Hair Gradient Material シェーダを使用する

 
 
 

[Hair Gradient Material]シェーダでは、ヘアのディフューズ、アンビエント、スペキュラ カラーのシェーディング、および透明度を設定できます。このシェーダのパラメータにはすべて、グラディエント スライダを使用するオプションがあります。グラディエント スライダを使用すると、髪束の長さに沿ってカラー シェーディングと透明度の程度をより正確にコントロールできます。

内側と外側のヘア エッジに白熱(グロー)を追加することもできます。このように、ヘアを鮮やかに見せたり、より「管状」に見えるようにすることで、ヘアの見栄えを良くしたり、必要なタイプのエフェクトを追加することができます。

Hair Gradient Material シェーダを接続するには

  1. Render Tree を開き、[ノード](Nodes) [イルミネーション](Illumination) [Hair Gradient Material]を選択します。

  2. シェーダの出力を、ヘア オブジェクトの[Hair_Material]ノードの[Surface]入力および[Shadow]入力にアタッチします。

Hair Gradient Material シェーダを編集するには

  • [Hair Gradient Material]ノードをダブルクリックしてプロパティ エディタを開きます。

ヘアのディフューズ カラーとアンビエント カラーを設定する

ヘアの[ディフューズ](Diffuse)カラーはヘアのメインのカラーです。[アンビエント](Ambient)カラーは、ヘア サーフェイスの基本色となるアンビエント(シャドウ)カラーです。このカラーは、シーンのアンビエンスで変更できます。つやのあるヘアを取得するには、[アンビエント]パラメータに高い値を使用します。

[ディフューズ/アンビエント ブレンディング](Diffuse/Ambient Blending) [ブレンド グラディエント使用](Use Blend Gradient)オプションを使用すると、グラディエント スライダを使ってヘアの束に沿ってディフューズとアンビエントの組み合わせを定義できます。

[イルミネーション]ページの[スペキュラ]パラメータを使用すると、ヘアの[スペキュラ](Specular)ハイライトのカラーと減衰領域を設定できます。暗いヘアの場合はスペキュラ カラーの値をきわめて高く、明るいヘアの場合は低く設定します。

このページの各パラメータの詳細については、「イルミネーション」を参照してください。

ヒント:

このプロパティ エディタで、横に接続アイコンが付いているパラメータはマッピングが可能です。つまり、それらのパラメータには、テクスチャ マップを接続して特殊なエフェクトを作成することができます。

カラーにテクスチャ マップを使用する例は、「カーブに作成したヘアをテクスチャリングするためのサーフェイスの作成」を参照してください。

A

ヘアのディフューズ カラーを有効にします。

B

ヘアのディフューズ カラーを定義します。設定には、このオプションを選択すると表示されるグラディエント スライダ(C)を使用します。

このオプションがオフの場合は、(グラディエント スライダではなく)「標準」のカラー コントロールが使用できます。

C

ディフューズ カラー スライダの左端は髪束の根元に対応し、右端は髪束の先端に対応します。

D

ヘアのアンビエント カラーを定義します。設定には、このオプションを選択すると表示されるグラディエント スライダ(E)を使用します。

このオプションがオフの場合は、(グラディエント スライダではなく)「標準」のカラー コントロールが使用できます。

E

アンビエント カラー スライダの左端は髪束の根元に対応し、右端は髪束の先端に対応します。

F

ディフューズ カラーとアンビエント カラーのブレンドを定義します。設定には、このオプションを選択すると表示されるグラディエント スライダ(G)を使用します。

G

ディフューズまたはアンビエントのブレンド スライダの左端はヘアの束の根元に、右端は先端に対応します。

H

値を 1 にするとディフューズ カラーとアンビエント カラーの両方が表示され、値を 0 にするとアンビエント カラーだけが表示されます。

I

ヘアの透明度の設定」を参照してください。

J

詳細については、「ヘアに対する間接照明のエフェクトを設定する」および「ヘアへ白熱を追加する」を参照してください。

ヘアの透明度の設定

[透明度]ページのオプションを使って、総透明度を設定したり、髪束の長さに沿う方法や髪束の幅に沿う方法などのいくつかの方法でヘアの透明度を設定できます。

髪束の縦方向の透明度をテーパリングすることで(先細になります)、ヘアの全体的な見栄えがよくなるほか、ヘアのちらつきを減らすことができます。ちらつきを抑えることで外観は大幅に滑らかになります。これは、動物の毛皮には必須です。また、アーティファクトを取り除くためにアンチエイリアス設定を高くする必要がなくなるため、レンダリング速度も上がります。

