モデルをインスタンス化する

 
 
 

インスタンスは、モデルの正確なレプリカです。任意のタイプのモデルをインスタンス化できます。インスタンスはいくつでも作成でき、シーンのどこにでも配置できます。元となる「マスタ」モデルを修正すると、すべてのインスタンスが自動的に更新されます。

インスタンスは非常にわずかなメモリしか必要としないので便利です。インスタンス ルートの変換のみが格納されます。ただし、インスタンスのジオメトリやマテリアルなどは修正できません。元のオブジェクトのコピーの修正を個別に行う必要のある場合は、オブジェクトの複製およびクローン作成に説明されているように、複製またはクローンを代わりに使用します。

インスタンスには次の利点があります。

インスタンスは複製およびクローンと同じオプションを使用します。詳細については、「オブジェクトの複製およびクローン作成」を参照してください。

インスタンスは Explorer では、モデル アイコンの上にシアンの [i] が重ねられて表示されます。スケマティック ビューでは、[I] というラベル付きの台形で表現されます。

   

Explorer のインスタンス

スケマティック ビューのインスタンス

モデルをインスタンス化するには

  1. 1 つまたは複数のモデルのルートを選択します。

  2. [編集](Edit) [複製/インスタンス作成](Duplicate/Instantiate)メニューから、以下のコマンドの 1 つを選択します。

    • [1 つインスタンス作成](Instantiate Single)は、[Duplicate/Instantiate Options]プロパティ エディタで現在設定されているオプションを使用して、選択したモデルの単一のインスタンスを作成します。

    • [オプションなしで 1 つインスタンス作成](Instantiate Single without Options)は、[Duplicate/Instantiate Options]プロパティ エディタで設定されている変換オプションを無視して、選択したモデルの単一のインスタンスを作成します。インスタンスは自動的に選択状態になり、元のモデルと同じ場所に配置されます。

    • [複数インスタンス](Instantiate Multiple)は、選択したモデルから任意の個数のインスタンスを作成します。

アニメーションのインスタンス モデルを作成するには

  1. ルート ノードの変換がアニメートされているモデルを選択します。

  2. <Check Alignment of PHs[Edit]パネルで[Edit] [複製/インスタンス作成](Duplicate/Instantiate) [アニメーションから複製/インスタンス作成](Duplicate/Instantiate from Animation)を選択します。

  3. [アニメーションから複製]ダイアログ ボックスで、複製に使用するアニメーションの開始フレームと終了フレーム、およびステップ値を設定します。

    たとえば、[開始フレーム](Start Frame)を 10、[終了フレーム](End Frame)を 40、[ステップ値](Step Value)を 15 に設定すると、フレーム 10、25、40 のオブジェクトの状態に従って複製が作成されます。

  4. [Instance]がオンになっていることを確認し、[OK]をクリックします。

    元のモデルのインスタンスが、アニメートされた変換に沿って、指定したフレーム間隔ごとに作成されます。

インスタンスを選択する

3D ビューでインスタンスの任意の部分をクリックすれば、そのインスタンスを選択できます。モデルのルートをクリックする必要はありません。

インスタンスを表示する

3D ビュー内でのインスタンスの表示のオンとオフを切り替えることができます。

インスタンスの表示を切り替えるには

  • 次のいずれかの操作を実行します。

    • 単一の 3D ビューでインスタンスの表示を切り替えるには、目のアイコン(表示メニュー)をクリックして[インスタンス](Instances)を選択します。

      または

    • 開いているすべての 3D ビューでインスタンスの表示を切り替えるには、メイン メニュー バーから[ディスプレイ](Display) [オブジェクト](Objects) [インスタンス](Instances)を選択します。

インスタンスの関係を表示する

スケマティック ビュー内で、インスタンスとマスタの間の関係を表示できます。[表示](Show) [関連モデルリンク](Associated Model Links)がオンで、インスタンスが選択されている場合、Instというラベル付きのオレンジ色のリンクが、インスタンスとそのマスタの間に表示されます。マスタが選択されている場合は、マスタとそのすべてのインスタンスとの間のリンクが表示されます。

可視性オプションおよびモデル インスタンス

可視性プロパティには、インスタンスおよびマスタの可視性に関する設定をコントロールするための特別なオプションがあります。可視性に関する設定全般の詳細については、「[表示/非表示]プロパティ エディタ」を参照してください。

