インスタンスは、モデルの正確なレプリカです。任意のタイプのモデルをインスタンス化できます。インスタンスはいくつでも作成でき、シーンのどこにでも配置できます。元となる「マスタ」モデルを修正すると、すべてのインスタンスが自動的に更新されます。
インスタンスは非常にわずかなメモリしか必要としないので便利です。インスタンス ルートの変換のみが格納されます。ただし、インスタンスのジオメトリやマテリアルなどは修正できません。元のオブジェクトのコピーの修正を個別に行う必要のある場合は、オブジェクトの複製およびクローン作成に説明されているように、複製またはクローンを代わりに使用します。
インスタンスは複製およびクローンと同じオプションを使用します。詳細については、「オブジェクトの複製およびクローン作成」を参照してください。
インスタンスは Explorer では、モデル アイコンの上にシアンの [i] が重ねられて表示されます。スケマティック ビューでは、[I] というラベル付きの台形で表現されます。
[編集](Edit) [複製/インスタンス作成](Duplicate/Instantiate)メニューから、以下のコマンドの 1 つを選択します。
[1 つインスタンス作成](Instantiate Single)は、[Duplicate/Instantiate Options]プロパティ エディタで現在設定されているオプションを使用して、選択したモデルの単一のインスタンスを作成します。
[オプションなしで 1 つインスタンス作成](Instantiate Single without Options)は、[Duplicate/Instantiate Options]プロパティ エディタで設定されている変換オプションを無視して、選択したモデルの単一のインスタンスを作成します。インスタンスは自動的に選択状態になり、元のモデルと同じ場所に配置されます。
[複数インスタンス](Instantiate Multiple)は、選択したモデルから任意の個数のインスタンスを作成します。
<Check Alignment of PHs[Edit]パネルで[Edit] [複製/インスタンス作成](Duplicate/Instantiate) [アニメーションから複製/インスタンス作成](Duplicate/Instantiate from Animation)を選択します。
[アニメーションから複製]ダイアログ ボックスで、複製に使用するアニメーションの開始フレームと終了フレーム、およびステップ値を設定します。
たとえば、[開始フレーム](Start Frame)を 10、[終了フレーム](End Frame)を 40、[ステップ値](Step Value)を 15 に設定すると、フレーム 10、25、40 のオブジェクトの状態に従って複製が作成されます。
スケマティック ビュー内で、インスタンスとマスタの間の関係を表示できます。[表示](Show) [関連モデルリンク](Associated Model Links)がオンで、インスタンスが選択されている場合、Instというラベル付きのオレンジ色のリンクが、インスタンスとそのマスタの間に表示されます。マスタが選択されている場合は、マスタとそのすべてのインスタンスとの間のリンクが表示されます。
可視性プロパティには、インスタンスおよびマスタの可視性に関する設定をコントロールするための特別なオプションがあります。可視性に関する設定全般の詳細については、「[表示/非表示]プロパティ エディタ」を参照してください。
マスタ インスタンス モデルの可視性プロパティにある[インスタンスのマスタ非表示](Instance Master Hidden)オプションを使用すると、対象のオブジェクトがマスタ モデル階層の一部である場合、表示とレンダリング時にそのオブジェクトを非表示にできます。これは、パーティクルおよびヘアをインスタンス化する場合に、レンダリングされたイメージにマスタ階層を含める必要のないときは、特に役に立ちます。
既定では、モデル インスタンスは可視性プロパティをインスタンスのマスタから継承します。マスタ モデルの可視性プロパティ、またはその階層内のオブジェクトを修正すると、修正結果はすべてのインスタンスに伝播されます。
個々のインスタンスにごとに、マスタから継承しないパラメータを個別に指定するには、可視性プロパティにある項目の横にあるチェックボックスをオンにします。
A |
オンにすると、このパラメータはマスタから値を継承しなくなり、インスタンス固有の設定ができます。 |
B |
チェックボックスがオフの場合、値はインスタンス マスタから継承され、値をコントロールするチェックボックスはグレー表示されます。 |
インスタンスは単独のオブジェクトとして扱われるため、インスタンスの可視性に関するプロパティは、インスタンス階層全体に影響を与えるシーンに限定されたものになります。その階層内の個々のオブジェクトに関する可視性オプションを設定することはできません。
可視性プロパティのオーバーライドをモデル インスタンス、またはモデル インスタンスを含んだグループに適用する場合、オーバーライドする対象のパラメータがインスタンス マスタから継承されるように指定する必要があります。この指定を行うには、各パラメータの[マスタ オーバーライド]パラメータをオーバーライドに追加します。
[マスタ オーバーライド]パラメータをオーバーライドに追加すると、どのインスタンスも強制的にオーバーライドに影響されるため、対応するパラメータに対してインスタンス マスタの設定は使用されない代わりに、オーバーライドの設定が使用されます。
たとえば、インスタンスの[プライマリレイの可視性](primary ray visibility)をオーバーライドする場合、[1 次レイ可視性](Primary Ray Visibility)および[1 次レイ可視性マスタオーバーライド](Primary Ray Visibility Master Override)の両方をオーバーライドに追加します。
さらに、[1 次レイ可視性マスタオーバーライド](Primary Ray Visibility Master Override)パラメータを切り替えて、オーバーライドで指定されたどのような[1 次レイ可視性](Primary Ray Visibility)設定もインスタンスに強制的に使用させることができます。この操作は、ほとんどのオブジェクトの可視性に対して可能です。
オーバライドの詳細については、「プロパティをオーバーライドする」を参照してください。
このセクションでは、インスタンスを使用する際に注意すべきいくつかの情報を示します。
モデルをインスタンス化した場合は、[InstanceGroup]という名のマスタ モデル内に新しいグループが作成されます。このグループはシーン内のマスタ モデルのすべてのインスタンスを監視します。
InstanceGroup はロック対象です。つまり手動ではメンバの追加や削除はできません。このグループのメンバを削除すると、シーンからインスタンスが削除されます。