダラを使用すると、シーン ビューをレンダーしたり、バッチ レンダーを行うことができます。ハードウェア 2.0 レンダラでは、大きなシーンのパフォーマンスを最適化し精度の高いライティングやシェーダを実現できます。
1 つの方法だけで作成できるビジュアル エフェクトもありますが、複数のレンダリング方法を組み合わせる場合もあります。
要件を満たす最終イメージを実現するには、通常、レンダリングを何回か繰り返す必要があります。重要なのは、要件に合ったイメージを作成することと、それを目的の時間内で作成することとのバランスをとることです。製品版の設定で Maya を使用する場合はこのことが特に重要です。
この章では、レンダリングに関する基本概念と技術についていくつか説明し、次のレッスンを行います。