マスタ階層を非表示にする

マスタ インスタンス モデルの可視性プロパティにある[インスタンスのマスタ非表示](Instance Master Hidden)オプションを使用すると、対象のオブジェクトがマスタ モデル階層の一部である場合、表示とレンダリング時にそのオブジェクトを非表示にできます。これは、パーティクルおよびヘアをインスタンス化する場合に、レンダリングされたイメージにマスタ階層を含める必要のないときは、特に役に立ちます。

モデル インスタンスの可視性プロパティを設定する

既定では、モデル インスタンスは可視性プロパティをインスタンスのマスタから継承します。マスタ モデルの可視性プロパティ、またはその階層内のオブジェクトを修正すると、修正結果はすべてのインスタンスに伝播されます。

個々のインスタンスにごとに、マスタから継承しないパラメータを個別に指定するには、可視性プロパティにある項目の横にあるチェックボックスをオンにします。

A

オンにすると、このパラメータはマスタから値を継承しなくなり、インスタンス固有の設定ができます。

B

チェックボックスがオフの場合、値はインスタンス マスタから継承され、値をコントロールするチェックボックスはグレー表示されます。

インスタンスは単独のオブジェクトとして扱われるため、インスタンスの可視性に関するプロパティは、インスタンス階層全体に影響を与えるシーンに限定されたものになります。その階層内の個々のオブジェクトに関する可視性オプションを設定することはできません。

モデル インスタンスの可視性プロパティをオーバーライドする

可視性プロパティのオーバーライドをモデル インスタンス、またはモデル インスタンスを含んだグループに適用する場合、オーバーライドする対象のパラメータがインスタンス マスタから継承されるように指定する必要があります。この指定を行うには、各パラメータの[マスタ オーバーライド]パラメータをオーバーライドに追加します。

[マスタ オーバーライド]パラメータをオーバーライドに追加すると、どのインスタンスも強制的にオーバーライドに影響されるため、対応するパラメータに対してインスタンス マスタの設定は使用されない代わりに、オーバーライドの設定が使用されます。

たとえば、インスタンスの[プライマリレイの可視性](primary ray visibility)をオーバーライドする場合、[1 次レイ可視性](Primary Ray Visibility)および[1 次レイ可視性マスタオーバーライド](Primary Ray Visibility Master Override)の両方をオーバーライドに追加します。

さらに、[1 次レイ可視性マスタオーバーライド](Primary Ray Visibility Master Override)パラメータを切り替えて、オーバーライドで指定されたどのような[1 次レイ可視性](Primary Ray Visibility)設定もインスタンスに強制的に使用させることができます。この操作は、ほとんどのオブジェクトの可視性に対して可能です。

オーバライドの詳細については、「プロパティをオーバーライドする」を参照してください。

インスタンス使用時の注意

このセクションでは、インスタンスを使用する際に注意すべきいくつかの情報を示します。

InstanceGroupについて

モデルをインスタンス化した場合は、[InstanceGroup]という名のマスタ モデル内に新しいグループが作成されます。このグループはシーン内のマスタ モデルのすべてのインスタンスを監視します。

InstanceGroup はロック対象です。つまり手動ではメンバの追加や削除はできません。このグループのメンバを削除すると、シーンからインスタンスが削除されます。

インスタンスを変更する

インスタンスはマスタ モデルのレプリカです。これは、たとえば、ジオメトリの修正やマテリアルの変更ができないことを意味します。次の操作を実行できます。

  • インスタンスを変換する。

  • 可視性、表示、その他のプロパティを変更する。

  • 注釈またはカスタム パラメータ セットなど、新しいプロパティを追加する。

  • 新しい子を追加し、そのプロパティ、マテリアルなどを変更する。追加した子は、インスタンスのモデル ルートの「真の」子であり、マスタ モデルとは関連していません。

  • インスタンスのモデル ルートにブランチ モードでプロパティまたはマテリアルを適用する。プロパティはインスタンスの子にプロパゲートされますが、マスタ モデルからのエレメントには影響しません。

注:インスタンスには他のモデルのようにアニメーション ミキサが含まれていますが、マスタに対して定義されているアクションを使用してインスタンスを個別にアニメートすることはできません。これは、インスタンスがマスタの子を含まないためです。たとえば、マスタに leftarm_effector という子が含まれていたとしても、インスタンスには含まれていません。

インスタンスをインスタンス化する

インスタンスは通常のモデルと同様の動作を行いますが、1 つの点で異なります。それは、インスタンス化です。インスタンスのインスタンス化を試みると、元のマスタの別インスタンスが作成されます。

インスタンスを書き出す

インスタンスは .emdl ファイルとして書き出すことができます。しかし、インスタンスに手動で追加したエレメントのみが含まれます。マスタ モデルのエレメントは含まれません。