クリップ間でトランジションを作成する

 
 
 

トランジションとは、あるクリップから次のクリップまでの補間です。トランジションは、次のクリップの開始時の不自然な動きを補正して、アニメーションの流れをスムーズにします。

ポーズを使用したアクション クリップでポーズトゥポーズのアニメーションを作成する場合は、アニメーションがスムーズに表示されるよう、トランジションを使用する必要があります。同様に、トランジションはシェイプ アニメーションの実行にも必ず必要です。なぜならば、シェイプおよびポーズのアクション クリップはアニメーションそのものを持たないためです。両者は、特定のデフォーメーション(シェイプ)またはオブジェクトのポーズを表すキーに過ぎません。

Club Bot は、腕の振りとターン アクション クリップの間の中間トランジションにあります。

オーバーラップしていない2つのクリップの間には、カーディナル トランジション(A)があります。

時系列でオーバーラップしているクリップの場合、オーバーラップしているフレームの間に、スタンダード トランジション(B)があります。

トランジション ウェイトカーブは、トランジションの補間をコントロールします。トランジションを作成した後で、これらのカーブを編集してトランジションのウェイトを制御することができます(「 トランジションの F カーブをアニメートおよび変更する」を参照)。

クリップとクリップの間で使用できるトランジションには、スタンダード、カーディナル、ブリッジの 3 種類があります。クリップは、色付きバーで結合された状態で Animation Mixer に表示されます(無効なトランジションは黒で示される)。

スタンダード トランジションまたはカーディナル トランジションを追加する

スタンダード トランジションとカーディナル トランジションは、基本のアニメーションに適しています。どちらも、編集可能な 1 つのトランジション F カーブを作成します(「 トランジションの F カーブをアニメートおよび変更する」を参照)。

  • スタンダード トランジションは、あるクリップから次のクリップへの直接トランジションを作成します。

  • カーディナル トランジションは、最大で 4 クリップのソース間を補間します(トランジション前の 2 つのクリップとトランジション後の 2 つのクリップ)。これにより、スタンダード トランジションよりもスムーズにブレンドできます。

クリップが時間的にオーバーラップしない場合、補間は、最初のクリップの最後の値と次のクリップの最初の値の間でウェイト付けされたブレンドになります。クリップがオーバーラップする場合、補間は、各フレームでのクリップ値の間でウェイト付けされたブレンドになります。

   

(左上)同じトラック上の 2 つの連続したクリップの間のスタンダード トランジション。

(右)異なるトラック上の 2 つのオーバーラップしているクリップ間のスタンダード トランジション。

クリップ間のトランジションを作成するには

  1. 次のいずれかの操作を実行します。

    • Animation Mixer のコマンド バーから[ミックス](Mix) [スタンダードトランジションツール](Standard Transition Tool)を選択するか、または[T]キーを押します。

      または

    • [ミックス](Mix) [カーディナル トランジション ツール](Cardinal Transition Tool)を選択するか、または[C]キーを押します。

  2. 最初のクリップを選択し、次にもう 1 つのクリップを選択します。トランジションが作成され、クリップをつなぐ紫(スタンダード)または赤(カーディナル)のバーとして表示されます。

    注:クリップ上にトランジションバーが表示されない場合は、Animation Mixer のコマンドバーから[ビュー](View) [トランジションカーブ](Transition Curves)を選択してください。
  3. [トランジション]ツールはアクティブのままなので、続けて別のクリップを選択し、トランジションを作成できます。

  4. 作業を終えたら、右クリックして[トランジション]ツールを非アクティブにします。

トランジションを自動的に追加する

トラックにクリップを追加するときにトランジションを自動的に作成するように設定し、シーケンス内の連続するクリップを簡単にセットアップできます。また、Animation Mixer ではオートトランジションのオン/オフを切り替えられます。トラック全体のオートトランジションを有効にしながら、特定のトラックのオートトランジションを無効にすることもできます。

トラックに対してこの両方の設定をオンにすると、トラックにクリップを追加する際に隣接するすべてのクリップ間のトランジションが作成されます。オートトランジションを有効にしていないトラックにクリップを追加しても、トランジションは作成されません。

  1. 対象の各トラックでオートトランジションが有効になっていることを確認します(デフォルトはオン)。トラックを右クリックして[トラックプロパティ](Track Properties)を選択し、[Track]プロパティ エディタの[オートトランジション](Auto-Transition)を選択します。または、トラックを選択して[トラック](Track) [トラックプロパティ](Track Properties)を選択し、[Track]プロパティ エディタの[オートトランジション]を選択します。

  2. [ミックス](Mix) [オート トランジション](Auto Transition)を選択します。デフォルトではスタンダード トランジションが選択されていますが、次のように変更できます。

