慣性プロパティは、リジッドボディの質量/密度、および質量の中心です。オブジェクトの慣性モーメントは、オブジェクトの角加速度に対する抵抗であり、ダイナミクスが適用されたとき(フォースまたは衝突、あるいはその両方)にオブジェクト自体が質量の中心の周りをどのように回転するかを表しています。慣性モーメントの計算は、リジッドボディオブジェクトのバウンディングボックスで、リジッドボディオブジェクトの質量と、質量の中心を基準とする質量の分布状況に基づいて行われます。
[質量]は、リジッドボディの全質量を定義します。これにより、適用されたフォースに対するリジッドボディの反応の早さが決まります。リジッドボディの質量が大きいほど、運動の方向が変化しにくくなります。
Softimage では、[密度]を設定すると、オブジェクトのバウンディングボックスのボリュームに対して入力した密度の値に基づいて質量が計算されます。したがって、大きなオブジェクトは必然的に小さなオブジェクトよりも質量が大きくなります。
ダイナミクスシミュレーションは集約的な計算を用いて物理法則に習うため、計算の対象には制限があります。無限の値や、非常に小さい値(グリッドやヌルようにほとんどボリュームを持たないオブジェクトや、質量がごくわずかなオブジェクトなど)は使用できません。このようなタイプのオブジェクトに必要な計算を行うと、シミュレーションに数値エラーが生じ、シミュレーション時にオブジェクトが正常に動作しなくなる可能性があります。
リジッドボディオブジェクトが階層で親である場合、[子のシェイプの質量を無視](Ignore child shape masses)オプションを設定します。
詳細については「リジッド ボディにすることができるオブジェクト」を参照してください。
質量の中心は、ダイナミクスが適用されたときに(フォースまたは衝突)、リジッド ボディ オブジェクトがスピンする際の基準点です。フォースを使用する場合は、リジッドボディのどの部分にフォースを適用するかも指定できます。これはオブジェクトの動きにも影響します(「リジッド ボディへフォースを適用する」を参照)。
デフォルトでは、質量の中心はオブジェクトのセンターと同じ位置(センターがある場所)に定義されますが、リジッドボディオブジェクトに対してローカルな XYZ 座標で質量の中心の位置を変更することができます。たとえば、リジッドボディの内部に質量の中心を設定すると、リジッドボディ自体を中心に回転します。リジッドボディの外部に質量の中心を設定すると、リジッドボディはその質量の中心をピボットポイントのようにして回転します。
質量の中心がデフォルト位置(オブジェクトのセンター)にある場合
質量の中心アイコンは、リジッドボディの質量の中心が位置する場所を表示するのに役立ちます。このアイコンは、リジッドボディでのみ表示されます。