ワークグループを作成し使用する

 
 
 

ワークグループは、同じプロジェクトで作業する複数のユーザ(グループ)が容易にカスタマイズを共有するための手法を提供します。ワークグループにアクセスする作業者は誰でも、プリセット、コマンド、オペレータ、アドオン、シェーダ、ツールバー、ビュー、レイアウトなど、ワークグループにインストールされたカスタマイズを使用できます。

ワークグループの管理に使用するメインツールは Plug-in Manager です([ファイル](File) [Plug-in Manager]を選択し、[ワークグループ]タブをクリックします)。Plug-in Manager 全般の詳細については、「Plug-in Manager」を参照してください。

ワークグループについて

ワークグループディレクトリの構造

ワークグループは、ユーザディレクトリ内の構造を反映したサブフォルダを含むファイルフォルダです。

  • [Addons] フォルダには、さまざまなサブフォルダにアドオンとしてパッケージおよびインストールされているアイテムが含まれています。アドオンは、ワークグループ内の小さなワークグループのようなもので、プラグインを整理して格納するために役立ちます。

  • [Application] フォルダには、ツールバー、ビュー、レイアウト、プラグイン、キーマップ、およびそれらに類似するアイテムのサブフォルダが含まれています。

  • [Data] フォルダには、プリセット、スクリプト、およびそれらに類似するアイテムのサブフォルダが含まれています。

複数のワークグループ

複数のワークグループに同時に接続することができます。リストの最初のワークグループが、新しいエレメントのデフォルト パスになります。デフォルト パスは、ブラウザの[パス]ボタンから[ワークグループ]を選択した場合に使用されます。これは、.xsiaddon ファイルのインストールおよびアンインストールが行える唯一のワークグループでもあります。

プラグインの競合の解決

プラグインの競合は、Softimage で同じ[自己インストール プラグイン](self-installing plug-in)の複数のバージョンが検出された場合に発生します。Softimage では、プラグインの競合を以下のいずれかの方法で解決します。

  • [バージョニング](Versioning): Softimage は最新バージョンのプラグインをロードします。

  • [オリジン順序](Origin Ordering): プラグインは優先順位の最も高い場所からロードされます。

デフォルトでは、Softimage は最新バージョンの自己インストール プラグインをロードします。たとえば、ユーザ ロケーションにバージョン 1.2 のプラグインが含まれ、ワークグループには 1.3 が含まれる場合、Softimage はバージョン 1.3 をロードします。プラグインのすべてのコピーが同じバージョンの場合、競合を解決するために元の順序が使用されます。

Softimage での競合の解決方法を変更するには、[Preferences: Plug-in Manager]プロパティ エディタで[衝突解決]のいずれかを選択します。

非自己インストール プラグインをはじめとするカスタマイズに対しては、オリジン順序を使用して、最初に見つかったプラグインがロードされます。

Softimage でプラグインを検索する際には、カスタムの場所、ユーザ パス、ワークグループ、ファクトリ パスの順で検索されます。

  1. [カスタムの場所](Custom locations): XSI_PLUGINS 環境変数に指定されているパスです。

  2. [ユーザロケーション](User location): ユーザパスのアドオンは、ユーザロケーションで見つかったその他のプラグインの後に読み込まれます(例: %XSI_USERHOME%¥Application¥Pluginsは%XSI_USERHOME%¥Addonsの後に読み込まれます)。

  3. [ワークグループ](Workgroups): Plugin Manager に表示される順序でワークグループが検索されます。つまり、リスト内の最初のワークグループが最優先されます。

    ワークグループのアドオンは、ワークグループで見つかったその他のプラグインの後に読み込まれます(例: MyWorkgroup¥Application¥Plugins は MyWorkgroup¥Addons の後に読み込まれます)。

  4. [ファクトリロケーション](Factory location):これは、Softimage をインストールするディレクトリです。

ワークグループを使用する

ワークグループを使用するワークフローの 1 つに、開発者またはテクニカル ディレクタが自分のユーザ ディレクトリまたはプライベート ワークグループでカスタマイズを行う場合に使用するワークフローがあります。カスタマイズをテストし、正常に機能していれば、Plug-in Managerの[ツリー]タブにドラッグ アンド ドロップすることで共有ワークグループにコピーできます。

カスタマイズの更新が必要な場合は、開発者またはテクニカル ディレクタが自分のユーザ パスまたはプライベート ワークグループでファイルを変更します。グループの他のメンバが共有ワークグループの旧バージョンを使用している間に、開発者またはテクニカル ディレクタは変更したカスタマイズを開発、テスト、およびデバッグできます。更新準備の完了後、共有ワークグループに更新バージョンをコピーできます。

Softimage では起動時に自動的にワークグループ パスがスキャンされるため、ユーザは Softimage を再起動したときに新規プラグインまたは更新済みのプラグインを使用できます。また、Softimage を再起動せずに、ユーザが Plugin Manager の[ツリー]タブで[すべて更新]をクリックする方法もあります。あるいは、[ワークグループ]タブで[ファイル](File)[再スキャン](Rescan)を選択することもできます。これにより、すべてのワークグループのより完全なアンロードおよび再ロードを実行できます。この操作は、プラグインの競合の解決で説明されている優先度とまったく同じ順序でプラグインのロードする場合にのみ必要となります。Softimage の再起動は、UFO、デバイス、および旧タイプ(非自己インストール)のカスタム コマンドに対してのみ行う必要があります。