デフォルト トランジションのタイプを変更するには

  1. [トランジション]を選択して[Enter]キーを押すか、[トランジション]を右クリックして[プロパティ](Properties)を選択して、[Transition]プロパティ エディタを開きます。

  2. スタンダード、カーディナル、ブリッジの中から[トランジシジョンタイプ](Transition Type): を選択します。

    注:[オート トランジション](Auto Transition)オプションは、[Animate]ツールバーの[デフォーム](Deform) [シェイプ](Shape)メニューで設定するシェイプキー モードに関係なく設定できます。詳細については、「シェイプクリップのシェイプインスタンスモードの選択」(「シェイプ アニメーション」)を参照してください。

トランジションをミュートする

トランジションをミュートすると、オブジェクトのアニメーションのエフェクトを一時的に無効にできます。トランジションのミュートは、操作しているアニメーションの別のファクタをテストするときに役立ちます。

  1. [トランジション]を選択して[Enter]キーを押すか、[トランジション]を右クリックして[プロパティ](Properties)を選択して、[Transition]プロパティ エディタを開きます。

  2. [アクティブ](Active)オプションを選択解除します。

    トランジションがミュートされている場合は、トランジションのバーが灰色に表示され、Animation Mixer はアニメーションの再生時にエフェクトを計算しません。

Animation Mixer の全トランジションをミュートするには

  • Softimage ウィンドウの左下にあるコマンドボックスに、次を入力します。

    SetValue "Mixer.Transition*.active", False

トランジションの F カーブをアニメートおよび変更する

トランジションを調整するプロファイル F カーブは、キーの設定および Animation Editor 使用した編集によって変更できます。F カーブ上の数値は、2 番目のクリップのウェイトを表すことに注意してください。

  • 0 は 1 番目のクリップの終了フレームを表します。2 番目のクリップの影響は受けません。

  • 1 は 2 番目のクリップの開始フレームを表します。1 番目のクリップの影響は受けません。

  • [0, 1]の範囲外の数値は指定できません。範囲外の値を指定した場合は、以下のように扱われます。

    • 0 より小さい値は 0 として処理されます。

    • 1 より大きい値は 1 として処理されます。

本来のトランジション ウェイトは、クリップ間をミックスするため、0 から 1 までの範囲を指定するのが適しています。つまり、クリップ A を 110% にし、クリップ B を -10% にするようなトランジションは適していません。

トランジションのタイプ(スタンダードまたはカーディナル)は、ウェイト F カーブで作成された補間のタイプとは関係ありません。スタンダードおよびカーディナルは、トランジションそのものを計算する方法を参照します。スタンダード トランジションはスプライン補間によって F カーブを作成し、カーディナル トランジションの F カーブはリニア補間を保持します。他の F カーブの場合と同様に、補間を変更できます(「F カーブの編集」(「アニメーション」)を参照)。

トランジション ウェイトのキーを設定する

2 つのクリップ間でトランジション ウェイトのキーを設定するには

  1. [トランジション]を選択して[Enter]キーを押すか、[トランジション]を右クリックして[プロパティ](Properties)を選択して、[Transition]プロパティ エディタを開きます。

  2. [トランジション ウェイト](Transition Weight)値を設定し、そのアニメーション アイコンをクリックしてキーを設定します。

    注:アニメーション アイコンのカラーには、現在のフレームにキーが設定されているかどうかが正しく反映されているとは限りません。キー設定が、シーンのグローバル時間ではなく、トランジションのローカル時間で行われるためです。

トランジション ウェイト カーブを編集する

  1. トランジションを表す色付きのバーを右クリックして、[Animation Editor]を選択します。

  2. エディタで[weight]カーブを選択します。

    これで、トランジション ウェイト カーブを他の F カーブと同様に編集することができます(「F カーブの編集」(「アニメーション」)を参照)。

    Animation Mixer および Animation Editor のタイム カーソルが同じフレームに対応していることがわかります。

    時間は相対的であることに注意してください。トランジションでは特定のフレームの数が表示されますが、この時間はトランジションの時間長に合わせて伸縮されます。

トランジションを削除する

次のいずれかの操作を実行します。

  • 色付きのトランジション バーを選択して[Delete]キーを押します。

  • 色付きのトランジション バーを右クリックして、[削除](Delete)を選択します。

[トランジション ツールのクリア]で複数のトランジションを削除するには

  1. Animation Mixer で[ミックス](Mix) [トランジション ツールのクリア](Clear Transition Tool)を選択します。

  2. 削除するトランジションの両側のクリップを選択します。トランジションが削除されます。[トランジション ツールのクリア]がアクティブなので、引き続きトランジションを削除するクリップを選択できます。

  3. 作業を終えたら、右クリックして[トランジションツールのクリア]を非アクティブにします。