独立して動くサブチェインを作成する

サブチェインを作成すると、チェイン内で独立した動きを作成できます。サブチェインによってチェインを「分断」できるため、そのサブチェインだけを動かすことができます。サブチェインを動かす場合、サブチェインは親に対してはエフェクタとして、子に対してはルートとして動作します。チェインのエフェクタを動かす場合、IK はサブチェインのルートまでしか機能しません。

このチェインには、ルートの次から数えて 2 番目のジョイントから始まる 2D のサブチェインがあります。IK はサブチェインルートまでしか動作の対象としないため、エフェクタが移動しても、最初の 2 つのボーンは動きません。

チェインには複数のサブチェインが含まれます。各サブチェインは既存のチェインのタイプに関係なく、2D または 3D に設定できます。

サブチェインを作成するには、ジョイントの動作を明確に定義するか、擬似ルートを使用します。擬似ルートは、IK または FK を呼び出したときに、ローカルスペースに固定されたまま残ります。擬似ルートの位置に影響を与えるのは、ルートの回転だけです。

ジョイントの動作を定義する

ジョイントの動作を明確に定義して、サブチェインを作成できます。デフォルトでは、各ジョイントはその前のジョイントの動作に基づき、暗黙的に 2D または 3D に定義されます。

注:サブチェインの動作に関係なく、各サブチェインの最初のジョイントは、必ず 3D ジョイントになります。

サブチェインを作成するには

サブチェインを開始するボーンを選択します。選択したボーンのジョイントはサブチェインのルートとして使用されます。
[Kinematic Joint]プロパティエディタを開きます。
[チェイン/サブチェインビヘイビア](Chain or Subchain Behavior)の設定を[2D]または[3D]に変更します。

選択したボーンからエフェクタまたは次のサブチェインまで、新しいサブチェインが定義されます。各サブチェインには、それぞれのレゾリューションプレーンがあります。

サブチェインを削除するには

サブチェインの 1 番目のボーンを選択します。
選択したボーンの[Kinematic Joint]プロパティエディタを表示し、[チェイン/サブチェインビヘイビア](Chain/Subchain Behavior)の設定を[デフォルト](Default)に変更します。

サブチェインにあるジョイントは、前のサブチェインの一部になります。

ジョイントを擬似ルートにする

選択したボーンまたはエフェクタのジョイントを擬似ルート(ルートのように動作します)にして、サブチェインを作成することもできます。擬似ルートは実際のオブジェクトではなく、チェインがこのポイントで途切れているために表示されています。このため、擬似ルートはアニメートできません。

擬似ルートは、IK または FK を呼び出したときに、ローカルスペースに固定されたまま残ります。擬似ルートの位置に影響を与えるには、別のオブジェクトに対してそのボーンの位置をコンストレイントし、そのオブジェクトを移動します。詳細については、「位置コンストレイント」(「アニメーション」)を参照してください。

エフェクタのジョイントが擬似ルートとして設定されているため、ジョイントはその場所に固定されたままになります。チェインの 2 番目のボーンを回転すると、それ以降のジョイントがすべて自動的に再計算されます。

コマンドを使用して擬似ルートを作成するには

サブチェインの 1 番目のボーンにするものを選択します。選択したボーンのジョイントは擬似ルートとして使用されます。
[作成](Create) [スケルトン](Skeleton) [ボーンでチェインを分割](Break Chain at Bone)を選択します。選択したボーンのジョイントを擬似ルートに持つサブチェインが作成されます。

[Kinematic Joint]プロパティエディタを使用して擬似ルートを作成するには

[Kinematic Joint]プロパティエディタを開き、[ジョイントは擬似ルート](Joint is Pseudo-Root)オプションをオンにします。
必要に応じて、[チェイン/サブチェインビヘイビア](Chain or Subchain Behavior)の設定を[2D]または[3D]に変更します。

擬似ルートを削除するには

影響を受けたジョイントを選択し、[Kinematic Joint]プロパティエディタで[ジョイントは擬似ルート](Joint is Pseudo-Root)をオフにします。

擬似ルート間でジョイントを移動する

2 つの擬似ルートの間にあるジョイントの操作は、ジョイントを移動するか、ジョイントに位置コンストレイントを適用することにより行います。共通の到達点が計算され、2 つのサブチェインの終わりに「擬似エフェクタ」または「ジョイント」が適用されます。

擬似ルートは、右側のサブチェインに対してはルートとして、左側のサブチェインに対してはピンとして機能します。ジョイントの擬似ルートをアクティブにすると、このジョイントにボールジョイントが配置され、チェインが 2D の場合は 2D サブチェインに対するねじれが変化します。

A	擬似ルート
B	2 つの擬似ルート間のボーンが移動します。間にあるボーンが移動しても、擬似ルートは両方ともその場所に固定されたままになります。
C	2 番目の擬似ルートの下にあるボーンも、ボーンの移動に影響されます。これは、ボーンの回転が変化し、左側のボーンがそのローカル回転角度を保持しているためです。