さらに、このシェーダでヘアの透明度のテーパリングをコントロールすることで、[ヘア]プロパティ エディタでヘアの幅の値を固定できるという利点もあります。

このページの各パラメータの詳細については、「透明度」を参照してください。

以下では、先端でヘアの透明度の長さの値が高くなっています。

以下では、先端でヘアの透明度の長さの値が低くなっています。

以下では、ふちでヘアの透明度の交差の値が高くなっています。

以下では、ふちでヘアの透明度の交差の値が低くなっています。

ヘアの半透明性を設定する

[半透明性]を使用すると、部分的または散漫に、ライトに髪束を通過させることができます。[間接照明]ページの[半透明性]オプションを使用すると、ヘア全体の全体的な半透明性を設定したり、グラディエント スライダを使用してヘアの束に沿って変化する半透明性値を設定することができます。たとえば、ヘアの先端では半透明性が高まりますが、根元では低くなります。

以下では、大部分の髪束でヘアの半透明性の値が高く、根元では低くなっています。

[Hair Gradient Material]シェーダは、ヘアの両側から照明を計算し、結果を追加します。これにより、ヘアに対してグローまたはリム ライティング エフェクトを作成でき、ヘアの表現のリアルさが高まります。特にヘアが白または明るいカラーの場合、あるいは明るい照明の中にいる場合のリアルさを高めることができます。

半透明性パラメータの詳細については、「間接照明」を参照してください。

ヘアに対する間接照明のエフェクトを設定する

[間接照明]ページにあるパラメータを使用すると、ヘアに対するグローバル イルミネーション、コースティクス、およびファイナル ギャザリングの作用をコントロールできます。

ヘアに対する間接照明のエフェクトをコントロールするには、[放射](Radiance)パラメータの値を設定します。この値は、ヘアのサーフェイス上でのすべての間接照明エフェクトのカラーおよび明度(強度)をコントロールします。

ファイナル ギャザリングからヘアに反映されるカラーは、ここで設定するカラー値に乗算され、トップに追加されます。この値を設定する場合は、ヘアがファイナル ギャザリングに大きく左右されることに注意してください。これは、何千もの小さなオブジェクトが短い距離で互いに色を発散し合っている状態だからです。

この値をヘアに対して低く設定すると、[包括的な]ライトを、ヘアのシャドウにのみ関連付けることできます。このライトは、ファイナル ギャザリングの外観に影響しないように、きわめて暗く設定します。さらにヘアのスペキュラを強めて、暗いライトの中でヘアがより照らし出されるようにすることができます。ライトが暗いため、影の値を負にしてシャドウを十分に暗くする必要が生じる場合もあります。

また、テクスチャ マップをこのパラメータに接続することにより、ヘアの特定の場所に間接照明を表示することもできます。

このページのパラメータの詳細については、「間接照明」を参照してください。

ヘアへ白熱を追加する

白熱とは、温度が原因で起こるボディからのライトの放射です。これは、オブジェクトが輝いていたり照らされたりしているように見せかけるためによく使用されます。[間接照明]ページで[白熱]パラメータを設定して、髪束のエッジ(縁)または内部(コア)にグローを作成できます。これらのパラメータは、髪束のヘア シェーディングの上に発光カラーを追加します。以下のパラメータを使用して、ヘアの見栄えをよくし、特殊なエフェクトを追加することができます。

髪束の内側のコアに明るい色、エッジ(縁)に暗い色が使用されている場合に、ヘアをより「管状」に見せることができます。

周縁に明るい色を使用すると、ヘアが後ろから照らされているような効果を出すことができます。

(上)ヘアの束の内側部分に白熱を設定した場合

(下)ヘアの束の周縁に白熱を設定した場合

白熱パラメータの詳細については、「間接照明」を参照してください。