別の方法として、ワークグループを何らかのバージョン管理フォームで格納することもできます。ユーザは安定版ブランチと同期してローカルコピーに接続することができ、開発者またはテクニカル ディレクタは開発ブランチで作業します。

ワークグループを作成する

Plugin Manager を使用してワークグループを作成できます。

ワークグループを作成するには

  1. Plugin Manager の[ワークグループ]タブで、[ファイル](File) [作成](Create)を選択します。

  2. [ワークグループの作成]ダイアログ ボックスで、次の操作を行います。

    • [ワークグループ フォルダ名](Workgroup Folder Name)にワークグループ ディレクトリの名前を入力します。

    • [ワークグループの位置](Location of Workgroup)にワークグループのベース パスを入力するか、またはブラウズ(...)ボタンをクリックしてパスを選択します。

    • [ワークグループ フル パス](Full Workgroup Path)は、ワークグループの完全なパス(場所と名前)を示します。

  3. [OK]をクリックします。ワークグループとそのサブフォルダが作成され、ワークグループが自動的に接続されます。

  4. ワークグループのメンバを取得してワークグループのパスに接続します。「ワークグループへの接続」を参照してください。これで、設定されたメンバは、ワークグループのすべてのカスタマイズにアクセスできるようになります。

ワークグループへの接続

ワークグループパスは、[Preferences: Data Management]に保存されています。ただし、Plugin Manager を使用してワークグループへの接続と接続解除を行う方が便利です。

ワークグループに接続するには

  1. Plugin Manager の[ワークグループ]タブで、[接続](Connect)をクリックします。

  2. ワークグループ ディレクトリへのパスを入力するか、またはブラウズ(...)ボタンをクリックしてパスを検索して選択し、[OK]をクリックします。

    次のように、Linux 形式の構文を使用して環境変数を参照できます。

    	$wglocation

    ワークグループがスキャンされ、ワークグループに含まれるほとんどのプラグインが即座に使用できるようになります。

注:
  • ワークグループの利用者が、SPDL ファイルが格納されているワークグループに始めて接続しようとする場合は、マシンにソフトウェアをインストールする権限があることを確認してください(レジストリの HKEY_LOCAL_MACHINE セクションへの書き込みアクセス権)。権限がない場合は、ワークグループの SPDL ファイルをインストールできず、ワークグループにアクセスできません。また、ワークグループに新しい SPDL ファイルがインストールされるたびに(単独の場合もアドオンの一部としての場合も)この権限が必要になります。

  • SPDL がワークグループで機能しない問題が発生した場合は、ユーザ ディレクトリの¥Application¥spdl.xsiindex ファイルを削除してください。このファイルを削除すると、Softimage の再起動時にワークグループの SPDL ファイルがより完全に再インストールされます。

  • 場合によっては、アンチウィルス ソフトウェアが SPDL のレジストレーションに影響していることがあります。

  • ワークグループ パスに保存されている旧タイプ(非自己インストール)のコマンドやイベントは、環境が統一されていないと機能しません(Windows のみの環境または Linux のみの環境で動作します)。

  • ワークグループにファクトリ パスを使用することはできません。

コマンドラインでワークグループに接続するには

Softimage を起動して、起動時にワークグループを指定のパスに設定することもできます。たとえば、次のように記述します。

xsi -w $wglocation

.wkg ファイルを使用してワークグループに接続するには

ワークグループを管理するもう 1 つの方法は、接続するワークグループ パスを .wkg 拡張子の付いた 1 つまたは複数のファイルに保存し、それらのファイルを Softimage インストール(ファクトリ)フォルダまたはユーザ フォルダの Data フォルダに置くことです。Softimage では、このフォルダが起動時に自動的にスキャンされ、.wkg ファイルが見つかると、各エントリのワークグループ パスに接続します。

.wkg ファイルは、複数のディレクトリ パスを保存できるシンプルなテキスト ファイルです。各パスはそれぞれ異なる行に追加する必要があり、また各行は改行文字で終わる必要があります。

注:workgroup_path.data という単一のファイルを使用する古い方法も引き続きサポートされています。

ワークグループの順序を変更するには

  1. Plugin Manager の[ワークグループ]タブで、リスト内のワークグループをクリックして選択します。

  2. ワークグループが目的の位置に配置されるまで、[上げる](Move Up)または[下げる](Move Down)ボタンをクリックします。リストの最初のワークグループが、新しいエレメントのデフォルト パスになります。これは、.xsiaddon ファイルのインストールおよびアンインストールが行える唯一のワークグループでもあります。

ワークグループから接続を解除するには

  1. Plugin Manager の[ワークグループ]タブで、リスト内のワークグループをクリックして選択します。

  2. [選択](Selection) [接続解除](Disconnect)を選択します。

    ワークグループ内の任意のプラグインがアンロードされ、使用できなくなります。

一時的にワークグループを無効にするには

  • Plugin Manager の[ワークグループ]タブで、ワークグループのパスの横にあるチェックマークをクリックしてオフにします。これは、[Preferences: Data Management]でワークグループのパスの先頭に感嘆符(!)を配置する操作に相当します。

    ワークグループ内の任意のプラグインがアンロードされ、使用できなくなります。ただし、クリックしてチェックマークを付けると、簡単にワークグループを再度有効にすることができます。

SDK のサンプル ワークグループ

SDK のサンプル ワークグループには、使用、調査、または独自の目的への適合が可能な多くのサンプル カスタマイズが格納されています。Softimage SDK Examples(Softimage SDK サンプル)『SDKガイド』を参照してください。